A1:外見はとても良かった。
愛菜とはマッチングアプリを通じて出会ったが、彼女の写真を最初に見た時、ソファに寝転がっていた体勢から、思わずガバッと起き上がってしまった。
「え、めっちゃ綺麗じゃん」
思わず呟いた。
しかも写真を見る限り、相当スタイルも良い。「いいね」を押さない理由がなく、僕はすぐに行動に移した。
すると比較的早く向こうからも「いいね」が来て、マッチした僕たち。だらだらとメッセージを続けるのが苦手な僕は、早速会う提案をしてみる。
― 聡:お忙しいと思いますが、今週末とかはいかがでしょうか?
すると翌日くらいに返事が来て、実際に会うことになった。店は色々と考えたけれど、ディナーよりランチくらいがいい。
マッチ後初めて実際に会うとき、話が合わない相手とのディナーは相当リスクが高いから、ランチがいい。また、男側が支払いをするとしても、最初から高すぎる店は微妙だし、初めて行く店で外れだったときは、気に入った子が来た場合は激しく後悔をすることになる。
だから、僕が見出した正解は“素敵な店で、ランチをする”ことだった。
ランチ営業もしていて立地も良く、スペシャル感があって女性が喜ぶ。もちろん、味も一級で内装も美しい…となったとき、真っ先に浮かぶのが恵比寿にある名店『Lawry's The Prime Rib 恵比寿ガーデンプレイス店』だった。
約束当日。店に来た愛菜はスタイルが際立つようなタイトなワンピースを着ており、思わず「おっ」と唸ってしまった。
「愛菜さんの写真を見た時、綺麗すぎてびっくりして」
「本当ですか?」
マッチングアプリでマッチするためには、大前提で「この人良さそうだな」と思わせることだと思う。
そして男性陣は、やっぱりプロフィールで写真を見ている。肩書や詳細な自己紹介文も大事だけれど、まずは写真にこだわり抜いたほうがマッチ率は上がるはず…。
その点、愛菜は自分のことをよくわかっているな、と思った。
自分のスタイルが良く見える写真と、非常に写りの良い顔写真。あれはたしかに、かなりモテるだろう。
「あまり外見のことばかり言うのも嫌かもしれませんが、今日だって店に入ってきた時、『綺麗な人だなぁ』って改めて思いましたし」
そう素直に伝えると、愛菜は謙遜することもなく体をクネらせた。
「え〜嬉しい♡」
店に集合して、10分くらい経っていただろうか。
正直に言うと、愛菜を素敵だなと思っていたのは、ここまでだったのかもしれない。
「聡さんは、外資系って書いていましたがどんなお仕事なんですか?」
「僕は投資銀行で…」
自然な流れで、お互いの自己紹介などの話になっていく。でもここから話せば話すほど、愛菜の魅力は減っていってしまうことになる…。
この記事へのコメント
現実の世界で、アラフォーでも独身の女性たくさんいるけれど、それなりに稼いでおひとりでも人生を楽しんで丁寧な生活をしている人(家事含む) が多いように思う。東カレは特に、30になったら婚期を逃がしてる?とか、3...続きを見る5歳以上はもう逆立ちしても絶対結婚できない等、未婚女性がまるで「違法」のように小説で書くから、読んで気分を害す人もいるんじゃない?
そこでキモいーーーーと思わなかったんだ?🤮