“それなり”では満足できない。格差の壁にぶち当たった女が、オランダ移住を決めた理由

東京には、様々なライフスタイルを持つ者がいる。

中でも、最近特に注目されているのが「デュアルライフ(2拠点生活)」だ。

通信機器の発達により、東京と地方、東京と海外などでデュアルライフのための環境が整ってきたことも大きく影響しているのだろう。

では、その実際の暮らしぶりとは、どのようなものだろうか?その実態を覗いてみる。


名前:小野玲子 38歳(仮名)
住まい:オランダ(1年の3/4)、三田(1年の1/4)
職業:フォトグラファー、WEBディレクター
家族:広告代理店に勤める夫(三田在住)、娘6歳


「一流は遺伝する、そう思いませんか?」

そう話し始めたのは、昼下がりの表参道のカフェに現れた玲子。

スリムなパンツスタイルにプラダのスニーカーという出で立ち。華奢な体に、小動物系の顔立ちで愛くるしく微笑む姿は、想像していた女性フォトグラファーのイメージとは異なった。

フォトグラファー兼WEBディレクターの玲子は、現在娘と二人でオランダに移住して2年目。ご主人が住む東京とのデュアルライフを送っている。今回は、慌ただしい一時帰国の合間を縫って時間を作ってくれた。

挨拶もそこそこに、早速本題に入り、オランダに移住した理由を聞いてみた。

「私たち夫婦は、二人とも地方出身組なんです。東京に来るまで、埼玉、千葉、神奈川も全部“東京”だと思っていたくらいです(笑)。

でも住んでみて、同じ東京都内、いや同じ区内に住んでいても大きな格差があることを知りました」

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