「本当に美味しいワインを、日常的に愉しんでもらいたい」。オーナーソムリエ・幅紀長氏のそんな思いが形となった店。氏がセレクトするワインには、確かに芯のある美味が宿る。 「表面的な果実味ではなく、テロワールの味が葡萄に伝わっているもの」というこだわりが、リストの隅々にまで行き届いているのだ。美酒とともに卓を飾るのは、無農薬野菜をはじめとした厳選素材のイタリアン。力強い食材の持ち味が、ワインの魅力をより引き立てる。...
食事の後、ちょっと飲み足りないなと思った時によく行く店。特に和食の後はなぜかワインが飲みたくなる小野寺氏。 「銀座で遅くまでやっていて、仕事の後にも行ける非常にありがたいお店。」なのだそう。 特にヴィンテージワインを美味しく飲ませてくれることでも有名で、輸入元、輸入ルート、保存状態がかなり良くないとできないそうだ。 年代の若いワインなら勢いがあるので多少のことがあっても負けないが、古いワインは管理者がそのポテンシ...
大阪北新地で人気のスタンドシャン食が東京進出の場所に選んだのが、最近新店が続々とオープンしている新橋虎ノ門。 「シャンパンをもっと気軽に」をコンセプトに、シャンパンの持つ高級なイメージと対照的なギョーザを看板メニューし、よりシャンパンを身近に楽しめる店として人気を集めている。 そんなシャンパン食堂が提案するのは、フレンチの豚肉料理から発想を得た「シャンパンに合う餃子」。...
こだわりの鱧やふぐ、天然鮎を使った料理が自慢の『銀座 福和』。 なかでも鱧は、1寸で24切れの包丁を入れないと美味しく味わえないことから、熟練の技を必要とする食材。...
こだわりの鱧やふぐ、天然鮎を使った料理が自慢の『銀座 福和』。なかでも鱧は、1寸で24切れの包丁を入れないと美味しく味わえないことから、熟練の技を必要とする食材。 それを惜しげもなく、たっぷりといただけるのが鱧野菜天丼。野菜も近江人参など色と食感のよいものを使用している。...
「へぇ。その彼氏とは長いの?喧嘩でもしたのか?」 —なんだ、恋愛相談か。 龍平はいつものことだと思い、ぷっくりとした厚みのある『鮨 竜介』の大トロの握りに視線を戻す。 龍平は何故か昔から、女性の恋愛相談に乗ることが多かった。 話しやすいのか、男として見られていないのかは分からないが、“的確なアドバイスをくれる”と、女性陣からの信頼は厚いのだ。 —はぁ...なんて美味しいんだ。 赤酢のシャリで握ら...
銀座で食事ならこのジャンルは外せない。今夜は鮨で決まりだ。 ところで多くの鮨店は18時〜と20時〜という2回転での営業が多い。会社帰りのデートは必然的に2回転目、20時からの食事となった。 待ち合わせは19時。つかの間の〝銀ブラ〞を今、断然人気の『ギンザ シックス』でしているうちに、いつしか時間は20時近くに。『銀座久兵衛』などで腕を磨いた若き大将・山根氏は銀座の店ながら“楽しく食べられる店”を心がけ、「食べ方やネタの...
記念すべき初デートは、今一番好きだと言っても過言ではない『鮨 竜介』にした。 ここ数ヶ月の間、毎月欠かさず通っている店で、かなりお気に入りだった。 よく通っているうちに大将にも顔を覚えてもらっており、下手な女性は連れて行きたくない。瑠里子こそ、この店がふさわしいように思った。 凛として、美しい彼女との初デート。中途半端な店に連れて行き、“この程度か”と思われるのは嫌だ。 初デートで鮨...
「お待たせしました。」 待ち合わせ時間に5分くらい遅れて登場した瞬間、航平さんが眩しそうに私を見つめる。 私は、男性からのこの視線が大好きだ。 毎回、ちょっと気合いを入れて身体のラインが分かる服装をしていると、男性は嬉しそうに私を見つめてくる。 —今日は、どの角度から見られても大丈夫。 お寿司屋さんのちょっと明るめの照明にも耐えられるよう、毛穴のカバーは完璧にしてきた。...
塩昆布かと思いきや、香り高いトリュフが散らされたヒラメのつまみ。『鮨 竜介』では、鮨屋ではあまり見かけない食材も登場する。 「お客様が喜んでくれるなら、もっと自由でいいと思います」と語るのは、36歳で独立を果たした山根竜介氏。 トリュフのほか、キャビアやフォアグラといった食材もおまかせのコースのなかで、違和感なく供される。もちろん握りも秀逸。赤酢と米酢の酢飯を種によって使い分けている。...
塩昆布かと思いきや、香り高いトリュフが散らされたヒラメのつまみ。『鮨 竜介』では、鮨屋ではあまり見かけない食材も登場する。 「お客様が喜んでくれるなら、もっと自由でいいと思います」と語るのは、36歳で独立を果たした山根竜介氏。...
「へぇ......結局、ひな子はあの若者が好きだったのね」 久しぶりに会った慶子は感心するように頷きながら、琥珀色のシャンパンに口を付ける。 先日は女子会に突然恋人の俊介を連れてこられたため、二人は険悪ムードに突入していたが、今日は思い切ってひな子から銀座のシャネル屋上の『ル・ジャルダン・ドゥ・ツイード』に誘った。 とにかく、親友の慶子に裕太の話を聞いて欲しかったのだ。 以前は「同...
指定された銀座の『鮨 竜介』に到着すると、直樹はすでに清潔感のある白木のカウンターに座っていた。 若かりし頃にやんちゃな恋に落ちた直樹と品の良い鮨屋で肩を並べているなんて、随分と大人になった気がしてしまう。...
「え?何よ急に...」 「ひな子、『たきや』以来、例の若者には会ってないわよね?」 不意打ちで探りを入れられ、ひな子はぎくっとする。裕太のことは黙っておきたかったが、勘の良い彼女に隠し事をするのは難しそうだった。 「何よ、若者って......裕太くんは同い年よ。あのあと『竜介』と『かわむら』にも一緒に行ったけど......」 「うそでしょ?まさか、それもワリカンだったんじゃ........
―私の好きなメニュー、考えてくれるんじゃなかったの...! ひな子の密かな期待とは裏腹に、『竜介』の誘い以来、裕太からの連絡はしばらく途絶えていた。 LINEの通知が来るたびに、ひな子はどうしても裕太の顔を思い浮かべてしまうのだが、相手は星の数ほどいる男友達(通称“おしょくじがかり”)ばかりである。 日に日に苛立ちが募り、ひな子はスマホが鳴る度に、舌打ちしたいほどの感情に駆られていた。 ...
柄にもなく、ひな子は前回よりもさらに緊張した足取りで『鮨 竜介』に向かっていた。裕太の提案する店は、やはり同い年とは思えないセンスの良さだ。 銀座でも指折りの鮨屋に向かう高揚感もさることながら、自分でも信じられないが、ひな子は裕太に会うこと自体に、説明のつかない気恥ずかしさを覚えている。 それが割り勘に対する恐れなのか、慶子に指摘されたような感情のためなのか、ひな子は判断できない。 ―もう...
「今朝は最高の鮪が仕入れられました」大間で釣れたという立派なハラカミを前に、柔らかく微笑む店主の山根竜介氏。銀座という激戦地に店を構えて早一年。巡る四季を経てますます充実のときを迎えている。 握りは王道。ネタの旨みの濃淡に応じて、シャリは2種類を使い分ける。鮪なら赤。「鮨屋ですから、しっかり食べてほしい」。そんな思いを込め、夜のおまかせで13貫は握る。口に運べば、ネタとシャリの一体感が圧倒的。真っ直ぐな旨...
『チェナクルーム』は銀座コリドー街の10階にあるフレンチ新店。おまかせコース(10,800円 税込)は全8品。 月ごとに変わるプリフィクスメニューにワインだけでなく、ビール、ノンアルコールのペアリングコースが選べるのだ。 おひとりさまやデートには窓に面したカウンター席を、女子会にはテーブル席、ビジネスにはロフトのテーブル席や個室もあり、使い勝手も◎!空間の解放感がたまらない。...
2015年12月に誕生したビルの最上階に位置する『チェナクルーム』。 ガラス張りの店内から、銀座の街並みや通過する列車、国会議事堂のライトアップを望むことができる。...
銀座コリドー街で夜景と言えば思い浮かべるのはビルのネオンだろうか。いや、そうじゃない。新たな夜景スポットとして昨年12月にオープンした「cenaculum(チェナクルーム)」は早くも予約争奪戦になりつつある新店だ。 繁華街の中心に建った新しいビルの最上階にあり、ここで楽しむ夜景の中心はなんと、“国会議事堂”。周囲に高い建物が少ないエリアだけに、はっきりとその姿を眺めることができる。超高層から眺めるようなド...
店内に入ると「あ〜、気持ちいいな〜。」と第一声が。見晴らしが良く自然光が惜しみなく降りそそぎ、夜は夜景が望める雰囲気抜群のレストランだ。 ここ『チェナクルーム』は銀座コリドー街の10階にあるフレンチ新店。おまかせコース(10,800円 税込)は全8品。月ごとに変わるプリフィクスメニューにワインだけでなく、ビール、ノンアルコールのペアリングコースが選べるのだ。 おひとりさまやデートには窓に面したカウン...
銀座の寿司店の頂点といえば、間違いなく『銀座 久兵衛』があげられるだろう。創業80年を超える老舗だが、常に満席続きの繁盛店だ。 銀座8丁目の本館と別館を含め、フロアは8つあり、1日に300人が来店するという。 しかし3代目の今田景久氏は「敷居を高く思わずに、まず1度は気軽にご来店頂きたい」と語る。 一度は足を運んでほしい、粋が詰まった銀座の一流寿司店だ。...
銀座の寿司店の頂点といえば、間違いなく『銀座 久兵衛』があげられるだろう。創業80年を超える老舗だが、常に満席続きの繁盛店だ。 銀座8丁目の本館と別館を含め、フロアは8つあり、1日に300人が来店するという。 しかし3代目の今田景久氏は「敷居を高く思わずに、まず1度は気軽にご来店頂きたい」と語る。今回は織部コース(7,500円)をご紹介しよう。...
銀座の寿司店の頂点といえば、間違いなく『銀座 久兵衛』があげられるだろう。創業80年を超える老舗だが、常に満席続きの繁盛店だ。 銀座8丁目の本館と別館を含め、フロアは8つあり、1日に300人が来店するという。 しかし3代目の今田景久氏は「敷居を高く思わずに、まず1度は気軽にご来店頂きたい」と語る。 その証拠に、周年記念としてランチを2,000円引きで提供しているのだ。今回は織部コース(7,50...
妻の古い携帯は、夫には耐え難い事実で溢れていた。 聞き覚えのない名前の男との頻繁なメールのやり取りの中には、『久兵衛』、『ロオジエ』、『さわ田』など、一人単価数万円の高級店や、高級ホテルの名前が待合せ場所として常に指定されている。 メールの中には、男があゆみにプレゼントを買い与えた証拠となるような文面も多くあった。 そして何よりも春樹が衝撃を受けたのは、その男との写真が多数残されていたこと...
「一番」という評価が嫌いな人間などいない。妹は完全に舞い上がっている。 あの経験値の高そうな長谷川から、女性マウンティングの頂点に君臨させられたのだから、まぁ仕方あるまい。女なら誰しも、自尊心が一気に満たされるはずだ。加えてレア感のある高級イタリアンに、送り迎え付きの紳士な対応。そして例のごとく、去り際はまたしてもスマートであったらしい。 「長谷川さん、出張から帰ったら、また連絡くれるって……。...
創業80年を迎えた銀座の鮨店『久兵衛』は、北大路魯山人、志賀直哉、吉田茂など数多くの著名人を、一流の職人技、もてなし、そして食で虜にしてきた老舗だ。 3代目の今田さんは「今回のマグロは長崎産のものですが、来月になればまた産地は変わります。その時その時最高の食材を堪能してもらうのが基本」と言う。今田さんが柳刃包丁でネタを一枚一枚丁寧に切っていき、絶妙な職人技でシャリとネタを握る(それを眺めるのはなんとも楽し...
鎌倉生まれ鎌倉育ち、自宅は広尾、夫は婿養子の社長。東京のブルジョアとして栄華を誇る広尾の暇なマダム、人呼んで『ヒマダム』。20代にバブルも経験し、自らの欲望に忠実に生きてきた女が50歳を過ぎたなら……。 この度東京カレンダーでは、暇を持て余したヒマダムが暇すぎてスイスに留学中の愛娘にせっせと毎日送りつけているメールの全文を入手した。 ヒマダムのメール、怖いもの見たさで、いざ開封……。...
――裕哉はこの日の帰宅後も、デスクに向かう。そして「ブルーアワー」を愛撫しながら、これまでの人生について回想していた。 裕哉は杉並区で共働きの中流家庭に生まれ育ち、コツコツと勉強を積み重ね、有名進学校を経て現役で一橋大学経済学部に入学した。 「優等生」で通してきた裕哉は、周りの女性たちからは「紳士」や「良物件」や「非の打ちどころがない」などと言われ評判は良かった。 就職してからもブレずに、...
PM 7:00。羽田空港のAMAラウンジでまつこと2時間。 小和田常務らしき人間を見つけるなり、シンゴは早々に声をかけた。 「すみません。小和田常務でいらっしゃいますでしょうか。」 以前、役員も同席するプレゼン時、顔を合わせたことがあったため、小和田常務はすぐに気づいた。 「あぁ、君かね。何を言われても、あの企画は君にはやらんよ。」 まるで、シンゴが来ることがわかっていたかのように...
超有名鮨店・銀座『久兵衛』の手土産に太巻きがあるって、ご存知ですか? 久兵衛といえば鮨酢に砂糖を加えないのが特徴の一つですが、太巻きは敢えて加糖にする事でふっくらとした仕上がりを保つことが出来るそう。 シャープな甘味とほのかに芳ばしさを感じる付焼き穴子、滑らかでカステラのような優しい口当たりの芝海老のすり身が贅沢に使用された玉子焼き、板摺り胡瓜、甘辛く煮た椎茸と干瓢、茹で海老が様々な食感と絶妙な...
昭和10年の創業以来、北大路魯山人や志賀直哉など、多くの粋人を魅了してきた老舗。雲丹やイクラの軍艦、砂糖を使わぬシャリなど、この店を発祥とする先駆け的な取り組みは数知れず。最高素材を卓越した技術で捌き、間合いを計りながら、すっと差し出される美しい握りの数々は、真の名店と呼ぶに相応しい。伝統に胡坐をかかず、細やかな心配りでゲストに至福の時間を提供するもてなし。このホスピタリティこそが、老舗の歴史を紡いでいくのだろう。...
銀座コリドー街の袋小路の奥に佇む一軒家。素材を生かしつつ、手をかけた料理は、どれも鮮やかに印象に残る。ワインリストにはマニアックなものから五大シャトーのものまで揃っており、正統派の日本料理とのマリアージュが楽しめる。 正統派の懐石料理はもちろん、20:30からは新鮮な魚介や、素材の持ち味を生かした温・冷菜、鍋物などもアラカルトで楽しめる。 フランスや沖縄など、様々な土地で料理を追究してきた料理長の大野敏彦氏が編み出す逸...
『銀座大野』では、正統派の懐石料理をはじめ、8:30PMからは新鮮な魚介や、素材の持ち味を生かした温・冷菜、鍋物などもアラカルトで楽しめる。フランスや沖縄など、様々な土地で料理を追究してきた料理長の大野敏彦氏が編み出す逸品の数々には、ソムリエでもある丸山大輔店長厳選のワインをぜひ。 オザミグループ唯一の和食店として、自然派ワインを約250種揃えているのだ。メニューは月替わりのため、「来月はいつにする?」と、次のデートにもつな...
『銀座大野』では、正統派の懐石料理をはじめ、20:30からは新鮮な魚介や、素材の持ち味を生かした温・冷菜、鍋物などもアラカルトで楽しめる。 フランスや沖縄など、様々な土地で料理を追究してきた料理長の大野敏彦氏が編み出す逸品の数々には、ソムリエでもある丸山大輔店長厳選のワインをぜひ。 オザミグループ唯一の和食店として、自然派ワインを約250種揃えているのだ。メニューは月替わりのため、「来月はいつにする...
銀座コリドー街の袋小路の奥に佇む一軒家。素材を生かしつつ、手をかけた料理は、どれも鮮やかに印象に残る。ワインリストにはマニアックなものから五大シャトーのものまで揃っており、正統派の日本料理とのマリアージュが楽しめる。 正統派の懐石料理はもちろん、20:30からは新鮮な魚介や、素材の持ち味を生かした温・冷菜、鍋物などもアラカルトで楽しめる。フランスや沖縄など、様々な土地で料理を追究してきた料理長の大野敏彦氏...
銀座で深夜まできちんと食事ができる店は少ない。それが懐石料理で、さらにワインも豊富となると探すのはかなり困難である。 しかしながら『銀座 大野』のラストオーダーは平日は深夜2時、土日でも23時。ワインリストにはマニアックなものから五大シャトーのものまで揃っている。 濵田氏はワインと合う和食に行きたくなると、こちらに来ることが多いと言う。 「和食はベースである醤油・味噌等の調味料が醸造なので、そもそ...
銀座コリドー街の袋小路の奥に佇む一軒家。素材を生かしつつ、手をかけた料理は、どれも鮮やかに印象に残る。ワインは、精鋭ソムリエがセレクトし、正統派の日本料理とのマリアージュが楽しめる。...
「銀座から世界へ」を合言葉に日本の食文化を発信する『おのでら』。寿司、鉄板焼きに続いて2015年10月にオープンした最新店は天ぷら。昼コースはお値打ちの¥5,000だ。 「揚げ油は何もブレンドせず、太白胡麻油のみ。衣も薄いから軽く、女性でも食べやすいのが特徴です」と料理長を務める石井宏道氏。...
梅雨入り前の5月の東京は、都会とはいえ緑豊かだ。 日比谷公園の青々と茂る美しい新緑を眺めながら、私と両親は、帝国ホテルの『レ セゾン』に向かった。 老舗ホテルの重厚感のあるエントランスを、セルジオロッシのハイヒールで通り抜ける。 私はここ数年の東京生活で、こういった場所に足を踏み入れる緊張感は、ほとんどなくなった。むしろこの洗練された空間に入るほど、小気味よく気が引き締まり、背筋がすっと伸びるくらいだ。 ...
亜希は、帝国ホテルの『レ セゾン』で長年の恋人・雄二を待っている。...
『帝国ホテル 東京』内にある『レ セゾン』の「『レ セゾン』の朝食フルコース ル スティル ティエリー」¥9,000(税込サ別)が凄すぎると話題だ! まず、一品めの卵料理から、すでに朝食のレベルを遥かに越えている。 銅製の鍋を使いゆっくり丁寧に仕上げ、バターとプロヴァンスオリーブオイルを香らせたスクランブルエッグは、通常のモノとはまるで違うなめらかな口あたり。そして黒トリュフが惜しみなく加えられ、さ...
「裕子さんは、どちら出身なの?」 「裕子さんは、どちらの大学に通ってらしたの?」 そんな彼女の質問攻めが行われたのは、帝国ホテルの『レ セゾン』だ。母親は、ここのフレンチが好物で、東京に来る時は必ずここを使う。藤色の着物を綺麗に着こなし、しかしこの場にはその一寸の隙もない着物姿は威圧的に映るだけな気がした。 彼女に会わせたのは、桜が美しく咲き乱れる4月の、まだ寒さが残る日だった。可哀そうに、質...
彼に毎年連れて行ってもらう『レ セゾン』でのディナーも、今年で10回目になりました。 彼は裁判官をやめて、今年から東京で弁護士事務所を始めたそうです。「良い裁判官が良い弁護士になれるとは限らないからね」と笑う洵の少し増えた白髪を見ながら、単身赴任を終えて家族と過ごす彼の姿を想像しました。 そのときの私には、彼が東京に戻ってきたことを喜ぶ気持ちも、家族と同居することを恨む気持ちもありませんでした。...
神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(30)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、その言葉を証明するかのように42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢やコスパ重視の一橋卒・淳一郎など様々な学歴の男性とのデートを試みる。 その中でも東工大卒の健二の誠実さに惹かれ付き合うが、女心が分からない彼に我慢ができず別れてしまう。その後京大...
『帝国ホテル』のロビーに行って、2人で本館中2階『レ セゾン』の個室で食事することにしました。 お店に着いたのは、ちょうど夕方と夜が交替するような時刻で、私がいちばん好きな時間でした。それを話したら、「こういう時間は、逢魔時(おうまがとき)と言って、交通事故がいちばん多い時間なのよ」なんて久美子が言いました。 「では私がいま会っているのが、魔物ってこと?」と言ってみました。彼女は学生時代から、すぐに...
「家を売って、妻と子を連れて東京へやって来た。その腰と肝の据わり方に、改めて『彼しかいない』と思ったんだ」『帝国ホテル 東京』総料理長・田中健一郎氏がつぶやいた言葉だ。 同ホテル『レ セゾン』リニューアルに際し、小林哲也社長と田中氏が出逢ったのが、シャンパーニュ地方の三ツ星レストラン『ボワイエ・レ・レクイエール』でシェフを務めていたティエリー・ヴォワザン氏である。小林・田中両氏との幸福な遭遇を得て、6年半...
自身の料理を「AUTODIDACT(独学者)」と表現する杉本氏。師事するシェフや有名店のレシピを持つことなく、12年間滞在したフランスで培ったフランス料理を基本に、「自分が一番行きたいレストランを自分の店で体現」している。 35歳と若いが、8才で日本料理の基礎を学び、キャリアはベテランの域。 ディナーはコースのみで、気候に合わせて品は毎日替わる。いいワインを正当な価格で提供するためソムリエは置かず、料理との相性を熟知し...
「え…?」 「いや、だからさ。志穂も最近すごく頑張ってるし、たまには二人でランチでもしようよ。」 突然の康介の申し出に、志穂は戸惑いを隠せなかった。 何しろひなが生まれて以来、夫婦二人でゆっくり食事をしたことなど、数える程度しかない。 それに、妊娠以来、夫婦仲は好調とはいえなかった。しかしだからこそ、突然の「夫とのデート」というシチュエーションに、志穂は浮き足立つ。 事務や雑用とはいえ、華やかなベ...
天才肌の料理人として知られる杉本敬三シェフが知る人ぞ知る丼&麺を手掛けているという。それは5回以上の来店でオーダー可能な秘密の〆料理。内容は丼だったり、うどんだったり、「サプライズが命」なので何に出会うかは運次第。 仙台牛を使った牛丼は、62.3度で気化するトリュフのために真空二重加工のチタンの器を使用。ガラスのクロッシュを外して溜まった香りをみんなで嗅ぐことから始まる。こんなお茶目かつ美味なる皿は、洒落...
「最低10年、フランスにいようと決めていました。必ず日本で店を開くということも」 杉本敬三シェフは渡仏した頃を振り返りそう話す。「文化を理解した上で本質にたどり着くには、少なくとも10年、と思ったから」 ブランドや規範ではなく、本質。料理人人生を賭けて追求してきたのは、ただその一点だ。19歳で年功序列の日本を飛び出し実力主義のフランス。...
美しく交互に並べられたオセロの石の如き食材は、黒トリュフとジャガイモ。ロゼ色に焼かれた肉に纏わせているのは白トリュフ。 が、今回の主役は高級食材としてつとに知られる2色のトリュフに非ず。中央の肉なのである。 シェフ・杉本敬三氏に、極上の食材とは?と問うと「一期一会のもの」という答えが。 「各地の猟師さんや生産者の方を訪ねて関係を深めているので〝こんなに貴重なものが獲れたよ〟という連絡を直接頂いてい...
「ナポリではピッツァの誘いは、“ちょっと会おうよ”的な合図」という話をイタリア人から聞いたことがある。 そんな具合に「ちょっとピッツァを」と立ち寄れる店が、銀座コリドー街に店を構える『ネロオッキ』。 店に入るとまず目に入るのは、巨大なピッツァの薪窯。ナポリで経験を積んだ職人が老舗サンフェリーチェ社の粉で生地を練り、焼き上げるピッツァはモチッとして、それでいて軽やか。 36もの種類があるのも楽しく、ついつい、あれも...
「ナポリではピッツァの誘いは、“ちょっと会おうよ”的な合図」という話をイタリア人から聞いたことがある。そんな具合に「ちょっとピッツァを」と立ち寄れる店が、今年6月、銀座コリドー街にオープンした。店に入るとまず目に入るのは、巨大なピッツァの薪窯。ナポリで経験を積んだ職人が老舗サンフェリーチェ社の粉で生地を練り、焼き上げるピッツァはモチッとして、それでいて軽やか。36もの種類があるのも楽しく、ついつい、あれもこれも食べたくなってしまう...
口に入れた瞬間とろけるような肉寿司、安全で絶品のユッケも味わえる名店が銀座にある。 ここ『銀座KOSO』は「認定生食用食肉取扱者等施設」中央区第一号店というお墨付きがある人気店なのだ。 その美しいビジュアルと美味しさに心を奪われずにはいられない、絶品肉を味わうならここへ!...
「『GINZA KOSO』で働くようになって、今年で5年目」という伊藤みちるさん。なぜ、ソムリエになろうと思ったのだろう。 「元々、ワインが好きで、だからでしょうか、お店で働くようになってから、どんどん面白くなってきちゃって。産地のこととか、いろいろ知りたくなったんです。お客様と接するうちに、自然と知識も増えてきましたし、オーナーの勧めもあって、ソムリエになろうと決意しました」 けれど、サービスの実技、ティスティング、...