「劣等感でつらい…」キラキラ女子が集まる、渋谷の企業に就職した女の本音

難関大受験に失敗して、女子大へ出戻り


礼香は、都内にある中学から大学までエスカレーター式の女子校に通っていた。生徒の半分以上がそのまま付属の大学に進学する中、礼香は高3になると、本格的に受験勉強を開始した。

「高2の時、今の社長がインタビューに答えている記事を読んだことや、大好きな女優さんがキャリアウーマンの役をやっているドラマを見たのもあって。将来は、憧れの社長がいるような企業でカッコよく働く女性になりたいって思うようになったんです」

そのためには、まずは良い大学に行かなくちゃ!と単純に思い立ち、礼香は、猛烈に勉強した。しかし、1年浪人までして難関大学を目指すも、敢え無く全敗。結局、滑り止めとして受けていたもともと在籍していた女子校の付属大学へ進学することになってしまったのだ。

「私、かなり努力はしたつもりだったんです。周りの友人が遊び惚けている中、必死になって勉強したのに…。大学では、中高時代の友人から1年遅れる形で入学したため私は後輩で、彼女たちはすっかり先輩風を吹かせながらキャンパスを闊歩していて、なんともいえない敗北感がありました…」

遊んでいた友人たちの後輩になってしまったという事実は、礼香のプライドを相当に傷つけた。

「絶対、就活で逆転してやる。絶対“キラキラ系企業で働く綺麗なお姉さん”を諦めない、ってその時誓ったんです」

当時の熱意が蘇ったのか、力強い眼差しで礼香はそう語った。

それから、礼香は就活のために有効そうなものは思いつく限りこなしていった。

礼香の女子大の就職先は、大手企業の一般職が多く、正社員として採用されず派遣やバイトをする人もいる。礼香の思い描く未来とは程遠い就職状況であるからこそ、その気合と努力は並大抵なものではなかったのだ。

「成績はオールAだったし、イギリスにも1年語学留学しました。名の知れた企業のインターンは片っ端から応募したし、TOEIC800点以上を獲得したり、簿記3級などの資格も取得したりしました。就活の時期になれば、OG訪問や企業説明会は寝る間も惜しんで足を運びましたね」

もはや執念と化しているようにも見えるが、そんな強烈なまでの努力と熱意が高く評価され、礼香は高校の頃から憧れていた企業から内定をもらうに至ったのだ。

「内定の電話を受けた時は、天にも昇る気分でしたね。現役、浪人と二度の受験での挫折を経て、4年越しにようやく目標のスタート地点に立てたわけですから!人事からは、“人一倍頑張るように”って言われて、元気よく“はい!”って返事したこと、今でも鮮明に覚えています」

そして現在、目黒で一人暮らしをしながら、憧れのキャリアウーマンとなった礼香は、後輩というポジションから一転、中高時代の友人から羨望の眼差しを向けられるまでになったそうだ。

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