「どうしてあんな中の上の女が…?」 エステを終え、すでに薄暗くなった表参道をひとり歩きながら、私は思わずそう口に出して呟いていた。 いくら考えても、納得...
―すっかり遅くなっちゃった…。 結衣は、早足で原宿の街を歩いていた。今から奈央の送別会に参加するためである。 時刻は19時半を回ったところで、既に3...
ファッションだけでなく、食のトレンドにも精通している青山女子。 新店をいち早くチェックするのもお約束だが、青山界隈で「どこにカメラを向けても絵になる...
鮮魚とアヒアマリヨソースを合わせたティラディート2階は求愛を促す赤い壁面...
僕とさゆりの出会いは、ありふれた食事会だった。 勤め先の商社で、同じ部署の先輩である山岡さんが開いた食事会。 商社というブランドは未だ有効...
神宮前にあるペルー料理店『ベポカ』へ到着して男性陣を見た瞬間、真理子は目がパチクリしてしまった。一ノ瀬がいたからである。男性メンバーは怜奈とともに幹事...
忙しい彼女と東京カレンダー編集部がやってきた『ベポカ』は、デートで訪れるのにぴったりな“都会派エスニック”の代表格だ。 コロニアル様式を彷彿とさせる...
理沙:女子会で記憶に残っているのは広尾『キッチン』。パクチーが苦手な男性って多くない?逆に女子は好きな子が多いから気兼ねなくベトナム料理を思いっきり楽...
そのコロニアル様式を彷彿とさせるスタイリッシュな雰囲気と、新鮮な生の魚介類やキヌア料理など、珍しくも美味なるペルー料理を堪能できるレストラン。 目に...
そのコロニアル様式を彷彿とさせるスタイリッシュな雰囲気と、オリジナリティが光る本格的なペルー料理が堪能できる『ベポカ』は、デートで訪れるのにぴったりな“都...
先日のデートも終盤。『オカダ』のマドレーヌを目の前に、浩平はこう言った。 「彼女はいる。けど、結衣ちゃんに付き合ってほしいと言おうかと思ってた。けど...
ーやっちゃったなー 『レストランオカダ』でのデートでは、結衣を巡る外資系投資銀行の男との不利に思えた勝負での奇策として、耐えられず「実は彼女がいる」...
黄色い外観が、ペルーの首都リマの街並みを思わせる『べポカ』。料理だけでなく、地ビールや伝統的な蒸留酒ピスコのカクテルを用意するなど、酒も徹底的に本場の味に...
原宿の隠れ家イタリアンバルといえばここ。竹下口交差点を進み、若者で賑わうとんちゃん通りに潜む良店がここ『ソプラソット』。赤レンガの床に小洒落た照明が居心地良い空間。...
日本初となるラザニア専門店『ラザーニャ・ラザーニャ』が誕生。バリエーション豊富な具材に加え、生地やソースも様々な7種類をそろえる。 「パンチェッタ 旬野菜のラ...
日本初となるラザニア専門店『ラザーニャ・ラザーニャ』が誕生。バリエーション豊富な具材に加え、生地やソースも様々な7種類をそろえる。 「フェラーリ ブリュット」...
気取らずカジュアルにワインと料理を楽しむ、まるでフィレンツェの街角にあるような『トラットリア ブーカ ジュンタ』。 ワイン蔵を改装したような店内は、店に入った瞬間に、現地にトリップしてしまった錯覚を感じてしまうほど!...
洋平くんとは、骨董通りの『トラットリア ブーカ ジュンタ』で待ち合わせた。 案内してくれるスタッフの背中越しに彼の姿を捉え、私の身体は反射的に火照る。会えない時間に熟成された「好き」が溢れ出すのを、必死で押さえ込んだ。 洋平くんは、私のために奥の席を空けてくれていた。 さざめく店内、落ちた照明の下、洋平くんは何やら真剣な表情で携帯を触っている。まだ私に気づかない彼は無防備に見えて、そんなことにまでときめいてし...
健太さんが食事の場所に指定してきたのは、表参道にある『トラットリア ブーカ ジュンタ』だった。 神宮前にお店があった時に何度か行ったことはあったものの、表参道の骨董通りに移転してからまだ未訪問。健太さんからお店のリンクが送られてきた時、食事への期待値は一気に上がった。 しかし、同時に健太さんから曜日候補が送られてきた時、戸惑ってしまった。 指定してきたのが、土曜だったから。 健太さん...
勝負の初デートは、神宮前から表参道の骨董通りにリニューアルオープンしたばかりの『トラットリア ブーカ ジュンタ』にした。 神宮前にあった当時から、ここのオーナーシェフであるジュンタさんが作る肉料理と、それに合うパスタが大好きでよく通っていた店である。...
2008年オープン。オーナーシェフ石川淳太氏の男気溢れる料理は健在。だが「料理と同じぐらい、みんな会話を楽しみに来てくれるから」と、フロアでのサービスも積極的。 気の置けない仲間同士にはプリフィックスコースに合わせ、「ワインをどんどん飲んでほしい」と考えたイタリアワイン飲み放題プランがおすすめ。ボリュームのあるセコンドに合わせてグラスを傾ける。そこに石川氏のトークが加わればまたワインが喉をすべり、愉快な夜...
「へえ~、それで一ノ瀬さんと再会したってわけ?」 翌日の昼。昨夜、一ノ瀬から届いた「いまからそこに行くから待ってて」というLINEを見つめながら、真理子は怜奈に経緯を話していた。次、怜奈に彼とのことを話す時は、相談ではなく報告にしようと昨日、決めたからである。 「しっかしさあ……」 『トラットリア ブーカ ジュンタ』でランチをつつきながら怜奈がクククッと笑う。 「マリコの行動って、恋愛下...
オーナーシェフの石川淳太氏は「繊維がしっかりして“肉々しさ”も魅力」と赤身を評する。 気取らず皆が賑やかにワインと料理を楽しむ、フィレンツェの街角にあるような店を東京で再現すべく開かれたトラットリアだ。ワイン蔵を改装したような店内にしたのは「店に入った時、現地にトリップしてしまった錯覚、行ったことがある人なら懐かしさを感じてもらいたかった」から。 料理も当然、その雰囲気に見合う、直球勝負の料理が揃う...
都内にいながらも、九州のうまいもんをたっぷりと楽しめるのが『銀座 あまくさ 青山外苑』。 まずは最高級黒豚を溶岩焼きをいただこう。『銀座 あまくさ 青山外苑』では、鹿児島県産マロン豚を使用。マロン豚とは、最高級黒豚「六白豚」のなかで、主に栗と有機野菜を食べて育った豚で、さっぱりとした脂で甘みがあるのが特徴だ。 また、焼きに使用する溶岩も特注品。「玄武岩」という特殊な溶岩を使用して作られており、火にかけると、遠赤外線やマ...
飲食店も多く、焼肉も鶏鍋も、それぞれに特化した専門店がひしめくグルメタウン表参道。 しかし『銀座 あまくさ 青山外苑』なら、甘みを感じる絶品豚の焼肉も、濃厚なコラーゲンスープの鶏鍋も一度に味わえるのだ! なかでもこちらを訪れたら注文するべき3品を中心にご紹介!...
甘みを感じる絶品豚の焼肉も、濃厚なコラーゲンスープの鶏鍋も一度に味わえる、『銀座 あまくさ 青山外苑』。 最高級黒豚の溶岩焼きは、鹿児島県産マロン豚を使用。マロン豚とは、最高級黒豚「六白豚」のなかで、主に栗と有機野菜を食べて育った豚で、さっぱりとした脂で甘みがあるのが特徴だ。...
南青山三丁目交差点からすぐの場所に建つビルの2階。ハイスツールが並ぶカウンターが中心で、夜のメニューは基本、アラカルト。取り分けも、1皿と1杯のおひとり様もウェルカムという使い勝手の良さ魅力の『セントベーネ』。 ぜひ味わいたいのが、カルボナーラだ。...
料理人人生の途上、ふと足が止まった31歳の時、イタリアへ渡る。ローマで食べたカルボナーラに衝撃を受けて、自らの行方が定まった。旨かったから、ではない。 「ボウルに溶いた卵、そこへ、ペコリーノ・ロマーノをがさっとひとつかみ。これで茹でたパスタを和えるだけだったんです。しょっぱくて、食べられなかった!」と笑う、加藤政行シェフ。だが地産地消が当たり前の地で、この味を愛する人々がいるイタリアのシンプルだが奥深い魅力に触れ、迷いは消える。...
世の飲食店がこぞって価格競争に走るずっと前から、師匠の落合務氏とともに内容充実のイタリア料理を低価格のコースで提供し、イタリア食文化の普及に尽力してきた加藤政行シェフ。 その加藤氏が『ラ・ベットラ・ペル トゥッティ』の厨房を離れ、新たな店で腕を振るうと聞けば、すぐにでも駆けつけたくなるファンは多いはず。新天地は、南青山三丁目交差点からすぐの場所に建つビルの2階。ハイスツールが並ぶカウンターが中心で、夜のメニュ...
伝統的なハンガリー料理を広めるため、政府により依頼され誕生した店。ここへ訪れたならば、マンガリッツァ豚のソテーは必ずオーダーすべき。この豚はハンガリーの国家遺産にも認定された“食べられる国宝”と称される稀少な品種。 適度な脂身と濃い赤褐色の赤身が特徴で、火を入れるとしっかりとした旨みが溢れ出る。口に残る余韻をさらに膨らませるのは、厳選されたハンガリーワイン。遙かなるドナウの流れを思わせる、雄大なマリアージュに舌鼓を。...
伝統的なハンガリー料理を広めるため、政府により依頼され誕生した店。ここへ訪れたならば、マンガリッツァ豚のソテーは必ずオーダーすべき。 この豚はハンガリーの国家遺産にも認定された“食べられる国宝”と称される稀少な品種。適度な脂身と濃い赤褐色の赤身が特徴で、火を入れるとしっかりとした旨みが溢れ出る。口に残る余韻をさらに膨らませるのは、厳選されたハンガリーワイン。遙かなるドナウの流れを思わせる、雄大なマリアージュに舌鼓を。...
中南米出身者も太鼓判を押す本格派メキシカンの店。トトポス(揚げたトルティーヤ)にメキシカンビーンズ、アボカド、チーズをのせ、軽く焼き上げたナチョスは、まさにスターターにぴったり。 「コロナ」や「ティファナ」などメキシコの定番瓶ビールとともに楽しみたくなる。...
デートを陽気に楽しみたい、でも、落ち着いた大人の雰囲気も重要という欲張りさんにおすすめ」と紹介してくれたのが、本格メキシカンが満喫できる原宿の老舗。 「誕生日のときなどは、メキシコ人のスタッフが席まで来て演奏までしてくれます。こんなふうにお祝いしてもらえたらサイコー」 彼女との思い出づくりにぴったりだ。...
メキシコ料理のおもしろさは、香辛料とスパイスにある。ことにチレ(唐辛子)は驚くほど多品種で、料理によって使い分けるそう。魚介料理に合うチポトレ、赤いソースならドライなチレ・デ・アルボル、ハラペーニョはフレッシュでオールマイティ、などなど。 S「メキシコ旅行に来たような非日常感のある店内。遅くまでやっているので、残業後の急遽の女子会にも対応可!」...
メキシコ料理のおもしろさは、香辛料とスパイスにある。ことにチレ(唐辛子)は驚くほど多品種で、料理によって使い分けるそう。魚介料理に合うチポトレ、赤いソースならドライなチレ・デ・アルボル、ハラペーニョはフレッシュでオールマイティ、などなど。 そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、ソース。ソフトタコスは3種の味が楽しめるが、料理人は自分のレシピを絶対に公開しない。本場ではオリジナルソースの味を競う大会も開か...
メキシコ料理のおもしろさは、香辛料とスパイスにある。ことにチレ(唐辛子)は驚くほど多品種で、料理によって使い分けるそう。魚介料理に合うチポトレ、赤いソースならドライなチレ・デ・アルボル、ハラペーニョはフレッシュでオールマイティ、などなど。 そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、ソース。肉、魚、野菜、どんな料理にも欠かせないが、料理人は自分のレシピを絶対に公開しない。本場では味を競う大会も開かれるほど。『フォ...
イタリアの郷土料理をベースに"MATSUO"風のエッセンスを加えたひとつの作品を作り出したいというオーナーの松尾次郎氏の意思を汲むのは、ピエモンテの星付きリストランテで、セコンドシェフを務めた経験を持つ渡邊秀和シェフだ。日本各地から集まる良質な素材の味を最大限に生かした料理は見た目も美しく、訪れるゲストを魅了する。...
【神宮外苑花火大会】 緑豊かな“都会のオアシス”に、美食をこよなく愛する大人が集う『リストランテマツオ』がある。マツオ流のエッセンスを加えたイタリアンを堪能できるディナーコースは¥7,700からと、意外にもハイコストパフォーマンス。オーナーの松尾次郎さんは「ベースはイタリアの郷土料理ですが、食材使いや盛りつけで特別感を演出したい」と言う。 神宮外苑花火大会の予約は、半年前にすべて埋まるほどの人気だが、通常コースにプラス...
2階建ての古民家を古材でリフォームした趣のある店構え。2016年までは懐石料理店だったが、店主が蕎麦打ち名人の永山寛康氏に師事し、蕎麦屋として心機一転。...
古木や流麗な欄間などを使い、完全リノベーションした一軒家。このどこか懐かしさを感じさせる空間で頂けるのは、江戸前の粋な蕎麦。 蕎麦はそば切りだけでも「せいろ」や「変わりそば」など常時4種類揃える。 カウンター席とテーブル席、個室席、座敷席など利用シーンの幅が広がる店内の雰囲気も魅力。...
「ひとりランチでよく行くのは『しろう』。お店の雰囲気もすごく良くて、ここでひとりお蕎麦をすすっていると、年齢的には完全に大人なんだけど、マインド的にも『大人だな〜』ってしみじみと思わせてくれるお店です」...
古木や流麗な欄間などを使い、完全リノベーションした一軒家。このどこか懐かしさを感じさせる空間で頂けるのは、丁寧な仕事が施された和食。 ランチは銀だら西京焼き定食や鯖の味噌煮定食も人気だが、岩手産いわい鶏を使用した親子丼をぜひ。まるで太陽のように美しい卵の黄色がゲストの目を楽しませてくれるのだ。 ふっくらと炊き上げたごはんに淡路島産の甘い玉ねぎ、やわらかな身質の銘柄鶏の相性も抜群の一杯。...
『ユナイテッドアローズ原宿本店メンズ館』向かいの『UA BAR』。ドリンクは『フグレン』、フードは『自由が丘ベイクショップ』が監修、というだけでも充分引きは強いが、ここは買い物から爽やかにアペタイムへ持っていけるところが憎い。休日の昼下がりに「買い物付き合って」と軽く誘い出し、口当たりの良いカクテルで夕暮れから酔わせてしまうのは反則だろうか。...
2014年に『UA CAFE』からリニューアルを果たした『UA BAR』の他には無い注目すべき点は「TAILOR-MADE COFFEE AND COCKTAILS」をコンセプトに集まったチームメンバー陣の凄さ!! 「飛行機に乗ってまで試しに行く価値あり。」とNYタイムズ紙に評された、ノルウェー発の老舗コーヒーバー『Fuglen(フグレン)』が内装とドリンク、コーヒーメニューを監修し、ゆっくりとくつろぐことの出来る大人の空間...
ローマに本店がある『サバティーニ』の直営ピッツェリア。 1983年の開店以来使い続ける石窯は、今では同じ素材が手に入らないという貴重なもの。最上クラスの小麦粉に卵とバター、牛乳を加えて練る伝統の生地がクリスピーにして、モチッとした食感を楽しませてくれる。 隣接するリストランテよりカジュアルに本場ローマの味覚を堪能できるのも魅力。...
2004年、青山に開店。シェフの本多哲也氏が、国産の旬の食材を駆使してコースを展開。“イタリアンのレジェンド”とも呼ばれる本多氏のセンスと高い腕前にファン多数。...
「ねえ、来月の誕生日にどこか行きたい場所はある?」 彼女が作ってくれたとうもろこしのかき揚げを食べたあと、聞いてみた。 「う〜ん、洋食の方がいいかな」 「広い(笑)」 「食後もゆっくり過ごしたいし、カウンターじゃない所で話したいなと思って」 確かに、カウンターだと他の客の会話が気になることがあるかもしれない。いつもより少しお洒落な気持ちになれる、白いクロスのひかれたレストランがいいだろう。 ...
ユキは、複雑な心境であった。 隆一から、将来への”期待”を提示してもらったものの、独立開業し始めて収入が安定しない状況になっているからである。 現状ではすぐ結婚、というわけにはいかないことは理解できる。でも、いつまで待てばいいのだろうか? 結婚=ゴールというわけではないが、1つの区切りとして安心したい。 好きな隆一と結婚できるなら、多少のことは我慢できる。収入が厳しければ自分も働いて...
外苑前のイタリアンといえば、まずここがあがるという人気と実力を兼ね備えた名店だ。 イタリアン界の名店中の名店『リストランテホンダ』が2017年8月にリニューアルし、さらにパワーアップした。 本多哲也シェフによるプレゼンテーションで供される料理は、訪れる度に新たな出会いと感動を与えてくれる。今回は新作コースの一部とともに、本多氏の今後の展開への想いも伺った。本多シェフが試みる新たな挑戦から、今後も目が...
表参道と外苑前の中間あたり、粋人が通う和食の名店がある。ひっそりと佇む一軒家。靴を脱いで玄関を上がると静かな空間が広がる。季節の花を活け、調度を整えた部屋は心地よく、ゆったりと食事が楽しめる。 2014年に続き2015年もミシュランの二つ星を獲得し、日本の食文化やもてなしを求めて、海外から訪れる客も多い。...
人の手を加え過ぎた料理はあまり好みではないと店主・赤塚真一氏。その分、昼夜に厳選のかつおを削り、最良の昆布を用意。手間暇かけて極上の出汁をひく。 それに合わせ、素材もおのずとよいものを選ぶ。「そうしないと、最高の出汁には合いませんから」とは赤塚氏。 これからの季節は平目や鯛、松茸などの茸類をはじめ山海の幸が美味しくなってくる。平日は接待、週末は顔合わせ等が多いので予約がベター。...
“ホスタリア”とは、オステリアの古い呼び方。店名には、伝統を受け継ぐ料理にこだわるシェフの思いが込められている。自身の大好物であるカルボナーラの究極のレシピを追求したいという探求心から料理人を志した越川徹也氏。 ローマ料理の代名詞であるカルボナーラやトリッパを軸に、伝統ある料理を継承する。基本的には、旬の食材をシェフのおまかせスタイルで提供するが、ここはぜひコース(¥5,200〜¥10,800)の内容をシェフとの会話から構築...
ある晩、『ヴィネリア ヒラノ』のカウンターでワインを飲んでいたときのこと。隣に座る若い男性がオーナーの平野博文氏に尋ねた。「なぜイタリアワインを選んだのですか」。答えて曰く、「イタリアワインでない理由がわからない!」ソムリエ界の重鎮・平野氏の「イタリア偏愛」ぶりを表わす名問答だ。 昨年7月、12年続いた『AZ』を移転する形で千駄ヶ谷に『ヴィネリア ヒラノ』をオープン。エントランスを壁で仕切り、パティオを連想させるウェイティングス...
焼き鳥に限らず、メインディッシュにはバスクのキントア豚やボルドーのバザス牛などが並ぶところが新しい。冬には北海道産のエゾジカや天然のとらふぐの白子が登場するなど、季節ごとに楽しめる変化もある。 「最近は塊で肉を焼くのが面白くなって」と笑う今井さんは、焼き鳥を軸に自身が美味しいと思うスタイルへとどんどん足を踏み出している。塊で焼きあげる松風地鶏のもも肉は、串で焼く焼き鳥とはまた違った炭火焼の良さを味わえる。 ワイン好きで...
旨みが凝縮されたひと串に魅了される女子が急増中の名店がここ『焼鳥 今井』だ。 『今井』の焼き鳥は、肉を噛んだ瞬間の歯触りにまず驚く。繊維が一定でスッと噛み切れ、噛むほどに旨みがじんわりと口に広がりその余韻が続く。 この食感に仕上げる秘訣は、串打ちにあった。今井氏の串打ちのルーツは修業元の名店『バードランド』にあり、“鶏肉にストレスを与えない”ことを徹底している。...
『今井』の焼鳥は、肉を噛んだ瞬間の歯触りにまず驚く。繊維が一定でスッと噛み切れ、噛むほどに旨みがじんわりと口に広がりその余韻が続く。この食感に仕上げる秘訣は、串打ちにあった。 今井氏の串打ちのルーツは修業元の名店『バードランド』にあり、“鶏肉にストレスを与えない”ことを徹底している。 例えば、地鶏は整形して焼くと肉が元に戻ろうと反発して身が縮み、食感が損なわれる。その考えに基づき、奥久慈軍鶏を扱う同...
焼き鳥に限らず、メインディッシュにはバスクのキントア豚やボルドーのバザス牛などが並ぶところが新しい。冬には北海道産のエゾジカや天然のとらふぐの白子が登場するなど、季節ごとに楽しめる変化もある。 「最近は塊で肉を焼くのが面白くなって」と笑う今井さんは、焼き鳥を軸に自身が美味しいと思うスタイルへとどんどん足を踏み出している。塊で焼きあげる松風地鶏のもも肉は、串で焼く焼き鳥とはまた違った炭火焼の良さを味わえる。...
『今井』の焼鳥は、肉を噛んだ瞬間の歯触りにまず驚く。繊維が一定でスッと噛み切れ、噛むほどに旨みがじんわりと口に広がりその余韻が続く。この食感に仕上げる秘訣は、串打ちにあった。 今井氏の串打ちのルーツは修業元の名店『バードランド』にあり、“鶏肉にストレスを与えない”ことを徹底している。例えば、地鶏は整形して焼くと肉が元に戻ろうと反発して身が縮み、食感が損なわれる。その考えに基づき、奥久慈軍鶏を扱う同店では肉...
店主の今井充史さんは、鶏肉だけでなく、ボルドーのバザス牛やキントア豚、ジビエなど塊肉にも“焼き”の腕を振るう。もはや焼き鳥店ながらも別格の風情。その新たな試みが日曜限定の親子丼ランチだ。 定番の鶏肉も捨てがたいが、鴨や鹿、イノシシなど入荷次第で様々な肉が登場する。クミンをパラリと振ったラム玉丼¥1,500もそのひとつで「追いパクチーあり」というのがニクイ。 セレクトが光る純米酒やワインはランチでも注...
貴裕が華の悩みに気がついたのは、それから2週間近くが経ってからだった。 相変わらず妻は仕事で忙しく、帰りが遅い。そこで貴裕のほうも、嫌がられない程度に葵や乾を誘っては頻繁に食事をともにしている。華が多忙だからといって、舌の根も乾かぬうちに女遊びをする気分には(今のところ)さすがにならないのだ。 最近ではふたりから恋愛相談なんかもされるようになり、以前よりぐっと距離が近づいた。近頃は飲みニケーションなど流行らないらしいが...
駅の改札で待ち合わせなんて、いつぶりだろうか。 百歩譲って、地下鉄の駅を出て何番出口か指定されるならば良い。けれども、人の多い改札で待ち合わせは避けたいところ。 人の多さだけでなく、煌々とした蛍光灯の元で初めて顔を会わせたくない。 男性は気にならないかもしれないが、女性は明るすぎる蛍光灯の光を嫌う。 肌の調子、毛穴が丸見えになる気がするし、ムードも何もない。 薄暗いレストランの照明は、女性を美しく...
しかし結局、明日香の仕事の都合で待ち合わせ時間は20時に変更となる。 僕の方はフリーでコンサル業をしているため、時間は自分次第で調整できる。だから19時からで全く問題なかったのだが、向こうが仕事ならば仕方ない。 1時間ほど近くのスターバックスで時間を潰し、街行く人を眺めながらデートに心を馳せる。 —そろそろ駅へ迎えに行こうかな。 そう思ったタイミングで、“職場からそのままタクシーで向...
夏の夜風が抜ける瀟洒な一軒家レストラン。島本さつきシェフによるイタリア・アブルッツォ州の郷土料理をお供に味わう、クラフトビールが心地よい。マネージャーの小林賢三さんが、イタリア中部以北産を中心に10種の樽生クラフトビールをセレクト。 「本当のビール好き」のために揃えるボトルビールも貴重な銘柄ばかり。特別な夜に、ぜひ。...
イタリアでクラフトビールが造られ始めたのは1980年代になって。ゆえに果実を漬けたり、趣向を凝らした周辺国の影響を受けたものが多い。 しかし、龍やかわいらしいイラストを施したユニークなエチケット(ラベル)同様、ワイン樽で熟成させ、ワインに近いビールに仕上げるなど、斬新なアイデアに富むビールもそろうのがイタリアらしい。 ベルギービールによく見られる紙のパッケージ。ワインの生産が少ないベルギーではビール...
南青山三丁目交差点から歩いてすぐ、地下への階段を下りると『五丁目 千 きいろ』の入口を見つける。 活気ある厨房を覗くことができる長いオープンキッチンカウンターの周りを囲うようにテーブル席や個室が配置され、程良く灯りを落とした居心地のいい空間に仕上がっているから、連日幅広い客で賑わっている。...
―28歳の男、か...。 理恵子は青山に向かうタクシーの中、ぼんやりと光一のことを思い出していた。 正直、いくら外見がタイプとはいえ、7歳も年下の男とどうにかなるなんて想像できない。 それに、親友の茜と亭主関白夫の奇妙な夫婦の絆を見せつけられた後では、35歳の自分が大人のイイ女を気取って年下イケメンとのデートに浮かれているのも、何となく虚しく思える。 ―私...、いつまでこうやってフラフラしてるんだろう...
玄関のドアを開けると、理恵子はどっと疲れが吹き出してくるのを感じた。 今夜は姿見で自分の顔をチェックする気にもならず、フラフラとリビングのソファに寝転ぶ。 真っ暗な部屋に、一人きり。 普段はお気に入りのリビングがやけに広く思え、どこか虚しいような気持ちになる。 ―こういうとき、やっぱり家に“家族”がいると違うのかしら...。 茜のことは好きだが、30歳で駆け込むように結婚し、あまり冴えない結婚生活...
この店こそ、世界から脚光を浴びているフレンチレストラン『フロリレージュ』だ。 世界の料理評論家やレストラン関係者の投票によってランキングが決まる「アジアのベストレストラン50」では、今年第3位を獲得。 「世界のベストレストラン50」も着実に射程圏内に入りつつあり、日本を代表するレストランとして存在感を示している。 オーナーシェフの川手寛康氏は、国内では『ル・ブルギニオン』『カンテサンス』などで...
「…なんで、小原さんがここに居らっしゃるんですか」 テーブル中央のピータン豆腐を自分の小皿に取り分けつつ、水野に問いかける瑞希の声には、明らかに不機嫌さが滲む。 水野と『フロリレージュ』に行って以来、週末もしばらく雑用が重なり、『タイガー餃子軒』を訪れるのは随分久しぶりだ。 厨房から聞こえる、じゅうじゅうと美味しそうな音と喧騒、油とスパイスの香ばしい香り。 懐かしい空気に違和感がある...
「…黒以外の服も着るんだね」 コの字型カウンターの真ん中に案内され席に着くと、隣で水野が目を細めた。 瑞希が『フロリレージュ』を訪れるのは、今日が初めてだ。 グレートーンでまとめられた広いオープンキッチンには花が生けられ、本来無機質なはずの空間に柔らかい彩りを加えている。 キッチンできびきびと無駄なく動き回るスタッフ達が、水野に目を止め、軽く会釈した。どうやら彼は、常連らしい。 ...
「じゃあ上野さん、1万3千円もらっていい?お給料、僕より高いくらいだと思うしさ」 「も、もちろん!美味しかったですね」 ―割り勘!? 財布をバッグから出しつつ、顔に戸惑いが出ないよう気持ちを整えるが、気が動転して頭の中はぐるぐると目まぐるしい。 最近、瑞希にとって男性と2人で食事をする機会といえば、水野とタイガー餃子に行くくらい。そのせいでよく分かっていないだけかもしれないが、初デー...
「それでそれでそれで!?」 週明けの火曜日、朝8時過ぎ。 神宮前の『アイランド・ヴィンテージ・コーヒー青山店』の店内に、エミの甲高い声が響いた。 亜希もエミも仕事が忙しく、夜はプライベートの誘いも多くてなかなか予定が合わない。 そんなわけでどうしても話したいことがある時は、エミの出勤前にこうして集まり、朝からマシンガントークをするのである。 アサイーボウルとラテを前に、亜希は賢...
土曜日の19時。 賢治に指定された『フロリレージュ』。 落ちた照明の下、コの字に誂えられたカウンターから振り返って笑う年下の彼に、亜希は不覚にも胸が高鳴った。 『フロリレージュ』は亜希が前から来てみたかった店で、彼から店の連絡を受けたときから今夜が楽しみで仕方なかった。 「亜希さん、仕事忙しそうだったから誘いづらかったんだけど...会えて良かった」 瞳をまっすぐに見つめてくる賢...
日本の風土を表現するフランス料理を追求し、革新的な皿を提供し続ける『フロリレージュ』。 まず目を引くのは大胆な内装。広々としたオープンキッチンが中央に位置し、それをぐるりと取り囲んでカウンター席がある。 おしゃれなコの字カウンターが増えたのは、この店からかもしれない。...
『フロリレージュ』の重い扉をくぐり、薄暗い店内を見渡すと、奥のカウンター席に英一郎の姿を見つけた。 黒を基調としたシックで大胆な劇場型の店内を一歩一歩と進むうちに、詩織は少しずつ非現実的な世界に足を踏み入れている気がする。...
『フロリレージュ』、『エスキス』、『マルゴット・エ・バッチェーレ』など、里香子とのデートは、恋人気分を存分に味わえる特別なレストランを選び、慎重に距離を縮め、やっと関係を持つことが出来ました。 彼女は期待通り、ベッドの上でも素晴らしい才能を見せてくれました。手間暇かけた女性を自分のモノにできる瞬間は、男冥利に尽きますね。 「既婚者のくせに...」と、反発を覚える人も多いかも知れません。しかし、独...
「僕の理想を具現化している」とまで断言する川手寛康シェフ。惚れ込んだ、その食材は岩手県花巻・石黒農場が約120日かけて育てるホロホロ鳥。 「これだけ素晴らしいと、僕たち料理人は塩加減と火入れに気を使い、あとは何を添えるか考えるぐらいしかできることがない」。 そうしてこの日、創ったのは3つの部位のコンフィを乗せて骨スープを注いだグラスと、低温調理で繊細に火を入れた胸肉に野菜を添えた白磁。食すれば驚くほ...
ロゼを“ソース”として味わうという新鮮な食体験 「僕がひとりフレンチをする際には、よくロゼのシャンパンを相棒にしています」と打ち明けてくれたのは『フロリレージュ』の川手寛康シェフ。ロゼの魅力を実感し、中でも「ロゼ アンペリアル」には一目置いているらしい。 「日本人にとってモエ・エ・シャンドンはシャンパンの永遠のスタンダード。かく言う僕もそのひとりです。果実味が非常に豊かで、温度の変化による味わいの移...
2015年の食トレンドを総括してみると、まず思いつくのが「あの人気店のリニューアル」だ。そもそもが超予約困難店で、なんの不満もなかったであろうのに、、、なぜリスクを追ってまで、リニューアルを果たすのか? その理由は、オーナーシェフの飽くなき食への探究心、そして顧客をさらに満足させたいというホスピタリティなのだろう! 2日連続となるこちらの企画、第1回目は、客との距離感を縮めるべく「カウンター席」で勝...
とお勧めしたはいいけれど、個人的には、クリスマスは、フレンチ、イタリアンは避けたいところ。なぜって?単価はいつもの倍以上に跳ね上がるのに、2回転3回転で、ところてん式にリザーブされて、サービスも劣化。 隣のお水風の女性や、パパと来ていそうな大学生と同じものを食べて、デザートのタイミングでプレゼントが来て、だなんてまるでピエロ!コミカル過ぎて笑えてくるの。そういうところは、普通の日に行って、ゆっくり美味しく...
落ち込んでいる時に、無理して出掛けた青山の『フロリレージュ』。...
「最も楽しいレストラン! とにかく川手寛康シェフが大好きなんです」 フロリレージュを一度でも訪れたことのある人はこの意味がわかっていただけるであろう。 レストランは美味しいではなく楽しくありたいと小澤さんは考える。川手シェフの料理にはまさにそれがあるそうだ。フロリレージュで好きな料理は“川手シェフの作るもの”。出てくるお皿は、美味しいという料理の本質から決してブレず、演出やプレゼンテーションに驚かさ...
祇園祭に天神祭―上方の夏祭りに欠かせぬ食材といえば鱧。“梅雨の水を飲んで旨くなる”と言われているように、夏が旬であることは周知の事実だが、実は秋にも旬を迎えることをご存知だろうか。 産卵後、冬に備えて食欲が旺盛になる9〜10月の鱧は、体の表面が金色を帯び、身も肥えて脂もグッと乗ってくる。俗に“金ハモ”などと呼ばれるこの時期が、いわば鱧のもうひとつの旬なのだ。 その“金ハモ”ならではの深みのある味わいを生かし...
日本人が日本でフレンチをやる意味は何なのか。シェフの川手寛康氏は、常にそのことを念頭に置きつつ料理に向き合うと言う。食材に国境はなし。だからフランスよりも優れた食材が日本にあれば、俄然腕が鳴る。 我が国で古くから珍重されてきたすっぽんもそのひとつ。「子どもの頃、祖父が獲ってきたものを食べていたので、身近な存在でもあるんです」。日本料理でのすっぽんは、独特の臭みを極力排除していく。だが、川手氏はその臭みこそすっ...
フォアグラの柔らかい食感とメレンゲのサクサク感、リンゴヴィネガーの酸味とヘーゼルナッツの甘さ、などひと皿の中に相対する要素が並ぶことで、お互いをより引き立てる。デザートアイテムのメレンゲでメイン料理を作った事も革新的。¥10,500のコースより...
『カンテサンス』のスーシェフとして腕を揮っていた川手寛康氏が独立。若手の活躍が著しい東京フレンチの中でも、目を見張る次世代フレンチの星。...