世の女性が望むサプライズとは、花束や宝石のプレゼントでもなく、この店へ招待することかもしれない。 およそ店らしくない無骨な扉がひとつ。だがこれを開けば、色鮮やかなキッチンの奥に、テラス付きの特等席が待ち構えている。 1993年に誕生した人気店『オ・デリス・ド・本郷』のオーナーシェフ西村和浩氏が、かつての厨房階を改装しひとりではじめたフレンチは、まさに隠れ家。...
「1日限定1組のものすごく美味しいお店があるのだけれど」 そんなお誘いを受けたら断る女性はいるのだろうか? 1993年に誕生した人気店『オ・デリス・ド・本郷』のオーナーシェフ西村和浩氏が、かつての厨房階を改装しひとりではじめたフレンチレストラン『ククセモワ』。 ここは、ただの隠れ家じゃない。目印となる看板もなく、予約した客しかそこにレストランがあるとわからないのだ。 タイユバン・ロブションをはじめフランスの三ツ...
スペシャルティ珈琲を自家焙煎で提供する『自家焙煎珈琲みじんこ』。珈琲に合う食事にこだわり、シンプルでありながらビジュアルでインパクトを持たせたいと、考案したメニューが揃う。 なかでも14時入店(平日のみ)から注文可能となる「ホットケーキ」が人気で、SNSでも話題を集めている。 まず目を惹くのは、その美しい焼き目。銅板で丁寧に焼き上げることで生み出される均一な焼き色は、完璧な美しさで食べるのがもったいないほど。...
生クリームたっぷりのパンケーキはもう古い! 今は昔懐かしい味わいのホットケーキが人気に火がついている。 分厚いホットケーキを口いっぱいにほおばりたくなったら『自家焙煎珈琲みじんこ』へ足を運ぼう。こちらの名物は、自家焙煎珈琲に合うシンプルなスイーツとして、オーナーの長戸努氏が考案した「厚焼きホットケーキ」。 美しい焼き目、重厚な迫力、その美味しさに、テーブルに届くたびお客様の歓声があがるという、噂のホットケーキの美味しさ...
そして到着したのは、夜景を一望するバルコニーシート。ソファに座ると、目の前には180度に広がる夜景が広がっていた。今まで色んな場所で東京の夜景は見てきたけれど、それは初めての景色だった。 「穴場でしょ。前に仕事で来たことがあって、プライベートで一度ゆっくり過ごしてみたいと思ったんだ。周りに高い建物がないから、何にも遮られずに広い範囲の夜景を眺められるのがいい」 その言葉どおり、六本木ヒルズに東京タワー、お台場の観覧車か...
白地に〝けい吾〞の文字も凛々しい暖簾をくぐれば、木肌の温もりが伝わる憩いの空間。フラットなカウンターの向こうで、ひとり寡黙に料理を作るのはご主人の阿部圭吾氏。西麻布の日本料理店で基礎を学び、さらに好きな蕎麦を極めるべく神保町の名店『松翁』で修業。今年の4月、晴れて独立を果たした気鋭の料理人だ。 「和食は引き算の面白さがある。そこが魅力」とは阿部氏。素材の持ち味を最大限に引き出すため、如何にシンプルに、かつ独自の味を打ち出して...
「え!あの、優しいだけの優一さんから、プロポーズされた?!」 週明け、ランチに訪れた『グリル&バー 流』。同僚のさゆみが場にそぐわぬ大声を上げるから、奈々は慌てて人差し指を口に当てる。 「ごめん…つい、取り乱した」 重そうな睫毛をぱちくりさせるさゆみに、奈々は弁解する。 「正式なプロポーズじゃないわよ。結婚前提に同棲しようってだけで…」 「同じでしょ!で、どうするの?」 さゆみは奈々の言葉を...
その名のごとく、ホテルの顔は緑豊かな庭園。小さいながらも年間約50種の草花が移ろい、ゲストに小さな癒しと安らぎをもたらしている。 そんな自然を愛でるレストランで楽しめるのが、ディナーのアラカルトではもちろん、ランチにもメニューに並ぶブイヤベースだ。魚介の出汁に、焼いたオマール海老の殻や魚のアラで味を重ねた旨みは、凝縮感にあふれ重層的。 ランチでは、産地などにもこだわった種類豊富な野菜のサラダバーも付くとあってお得感も抜...
『壺中』を切り盛りするのは、番頭の神田實祐さんとお燗番の伊藤理絵さん。仕入れた酒は常温で保存。「開栓して、呑み頃を見計らってからお出ししています」と伊藤さん。日本酒は要冷蔵、開栓後は、すぐ飲み切るべしという“常識”は、かつての吟醸酒全盛時代に定着したもの。生酛を始め、しっかりとした造りの純米酒は、空気に触れることで秘めた素質が徐々に花開くのだ。 「あくまでも日本酒が主役ですから」と、神田さんが用意する料理はいわゆる“酒のアテ...
熱過ぎず、ぬる過ぎず。丁寧に温められた米の雫が、優しく胃の腑に染み渡る。舌を捉えるのは、醸された米が内包していたふくよかな味わい。 日本酒は熱を加えることで、冷えた状態では伺い知れぬ豊かな表情が浮かび上がる。 燗酒の愉悦を知る人にとって、居心地のよい酒場は思いのほか少ない。良い日本酒があってもお燗で飲めるのは種類限定だったり、つける温度が好みでなかったり。 「ならば自分たちで店を作ってしまおう、ということになりま...
創業は明治42年(1909年)。春夏秋冬、鶏鍋ひと筋、の名店がここ。食通の間では言わずと知れた、湯島『鳥榮』だ。 仕舞屋風の一軒家。紺地に白く屋号を染め抜いた小振りな暖簾をくぐれば、そこは江戸の風情が静かに息づく別世界。赤々と炭火がおこる長火鉢に鉄鍋をのせ、鶏ガラでとる澄んだスープとみりんが注がれたら、いよいよ鍋の始まりである。といっても、最初に運ばれてくるのは鶏肉と内臓類、焼豆腐に千住葱と至ってシンプル。この気概が『鳥榮』...
創業は明治42年(1909年)。春夏秋冬、鶏鍋ひと筋、の名店がここ。食通の間では言わずと知れた、湯島『鳥榮』だ。仕舞屋風の一軒家。紺地に白く屋号を染め抜いた小振りな暖簾をくぐれば、そこは江戸の風情が静かに息づく別世界。 赤々と炭火がおこる長火鉢に鉄鍋をのせ、鶏ガラでとる澄んだスープとみりんが注がれたら、いよいよ鍋の始まりである。といっても、最初に運ばれてくるのは鶏肉と内臓類、焼豆腐に千住葱と至ってシンプル。この気概が『鳥榮』...
~天ぷらは瞬間芸。単純なことこそ最善を極める必要がある~ かの池波正太郎がかつての料理長、近藤文夫をひいきにしたことでよく知られる『山の上』。多くの文士たちが通った天ぷらの老舗であるが、当時から変わっていないこと、そして変わったことの両方がある。 前者のひとつめが、いまでも氷の冷蔵庫を使っていること。これは素材を生かす名脇役であり、木製の扉の中の大きな氷は、日々氷屋によって取り替えられている。...
『栄児』の丸藤ママは四川の生まれ。本場の家庭料理を日本に紹介するべく、板橋に店を開いた。 本郷は2店舗目。担々麺は汁あり、汁なしがあるが、断然、汁なし。底のほうから混ぜて混ぜて、全体的に味が渗み込んだところですする。 じゃなかった、すすっちゃいけません。必ずむせます。すすらず、そろそろと送り込む。これが、しっかりと辛い。辛いが、スカッと清冽な食後感に変わって心地よい。 麺の下に山椒やひき肉が潜んでおり、豪快に混ぜ...
『栄児』の丸藤ママは四川の生まれ。本場の家庭料理を日本に紹介するべく、板橋に店を開いた。本郷は2店舗目。担々麺は汁あり、汁なしがあるが、断然、汁なし。底のほうから混ぜて混ぜて、全体的に味が渗み込んだところですする。 じゃなかった、すすっちゃいけません。必ずむせます。すすらず、そろそろと送り込む。これが、しっかりと辛い。辛いが、スカッと清冽な食後感に変わって心地よい。...
<今週の東大女子> 氏名:奥永理恵 年齢:27歳 職業:専門系市場調査会社勤務 学部:工学部 住居:根津のアパートに一人暮らし ステータス:独身 久しぶりに、雨が降った。 街路に植えられた紫陽花は、雨露と大輪花の重さでずっしりと首をうなだれている。 東京大学本郷キャンパス内のカフェ『廚菓子くろぎ』に現れた奥永理恵は、ぱっと見では学生とも間違えられそうな若々しさ。 あどけなく見えるふっ...
夏だからこそお渡ししたい『厨菓子くろぎ』の銘品、わらびもち。涼やかな逸品としてきちんとした場にもお持ちしても圧倒的な存在感を醸し出す。 重厚な桐箱に黒蜜と抹茶、2色のわらび餅と2色のきな粉が、スタイリッシュに収められている姿は堂々たるもの。 予約が取りにくい事で有名な日本料理『くろぎ』の姉妹店なので、食通をも唸らす風味が絶品だ。わらび餅はやわらかくつるんとした軽いのど越しが心地よい。 暑いオフィスの中でも、まるで...
次に高垣さんが紹介してくれたのは、日本料理『くろぎ』が手掛ける東大キャンパス内の和菓子店。仲良のいいヘアメイクさんにもらったのがきっかけだという。 「木箱に入った高級な装いで、何事かと思ったのですが(笑)、品のイイ甘さで次々食べられちゃう。甘いものがダメな主人も、ここのわらびもちは好きなんです。今回は念願のお店に来られてうれしい! インテリアも素敵だし、都内とは思えない緑豊かな環境で、絶対にまた来たいな♡」...
「今一番ハマっているお菓子が蕨(わらび)もちです!」そう言って満面の笑顔を見せてくれる国仲涼子さん。 蕨もちに関してはかなりのお店を食べ歩いたという中から、特に推薦してくれたのが『廚菓子くろぎ』。 なんとこちらの店は東京大学のキャンパス内に店を構えている。ちょっと意外な立地がまた魅力だという。 「美味しい蕨もちがあると友人に聞いて、いても立ってもいられなくなって。話を聞いて、次の日にはもう伺ってまし...
予約困難になる前にいち早くホットな鍋体験を! 中国東北地方の料理とナチュラルワインを気軽に楽しめる店として人気を集める神田『味坊』の姉妹店がオープン。羊肉や野菜を使ったメニューが豊富な『味坊』に対し、こちらでは店主の梁さんの故郷で親しまれていた煮込み料理をコースで提供。日本各地から厳選した食材を使い、中国で受け継がれる食文化を再現する。 ラム肉と大根の醤油煮や羊の内臓のスープ煮込みなど、鍋のレパートリーは20種以上。人...
中国東北地方の料理とナチュラルワインを気軽に楽しめる店として人気を集める神田『味坊』の姉妹店が2015年オープン。 羊肉や野菜を使ったメニューが豊富な『味坊』に対し、こちらでは店主の梁さんの故郷で親しまれていた煮込み料理をコースで提供。日本各地から厳選した食材を使い、中国で受け継がれる食文化を再現している。 ラム肉と大根の醤油煮や羊の内臓のスープ煮込みなど、鍋のレパートリーは20種以上。人気沸騰間違いナシの注目店だけに...
3,500円と5,000円の2種類のコースがあり、前菜と鉄鍋はその日のリストの中から選べる。 見よ!この唐辛子と山椒まみれのいかにも辛そ~な鍋を!でも、辛さよりも旨みが勝つ、極上メニューなのだ。 東北地方と同様鉄鍋を使う四川激辛「水煮魚」。こちらでは季節によってさまざまな白身魚を使い分けて丸一匹煮込んでいる。この日は青森の日本海沿岸で獲れたソイを使用。 地獄谷レベルに真っ赤なスープから湯気がぐ...
落ち着いた室内はまるで個人宅のような安寧さ。 この日のテリーヌは少しの塩と砂糖でマリネしただけ。けれど、そのしっとり甘く、上品な脂といったら! 店名は手を繋ぎ、輪になって踊る様子を表したイタリア語。デートで訪れて、その輪の中に入る。これほど有意義なことはない。...