2024.04.04
人生で一番大きな買い物といえば、多くの人は不動産購入を思い浮かべるのではないだろうか。
そして、共通して思うのは“絶対に失敗したくない”ということ。
本企画では、実際に不動産購入を体験した方からお話を伺い、失敗しないためのノウハウを導き出す。
第1回は、終の住処と考え、品川区のタワマンを購入した女性。
毎週のように内見に行き、1年間で見た物件数はなんと50軒以上!
そこまで吟味して決めた物件でも後悔していることがあるという。果たして、それは一体!?
取材・文/風間文子
マイホームを買おうと決めた、ある夫婦の事情
「かれこれ1年近く探して、50軒以上の物件を内見して回りました」
そう自身の「家探し」を振り返るのは井上琴美さん(仮名・37歳)だ。
大手出版社に勤務する彼女が一般消費財メーカーに勤務する宗男さん(仮名・40歳)と結婚したのは2020年のこと。
新婚当初は世田谷区の駒沢大学駅から程近い賃貸のタワーマンションに住んでいたというが、あいにくと定期借家だったため、ゆくゆくは新居を探す必要があった。
「そこで、不動産会社で賃貸と購入にかかる費用の比較シミュレーションをしてもらうと、購入した方がいいという結果になって。それならいっそマイホームを買おうか、という話になったんです」(琴美さん)
2人が最初に取り組んだのは購入予算の検討だった。予算は夫婦でペアローンを組むことを想定し、互いの年収から算出した毎月のローン返済額から逆算して決めた。その金額は8,000万円だ。
また、各々で希望を出し合い、mustの条件とbetterの条件を差別化していった。とはいえ2人に特別なこだわりがあったわけではない。
「mustの条件としては1LDKか2LDKであること。夫婦で話し合い、子供は持たないと決めていたので、部屋数が多くないとダメといった要望はありませんでした。
ある程度のことはリフォームで何とかしようという考えがあったので、間取りについてもそこまでのこだわりはありませんでした」(同)
築年数は10年以内で探したが、これは不動産会社の勧めによって加えた条件に過ぎない。購入する新居は夫婦にとって終の住処と捉え、自分たちが生きている間だけ不便がなければ良いと考えていたという。
唯一の夫婦のこだわりといえば、物件が「タワマン」であることだった。
「というのも、それまで住んでいた賃貸のタワーマンションが2人の生活スタイルにすごく合っていたんです。
駅までのアクセスの良さはもちろん、クリーニングの受け渡しをコンシェルジュの人が代理でやってくれるとか、ディスポーザーがあるとか、ゴミを各フロアで捨てられるとか。
タワマンは共用施設も充実しています。当時は在宅ワークが中心でしたが、私は部屋で仕事をして、彼は共用施設を利用するということもできた。
こうした経験から、次も住むならタワマンという希望が、自然と2人のなかにあった」(同)
こうして琴美さんたちは「家探し」を始めるわけだが、その先に思わぬ後悔があることなど想像もしていなかった。
実際に家を探し始めた二人が見つけたのは…気になる本編はこちらから>>
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