男と女の答えあわせ【A】 Vol.78

交際前に体を許すのはNGだったけど…。アラサー婚活女が、鉄壁ルールを“あえて”破ったワケ

A1:出会いがないなか、信頼できる人からの紹介は貴重だったから。


蓮との出会いは、美波さんという女の先輩の紹介だった。

美波さんはすでに結婚して幸せな暮らしを送っている、嫉妬ややっかみとは無縁のサバサバとした、とても綺麗な女性だった。

そんな美波さんに「いい人がいたら紹介してください」と懇願していたところ、蓮を引き合わせてくれたのだ。

「唯香ちゃん、私が知っているなかで1番イイ男だよ。優しいしかっこいいし」
「本当ですか?ありがとうございます!」

こうして美波さんがセッティングしてくれた場で私は蓮と出会ったのだが、私は美波さんの見る目に感動してしまった。

— 何このカッコイイ人。本当に独身なの?

たぶん、共通の知人がいなければそう疑っていただろう。でも美波さんの知り合いだし、独身というのは嘘ではない。

「こちら、唯香ちゃん。私の後輩。で、こっちが蓮くん。こんなイケメンで高身長なのに彼女がいなくて。ちなみに結婚願望アリです!」

美波さんのテキパキとした紹介に、蓮が思わずツッコミを入れている。

「美波は、なんなの?紹介所なの?(笑)」
「違うよ!(笑)いや〜私はもう結婚しちゃったけど、最近みんな“出会いがない”ってよく言っていて。しかも二人ともこんなにも美男美女なのに、シングルなわけでしょ?せっかくだから、何かプラスになればいいなぁと思って」

2人のやり取りを聞きながら、私は心の底から感謝した。なぜなら最近、本当に出会いがなかったからだ。

久しぶりの、リアルな紹介だった。

「じゃあ、2人の連絡先LINEで繋げておくね。あとは自由にどうぞ♡」

紹介だけすると、サッサと帰ってしまった美波さん。彼女のそんなところが好きなのだが、残された私たちは思わず顔を見合わせて笑ってしまった。


「唯香さんは、どこに住んでいるんですか?」
「私は広尾です。蓮さんは?」
「僕は三宿です!広尾って、家賃高くないですか?ひとり暮らし?」
「うーん、どうですかね。あまり気にしたことないけれど…」

話し方も優しい。ここ1年、アプリで何人かと出会ったが最後のほうはメッセージが面倒になってきてしまい、そしてこの時期に大人数での食事会に参加するような人はそれはそれで嫌だった。

そうしているうちにどんどん出会いは減っていった。だからこの出会いは神様がくれたプレゼントくらいに思える。

「こんな綺麗な人が、僕でいいんですかね?」
「そんなそんな。蓮さんのほうこそ、何でシングルなんですか?」
「僕は前の彼女と別れてから、コロナになったし出会いもなくて」
「わかります!私もです。あと私の場合、交際するまでが長いというか、ガードが堅いってよく言われます」

これは本当だった。

別にぶりっ子をするわけではないけれど、この歳でワンナイトなんてしてもメリットは何もない。

若い時はいいかもしれないけれど、20代後半にもなって本命になれずにセカンドで終わるのは辛すぎる。

「そっちのほうがいいじゃないですか!僕は賛成です」
「そうですか?面倒くさいなぁと自分でも思いますけど…。交際前に、そういう関係になるのが嫌なんですよね」
「そうですよね。僕も大人になってからはそう思うなぁ」

— あぁ。いい人だな。

素直にそう思った。そして解散後、すぐに蓮から連絡をもらい、私たちは食事へ行くことになった。

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