2012.05.21
オフィス街 ランチの名店グランプリ Vol.1銀座
銀座通の男が愛用する
質の高い昼膳
老舗と新星が常に競い合い、一流店だけが生き残ってゆくのは世の常。こと、ここ銀座は栄枯盛衰が激しい地域。そんなレベルの高い店の昼食をお得に楽しめるのは、銀座を知る者だけに許された特権のひとつ。最高の和食、寿司、肉料理を味わいたいなら銀座に足を運べば間違いない。
最近では名店で腕を磨いた若手料理人が、自慢の腕を惜しみなく披露した昼膳を、利益度外視で用意する。そんな気概溢れる精鋭たちの店を使いこなしてこそ、懐深い本当の銀座の魅力が判ってくるのだ。
ランチを多数用意するのは実力を知っていただくため。何しろ自慢のメニューが多いもので」と店主の水野正樹氏は語る。36歳と若手だが、銀座の老舗で研鑽を積み、都内の料亭では7年間も料理長を務めた実力派だ。
彼の店には平日限定のランチが6種、他に会席のコースが3種もある。米沢牛のヒレ肉炭火焼ステーキや銀鱈の西京焼き定食など数ある名物の中でも、イチオシは平日限定ミニ会席。前菜からデザートまで5品が登場するこの昼膳は、夜の会席同様1品1品が順に供される、まさに夜会席の凝縮版だ。
水野の料理は組み合わせの妙が最大の特徴。例えば前菜には、ホタルイカとフルーツトマト&菜の花など春の味覚を土佐酢でさっぱりと。天ぷらには里芋とフキノトウなど土の香りを満喫させる趣向だ。築地はもとより、佐世保や富山、静岡の生産方法にこだわった農家から産直される食材と正面から向き合った料理は、今後の日本料理に新風を吹き込んでくれるに違いない。
無駄な装飾を排除した地下2階の店内は、本物の風格を漂わせる潔いまでの清潔感。昨年11月末にこの店をオープンしたご主人、尾嶋琢広氏は『なだ万』などの名店でキャリアを重ねた新鋭。「昼も夜と同じ品質の魚を」とこの店では、採算度外視で仕入れの魚を使用。ばら寿司をはじめ1200円からの破格値で楽しめる。
「季節を満喫できる寿司店」を自負し、夜は料理を織り交ぜたコースが人気の店だけに、昼もネタには旬モノが登場。ネタを最大限に活かすため、絶妙な塩梅で〆たシャリからも、ご主人の誠実な仕事が伝わってくる。
※こちらの店舗は現在閉店しております。
霜降りが多く、筋肉繊維が細いので柔らかくて甘みの強い飛騨牛。その美味しさを気軽に楽しめるようにと今年1月に誕生した飛騨牛すきやき&しゃぶしゃぶの店。ここではA5、A4 クラスの最高級飛騨牛を高層階からの景色と共に満喫できる。
人気ランチのステーキ定食は赤身の旨みを満喫できるようにと厚切りのレアで供する。それを加熱した陶板で、好みの焼き加減に調節できるという配慮の行き届いた嬉しいスタイルだ。しかもこのランチは夕方4時までOK。遅い昼に、接待にと働く男の手札として知っておきたい1軒だ。
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