無数の飲食店が軒を連ね、多くのサラリーマンが集う街・新橋。
この街には、そこにいる人の数だけドラマがある。これは、35歳を迎えたふたりの独身男性の物語。
大手都市銀行の法人営業部に所属する秀隆と、広告代理店でプランナーをしている櫻井。
偶然の再会から、この日の会合が実現した。
同じ35歳だが、テンションの違いは明白。その違和感の根底にあるものは何なのだろう。
日本酒を頼むと、店の人が一升瓶で注ぎ、目の前に置いた。すると櫻井が携帯を取り出し、おもむろに日本酒の写真を撮り始める。何回も切られるシャッター音にあっけにとられていると、櫻井が言った。
「インスタ用だよ。オレのフォロワー数5千超えだからさ、割とマメに更新してんの。見る?」
嬉......
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