麻布十番の夜は意外と早い。今夜はデートなのに、仕事ですっかり遅くなってしまった、というときには是非こちらの店を思い出してほしい。 恵比寿『KAPPOR』の姉妹店として、今年2月にオープン。名物は、なんといってもコラーゲンたっぷりのスープとともに食す水炊きだ。深夜の胃袋にもするするおさまる優しい味わいに心が安らぐ。ほかに、こだわりの素材を使った料理と串揚げも人気。佐賀牛のサーロインや、季節によって岩ガキなどの串揚げメニューも登場す...
店主の齊藤四郎氏は、日本料理店のほか、目と鼻の先にあるふぐ料理店『ふぐ武』での修業経験も持つ人物。というわけで、品書きには、うなぎ・ふぐ・すっぽんの料理がずらりと並ぶが、実は居酒屋的な季節の一品料理も常連客の人気の的。 気取らない品々に舌鼓を打ってうなぎで〆るもよし、ふぐ料理尽くしで豪勢に楽しむもよし。温かみのある雰囲気と使い勝手の良さが魅力だ。...
漆黒の壁に、凛と掲げられた暖簾。その先に、おまかせで展開されるコースが待ち構える。店主の小崎一郎氏が長年かけて築き上げた信頼関係によって仕入れる食材を巧みに用いて、鮨と割烹料理を織り交ぜてもてなす。 理想はあるが独学という握りは、赤酢のしゃりを手に取ったかと思った次の瞬間には目の前に鮨が置かれる軽快さだ。皿の上では行儀よく鎮座するが、口に運べばすぐさま崩れる繊細さは感動モノ。...
その時々でスタイルを変える寿司懐石。一つのコースとして組み立てられた、吟味した素材で握る寿司と旬の食材を使った料理は楽しみに満ちている。「何でも美味しいですが、白子やすっぽんを使った料理は本当に絶品! 昔からの友人がオーナーで、気の合う仲間と伺います」...
食にうるさい麻布の住民たちから15年以上愛され続けている小料理店。旬の食材はひとつひとつ産地や品種を厳選。 いつ訪れても、「その時期、一番旨いものを食べさせてくれる」と評判だ。なかでも人気なのが「すっぽん鍋」。根の部分を太らせた仙台セリと、炭火で焦げ目をつけた焼き餅、焼きねぎを合わせるのが『あら㐂』流。滋味あふれるすっぽんの上品な味わいが魅力だ。...
まず、森の香り。赤松の木々の根元で育ったんだなぁという清々しい香りが、グツグツ煮え立つ出汁の中でどんどん膨らんでいく。鰹と昆布の一番出汁に鱧の、そして松茸のエキスが溶けている。ああ、だから“鱧松茸”なのか。馥郁たるスープが喉を温かく通り過ぎていく時、納得せずにはいられない。 『割烹 喜作』主人、森義明氏は秋のこのひと品のために陶芸家、岡晋吾氏に器を特注した。焼きっぱなしの素焼きの器は極めてシンプルなこの料理への森氏の思いを代...
名だたる名店で研鑽を積んできた森義明氏が満を持して開いたカウンター主体の割烹料理店。夏の鮎や鱧をはじめ、旬の極上素材をコース料理で味わえる。...
亮介が予約してくれたのは、麻布十番にある『クチーナ ヒラタ』だった。 「こちら、私の友達の彩香です」 紹介された彩香はなかなかの美人で、亮介の嫁にグ...
「こちら、私の友達の彩香です」 食事会の当日。 私と佳菜子夫妻、そして拓海は麻布十番にある『クチーナ ヒラタ』のテーブル席で向かい合って座っていた。...
人は、“麻布十番”という街にどんなイメージを持つだろうか? 港区民が住まうセレブタウン。都内屈指の名店が集まるグルメの街。それとも、庶民的で気取らな...
智美が「そうそう、それ」と言いながら、麻里子のスマホを覗き込んでくる。 小さく音を出すと、イントロの音楽が流れスマホ画面には赤ちゃんが映った。 ...
もし夏バテでも、この店のカッペリーニならするすると入ってしまう。麻布十番で30年近く愛されるイタリアンの名店『クチーナ ヒラタ』。 現在は町田武十(...
約束の日、待ち合わせ場所に指定されたのは麻布十番の『クチーナヒラタ』。 敦子は何度か来たことがある店だったため、久しぶりに会うスタッフに挨拶しな...
今夜のデート先は、お決まりですか? 大好きなあの人の笑顔が見たい!しかし…。 「どこに行ったらいいのだろう?」 「何をしたら喜んでくれる?」...
人間、本当にショックな出来事があると、記憶が飛ぶようだ。 その夜。杏子はふと気づくと、白ワインを片手に、『クチーナ ヒラタ』にて、知樹に熱心に口...
「初回は絶対に外さない、誰もが知っている大定番で攻めます」 まだ相手のことをそこまでよく知らないうちは、何を食べても美味しいことが明確な、定番の...
埼玉県出身のユリ、27歳。大手損害保険会社でエリア総合職として勤務。強い自立心を持った彼女が、彼氏と同棲していた港区を抜け出し、代々木上原という地で、迷い...
「私最近、彼氏ができたんですけど、彼の結婚願望がすごいんですよ。育休とって子育てしたいとか言ってって。今時っぽいですよね(笑)」 そう優子が話出...
昼はプリフィクスコースが4種類、夜はアラカルトを自由に組み合わせて楽しむ気軽なスタイルの『クチーナヒラタ』。 シェフの町田氏は、仕事の厳しさ、調理の...
もし夏バテでも、この店のカッペリーニならするすると入ってしまう。麻布十番で30年近く愛されるイタリアンの名店『クチーナ ヒラタ』。現在は町田武十(たけじゅ...
先代の薫陶を受けた町田武十氏が麻布十番で23年の歴史を誇る名店の味を守る。今回のパスタのように素材の持ち味と食感を活かしつつも一体感ある仕上がりにするため...
新宿の大手百貨店の新システム構築案件を受注し、先方の社長への御礼会食も実施した。これからチームを組成してプロジェクトに入る。私は全体を統轄する事業部長とし...
はい、もちろんお菓子の名前ではありません。フランス・アルザス地方発祥の煮込み料理のこと。 ザウアークラウトと同様の意味で使われることもあるが、料理としてはザウアークラウトをソーセージやベーコン、豚のすね肉などとともに煮て、ゆでたジャガイモをつけ合わせた、フランス東部アルザス地方の料理。 ビールがとまらなくなること請け合いの逸品である。...
5年間、パリの星付きレストランで修業をした須藤亮祐シェフのビストロ料理が味わえる。 肉々しい郷土料理をはじめ、扱いにくい内臓系も「丁寧」が身上。魚や野菜もいいがパワーと緻密さが同居する肉料理でコースを楽しもう。...
「ここ、私のモデルのお友達がみんな通ってるんですよね。」 2回目に来店し、麗子を指名したカナは自分の友達だと言って、今活躍中のモデルやタレントなど、この店に通ってくれている客の名前を挙げた。 大半は麗子が担当している客だが、彼らからカナの話が出たことは一度もない。 どうやらカナの、一方的な片思いのようだ。 カナは、「モデルのみんなと同じ」セラピスト・麗子の元に通っていることで、自分も...
熾烈を極める東京婚活市場。 その中で「結婚したいのに結婚できない」と嘆く女には、いくつかの共通点がある。 ある行動により自分の市場価値を無駄に下げる女、逆に実態なく価値を上げ過ぎて機会損失している女……。 これまで、24時の誘いに乗る女、〆のラーメンに行く女、花嫁修業する女、港区女子、2番手の女、理想は父親、イケメン好き、などの事例を紹介してきた。 今回は、とにかくいつ会っても完璧、な結...
生粋のパリジャンであるフローラン・ダバディ氏が足繁く通う麻布十番の『ビストロコティディアン』。 須藤亮祐シェフが作る骨太なビストロ料理のなかでも、とくに豚肉を使ったメニューがお気に入りで、「フロマージュ・ド・テット ラビゴットソース(豚の頭のカリカリ焼き)」は、あれば必ずオーダーするのだとか。...
『ビストロ・コティディアン』で供されるのは、ビストロ料理に間違いないが、クオリティは高級店に匹敵すると言っていいだろう。須藤亮祐シェフは5年間、パリの星付きレストランで修業をした人物。「ビストロの醍醐味を味わってもらいたいので、素材そのものをシンプルに、素直に『旨い!』と思えるものを安く食べてもらいたいと思っていますが、プロセスはグランメゾンでやることと変わりませんね(笑)」。 肉々しい郷土料理をはじめ、扱い...
フランス各地の定番郷土料理を、そのままのスタイルで提供するビストロ。フランスの星付きレストランを渡り歩いた須藤亮祐シェフの技が活きている。...
恵比寿『ル・ビストロ』で須藤亮祐氏がシェフを務めた当時、別のフレンチで働く北野勝也氏は、その味に心惹かれ足繁く通った。 その後、須藤氏が自店を開くにあたり、縁あってふたりは共に働くことに。それが現店である。 須藤氏はガストロノミーに憧れて渡仏するも、パリの日常に溶け込み、愛されるビストロを体感して、自身の方向性を決めた。 「長い日々を経て残る定番には、それだけの理由と意味がある」と須藤氏。フランス各地の定...
前職では大手テレビ局の通販番組制作部で、演出や商品開発を担当。ヒット商品を生み出すも、母の死を機に健康について考えるようになり、トレーナーの道に進むことを決意。 「予防医学や栄養学を伝えて、日本の健康寿命を伸ばしていきたい」と意気込む。 フリーで活動し4年、現在は南麻布の高級会員制ジム・恵比寿のジムで働く。ジムには経営者や有名人の方がたくさん来るので、様々な価値観に触れることができるのが楽しい。 結婚は「年齢は気...
フレンチというと白いクロスが敷かれたテーブル席が多数派だが、初期デートとなると距離が詰めづらい。そこで推すのがシェフズテーブルのフレンチ『釜津田』。 隠れ家的な入り口から続く階段は、ポップアートに彩られた空間。そしてデートを好転させるのは、オーナーシェフ・釜津田 健氏がこだわったカウンターだ。調理場とカウンターをフラットにし、ライブ感を高めたという。さらに奥行きもあるのでふたりの会話に浸ることもできる。 「我が家に招く...
この店をオープンするにあたって、シェフの釜津田 健さんが最もこだわったのは食材。 海の幸、山の幸が豊かで、以前から注目していた能登半島に赴き、生産者に直接会って見極めてきた食材の数々が、この店のメニューを支えている。 鶏肉よりずっと旨みが強い七面鳥、無農薬のコシヒカリ、味の濃い有機野菜などがそろう。...
この店をオープンするにあたって、シェフの釜津田 健さんが最もこだわったのは食材。 海の幸、山の幸が豊かで、以前から注目していた能登半島に赴き、生産者に直接会って見極めてきた食材の数々が、この店のメニューを支えている。鶏肉よりずっと旨みが強い七面鳥、無農薬のコシヒカリ、味の濃い有機野菜などがそろう。...
牡蠣を食べるならば、オイスターバーや牡蠣小屋と連想する人も多いかもしれないが、『麻布楸』はそういったお店ではない。 あくまでも牡蠣料理専門店として、普段はなかなか食べる事ができない牡蠣料理を楽しんで欲しいと、オーナー早川拓視氏が『麻布楸』をオープン。 そんな早川氏が自ら選び抜く牡蠣を使用し、作られる料理はどれも独創的で、お酒の進む品ばかり。 「前菜6種と日本各地からの真牡蠣食べ比べコース」(3,980円 ※主菜、...
牡蠣を食べるならば、オイスターバーや牡蠣小屋と連想する人も多いかもしれないが、『麻布楸』はそういったお店ではない。 あくまでも牡蠣料理専門店として、普段はなかなか食べる事ができない牡蠣料理を楽しんで欲しいと、オーナー早川拓視氏が『麻布楸』をオープン。銀座でも『銀座楸』を経営している。 そんな早川氏が自ら選び抜く牡蠣を使用し、作られる料理はどれも独創的で、お酒の進む品ばかり。「前菜6種と日本各地からの真牡蠣食べ比べコース...
その日は、会社の友人とヘルシーで美味しいものを食べようと、女3人で麻布十番のビストロ『T'astous』を訪れていた。ここは、無農薬野菜や九州産の魚介をコースで楽しめる、コスパも雰囲気も良いお店だ。...
幸夫から指定されたのは、麻布十番の『タストゥー』。麻布通りの二の橋と三の橋交差点の間にあるレストランで、ネオ・ビストロと呼ばれている店だ。 「あゆみちゃん、やっと会えて嬉しいよ」 向かい合って座る幸夫が爽やかな笑顔を向けてきた。その笑顔を見て、あゆみは考える。 ―この人だったら、幸せにしてあげたいと思える……? そう思いたいと自分に言い聞かせているだけかもしれないが、もし再婚するなら、やはり一番の候補は...
喧騒を離れ落ち着いた雰囲気の中で楽しめるのは、パリと南西部の郷土の味を堀江シェフが再構築したフレンチ。長野県・大島農園の無農薬野菜や長崎を中心とした九州産の魚介など、吟味を重ねて入手した食材は、その味を引き出すため手をかけ過ぎないように調理。 そこに、例えば「キハタのポワレ」はキハタの下に下仁田ねぎ、大根が敷かれ、ソースにゆずを使うなど、「日本の鍋をイメージしています」と遊び心、アイデアをまとわせることも...
エレガントかつ彩り鮮やかな料理で女性を喜ばせたいなら『ビストラン エレネスク』。 3種類あるコースは、どれも9~10皿で構成され、一皿ずつ酸や香りなど際立つポイントがあってコースのストーリー性が楽しめる。井口シェフは華やかな野菜料理が得意で、どの皿もエレガント。一皿ごとに彼女の感嘆の声が聞こえてくる。...
“ビストラン”とは、気軽なビストロ感覚で本格フレンチレストランを訪れて欲しいという想いから生まれた造語。一皿で、旨味、酸味、苦味を表現する料理は、そのビジュアルも目を見張るものがあり、食べることを躊躇してしまうほど。 年間数百頭しか出回らない黒毛和牛の原種「見蘭牛」がいただけるのもこちらならでは。シャンパーニュとブルゴーニュに特化したリストは、ワイン好きならずとも興味を持たずにいられない。...
JALのファーストクラス、ビジネスクラスのメニューの開発、地方食材とのコラボ企画「深夜定食」を冬季期間限定で提供するなど、既存にないスタイルに果敢にチャレンジする『山田チカラ』。定食・朝チカラ(¥3,500)は、味や見た目はもとより栄養面にも深い配慮。フレッシュな野菜ジュースで血流を促し、豆腐や野菜を使った惣菜4品をまず。土鍋ご飯に、焼き魚と店主のこだわりが満載だ。...
『ラルーヌ』をはじめとした国内で修業を積んだのち渡欧。かの『エル・ブジ』のフェラン・アドリア氏に師事。和と洋の垣根を超えた料理を、茶懐石のスタイルで味わうことができる『山田チカラ』。鮮度の高い素材使いに加え、栄養バランスも計算された充実のメニューは、まさに絶品。料理長と女将の二人三脚の渾身のもてなしは、忘れられない時を刻んでくれるだろう。...
高い技術を持った職人がいるピッツェリアは、つねにたくさんのお客で賑わい、街そのものを活気づけるものだ。湯島で人気を集め、今年4月に麻布十番に2号店をオープンさせた『ピッツェリアファンタジスタドゥエ』。この店では、日本一のピッツァ職人が焼いたピザが食べられる。 窯の扱いや焼き方など、18の審査項目があるコンテストで優勝した経験を持つ店長の坂本大樹さんは「ナポリピッツァの材料は、いたってシンプル。だからこそ生地の美味しさにこだわりた...
「もう次に会うのは、年明けの恒例行事か〜」 大学時代からの親友・知恵とともに、忘年会と称して集まった『麻布 川上庵』。 この1年がどれだけ早く過ぎ去ったかをしみじみと語り尽くした後で、まどかは独り言のように呟いた。 “恒例行事”というのは、伊勢神宮参拝のことである。 ふたりはここ3年ほど毎年、年明けに伊勢神宮を訪れ良縁祈願しているのだ。 縁結びの神社やパワースポットは、はるばる伊勢まで訪れなくても...
今回の行きつけツアーは、木梨さんが遊び仲間やスタッフとよく蕎麦を食べにくるというコチラの店から始まった。 「ここんちのクルミだれせいろはびっくりするほどまろやかで絶品。俺が注文するのはコレか鴨南そばの二択。週に1回は口にしないと落ち着かないね」。...
とある水曜の夜、麻布十番の『川上庵』で絵美里は39歳の会社経営者、修二とテーブル越しに向かい合って座っている。今宵は20時より絵美里と修二を含む計8人の飲み会が開催されていたが、二次会が終わり、24時を回ったところで残ったのは二人だけになった。 「3次会に、カンパーイ! 遅くまでお付き合いいただいちゃって、すみません。」 「いえいえ、こちらこそ。」 絵美里は一次会での「結婚していないからっ...
その日は残り少ない同期の松田がベンチャー企業への転職を決めたというので、軽く蕎麦でも食べて帰ろうと会社帰りに麻布十番の『川上庵』に寄りました。 彼の転職への意気込みや熱意は強いようでしたが、話しているうち、2年付き合い結婚を考えていた彼女に転職を反対され別れることになったと、酔いに任せてかなり愚痴をこぼして始めました。 「女なんてどうせ金なんだよ。」 確かに先輩や上司でも、転職やクビになっ...
店内に木梨さんの絵が飾られていることからも、その付き合いの深さが窺えるブーランジュリー。 「ここのミルクパンはね、木梨家の朝食にはもちろん、100本ぐらい買って現場に差し入れするの。昭和の菓子パンのような優しい甘さで、疲れている体に効くんだよね~」。...