「…何それ?マジで絶対ないから」 私の問いかけを、玲奈は真顔で一刀両断した。 週明け、19時過ぎに営業フロアを出たら、廊下でばったり玲奈に会った。 私たちは同じ恵比寿に住んでいる。「アトレの『鼎泰豊』でも寄ってく?」なんて話しながら、自然な流れで一緒に帰ることになった。 それで私は思い切って尋ねたのだ。 玲奈は同期で一番の仲良し。ひとりで悶々と悩み、彼女との関係がおかしくなるのは嫌だったから。 ...
前職時代、上海に赴任していたという藤本さん。 「当時のオフィスの真上にちょうど『鼎泰豐』があって、よく食べに行きました。ここが恵比寿にオープンしてからは、懐かしい味を思い出しに、ときどき通っています。今度は行きつけの美容院が同じフロアにあるんですよ」。 いつも注文するのは、中国時代と変わらず「小籠包」と「空芯菜炒め」。 「恵比寿まで遊びに来てくれる友人と行くことも多いです。せっかくわざわざ来てくれるので、がっかり...
台湾に本店を構える『鼎泰豐』。台湾本店の創業は1972年、日本に初出店したのは、1996年のこと。当時の日本では、中華料理店と言えばラーメンやチャーハンをメインとして食べるのが一般的な時代だった。点心はあくまで脇役的存在。そんな点心を一躍、メインへと押し上げたのが、「小籠包」をはじめ点心を専門に提供する『鼎泰豐』である。 自慢の「小籠包」は、本国の点心師から日本の点心師へと継承された伝統の味。「年に1回の...
台湾で行列ができる小籠包の専門店『京鼎樓』を発祥として、2005年に日本第1号店をOPEN。 11周年を迎える今年、第1号店となる『京鼎樓』恵比寿本店を全面改装リニューアル、より居心地の良い、魅力的な空間となった。...
小籠包専門店『京鼎樓』は、2005年オープン。当時は、小籠包をメインにしたカジュアルダイニングであった『京鼎樓』。しかし、小籠包以外のメニューにも力を入れたいと招かれたのが小林総料理長である。 小林氏は、夜市のイメージの強い台湾料理だけでなく、北京・上海・広東料理の要素を取り入れ、「活け伊勢海老のガーリック炒め」(¥8,230)や「フカヒレの姿煮」(¥7,730)、「アワビのクリーム煮」(¥3,930)、「ズワイ蟹肉入り卵白...