「成金はちょっと…」良家の子息を狙って、玉の輿に乗った美女の結婚3年目の後悔

IT社長より、良家のご子息を選んだ理由


美咲の夫・和宏は、大手総合商社に勤める会社員だ。

美咲は独身時代に日系航空会社でCAをしており、いわゆるお食事会で和宏と知り合った。

「和宏は中心になって場を盛り上げるタイプではなく、周りで穏やかに笑っているタイプ。すごく気を使ってくれるしいい感じの人だな…とは思いましたが、デートに誘われても、最初は乗り気じゃなかったんです。というのも私、実はその時、別に付き合っている人がいたので…」

夫と出会った当時、24歳だった美咲は10歳年上の会社経営者と付き合っていたという。

「彼は、ITビジネスで財を成した男で羽振りが良く、都内有数の高級マンションに住み、高級外車に乗っていました。玉の輿間違いなし。実際、“結婚してほしい”とも言われていた。

当時の同期たちからも、絶対に結婚するべき!なんて言われていたのですが、踏み切れなかった理由があって。一つは、彼のガツガツとした野心的な性格がちょっと合わないと感じていたこと。もう一つは…失礼を承知で言いますが、どうやら彼、家庭環境が複雑らしくて。田舎で一人暮らしをしている母に仕送りをしているという話を聞いて、ちょっと、結婚相手としては適切じゃないな、と思ってしまったんですよね」

そんな時に食事会で和宏と出会い、美咲はテンションこそ低かったものの、デートの誘いに応じたのだという。

「経営者の彼とは違い、話し方や仕草、振る舞い…すべてに余裕があって落ち着きました。お互いの家族の話になったときに、その理由がわかったんです。両親とはもちろん、二つ年上のお姉さんも含め、家族がすごく仲良しなんですよね。さらに、和宏の実家は代々製薬会社を経営しており、ゆくゆくは和宏が社長を引き継ぐ予定だと話してくれました」

初デートを終えたあと、美咲の中で和宏の株が急上昇。

和宏のほうからも熱烈にアプローチがあり、美咲はその後すぐ、経営者の彼に別れを告げた。

「CAの同期たちには勿体無い!と言われましたが、私自身は正しい決断をしたはずです。実際、和宏との付き合いは順調で、広尾の一軒家で暮らす両親にもすぐに紹介してくれました。品のあるとっても素敵なご両親で…最初に言いましたが、結婚は“家”が大事でしょう。間違いなく、最高の結婚相手だって確信しました」

そうして、トントン拍子に結婚が決まった二人。

帝国ホテルで盛大な披露宴を執り行い、和宏、そして義両親の意向もあって、美咲は結婚を機に仕事をやめた。

「そうですね…当時は幸せの絶頂で、ちょっとした違和感を感じながらも気づかぬふりをしていたのかもしれません。もともと長く続ける仕事ではないと思っていたので、CAをやめたことは後悔してないんです。

ただ、結婚式の会場を決める際、私の意見を1ミリも聞いてもらえなかったのは正直、不本意でした。実家に力がありすぎるのも、良し悪しですね…」

一度吐き出したら、止まらなくなったのだろうか。

これまで上品な語りだった彼女の口調から一変。結婚生活3年間で溜め込んだ膿を放出するかのように、美咲は不満をあれこれ話し始めた。

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