「1年間、港区女子を観察してました」。15億円のバイオリンを弾きこなす木嶋真優の、意外な過去

港区女子の世界を見たことが、今の活動に生きている


「海外に住んでいる時に、東カレの港区女子の小説を読んで、凄く新鮮でハマっていました。わりと黒いところも書くじゃないですか(笑)。

なぜ会食に女性がいるのか、とか、海外はそういう文化がないから不思議で仕方なかった。

4年前、日本に帰ってきた時にその話を知り合いにしたら、〝港区会〞なるものに呼ばれたんですよ!それから1年ほど港区女子を観察しました。

本当に東カレのままの世界で、予約困難店ばかりでお食事会をするんです」

自身が港区おじさんのような気風のよさがあった木嶋さんは、すぐに女子の間で人気者となり、そして彼女たちの生態を把握した1年後に卒業。得るものは大きかったと言う。

「視野は凄く広がったし、出会う人も多くなりました。

当時はメディアのお仕事をまったくせず、クラシックだけをやっていたんですけど、港区会で、〝これだけ喋るのが好きだったらクラシックに凝り固まらず、もっと色んなことに挑戦してみたら?〞と助言され、いまに繋がるわけです」

そうして、持ち前の話術を活かしてバラエティ番組に出演し始めた。

「〝この人のバイオリンってどんなふうだろう、ちょっと聴いてみたい〞というきっかけになれば一番嬉しい。それに、クラシックの知識がない人に聴いてもらいたかったら、自分もその人たちの世界を知るべき。

私は今までずっと音楽の勉強ばかりで、ちょっと浮世離れしていた所もあった。でも、メディアに出るのを機に、時事ネタとか色んなことを勉強するようになりました。

そういう意味では、2020年はコンサートができない日々もあったけど、とても充実していたと言えます」

木嶋さんは14歳からドイツに渡り、帰国前の4〜5年はパリなどの欧州で、プロとして活動してきた。

「もともと食べるのは大好きだった」と語る木嶋さんは、若くして精神的にも経済的にも余裕を持つと、食に開眼。

当時から一流店を含む、様々な店を食べ歩きした。もちろん、日本の美食も知る。

「東京だと『茶禅華』が大好きで、2カ月に1回は行っているのに毎回感動する。あとは、『été』も定期的に通う店。店主のなっちゃん(庄司夏子さん)と仲がよくて、彼女とは一緒にコラボイベントもやってますよ。

私は彼女のタルト以上に美味しいフルーツタルトを食べたことがない。中目黒の『裏虎』や上野の『ふぐ 牧野』も好きで、夜中にひとりで行くのは『香妃園』(笑)」


一流のものに出合った時は、心に直接響いてくる


木嶋さんが食を愛する理由は、知らなかった料理との出合いに感銘を受けるからだ。

「感動するお食事に出合った時、それはもう芸術。シェフもアーティストなんですよ。

いいレストランに行ったことに酔うんじゃなくて、芸術に出合う感動。コンサート会場でいい音楽に心が揺れるのと一緒なんです。食も音楽も演劇もお笑いも、一流の世界はジャンルレス。

自分が知識のない世界でも一流のものに出合った時は、心に直接パーっと響くものがある。それは本当に感覚的なもの。

だから私も、どんな人が聞いても、なにか凄いと涙するような音楽を突き詰めるエネルギーをもっていたい。そこにずっと向き合う人でありたい」

もし彼女の話を聞いてコンサートに行ってみたいと思ったら、それは芸術への欲求。

2021年は、新たな感動の世界へ、足を踏み出してみてはいかがだろうか。

笑顔が弾ける!撮影中のオフショット動画はこちら!

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▶前半はこちら:今、東京で1番「お洒落して行きたくなる」と話題の艶っぽい焼肉店に現れた、美女の正体とは

■プロフィール
木嶋 真優 1986年生まれ、兵庫県出身。2000年に第8回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール・ジュニア部門にて日本人として最高位を受賞。2016年に第1回上海アイザック・スターン国際バイオリン・コンクールで優勝。12月16日に最新アルバム『seasons』を発売(キングレコード)。

■衣装
ドレス 24,000円〈ラグナムーン/ラグナムーン ルミネ新宿店 TEL:03-3344-3223〉その他すべてスタイリスト私物

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