日本の出汁で炊き込んだ白トリュフのリゾットもあれば、イベリコ豚を揚げて九条葱をたっぷりのせたイタリア風のカツレツもある。こうした和洋混在のメニューを見ると、「いったい何料理なの?」と不思議に思いつつも、その面白さや懐の深さにワクワクしている自分に気付く。 割烹やワインバーで修業を積んだ宮川シェフは、ほかでは味わえない独特な料理を提供。ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、素材が美味しくなるためのあらゆるエッセンスを、絶妙に溶け込ま...
オーナーシェフの宮川修一氏は、割烹料理店を経て、銀座のワインバーで腕を磨いた経歴の持ち主。和食の伝統や欧州帰りのシェフから学んだ技術は、自身が開いたこの店に結実している。 例えば冷たいトマトうどんなら、上質な出汁を利かせ、ワインは旨み深いピノ・ノワールを推す。イベリコ豚は意表をついた豚カツに仕立て、九条葱を添える。上質な素材を自在に操り、またとない逸品に。訪れる全ての人を虜にする、類稀な実力派である。...
昔からスペイン随一の美食エリアとして知られるバスク地方。サン・セバスティアンには食に貪欲なバスク人らしく、数多のバルが集まる通りもある。そんなバル街の虜になった日本...
山田朋仙シェフはスペイン・バスクの三ツ星『マルティン ベラサテギ』で腕を磨いた実力派。 そんな本格バスク料理が評判を呼び、奥まった場所にもかかわらず美味しいも...
バル好きの巡礼地、サン・セバスチャンを擁し、独自の言語や食文化を持つ、バスク地方。本店は、現地の三ツ星レストラン『マルティンベラサテギ』の看板メニューを再...
銀座7丁目の路地裏に佇む、バスク料理のお店。バルのような外観が期待感を抱かせる。 バスクの三ツ星レストランでも腕を磨いた山田朋仙シェフが作り出す料理...
「優作さん、今日は何時に帰ってくる?ご飯いるかどうか連絡してね」 結婚して早半年。夕方、新妻の由美からメールが入っていた。真っ直ぐ家に帰ろうと思...
前回までのあらすじ 北岡涼子、30歳、元女優。社会人経験なし、資格なし、貯金なし。芸能界で活躍したが、徐々に干されて今に至る。就職活動をしようにも、...
気軽に寄れるが、ガツンと満足できる美味しい料理をいただけるのがこちら。 こちらの山田朋仙シェフはスペインの名店『マルティン・ベラサテギ』出身。その在...
昔からスペイン随一の美食エリアとして知られるバスク地方には、数多のバルが集まる通りがある。そんなバル街の虜になった日本人が2012年9月、銀座の地でバスク...
1階はオープンキッチンのバル使いができるカウンターで、1杯からふらりと立ち寄れるスタイル。一皿のポーションが小さいので、一人でも数種類味わえるところも魅力...
鉄板焼きレストランが多く見られる銀座に、『ステーキ トミナガ』が誕生したの2013年のこと。 石垣島のきたうち牧場直営の『ステーキ トミナガ』で扱うのは、深い...
鉄板焼きレストランが多く見られる銀座に、石垣島のきたうち牧場直営の『ステーキ トミナガ』が誕生したのが2013年。ここで扱うのは、深い香りと濃厚な味わいを持つ石垣島...
天ぷらの常識をことごとく打ち破り、ひたすらに自身の道を邁進する近藤文夫氏。50余年もの研鑽の果てに生まれた名作たちは、東京で食せる天ぷらの中でもひときわ目映い輝きを...
『てんぷら近藤』のメニューは、海老や海鮮も入るが、多彩な野菜によって構成されている。 現在でこそこの構成が一般的になったが、近藤氏が「山の上ホテル」に就職した...
日本で一、二を争う天ぷら名人の近藤文夫が「天ぷらは蒸し料理」とこだわるコース料理。そのなかに同じくイタリアンの道を極めんとする料理人が愛してやまない「小エ...
「二回目のデートで何を食べたい?と女性に聞いた時、真っ先に“天ぷら”と答える女性って少ないですよね?(笑)」 確かに、イタリアンやフレンチ、和食...
ごま油のなかでみごとな“作品”を作る『てんぷら近藤』の近藤文夫さん。出てくる天ぷらは、こんな組み合わせまで! と驚くようなものもある。それと同時に感心する...
天ぷらの常識をことごとく打ち破り、ひたすらに自身の道を邁進する近藤文夫氏。50余年もの研鑽の果てに生まれた名作たちは、東京で食せる天ぷらの中でもひときわ目...
『山の上ホテル』の時代から、揚げ手としての才覚を発揮していた主人の近藤文夫氏が目指したのは、「誰にでも来てもらえ、食べてもらえる天ぷら屋」。名店だが、誰に...
北は北海道、南は沖縄まで。店主の近藤文夫氏は、全国の産地に直接赴き、その時期、最も美味しい状態の素材が手に入るよう労を惜しまない。そうして出会ったものであ...
『山の上ホテル』の時代から、揚げ手としての才覚を発揮していた主人の近藤文夫氏が目指したのは、「誰にでも来てもらえ、食べてもらえる天ぷら屋」。ごま油のみで香...
銀座『うち山』、赤坂『津やま』を経て独立した店主の山西和文氏。コースには先付けから〆ものまで少量ずつ10品以上が並び、多彩な味を楽しませてくれる。 きんぴらや...
銀座『うち山』、赤坂『津やま』を経て独立した山西和文氏。そこに加わるのはきんぴらごぼうなどの家庭料理。好対照に地味で素朴だが、出しを煮含ませた大根の味わいは日本料理...
名前:稔(35歳) 職業:大手メーカー勤務 推定年収:900万 水曜18時半。待ち合わせの『インペリアルラウンジ アクア』に稔さんは、5分前に現れ...
17F『インペリアルラウンジ アクア』では、なんとL.O.24時のミッドナイトハイティーを提供。 乾杯用シャンパンに、三段スタンドには和牛イチボ肉の赤ワイ...
メールを送ってから15分ほど経った頃、期待していなかった彼女から返信がきた。 「今、『インペリアルラウンジ アクア』にいるの」 ー帝国ホテルな...
私、まだいけるよね?まだ、大丈夫だよね? 俊哉さんに背を向け、瞼を閉じた。 ◆ 「満理奈、この間の雑誌も見たよ!新しいミニ財布、可愛...
「帝国ホテル 東京」本館最上階に位置するバーラウンジ『インペリアルラウンジ アクア』でも、フリーフローが開催中だ。 この通称「アクア」は、夕方は落ち...
銀座7丁目の中でも異彩を放つ「第2新橋会館」。2014年、その6階にオープンしたのが『銀座芳園』だ。こちらを率いるのが、広東料理一筋20年以上の横尾博志氏。前任のウ...
2014年の1月にオープンした『銀座芳園』は、ウェスティンホテル東京『龍天門』出身の横尾博志氏の味が楽しめる。広東料理一筋23年。トップシェフ陳啓明氏の秘蔵っ子とも...
2014年の1月にオープンした『銀座芳園』は、ウェスティンホテル東京『龍天門』出身の横尾博志氏の味が楽しめる。広東料理一筋23年。トップシェフ陳啓明氏の秘...
『お茶屋Bar楓』に着くと、ベージュの柔らかいシルク地のシャツにチェックのタイトスカートを履いた彼女が、一人でカウンター席に座っていた。 今日は珍しく、ウ...
お客様が心から寛げるよう、カウンター席を座敷にしています。京都祇園の歴史あるお茶屋のように、奥行きが感じられる造り。カウンター背面に竹林の坪庭を配し、また靴を脱いだ...
~入手困難な希少部位をオンザライスで堪能!~ 「ステーキ丼(¥2,500)」の肉は、黒毛和牛の肩芯という希少部位。口溶けのよい脂の甘さが特徴で、銀座茶寮特製の...
「成人おめでとう!」 旅行から帰った1週間後、梨々香の成人を祝うディナーで、野村一家は帝国ホテルの『ラ ブラスリー』を訪れていた。 晴れてアルコール解禁となった梨々香を祝し、シャンパンで乾杯する。 お酒が大好きな優花里にとって、娘とともにお酒を楽しむのは長年の夢だった。 待ちわびていた瞬間が訪れ、涙腺が少しだけ緩んでしまう。 「ねえ、ヨーロッパはどうだったの?」 母に似てお酒に強いらしい梨々...
~料理長のチャレンジが生んだ、後世に引き継がれるホテルの顔~ シャリアピンステーキが、『帝国ホテル』に滞在していたオペラ歌手、フョードル・イワノビッチ・シャリアピンのために生み出されたものとはよく知られた話。 1936年に来日した際、シャリアピンは歯痛に悩まされていたがどうしてもステーキが食べたかった。そのリクエストに、当時『ニューグリル』の料理長だった筒井福夫が機転を効かせてすぐさま対応。...
今日は、龍平が会社員時代からお世話になっている陽介に呼び出され、帝国ホテルの『ラ ブラスリー』へやって来た。 ここのワゴンで運んで来るローストビーフは絶品で、龍平は久しぶりに食べるその味に思いを馳せながら先輩・陽介を待つ。 普段は男性の相談はあまり受けないが、今回は番外編と言ったところだろうか。 「龍平、久しぶりだなぁ。元気だったか?」 「はい、お陰様で何とか。陽介先輩もお元気そうですね...
−この人が、大地くんのお母さん…。 帝国ホテルのトラディショナルダイニング『ラ ブラスリー』の個室。 大地の後に続いて部屋へと足を進めた私は、上座にいる彼の父親、そしてその隣で静かに微笑を浮かべる母親を一目見て…強敵だ、と悟った。 童顔で、綺麗と言うよりは可愛らしい雰囲気。しかし人当たりの良い穏やかなその笑顔は、滲み出る知性をカモフラージュしているようにも見えた。 こういう女性は、油...
1890年(明治23年)開業。昨年125周年を迎えた日本を代表するグランドホテルといえば、『帝国ホテル』だ。その長い歴史を彩る“食”のトピックとしては、シャリアピンステーキや、ブフェスタイルのレストラン「バイキング」を生み出したことが有名だが、もうひとつ忘れてはならぬのが、ローストビーフ。 現在、館内の『ラ ブラスリー』と『インペリアルバイキング サール』で供されているこの料理もまた、帝国ホテルの伝統を彩...
結果から言うと、宮瀬の効果は絶大だった。 すぐに噂の発信源を突き止め(元から当たりはついていたらしい)、その人物を説得してきたらしい。何をどうしたのかは教えてくれなかったが。 氷室が昼食に出ようとしていたところ、今朝失礼な態度を取って来たアソシエイトが、わざわざ追いかけてきてランチに同行したいと言ってきたのには驚いた。 宮瀬が風向きを変えたのは、明白だった。 氷室は、女性のネットワークの恐ろしさを感じた...
森田実沙子、30歳です。今、8ヶ月になる娘がいて、専業主婦をしています。 専業主婦をしている上で大変なこと…。 うーん、そうですね…でも家事代行の方も来てくださっているし、おかげさまで睡眠時間が少なくてもなんとかやれていますよ。お料理は好きですし、苦になりません。 ただ一つ。 初めて会うママさんには、あまり自分の素性を話さないように気をつけています。 それからどんなに仲良くなっても名前には“さん”...
梅雨入り前の5月の東京は、都会とはいえ緑豊かだ。 日比谷公園の青々と茂る美しい新緑を眺めながら、私と両親は、帝国ホテルの『レ セゾン』に向かった。 老舗ホテルの重厚感のあるエントランスを、セルジオロッシのハイヒールで通り抜ける。 私はここ数年の東京生活で、こういった場所に足を踏み入れる緊張感は、ほとんどなくなった。むしろこの洗練された空間に入るほど、小気味よく気が引き締まり、背筋がすっと伸...
亜希は、帝国ホテルの『レ セゾン』で長年の恋人・雄二を待っている。...
『帝国ホテル 東京』内にある『レ セゾン』の「『レ セゾン』の朝食フルコース ル スティル ティエリー」¥9,000(税込サ別)が凄すぎると話題だ! まず、一品めの卵料理から、すでに朝食のレベルを遥かに越えている。 銅製の鍋を使いゆっくり丁寧に仕上げ、バターとプロヴァンスオリーブオイルを香らせたスクランブルエッグは、通常のモノとはまるで違うなめらかな口あたり。そして黒トリュフが惜しみなく加えられ、さ...
「裕子さんは、どちら出身なの?」 「裕子さんは、どちらの大学に通ってらしたの?」 そんな彼女の質問攻めが行われたのは、帝国ホテルの『レ セゾン』だ。母親は、ここのフレンチが好物で、東京に来る時は必ずここを使う。藤色の着物を綺麗に着こなし、しかしこの場にはその一寸の隙もない着物姿は威圧的に映るだけな気がした。 彼女に会わせたのは、桜が美しく咲き乱れる4月の、まだ寒さが残る日だった。可哀そうに、質...
彼に毎年連れて行ってもらう『レ セゾン』でのディナーも、今年で10回目になりました。 彼は裁判官をやめて、今年から東京で弁護士事務所を始めたそうです。「良い裁判官が良い弁護士になれるとは限らないからね」と笑う洵の少し増えた白髪を見ながら、単身赴任を終えて家族と過ごす彼の姿を想像しました。 そのときの私には、彼が東京に戻ってきたことを喜ぶ気持ちも、家族と同居することを恨む気持ちもありませんでした。...
神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(30)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、その言葉を証明するかのように42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢やコスパ重視の一橋卒・淳一郎など様々な学歴の男性とのデートを試みる。 その中でも東工大卒の健二の誠実さに惹かれ付き合うが、女心が分からない彼に我慢ができず別れてしまう。その後京大...
『帝国ホテル』のロビーに行って、2人で本館中2階『レ セゾン』の個室で食事することにしました。 お店に着いたのは、ちょうど夕方と夜が交替するような時刻で、私がいちばん好きな時間でした。それを話したら、「こういう時間は、逢魔時(おうまがとき)と言って、交通事故がいちばん多い時間なのよ」なんて久美子が言いました。 「では私がいま会っているのが、魔物ってこと?」と言ってみました。彼女は学生時代から、すぐに...
「家を売って、妻と子を連れて東京へやって来た。その腰と肝の据わり方に、改めて『彼しかいない』と思ったんだ」『帝国ホテル 東京』総料理長・田中健一郎氏がつぶやいた言葉だ。 同ホテル『レ セゾン』リニューアルに際し、小林哲也社長と田中氏が出逢ったのが、シャンパーニュ地方の三ツ星レストラン『ボワイエ・レ・レクイエール』でシェフを務めていたティエリー・ヴォワザン氏である。小林・田中両氏との幸福な遭遇を得て、6年半...