ドラマの1話目、冒頭は大輝が担当した。真面目で穏やかな40歳の会社員が、大学時代から付き合ってきた妻に離婚を切り出されるところから始まる。結婚して10年。出世に絡む派手な仕事は他人に譲り、地味な作業をコツコツと引き受け、困った人を放っておけない、心底お人よしな男性。自分に何か悪い所があったのかと問うが、妻は理由を言わず、ただ申し訳ないとだけ。
ショックのあまり強く追及することもできないまま、迫る出勤時間。その日は会社で大事な会議があり遅刻することはできない。男性は帰ってきてから話そうと家を出る。
しかし仕事を終え、急いで帰宅した時にはすでに妻は姿を消していた。男性は呆然となりながらも、必死に妻の姿と、離婚理由を探し始める。
そして妻を探しているうちに迷い込んだ夜の街で、ひょんなことから、パパ活をしている18歳の女の子と出会う。逃げられた妻を探すのに協力する、でもその代わりに私のお願いも聞いて欲しい…と交換条件を出されるが、実はこの女の子が、主人公の男性に声をかけたのには、あるわけがあった。この出会いにより男性は、これまで知る由もなかった東京のきらびやかさと闇に足を踏み入れることになる、という余韻で、第1話目は終わる。
全体の構成、各キャラクター設定などの大枠は、2人の脚本家だけではなく、崇やプロデューサーの宮本も含め、チームで意見を出し合い決めたものだ。
男性目線のパートは大輝、女性目線はキョウコが書く。それは取り決めでもあったけれど、その事を知らなくても、崇にはどこをどちらが書いたものか、すぐに分かっただろう。その理由は。
「正直、な感想を言ってもいいですか?」
1話と2話を読み終えた崇に、大輝が勿論です、と姿勢を正した。
「友坂くんの物語は、非常に表面的だ。読んでいても驚きがないというか、どんな映像にしようかというワクワク感が生まれない。確かに文章はうまいし、小技のテクニックは面白いところもあるよ。でも、登場人物の動きが段取りくさいし、何より一番大切な…キャラクターに息を吹き込めていない。
キョウコが書いた部分との落差がありすぎて、2人の物語が一体化しているとは思えない。宮本くん、君はオレに、2人の相性がいいと言った。けれどこのレベルで満足するようじゃ、君のプロデューサーとしての能力も、オレは甘いと言わざるを得ないけど」







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