この店のスタイルは、ちょっと変わっている。カウンターに並んだ肴を選んでキャッシュオンデリバリーという店はよくあるが、ここでは、瓶ビール以外の酒はすべてセルフで作るシステム。日本酒が飲みたければ、壁沿いに並んだ酒販機へ。グラスをセットしてお金を投入すれば、決まった量の酒が注がれる。 焼酎酒販機でサワーやホッピーを作って呑み、焼き鳥まで自分で焼く。これ以上ないほど自分好みの酒と肴で酔えるのだ。...
【1日数組限定】 独占欲は、大切だ。悪しき響きにたじろぐ必要はない。大事な誰か、特別な時間を、自分だけのものにしたい気持ちは、否定のしようがないもの。食事時で、さえ。 完全予約貸切制の店、『日本料理エドア』には、そんな気持ちを抑えられないお客たちが時々、訪れる。予約時間内は誰とも顔を合わせず、自分たちだけで、クローズドな空間と店主・高村直子さんの料理を堪能できる...
「完全貸切予約制」 八丁堀の一角にこの9月開業した『日本料理 エドア』の営業スタイルである。銀座から至近距離にありながら、通勤時間と昼休み以外、人気の少ないこのビジネス街に、ぽつんと開いたこの店は、一見、食器かインテリアのショールームと見紛う。大きな窓越しに見える小柄な店主・高村直子さんの、包丁を握る姿は儚げで、さらにここが何の店か朧気になってくる。 だが改めて言うまでもなく、ここは日本料理店。ホームパーティでお客に料理を振る...
店先に立つサインボードに、昭和の香り漂う書体で、こう書いてある。「モツイタリアン&がぶ飲みワイン」。笑ってしまうが、本気である。メニューを開けば、レバー、トリッパ、ハツ……モツの名がズラリと並ぶ。料理長の大胡田達朗氏も本気だ。 「もっとモツ料理を増やしたくて試行錯誤を繰り返しています」 事の発端はマネージャーの坂口丹氏がフィレンツェにいた頃。約6年間の現地暮らしで、ギアラの煮込みをパンに挟むランプレドットという屋台料理...
東京駅からひと駅、銀座からもタクシーですぐだが閑静な八丁堀周辺。通りを歩いていると目の前に現れるのは、ガラス張りの美しい箱のような建物。 ここがフレンチレストラン『マチュリテ(Maturite)』だ。 実はこの店、八丁堀の予約が取れない人気店『レトノ』の姉妹店。『マチュリテ』がオープンしたのは『レトノ』の160m先なのだ。 ここでシェフを務めるのは『ストリングスホテル東京インターコンチネンタル』で総料理長を務め、...
銀座から一歩離れた、閑静なエリアにその名店は誕生した。 外資系ホテルで名をはせた一流シェフの、ファーストクラスのフレンチフルコースが5,500円で味わえるという驚きの新店だ。 雰囲気も味も抜群の、その奇跡的コスパフレンチをご紹介しよう!...
素材本来の滋味を豪快に味わえる恵比寿の人気和食店『福笑』。インターフォンで密やかに入る隠れ家の草分け的存在でもある同店の店主・福迫淳一氏が、自身の理想を推し進めるカタチで新店をオープンさせた。 八丁堀駅の地下構内から地上に出ると、かすかに漂う潮の香り。亀島川を越え、オフィス街をそぞろ歩くと、苔に覆われたエントランスがひっそり現れる。ここが、古い民家を全面改築した『FUKUSAKO』だ。...
江戸時代から続く老舗酒屋に設置されたバースペース。始まりは角打ちだが、7代目の松沢弘一郎氏が国内外の旨い食材を探し出して提供し、現在の和洋折衷スタイルとなった。 築地近隣の立地もあって仲卸も昔馴染み。目利きが選んだ刺し身も看板メニューのひとつだ。旨い肴を酒屋価格の美酒と味わうこの幸せ、時を忘れてゆるりと愉しみたい...
立ち飲みを始めて28年目。酒屋の角打ちながらモダンな雰囲気で、ワイン好きにも日本酒好きにも愛されている。当初は自慢の刺身と生ハムなどの簡単な洋風つまみからスタートしたというが、長年の間にどんどんメニューは進化している。 現在は和食出身の料理長が厨房を預かるだけに、手の込んだ和食のメニューが登場する。カウンターに並ぶ美味しそうな大皿のお惣菜10品も圧巻だが、その他のメニューも充実。持ち込み料を払えば、隣接の酒屋で好みのお酒を買...
八丁堀で宮田屋酒店が運営する『Stand bar Maru』は、1Fが酒屋とスタンディングバー、2Fはバル、3Fがビストロと、それぞれの雰囲気を楽しめる人気店だ。 小野寺氏も1Fでシャンパンやワインを買って、その日の気分で2Fや3Fを使い分ける。ここでは必ずシャンパンを飲み、肉か魚といった焼き物をオーダーすると言う。 「カジュアルだけど料理は美味しいし、良いワインが手頃に飲めるので、飲みながら食べた...
元々は酒屋店が始めた一角の立ち飲み。まさか、これほどまでに発展するとは、と見紛うほどの繁盛店に。フロアごとにスタンディング、炭火グリル、ビストロと分けたコンセプトも使い勝手が良い。...
『ポン・デュ・ガール』がワイン居酒屋ならば、こちらはワインビストロなんです」と語るのは、系列全7店を経営する安生浩氏。11年前、パリの人気店『ル・ヴェール・ヴォレ』のように、気軽なスタイルでワインを楽しめる店を作りたい、と思ったのがすべての出発点だったという。 お手本の『ル・ヴェール・ヴォレ』同様に、扱うワインはすべて自然派。そして料理は、ビストロの定番メニューが目を疑うボリュームで登場。いっぱい食べて、いっぱい飲む!なら、...
月に1度は友人と千葉や茨城へゴルフに行き、土日は好きな漫画を読み耽ったり、ピアノを弾いてリフレッシュする。家にダンボール7箱ほどの漫画がある位、大の漫画好きのようだ。 また、旅行も彼の趣味の1つ。過去に紹介した表参道の歯科医と同様、会員制宿泊予約アプリの『Relux』に絶大な信頼を置いている。「最初の1、2回利用した時、想像以上に良かったんです。以来、このアプリを愛用しています。」この連載で既に2人が愛用していることが判...
自然派のワインを揃え、壁一面に並ぶボトルがワインリスト代わり。気取りのない空間、ハムやソーセージの盛り合わせをスペシャルにするなど、パリのビストロ『ル・ヴェール・ヴォレ』そのもの。系列店も近所だ。...
スタッフが4人になったのを機に出店を決意。「僕の通勤ルートだった八丁堀で物件を見つけて」2007年にオープン。前年の現地視察を受けて、よりフランス色の強いビストロとなった。雑誌など、メディアでも多く取り上げられ、なかなか予約の取れない人気店に。...
オープンは2012年10月。昼はカレー、夜はワインスタンドというスタイルだ。店主・出倉吾朗さんは、飲食店のメニュー開発に携わっていたというフードコーディネイター。だからメニューの振り幅が広い。黒板メニューにはフレンチからエスニックまで、個性的な品々がフリースタイルで並んでいる。 たとえば、「ロゼワインとどうぞ」と書かれたクミン風味のラム串や、セロリアックのサラダ、スペイン風オムレツなどなど。ひとり用の前菜プレートもあるので、...
日本橋で100年続く『鳥徳』の名物といえば、鳥鍋だ。店が誕生した当時、世の中では高価な牛鍋が流行っていた。そこで“庶民でも楽しめる味を提供したい”という初代当主の想いから誕生したのが鳥鍋だった。 最初に鳥の脂で葱を焼いて香りを出し、レバー、もも、たたきを割り下で甘辛く煮る。新鮮で柔らかい肉はもちろん、鳥の出汁をよくまとったしらたきも絶品だ。そんな鳥鍋をいただくのは、戦後すぐに建てられた木造一軒家の2階の座敷。 近年稀に...
腕を振るうのは『レストラン大宮』出身の本橋大志シェフ。 メニューには本格的な洋食が並ぶが、氏のスペシャリテは日本の家庭料理の定番、メンチカツだ。粗めにミンチされた牛肉と、溢れ出る肉汁、じっくりと煮込まれたデミグラスソースが渾然一体となり、美しい三重奏を奏でる。 その余韻に浸りつつも、香り高き無濾過ビール、白穂乃香をひとくち……。さらに鮮麗な四重奏が、口いっぱいに響き渡る。...
柔らかく上品な蝦夷鹿の芯玉、濃厚な旨みと歯ごたえが魅力の猪のバラ、ササミでも圧倒的に力強くジューシーな雉……。八丁堀の裏路地。魅惑的な肉が焼ける匂いの充満する空間に、エネルギッシュに食らい、ワインをがぶ呑みする客が夜な夜な集う。壁にはこちらを見据えるかのように堂々たる姿をみせる鹿の剥製、七輪にのっているのはすべてジビエだ。 基本メニューは蝦夷鹿、猪、雉、猪豚の焼きの直球勝負。ジビエ=フレンチ、高級というイメージを軽々と乗り越...
柔らかく上品な蝦夷鹿の芯玉、濃厚な旨みと歯ごたえが魅力の猪のバラ、ササミでも圧倒的に力強くジューシーな雉……。八丁堀の裏路地。魅惑的な肉が焼ける匂いの充満する空間に、エネルギッシュに食らい、ワインをがぶ呑みする客が夜な夜な集う。 壁にはこちらを見据えるかのように堂々たる姿をみせる鹿の剥製、七輪にのっているのはすべてジビエだ。基本メニューは蝦夷鹿、猪、雉、猪豚の焼きの直球勝負。 ジビエ=フレンチ、高級というイメージを軽々...