我々東京カレンダーは、常々、「港区」という街を積極的に取り上げてきた。 だが、そんな中でも、六本木や西麻布とは全く異なるオーラを放つエリアがある。それは……白金。 白金といえば、高級住宅街でありながら、かつては陸の孤島と呼ばれ、その実態はベールに包まれている。 そこで月刊誌東京カレンダー12月号では、いわば聖域とすら思えるこの「白金」という街に、あえて切り込んでみる。 聖域ゆえに、選ばれし者のみが集い、...
おまかせコース(¥12,000)の全12品はどれもカラフルで、配置のバランスも個性的。シェフにこだわりを尋ねると、「多皿構成のため一皿のポーションが小さいのですが、小皿ばかり使っていては面白くないので、大皿を空間として見せるようにしています」と教えてくれた。 シンメトリーを重視しないスタイルは、パリの『ル・シャトーブリアン』の影響だとか。写真のリードヴォーのソテーは、そばにオレンジジュースを煮つめたものとディルのオイルをマー...
想像力と創造力――。料理人にとって必要なのは、どちらだろうか。答えは、おそらく、どちらも、だ。想像を形にするには、それなりの経験や知識が要されるが、今年の7月に白金にオープンした『アルシミスト』の山本健一シェフは、独自の感性を皿に描くことができる若手料理人として、近い将来、脚光を浴びる存在となるだろう。 大阪の専門学校を卒業後、京都のフレンチレストランへ。フレンチをやる以上、フランスに行くことは自然の流れと考...
今年1月、白金商店街に誕生した寿司割烹。この道30年、京料理出身の横山拓生氏が手掛けるとあって、寿司屋のツマミの粋を超えた6皿前後の料理が実に秀逸。季節の移ろいを感じさせてくれる走り、旬、名残の食材を多用し、上品な器で提供する。 酒と会話と共に料理を楽しんだら、いよいよ寿司へ。西麻布『祇園 いの幸』(現在は閉店)で培った技術を受け継ぎ、関西風で握る。 驚くべきは、この上質さで5,000円という圧巻の価格設定。特別感たっ...
2017年1月、白金商店街に誕生した鮨割烹。この道30年、京料理出身の横山拓生氏が手掛けるとあって、鮨屋のツマミの粋を超えた6皿前後の料理が実に秀逸。季節の移ろいを感じさせてくれる走り、旬、名残の食材を多用し、上品な器で提供する。 酒と会話と共に料理を楽しんだら、いよいよ鮨へ。西麻布『祇園 いの幸』(現在は閉店)で培った技術を受け継ぎ、関西風で握る。驚くべきは、この上質さで¥5,000という圧巻の価格設定。特別感たっぷりな時...
起業して5年。会社を軌道に乗せることだけを考えてがむしゃらに働いてきたおかげで、結婚を決めたときには40歳が目前に迫っていた。 妻となった女性は、外資系金融で働く帰国子女。 白金に住むことを選んだのは、「静かで品のある街並みが心地いい」と、彼女が強く希望したから。 晩婚同士だったこともあり、駅上のタワーマンションを買う頭金には困らなかった。自分的には、部屋から眺める東京タワーの美しさも決め手だったけど。 ...
閑静な白金エリアにポツンと明るい賑わいを見せる店、ここが『TARANTELLA da luigi(タランテッラ ダ ルイジ)』だ。 入口から一歩足を踏み入れれば、まるでそこは本場イタリアにいるかのような雰囲気が広がる。 それもそのはず、薪窯や内装、照明など、日本にいながらにしてナポリを堪能できるよう店内の雰囲気までナポリを追求しているというこだわり。...
最初に出会ったのは、留衣の方だった。 食事会で出会った留衣は黒髪が印象的な美人で、ゆったりとした話口調が色っぽい。そんな彼女に、僕はとても興味を持った。 聞けば彼女は、白金高輪に住んでいるという。帰りの方向が同じという口実で、一緒のタクシーに乗り込んだ。 「白金高輪で好きなお店とかある?この界隈、隠れ家的なお店が多くていいよね」 「そうなんですよ。『タランテッラ ダ ルイジ』とか『茶...
大毅さんとは、食事会で知り合った。 幹事の男性を上手に盛り上げながら、女性陣に対してもこまめに気を配ってくれる大毅さんが、とても印象的だった。 「留衣ちゃんの家、白金高輪なの?僕の家は目黒だから、一緒に乗っていく? 」 帰る方向が同じ大毅さんにタクシーで送ってもらえることになり、私たちはさっそく車内で連絡先を交換する。 「白金高輪で好きなお店とかある?この界隈、隠れ家的なお店が多くて...
そんな中、僕たちは二回目のデートをすることになった。 美優の家が白金高輪だと言っていたので、今回は彼女の家に近い『TARANTELLA da luigi(タランテッラ ダ ルイジ)』を予約した。...
2回目のデートは、白金にある『TARANTELLA da luigi(タランテッラ ダ ルイジ)』になった。...
本場南イタリアのナポリを堪能したければ、ここを押さえておけば間違いない。閑静な白金エリアにひときわ目立つ明るい建物、ここが『TARANTELLA da luigi(タランテッラ ダ ルイジ)』。 入口から一歩足を踏み入れれば、まるでそこは本場イタリアにいるかのような雰囲気が広がる。 それもそのはず、薪窯や内装、照明など、日本にいながらにしてナポリを堪能できるよう店内の雰囲気までナポリを追求していると...
彼が選んだお店は白金高輪の『タランテッラ ダ ルイジ』。たまに上司も連れて行く、お気に入りのイタリアンとのこと。沙羅は行ったことのない店に心躍った。 当日、待ち合わせの5分前に連絡すると、すぐに駅に迎えに来てくれた。 「お店の場所少し分かりにくいんだよね〜」 そう言いながら、スマホを頼りにお店を探す彼。 「もう少し行き慣れてるところにすればいいのに」 不器用さは学生時代から変わ...
真っ直ぐに窯を見詰める真剣な目がある。パーラ(ピッツァを運ぶ柄の長いヘラ)の扱いもお手の物。寺床雄一氏が開いたピッツェリア&トラットリアだ。 「一番原始的かもしれませんが、手作りであることを最もはっきり示せる職人がピッツァイオーロ」。涼しげにこう語るが、気持ちは熱い。寺床氏が師と仰ぐのはナポリで伝統のピッツァを作り続ける7人の男たち。 ナポリで100年以上のピッツェリア『ラ スタリタ』のアントニオ・...
ナポリをはじめ、カンパーニャ、サルデーニャ、ロンバルディアなど、7年にもおよぶ本国での修業を経た寺床雄一氏だからこそ、本場顔負けのピッツァや郷土料理、空気感を伝えることができる。「アングイラウミドプロフーモディアッローロ」は、ペコリーノサルドをかけたウナギのローリエ煮。サルデーニャ島の川沿いの地域で、春から秋にかけて食される逸品だ。...
店主の寺てら床とこ雄一氏はナポリをはじめイタリア各地で7年の修業経験を持ち、料理はもちろん調度やグラスひとつに至るまで本場ナポリを感じさせる。絶妙のタイミングで焼き上げたマリナーラは、生地はもちもち、フレッシュなトマトの酸味が小気味よく鼻に抜ける。...
1.マッケローニ・アッラ・ナポレターナ¥1,600。塊肉を煮込んだトマトソースのラグーがナポリの味 2.モンタナーラ¥500、アンジョレッティ¥800。どちらも生地を揚げてトマトソースなどをのせたピッツェリアならではのフリット前菜 3.プライベートワイン¥6,500。360本限定でトスカーナのワイナリーが造った赤ワイン 4.カーサ・ダンブラ ビアンコレッラ¥5,900。イスキア島を代表するワイナリーの白ワ...
真の大人とは何か。自らの価値観を持ち、氾濫する情報に惑わされることなく、本物を見極める審美眼を持つことではないか。 レストラン選びも然り。真の大人が、為すべきこと、それは、数多あるグルメ情報に惑されず、自分のスタンスに合った店を選び抜き、そこを行きつけにすることだ。 そんな慧眼を養うなら、ここ『コート ドール』をおいてほかにない。 黒鉄のランタンが灯しだす「COTE D'OR」の文字もどこか風格を湛える、レジェン...
言わずと知れたフレンチの名店『コート ドール』。オープン以来、グランドメニューを飾る至極の逸品として供されているのが「和牛の尻尾の煮込み赤ワインソース」だ。 威風堂々として皿に横たわる肉塊─。 鳶色のソースに覆われ、黒々とした光沢を放つそれは、立ち昇る香気も豊潤にして軽やか。どこか毅然とした佇まいに、有無を言わせぬ迫力と品格を感じさせる。 斉須政雄シェフが28歳の時から作り続けてきた渾身の力を込めたひと皿だ。...
「レストランの総合力という意味では、町場で一番いいレストランだと思う」 北島シェフがそう言いきるのは、この後ご登壇いただく、斉須シェフ率いる『コート・ドール』。 「斉須さんは、テリーヌや鹿のシヴェがすごく上手い。どこか淡いイメージのある味付けなんだけど、肝心なところがビシッと決まっていて、本当に旨い。サービスもしっかりしているし、本当に素晴らしいレストランだと思うよ」...
小石原さんをはじめ、フードライターやソムリエなど、各界の“美味通”たちが真っ先に推薦する、東京の夏を代表するスープ。フランスで12年間料理を作り続けた斉須政雄シェフが、日本人として何ができるか追求して生まれた、唯一無二の味だ。材料は梅干しとたっぷりの紫蘇、そしてトマトの果汁と少しのアボカド。なにげない食材だが、斉須シェフの手にかかれば、梅の鮮烈な酸味と、トマトの瑞々しさ、紫蘇が醸す溢れるほどの清涼感に、胸がいっ...
たった今、出来上がったばかりの翡翠色をしたスープは、まるで息をしているかのようにプクプクと小さな気泡を立て、静かな吐息を漏らしている。ご覧の目にも涼やかなひと皿が、ここ『コート・ドール』の夏を彩るスペシャリテ“大葉シソ・梅干しの冷製スープ”。孤高の料理人・斉須政雄シェフが生み出した珠玉の逸品だ。 青シソと梅干し。この、日本人の心の奥に潜む夏の原風景を彷彿とさせる食材を使いながらも、斉須政雄という料理人のフィル...
¥5,880。言わずと知れたフレンチの名店『コート ドール』のオープン以来、25年間グランドメニューを飾る至極の逸品。これを食べるために訪れるグルマンたちが多いのもうなずける、深奥にして滋味ゆたかな味わいだ。オックステールという庶民的な食材を一流の味に仕上げる。『ヴィヴアロワ』で初めてこの料理に出合った時の感動を今も胸に秘めながら、変わらず作り続ける斎須政雄シェフ。その料理哲学がこのひと皿には潜んでいるようだ。...
レストラン偏差値が高く、そしてファッション関連のお仕事をされているだけあり、ハイセンスな冨張さん。 クリスチャン ルブタンのピンヒールに、綺麗なブルーのざっくりタートルネックの胸元に光る星のブローチとピアスは、さりげなくCHANELの新作を合わせている。 そんな冨張さんに、東カレ編集部は果敢に挑戦すべく(?)、下北沢で、しかも滅多に食べないであろう居酒屋での食事へお連れした。...
肉料理界のヒットメーカーが、見事に時流をとらえた焼きそば店。圧搾一番搾り製法のなたね油で、産地直送の「アボカドポーク」や厳選したキャベツを炒めたら、ツルツル&もちもち食感を追求したオリジナル生麺や完全無添加のソースを加えジュージューと焼き上げる。ジャンクなイメージの強い焼きそばを、「安心・安全」に味わってもらいたいと“無添加”にこだわった。また、国産生姜を自家製甘酢で漬け込んだ刻み生姜、徳島県吉野川産青のりなど、トッピングまでも抜...
肉業界の風雲児、「ヤザワミート」が今年5月に開いた『バル チェローナ』は食の業界をざわつかせた。 「肉の名手が、一体なぜ、焼きそば屋を!?」。が、もともと素材を吟味することでは定評のある同グループ、「一般的にジャンクなイメージのある焼きそばを、無添加で、しかもとびきり美味しく」という志は、作る料理のジャンルが異なれど、同じ。かくして、麺、ソース、具、調味料に至るまで考え抜かれた〝極上のB級〞たる焼きそばが...
肉業界の風雲児、「ヤザワミート」が2016年5月に開いた『バル チェローナ』は食の業界をざわつかせた。「肉の名手が、一体なぜ、焼きそば屋を!?」。が、もともと素材を吟味することでは定評のある同グループ、「一般的にジャンクなイメージのある焼きそばを、無添加で、しかもとびきり美味しく」という志は、作る料理のジャンルが異なれど、同じ。かくして、麺、ソース、具、調味料に至るまで考え抜かれた〝極上のB級〞たる焼きそばが誕...
全力で走り終えたランナーが食べたくなる、港区でしか味わえない料理とは何か…… 考え、辿り着いたのが、白金にある人気店『ひき肉少年』のひき肉ライスだ。 まずは、その魅力からご紹介したい。...
「まずインパクトのある店名にやられました。どうしたって気になる名前(笑)! 様々なひき肉料理が食べられるのかと思っていたら、オリジナルのひき肉ライスなる、ご飯ものがメインという潔さも面白い」 開口一番、勢いよく話し出す雄飛さんに案内されたのは、白金高輪の駅から古川橋の方へ3分ほど歩いたところ。 五反田で行列必至の某人気ハンバーグ店で5年修業した萎澤さんが、イタリアやシンガポールなどで料理を研究した後、独立開業したひき肉...
有名ハンバーグ店で修業した肉好き店主が、「肉をお腹いっぱい食べたい!」という“少年の夢”を実現。 オレガノなど10種以上のスパイスが効いた餡を、自家製クミンオイルとチキンスープで炊くごはんの上にたっぷりと。 大・中・小の3サイズに挽いた鹿児島産「薩摩錦ちきん」のひき肉が口内で踊り、肉汁と餡、米が渾然一体に。 中華風でも欧風でもない、初体験かつ至福の味わい。...
有名ハンバーグ店で修業した肉好き店主が、「肉をお腹いっぱい食べたい!」という“少年の夢”を実現。オレガノなど10種以上のスパイスが効いた餡を、自家製クミンオイルとチキンスープで炊くごはんの上にたっぷりと。 大・中・小の3サイズに挽いた鹿児島産「薩摩錦ちきん」のひき肉が口内で踊り、肉汁と餡、米が渾然一体に。 中華風でも欧風でもない、初体験かつ至福の味わい。...
近所ということもありフラッと行ったら、そのままよく行くお店リストになったのがここ。ひき肉と甘みがありながらもピリ辛なとろみがかった濃厚なソースは、オンザライスするために生まれてきた料理でしかない。ワタシはいつもトッピングは全部のせ。サイドオーダーの唐揚げも秀逸なので、ぜひお試しを。...
有名ハンバーグ店で修業を積むなかでひき肉に魅了された店主の萎澤氏が提案するのは、秘伝のスパイスを効かせた鶏肉あんを、クミン・トマト・チキンスープで炊いたライスにのせた、スパイシーなひき肉ライス¥800。 「トッピングの種類が多いから飽きがこない!」と森さん。...
学芸大学で46年。地元の人たちに愛され続けていた手打ちそばの店『夢呆』は、2012年2月に白金高輪にリニューアルオープン。学芸大学時代に比べ、手狭になったとはいえ、スタイリッシュな店内は、蕎麦屋の酒と肴を楽しむには格好の雰囲気だ。 神亀などイマドキの酒と並んで、菊正宗の升酒あたりがリストアップされているのも、老舗ならではだろう。鳥の照焼や鮪のぬたあえなど肴も充実。それでいて、あくまでも蕎麦屋の肴としての域を超えない力の抜き加...
学芸大学で40年以上。地元の人たちに愛され続けていた手打ちそばの店『夢呆』が、3年間の充電期間を経て再開。2012年2月、白金高輪にリニューアルオープンした。 以前に比べ、手狭になったとはいえ、スタイリッシュな店内は、蕎麦屋の酒と肴を楽しむには格好の雰囲気だ。獺祭、神亀といったイマドキの酒と並んで、菊正宗の升酒あたりがリストアップされているのも、老舗ならではだろう。 鳥の照焼や鮪のぬたあえなど肴も充実。それでいて、あく...
白金高輪駅からすぐに位置する『尾崎幸隆 丼』は、麻布十番にある日本料理店『尾崎幸隆』が手がけた姉妹店。同店の魅力は「完全オーダーメイドの天然まぐろ丼を食べる事ができること」だ。普通は丼の種類を選ぶのみだが、米や酢の種類まで選べるのが嬉しい! まず、店内に入ったら9種類用意されている丼の種類を選ぼう。「海鮮丼」や、いくら、めばちまぐろ、しらすの「三色丼」、「牛とろ丼」などからお好みをチョイス。...
私は、自他共に認める海外ドラマ好きである。 しかし、自分の胸が「ドクドク」と実際に音を立てるほど興奮し、身体が震えるほど緊張する作品は、唯一「ホームランド」だけだ。 ドキドキハラハラ感が病みつきになり、面白くて続きが気になるドラマは、いくらでもある。特に海外ドラマは、日本ドラマのクオリティとは比較にならず(製作費も天と地の差らしい)、見応えのあるものばかりだ。 そんな大作がゴロゴロと転がっているドラマ大国アメ...
カウンターの気軽さとワインが進む気の利いた料理が人気のイタリアン『ヴィノテカ キムラ』。旬のみの登場になるこちらの人気パスタは、“ホタルイカとアサリとソラマメのスパゲティ”だ。 味の決め手はホタルイカをたっぷり使うこと。そして、見た目は少々悪くてもホタルイカを潰しながら炒めてワタをパスタにしっかり絡めること。そしてさらにアサリが加わることで、濃厚なコクがボディブローのように味蕾を刺激する。「飲み屋の〆的なひと皿でしょう」との...
シェフは『バスタパスタ』ニューヨーク店や在ミラノ日本国総領事館で研鑽を積んだ木村博人氏。’10年にオープンしたこの店は「昼はごはん屋、夜は気軽な飲み屋を目指している」という。そのランチは5種類程度から選べるパスタで勝負する。自らごはん屋と言うだけありボリューミーなのもさることながら、しっかりと手をかけたソースが秀逸。添えられた自家製パンで最後まで食べ終えたとき、込み上げる満足感は止めようもない。...
オープンして1年余り。カウンターの気軽さとワインが進む気の利いた料理で、早くも予約必須の人気店となった『ヴィノテカ キムラ』。今の季節、常連客垂涎の定番パスタが、“ホタルイカとアサリとソラマメのスパゲティ”だ。 「味の決め手はホタルイカをたっぷり使うこと。そして、見た目は少々悪くてもホタルイカを潰しながら炒めてワタをパスタにしっかり絡めること」だそうで、なるほど、豊かな磯の香りを湛えつつ登場したそれは、濃厚な...
白金高輪駅から徒歩すぐに佇む『小滝野』。控えめな看板の灯りとは裏腹に、店内で提供される料理の実力は、肉好きも唸るほど。そんな同店の名物は「牛タンしゃぶ」だ。 女性を誘う時にも「牛タンしゃぶを食べに行こうよ」と誘えば、「牛タンって焼き肉じゃないの?」という反応とともに、いい返事が期待できるはず。...
牛タンといえば焼肉!ネギと一緒に焼いてレモン!と思っているあなた、まだタンの真髄をわかっていない。 タンの本当の美味しさを味わうならば、白金の名店『小滝野』を訪れて欲しい。ここならタンを生、焼き、しゃぶしゃぶという三方向から存分に味わうことができるのだ。 この店に足を運ばずして「タン好き」を語ってほしくないほどの名店はこちら!...
和牛の牛タンが希少だという話を聞いて久しい。もはや庶民が口にしづらい高級食材になりつつあるが、福岡に本店を構えるこの店では、九州牛を直のルートで仕入れるため、タンのしゃぶしゃぶをいつでも気軽に、しかもリーズナブルに味わうことができる。 仕入れたタンを晒し布で包み、約5℃の冷蔵庫で2週間ほど熟成させると、肉の旨みが倍増する。「舌に吸い付くようなねっとりとした食感も、旨みがのった証拠」と店長が言う。...
いまも昔も変わらぬ人気を誇る〝業界メシ〞といえば焼肉。 不規則かつエネルギー消費量の多い仕事をこなす業界人にとって、夜遅くまで営業している焼肉店は、パワーチャージに欠かせない存在だ。 白金の『和牛焼肉KIM 白金本店』は、多くの食通業界人から支持を集めていることで知られるが、この日も店奥の個室には食事を楽しむ男性グループがいた。今年で9年目を迎える白金を代表する焼肉店。 ゆったりくつろげる個室があるため、ビジネス...
美味しい肉を少しずついろいろ食べたい―。 そんな焼肉セレブに評判の店が、『和牛焼肉KIM』だ。...
特選和牛の質の高さが売りの一店。 「普段はタレ派の私でも、『KIM』のお肉は塩でいただくのが好きです。いろんな部位を少量ずつ食べられる“ちょっといいコース”が魅力。場所柄、焼肉屋さんのワイワイ感はないのでデートにもぴったり」...
美味しい肉を少しずついろいろ食べたい――――そんな焼肉セレブに評判の店が、『和牛焼肉KIM』だ。人気の和牛コース9000円ではヒレやサーロインを始め、トモサンカクやカメノコなど肉の希少部位が10種余りも登場。部位によって厚さやカッティングの向きを微妙に調整。味付けも塩、タレ、ポン酢と様々に楽しませてくれる。 「最初に刺身や寿司などの生肉で肉の新鮮さを感じて頂き、続いてヒレとサーロインを塩、胡椒のみでシンプルに...
この日、及川さんが声を掛けたのは、天現寺のゴルフアパレル『ナプリィ』で働く岡崎智美さん(40歳/左)と、歯科医師の竹内寿子さん(40歳/手前)。 いずれも白金在住とのことで、ご近所友達として仕事帰りに飲んだり、ゴルフに出かけたりする仲なのだとか。 白金高輪の駅すぐにある『ラ クープ ドール』の個室が今宵の女子会の舞台。もちろん、乾杯はシャンパンで。...
「…つっまんない男」 加藤誠一から届いたドタキャン連絡を一瞥し、私は思わず毒を吐いた。 わざと少し遅れて到着した白金台の『ロッツォシチリア』の前で、すでにタクシーも降りてしまったというのに。 都合がつかなくなってしまったことは、百歩譲って許してもいい。しかしながらその言い訳が気にくわない。 “妻に疑われてて…”だなんて。まったく、一気に白けた気分にさせられた。 そんな言葉、遊び慣れた男なら絶対に口...
“至急、電話ください” その夜、浮かれ足で約束の場所へと向かう僕を現実に引き戻したのは、妻から届いた短いLINEだった。 妻がこうして敬語を使うのは、まず間違いなくヤバイ事態が起きている時だ。 背筋がヒヤリ、と冷たくなる。 できることなら逃げたいが、ここで妻に従わなければますます事態は悪化するだけ。僕は観念し、すぐにコールバックをした。 「あなた、私に嘘ついたわね。衛生士の女の子に確認したら、今日...
「ロッツォ」とはイタリア語で、荒々しく飾り気のない様を意味する。ここで供される料理はまさに、そんなダイレクトな味わい。 まずひと皿目は、現地でも店の個性がよく表れるといわれるカポナータから。甘み、酸味、塩気がしっかりと感じられ、つい後を引く。 こうなると、その土地ならではの酒が恋しくなるところ。...
こうして後日、理奈とともに、彼と彼の友人が待つ白金のイタリアン『ロッツォ シチリア』へと向かった。 理奈の彼も優しそうで素敵な人だが、その友人・マサシはさらに目を引くオーラを放っていて、朗らかでノリもよく、瑠璃子は目を奪われる。 会う前は39歳という年齢が気がかりだったが、こうして会った途端、不安は一瞬にして吹き飛んだ。 理奈から聞かされていたとおり、白いシャツを通してもマサシの美しく鍛え...
店があるのは明治通りの四の橋交差点付近。昔ながらの面影を残す商店街の一角で直球勝負のシチリア料理を提供する、そんな意外性に満ちた一軒である。 本場シチリア料理を、これまたシチリア産を中心に揃える充実のワインと一緒に味わいたい。...
「ロッツォ」とはイタリア語で、荒々しく飾り気のない様を意味する。ここで供される料理はまさに、そんなダイレクトな味わい。まずひと皿目は、現地でも店の個性がよく表れるといわれるカポナータから。甘み、酸味、塩気がしっかりと感じられ、つい後を引く。こうなると、その土地ならではの酒が恋しくなるところ。 ワインは、シチリア産だけで120~130種類がスタンバイ。東西で大きく気候が異なるため、その味わいの幅も面白い。サ...
「明日の事はあまり考えず、今が楽しければ良かった20代前半。29歳になるまでに、誰かリッチで素敵な人と結婚していると信じて疑っていなかった20代後半。それが今、30歳になっちゃって。」 一茂の事があって以来、彼氏は作ってないという七海。 「傷つくのが怖いんです。20代の恋愛は立ち直れる希望があるけど、この歳でまた傷つくのは絶対に嫌。もうこの人が絶対! という確信を得られるまで付き合うのが怖くて…...
「初めて出合ったイタリア料理がシチリアの料理。あまりに奥深く、シチリア料理以外に目がいかなかった」と中村シェフ。その後は本場を見ようとシチリアに渡り、パレルモの店で約3年働いた。 だから料理は直球のシチリア郷土料理。「イワシとういきょうのスパゲットーニ」、「マグロのタリアータ」など定番がメニューに並ぶ。 スペシャルと推すのは「パネッレと茄子のカポナータ」。シンプルなシチリア料理の中でもとりわけ地味に...
本場、ニューヨークの『エッサベーグル』の製法をもとに、国産の食材にこだわったベーグルを提供するテイクアウト専門店。ラインナップは、「定番のプレーン」や「セサミ」のほかにもさまざまなベーグルがズラリ。 また、モッチリと食べ応えのあるベーグルに、その場で好みの具材を挟んで作るベーグルサンドは、食べ応えも満点だ! 早朝営業も手伝い、店前には朝食を求める人びとが連日列をなしている。...
その翌日、日曜日のことです。 私は、近所の『MARUICHI BAGLE』で買ってきたフルーツベーグルサンドの朝食を、のんびり楽しんでいました。 すると、大学時代の友人からひさしぶりに電話があり、その日の夜のお食事会に誘われたのです。体調不良で来られなくなった別の友人のピンチヒッターとして急遽呼ばれたようでした。 ―早速ご利益…?!まさかね…。 あまりのタイミングの良さに、さっそく期待してしまう単純な自分に...
本場、ニューヨークの『エッサベーグル』の製法をもとに、国産の食材にこだわったベーグルを提供するテイクアウト専門店。ラインナップは、定番のプレーン¥210やセサミ¥230のほかにもさまざまなベーグルがズラリ。 また、モッチリと食べ応えのあるベーグルに、その場で好みの具材を挟んで作るベーグルサンドは、食べ応えも満点!そのアメリカンなサイズ&ボリュームに森さんも「ひと口じゃ食べられないくらいの厚さにビックリ!」...
2015年6月オープンの洋菓子店。名物は、17世紀頃に誕生したとされるフランス・バスク地方発祥の焼き菓子「ガトー・バスク」。 現地の老舗菓子店『ミルモン』で修行を積んだパティシエの戸谷氏が焼き上げる「ガトー・バスク」は、日本とフランスの素材の違いを補うための工夫や、オリジナルの味を超えるための技術が随所に。 焼きたてにこだわり、1日約10回焼き上げを行う。サクッとした歯ごたえのあとにやってくる、フランス産黒さくらんぼを...
朝一の手土産に困ったことがある方に朗報だ。 朝7時から開店している『メゾン・ダーニ シロカネ』。急に手土産が必要になった時に朝一で飛び込める貴重なお店だ。 フランス・ビアリッツにある1872年創業の老舗『ミルモン』で修業を積んだシェフが、 “日本でも本場のガトーバスクを食べてもらいたい”と白金にお店をOPENしたのが『メゾン・ダーニ』だ。スペイン産のアーモンド粉を使ったクッキー生地の中に、フランス産の黒さくらんぼのジャムな...
2015年6月にオープンしたばかりの洋菓子店。名物は、17世紀頃に誕生したとされるフランス・バスク地方発祥の焼き菓子「ガトー・バスク」。 現地の老舗菓子店『ミルモン』で修行を積んだパティシエの戸谷氏が焼き上げるガトー・バスクは、日本とフランスの素材の違いを補うための工夫や、オリジナルの味を超えるための技術が随所に。 焼きたてにこだわり、1日約10回焼き上げを行う。サクッとした歯ごたえのあとにやってく...
白金。 東京に高級住宅街は数あれど、ここほど有無を言わさぬ圧倒的なブランド力を誇る地名はない。 だが、そもそも白金は、なぜこれほどまでに人々の羨望を得るのか。白金に住む人とはいったい何者で、なぜそこに住むのか。 その理由を、実際に白金で暮らす住人や有識者への取材を基に、歴史、ファッションなど、様々な角度から全三回に分け考察していく。 白金の住人と言えば、高級車に乗り、テラス席で優雅にお茶…。 イメージだけ...
タクシーが店の前で停まると、そこは静かな住宅街。そんな意外なロケーションのなか、白い暖簾を掲げる店が、目的の『今福』である。 ここへ誘う際には「白金にしゃぶしゃぶ食べに行こう」と言うのが正解。なぜなら少しだけサプライズを演出できるから。...
出発の前夜、可奈子と清は白金の『今福』で静かに食事を楽しんでいた。 これから和食が恋しくなるであろう可奈子のリクエストで、すき焼きを食べにきたのだった。 この日の二人は、とても晴れやかな気持ちだった。 思えばこの日を迎えるまで、今まで経験した事がないほど徹底的に話し合ったからだ。 西島に呼ばれた日の夜も、可奈子は清にその日起こったことを報告した。 清は、西島に対して不快感を隠せない...
キュッとくびれたウエストに、細くて長い手足。まるで“生きるバービー人形”のようなスタイルをお持ちのエリカさんだが、普段から六本木は好きでよく来るそうだ。 「遊ぶのはこの界隈が多いですね。クラブが好きで、週末はよく遊んでいます。」 最近ではけやき坂下にオープンした『1oak』がお気に入り。レストランはグランド ハイアット 東京に入る『オークドア』や、今の季節に食べたくなるような美味しいお鍋がいただ...
名前:敦史 年齢:46歳 職業:飲食店経営者 出身:熊本 学歴:東大 住まい:赤坂 交際ステータス:バツイチ子持ち 好きな村上春樹作品:「1Q84」 村上春樹の次に好きな作家:サマーセット・モーム 敦史はくすんだ色のアロハシャツに半ズボンという、高級店にはややそぐわないラフな格好で現れた。 ――柔らかいタンにトリュフ塩を少しだけ付ける。それを舌の上で転がしてみたいとは思わない...
東京は私にとって、ずっとコンプレックスと戦って生きてきた私を受け入れ、肯定してくれる居場所を与えてくれた街だと思っています。 地元での青春時代は、人と自分を比べてばかりで、自分の価値や居場所が分からず辛いこともあったけれど、東京で忙しいながらも充実した生活を送るにつれて、自分自身と向き合い、コンプレックスとも上手く付き合えるようになりました。 今は東京で自分の居場所を築くという1つの目標を達成しまし...
ステーキとハンバーグの『ミート矢澤』、焼肉の『焼肉ホルモン稲田』、ハンバーガーの『ブラッカウズ』など、肉ならなんでもござれ!の「ヤザワミート」グループ。数多ある店舗の中でも、最高のグレードを誇るのが、“日本の肉鍋”代表格である、すき焼きとしゃぶしゃぶを主役に据えた『今福』だ。“肉のテーマパーク”を標榜し、厳選した黒毛和牛のみを扱う。 部位別に楽しめるしゃぶしゃぶも人気だが、今回は極上サーロインのすき焼きにフォ...
下関出身の兄弟が営む、下関の郷土料理と地酒が楽しめる店。名物は最近巷で話題の「瓦そば」。瓦そばとは下関市川棚で生まれた郷土料理で、熱々の瓦に茹でた茶そばをのせて、その上に甘辛く味つけした牛肉と錦糸卵、薬味にレモンともみじおろし、海苔、ネギが盛り付けられたもの。 牛肉と茶そばを、特製出汁にたっぷり浸していただくのが美味しい食べ方。瓦の熱で麺が焦げて、パリパリともちもちの食感が楽しめる。肉の味と香ばしさが相まって、酒との相性も抜...
昭和48年創業。2008年に麻布十番の裏道から四の橋に移転した。大人のごちそうといえる鯨料理専門店として愛されている。 馴染のあるベーコンや赤肉に加え、真っ白な尾羽の「さらしくじら」、顎骨を覆っている「鹿の子」といった希少部位までいただける。 名物のはりはり鍋は、下味をつけ片栗粉をまとわせた赤身肉、水菜、油揚げの取り合わせが絶妙。より旨みがでるよう、鯨の「コロ」も入っている。夫婦2人で切り盛りするため1日3~4組が限界...
ツルンとした口当たりで驚くほど柔らかく、赤身肉ならではの旨さが凝縮された背肉の濃度に思わず陶然となる。京水菜を入れるのは心地良い食感のコントラストを醸すため。 美味を追求し続けてきたヒトの知恵を実感する組み合わせだ。これぞ、『うずら』名物、はりはり鍋。生姜が上品に香る出汁も沁みる味で、短冊に切った油揚げも、この汁をたっぷり含んでいて実に旨い。...
むかし、むかし、僕はある男性ファッション誌の編集部にいました。同じオフィスには女性ファッション誌の編集部もあり、現在は食メインのフリーライターとして活躍中の小寺慶子さんもそこで編集者として働いていました。当時から食べることが大好きだった小寺さんに僕は尋ねました。 「美味しい餃子屋ってどこ?」 すると、小寺さんは迷いもなく「大宝」と即答。その日から僕は『大宝』の餃子が大好物になりました。 『大宝』は創業昭和33年の東京を代...
麺類のどれも美味しいのですが、二日酔いの日は「タンメン」。酒でやれた胃に野菜ベースのスープが優しく染み渡り、食欲増進に。調子が良い時は「上大盛り(野菜まし)」でオーダーするくらい、好きです。途中でお酢を大量投下して味変して最後まで楽しめる。 タンメンに次いで好きなのが、「タケノコ麺」。素朴な醤油ラーメンなのですが、これはビールを頼んでいただくととんでもなく美味しい。タケノコ(メンマ)をツマミにビールをぐいっと。最強の...