カウンター席オンリーだから一人客でもさっと立ち寄りやすい。メニューはサクッと系からがっつり系までバランスよく、しかもラストオーダー遅め、と家の近くにあったら相当うれ...
フランス人のオーナー、セルジュ・マリー氏はワインのインポーター。もともとそのアンテナショップとして始めたビストロ&ワインバーだ。 直輸入のワインは、真摯にワインを造る小さな生産者で、無添加の自然なものばかり。上質でマニアックだ。 週替わりのグラスワインはすべて試飲できる。シェフ桐原佳樹氏が作る料理は、ワインに合うソースもしっかりしたフレンチ。自由な雰囲気の中、ワインも料理も楽しめる。...
希は、年上の女に可愛がられるタイプの女だ。 大人しく、反論もせず、毒にも薬にならない絶妙な相槌を打ちながら、年上の女たちの愚痴を聞く。 愚痴が1時間、2時間と続いても、いくらお酒を飲んでも、年上の女性を前にしている時はその姿勢を崩さない。 先週も残業で疲れていたのに、ゆり子に誘われて四谷の『メゾン ド ミナミ』へ行き、延々と愚痴を聞いた。内容は予想通り、佳乃に対する不満だ。 希はゆり子と佳乃、どちらから...
佳乃が復職した3日後、ゆり子は残業していた希を誘って四谷の『メゾン ド ミナミ』へ行った。 3種のグラスワインとペアリングを楽しめるのが好きで、ゆり子がよく行くレストランのひとつだ。 「だいたいね、今までと同じ仕事ができると思ってる方がおかしいのよ」 アルコールが入ったゆり子は、いつにも増して饒舌になる。佳乃が希を可愛がっていることは知っているが、ゆり子だって希を可愛がっている。 希は、誠実でまじめな女...
かつて花街として栄えた四谷三丁目エリア、大人の街の名残を感じる地にある『メゾン・ド・ミナミ』。1986年当時、最年少でシュヴァリエ・デュ・タストヴァン叙任、2015年にはシャンパーニュ騎士団の騎士を叙任したオーナーの「ワインは、食事と一緒に楽しんでもらいたい」という願いが込められた店だ。 “キュイジーヌナチュレル”を掲げる料理は、四季折々の食材を採り入れシンプルに調理。日本料理と同様に、旬替わり、季節替わ...
俗に「食いついたら雷が鳴っても離さない」と言われることから、しつこい人の代名詞ともなっているすっぽん。そのイメージや見た目ともあいまって、すっぽん料理が好きだという人はあまりいないかもしれません。 しかし、おいしいダシが出るので古くから高級食材として珍重されてきました。滋養強壮効果も知られており、ビタミンB群や鉄分・亜鉛などのミネラル、とりわけ美肌効果があるとされるコラーゲンが豊富に含まれています。また、すっぽんの肉は低カロ...
クツクツと沸き、湯気が立つ鍋中。その先に登場するのは、溢れんばかりの生命力を感じさせるすっぽん。 「鴨と鶏肉の間のような肉質ながら、煮込んでも身が柔らかい。それでいて旨みの量が圧倒的に多い」とは、店主・福田智則氏。透明感のあるスープは滋味深く、滋養漲る力強さ。活きの良さと丁寧な仕込みが物を言うすっぽんは弾力があり、上品な脂やゼラチン質が旨みをもたらし、ねっとりと口にまとわりつく。 そこに合わせるのがキリリと冷えたシャン...
店主・福田智則氏は元ソムリエという経歴の持ち主。「ご満足頂くには飲み物だけでは不完全」と一念発起、名店『割烹 小田島』で一から和食を学んだ。 そんな氏の料理の真髄は、ワインと合う変化に富んだ味わい。皿に添える柑橘の香り、焼物にかかる甘めのタレ、赤身に加えられる少しの焦げ……。ワインを知るからこそのひと工夫が、この上ないマリアージュを演出。優しい風味が特徴という日本ワインなら、繊細な味の調和はさらに際立つ。...
『つきぢ田村』出身の店主渡邊さんが「使い勝手のいい和食屋を」と開店。¥2,500の山灯コースがメニューの中心となっているので、〆の雑炊や酒を頼んで4千円台で収めることもできる。...
『つきぢ田村』出身の店主渡邊さんが「使い勝手のいい和食屋を」と開店。¥2,500の山灯コースがメニューの中心となっているので、〆の雑炊や酒を頼んで4千円台で収めることもできる。 旬がつまった本格コースは、いい素材と昔ながらの和食の技法を用いながら、意外な取り合わせがいただけるのも魅力。舌の肥えた大人の普段使いの店としてにぎわっている。 早い時間帯は予約で埋まっている可能性が高いため、ひとりでふらりと入るなら22時以降が...
カジュアルなビストロが人気を集めているが、レストランでシェフの趣向が凝らされたコース料理を堪能するのは、やはり特別。フレンチのフルコースとなれば、ひとり1万円は当たり前。 だが、四谷にオープンした『アトリエ シュシュ』では、アミューズからデザートまで、7皿が登場する5千円のディナーコースを用意している。...
粋な風情溢れる大人の街・荒木町に、気軽にワインとフランス郷土料理を楽しめるレストランが誕生した。店名は「ワインの騎士」という意味。 日本でのワインの普及啓蒙に努めている功績を認められ、ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュとフランスの主要なワイン生産地より、同店オーナーがシュヴァリエ(騎士号)を叙任されたことにより名付けられた。...
レモンの産地、イタリア・アマルフィで腕を磨いたシェフが作り出す『新・レモンステーキ』がこちら。 レモンリゾットの上にフォアグラソテーを乗せ、さらに炭火でさっと焼いた長崎和牛をあしらった贅沢な逸品だ。 和牛にあわせるソースは、レモンステーキに必須のレモン・醤油・ニンニクをベースに、ぶどうで甘味を引き出したブイヨンソースで、レモンの酸味とぶどうの甘みのバランスが絶妙。ディナーコースのメインの一つだが事前予約すればランチでの...
麻婆豆腐好きと話していて、この店を知ってたら「通だね!」といわれるに違いない。四谷三丁目にたたずむ『蜀郷香』の麻婆豆腐は、四川料理の真髄となる熱を持った辛さと、華やかな香りが特徴だ。 四川山椒の痺れる辛さ、麻(マー)と唐辛子の熱のある辛み、辣(ラー)の後、押し寄せる旨味が渾然一体に。ごはんに合わせて、無限ループの旨辛を味わってほしい。 また、麻婆豆腐にとどまらず、四川料理の奥深さを感じさせてくれる。マニアなら、押さえて...
四川料理の真髄となる熱を持った辛さと華やかな香りが身上の『蜀郷香』。おすすめはやはり四川麻婆豆腐。 四川山椒の痺れる辛さ、麻(マー)と唐辛子の熱のある辛み、辣(ラー)の後、押し寄せる旨味が渾然一体に。...
麻婆豆腐好きと話していて、この店を知ってたら「通だね!」といわれるに違いない。 四谷三丁目にたたずむ『蜀郷香』の麻婆豆腐は、四川料理の真髄となる熱を持った辛さと、華やかな香りが特徴だ。 四川山椒の痺れる辛さ、麻(マー)と唐辛子の熱のある辛み、辣(ラー)の後、押し寄せる旨味が渾然一体に。 ごはんに合わせて、無限ループの旨辛を味わってほしい。 また、麻婆豆腐にとどまらず、四川料理の奥深さを感...
銀座の四川料理の名店『趙楊』で腕を磨いたシェフが独立開業したコースお店。コースのトリを飾るのがこの麺だ。その量、半玉と少なく思えるが、さにあらず。 「シェフからは30回混ぜて、と言われて期待感を煽られつつ。待望のひと口を食べると山椒のしびれと唐辛子の辛さ、油の香ばしさなどが絶妙に混ざり合って口の中に広がる。今では病み付きです!」と、酒井さんも本場四川の味に脱帽しきりなのだ。...
四川料理の真髄となる熱を持った辛さと華やかな香りが身上の『蜀郷香』。おすすめはやはり四川麻婆豆腐。四川山椒の痺れる辛さ、麻(マー)と唐辛子の熱のある辛み、辣(ラー)の後、押し寄せる旨味が渾然一体に。...
「辛いだけではなく、辛くない料理や素材を活かした料理もバランスよくあるのが四川料理。“中国料理は季節感がない”と言われていますが、同じ料理でも旬の食材を使って季節感を出していきたいですね。たとえば、青菜の炒めでは、青梗菜や小松菜、ターサイなど、そのときどきで美味しい葉ものを使っていますし、三品盤の内容も変えています。一方、回鍋肉や担担麺、麻婆豆腐などメジャーな料理は、四川そのものの味を追求していきたいと思っています」...
最寄り駅から徒歩十数分と、決して利便性が高いとは言えない立地ながら、連日、予約客で席が埋まる『チャイニーズレストランわさ』。帆立とウニの揚げ餃子や五目春巻きオイスターソース風味など、メニューには、食いしん坊の心をそそる料理が並ぶ。なかでも、無駄な味や香りのせはしない、という店主のこだわりが光る葱炒飯は、一見シンプルだが、その味は舌と脳にしっかり刻みこまれるほどに鮮烈だ。「お客さんの笑顔を100%見ることができる...
オーナーシェフの菊島弘従氏は、四川料理の名店『銀座 趙楊』の出身。20歳から趙楊氏に師事し、’06年以降は系列店、そして『銀座 趙楊』で料理長を務めてきた実力派だ。その菊島シェフが昨年、四谷三丁目に開いたのは、わずか18席の小さな店。 マダムとふたりで切り盛りするアットホームな雰囲気とは裏腹に、メニューには自家製チャーシューに鮑や牛肉の四川煮込み、麻婆豆腐、火鍋と堂々たる四川料理が約30種並ぶ。夜のコースは5...
とりあえずビールならぬ、「とりあえずレモンサワー」。最近、飲みの席でそんなオーダーをよく聞くようになった。 さっぱりしていて食事の邪魔をせず、何杯でも飽きることなく飲めてしまう…そんなレモンサワーにファンが急増中なのは至極納得だが、それに応じてか、独自にこだわったレモンサワーを提供する店も増えてきた。 というわけで、レモンサワー好きはもちろん、そうでない人もハマること間違いなしの5店舗をご紹介しよう。...
肉好きなら知らないものはいないだろう肉の名峰こと吉祥寺の『肉山』と、牛ホルモンの火付け役である『ホルモン酒場 焼酎家 わ』。そしてシロタレが絶品の人気店『もつ焼き のんき』。 この肉の名店たちが、肉好きの舌を唸らす最強の新店をコラボさせた。その名も四谷の新店『赤身とホルモン焼 のんき』だ。...
「佳乃がさ、離婚を考えてるとか言いだしたんだよ」 岡田は口に運ぼうとしていたグラスを中途半端な位置で止めて「はあ?!」と間が抜けた大きな声をだした。 「きっかけはちょっとしたことなんだけどさ。佳乃が仕事に復帰してからずっとイライラしてて、それが爆発した感じ?ほんと勘弁してほしいよ」 あまり重たい話ととられたくない。笑顔を作って明るく言ったが、岡田は神妙な面持ちで言った。 「お前それ、...
今年4月、名店ひしめく四谷三丁目で地元民に愛される『もつ焼き のんき』の新店が誕生。コラボレーションしたのは、『肉山』、そして『肉山』光山氏がオーナーを務める吉祥寺『ホルモン酒場 焼酎家「わ」』だ。 元々『のんき』代表の荻野貴匡氏が光山氏にほれ込んでコラボを持ち掛けたのが発端だけに、下ごしらえから火入れまで、『肉山』と『わ』でみっちり修業したスタッフがスタンバイ。 赤身塊肉は、『肉山』よろしくカウン...
「わ〜! おいしそう!」と、各テーブルで歓喜の声。それもそのはず。捌きたての美しい塊肉が目の前に運ばれてくるのだ。これは肉ラヴァーでなくても叫びたくなるはず。その塊肉はカウンター前の焼き台でじっくりと焼かれる。 焼き方は吉祥寺の『肉山』の光山英明氏直伝。固すぎず、柔らかすぎず、完璧な焼き加減。予約は半年先とも1年先とも言われる、肉好きが登りたくても登れない“山”の味がここにある。...
前身の『山ちゃん』で修業を積んだ小田島純幸さんが2012年の7月にオープンさせた店。 魚料理10品前後と日本酒飲み放題付きのスタイルで客を魅了している。予約はブログで不定期に受け付け中。 常時25種前後の日本酒を用意。『東洋美人』や『1787』など、人気の銘酒も飲み放題! この時期はやっぱり特大さんまがはずせない!日本酒とともに、美味なる肝を味わいながら盃を進めようではないか。...
~料理人ではなく「築地人」 魚に惚れた男の豪快魚料理~ アパレル業から仲卸へ。そして現在は居酒屋店主という、異色の経歴を持つ小田島純幸氏による知る人ぞ知る荒木町の人気店。メニューは10品前後の新鮮な旬の魚料理と、全国の銘酒約25種呑み放題がセットになったコースのみ。刺身、焼き魚、鍋料理……どれもボリューム満点でリーズナブルなので、人気が殺到するのも頷ける。 「私ひとりだからこそできる値段。でも大好きな魚でみなさんが笑顔...
その店は荒木町の裏路地にある。のれんをくぐると大正アンティークの客席と、雪平鍋など和の道具がつるしてある調理場が見える。 たすき掛けした着物姿の女将がテキパキ働く姿を眺めていると、ひとり料理を待っている間も苦にならない。...
店主の高久ちぐささんは、映画の美術スタッフ、女優を経て荒木町に『宵のま』をオープンさせた異色の経歴の持ち主。仕事で思い悩んだときに飲んだ日本酒に癒され「いつかは自分の店を持つ」と心に決めたのだという。 高久さんが好んで選ぶのは、はなやかさや飲みやすさ重視の酒ではなく、温度によって酒質がガラリと変わる“奥深系の個性派タイプ”。米や造り手のこだわりを尊重し、燗をつける高久さんの姿に惹かれて通う酒好きも多い。 女性店主ならで...
◆ 結婚3年目にして初めての喧嘩。あれから1ヶ月が経つが、理帆子とは連絡を取り合っていない。一緒に住んでいれば、どうしても言葉を交わさなければならない場面というのはあるだろう。そういう気まずさが続く方が面倒で、喧嘩の発端となった問題の本質は先送りにし、とりあえず謝って仲直り、というのが多くの夫婦なのではないだろうか。 だが、別々に暮らしていれば、正直、連絡を取り合う必要はないのだ。週末婚というの...
狭い店というのは、それだけ日々の売上が限られる。にもかかわらず、その客との距離感にこだわりを持ち、もはや採算度外視!?というほど、絶品の酒や料理を供する店がこの世にはある。そんなこだわりづくしの小体の店を今回はご紹介!日本酒の美味しさに目覚めた店主の高久ちぐささんが、家に友人を招く感覚でもてなしたいと、2014年5月に開店した酒亭。 日本酒は高久さん好みの、しっかりとした味わいのものが多いが、好みやその日...
元女優という経歴をもつ美人女将の高久さんは、根っからのお酒好き。日本酒好きが高じて厳選の日本酒をそろえる店『宵のま』をオープンさせた。店をひとりで切り盛りし、仕事後は荒木町で日本酒を飲むそう。「お休みの日は、そうですね、飲み歩いていますね(笑)」...