「悠々自適生活のはずだったのに…」12歳年上の開業医と結婚した女の誤算とは

「事業規模とここにある車達を見れば、すごく自由で恵まれた生活をしていると誰もが思うでしょうね。でも私達はただそういうモノを持っているだけで、それらを使う時間も、楽しむ時間も持っていないのです」

仕事を心の奥底から楽しみ、生きがいとしている男の歩みを止める事は、誰もできないであろう。

聡美が事業パートナーとして妻として「心配をしている」と伝えた所で何も変わらないというも、致し方がないことだ。

「私達の職業というのは定年もない分、将来が描きやすいようで描きにくいという面もあります。それに、仕事以外でプライベートの話をする時間もなくって」

そんな聡美は、最近殆ど一緒に遊ぶことも減ってしまったスーパーカー仲間に、久々に連絡をしてみるつもりだという。

「過去に皆と出会ったことで事業が変化したように、今度は仕事以外の面でも何か刺激があるかもしれないと思ったんです。出会った頃の主人は“車は乗る為にある”と言っていました。すっかり忘れているみたいなので、仲間達に会ってまたその言葉を思い出してもらえたらいいなと思います」

派手色のスーパーカー達が並ぶ賑やかなガレージとは対照的に暗い表情だった聡美に、優しい笑顔が戻っていた。

メガスーパーカーを手に入れた男の妻は、意外な事にその車を楽しみ遊ぶ時間すら持てない生活を送っていた。東京の地下には、このように動くことないスーパーカーもたくさんあるのだ。


▶Next:10月1日 火曜更新予定
富裕層から転落した夫婦。その先で見つけた、二人の幸せとは?

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