元読モが語る「インスタの闇」。SNSマウンティングから抜け出すのに使った300万とは

「寄生って言うんですけど、フォロワーを増やすために、みんなフォロワーが多い人と繋がりたがるんです。いったんフォロワーが多い人のストーリーでタグ付けされたりすると、急にフォロワーが増えますからね。

お互いがお互いに寄生してフォロワーを増やしていくんです。そのため、フォロワーが1K以下の人とはつながらない、などルールを作っている人もいます」

フォロワー数にも敏感で、「フォロワーを買っている」と噂を流されたり、「不正アカウントです!」と警告し合ったり、酷いコメントを残されたりもするとのこと。

「私も、当時1.5K程のフォロワーがいましたから、よく誹謗中傷のコメントを書きこまれましたね。消しても消しても、他のアカウントでコメントを残されて。しかも、親しい人しか知らないようなことを書き込まれたりしたこともあります。犯人は身近にいることに、背筋がゾクッとしました」

インスタの闇から抜け出すために


そんな中、杏さんは、SNSヒエラルキーから一歩抜け出す計画を立てる。

今までの経験を生かし、アパレルブランドを立ち上げることにしたのだ。周りにいる大半の子は男性からの支援を受けていたが、杏さんは自分の資金で起業することにこだわった。

「だって、もし出資してもらうと、また変な噂を立てられる可能性もありますからね。ブランドイメージを守りたかったので。自己資金で運営するって決めました。

私の場合は、読モ時代と社会人になってから貯めた資金300万を投資して、ティーン向けのアパレルブランドを立ち上げました。実際ブランドが立ち上がったら、もともとつながっていた芸能人やインスタグラマーが、ハッシュタグをつけて投稿してくれたりして、一気に“かわいい”って広がってくれて。身につけてくれる人も増えました」

ブランドの人気に伴い、杏さんが顔出しをする機会は減っていったという。その商品がSNSを通じて自然と誰かに紹介されて、広がっていくシステムができあがったためだ。

「SNSって地獄に落ちることもありますけど、有効活用すれば、私みたいな素人がブランドを立ち上げて、世界中の人に認知してもらうこともできるから不思議ですね」

SNSヒエラルキーから抜け出したいと思い、立ち上げたアパレルブランドだったが、SNSを利用したからこそ成功したという皮肉な話だった。

何事にも二つの側面があるということであろう。


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