結果から言うと、宮瀬の効果は絶大だった。 すぐに噂の発信源を突き止め(元から当たりはついていたらしい)、その人物を説得してきたらしい。何をどうしたのかは教えてくれなかったが。 氷室が昼食に出ようとしていたところ、今朝失礼な態度を取って来たアソシエイトが、わざわざ追いかけてきてランチに同行したいと言ってきたのには驚いた。 宮瀬が風向きを変えたのは、明白だった。 氷室は、女性のネットワークの恐ろしさを感じた...
森田実沙子、30歳です。今、8ヶ月になる娘がいて、専業主婦をしています。 専業主婦をしている上で大変なこと…。 うーん、そうですね…でも家事代行の方も来てくださっているし、おかげさまで睡眠時間が少なくてもなんとかやれていますよ。お料理は好きですし、苦になりません。 ただ一つ。 初めて会うママさんには、あまり自分の素性を話さないように気をつけています。 それからどんなに仲良くなっても名前には“さん”...
梅雨入り前の5月の東京は、都会とはいえ緑豊かだ。 日比谷公園の青々と茂る美しい新緑を眺めながら、私と両親は、帝国ホテルの『レ セゾン』に向かった。 老舗ホテルの重厚感のあるエントランスを、セルジオロッシのハイヒールで通り抜ける。 私はここ数年の東京生活で、こういった場所に足を踏み入れる緊張感は、ほとんどなくなった。むしろこの洗練された空間に入るほど、小気味よく気が引き締まり、背筋がすっと伸...
亜希は、帝国ホテルの『レ セゾン』で長年の恋人・雄二を待っている。...
『帝国ホテル 東京』内にある『レ セゾン』の「『レ セゾン』の朝食フルコース ル スティル ティエリー」¥9,000(税込サ別)が凄すぎると話題だ! まず、一品めの卵料理から、すでに朝食のレベルを遥かに越えている。 銅製の鍋を使いゆっくり丁寧に仕上げ、バターとプロヴァンスオリーブオイルを香らせたスクランブルエッグは、通常のモノとはまるで違うなめらかな口あたり。そして黒トリュフが惜しみなく加えられ、さ...
「裕子さんは、どちら出身なの?」 「裕子さんは、どちらの大学に通ってらしたの?」 そんな彼女の質問攻めが行われたのは、帝国ホテルの『レ セゾン』だ。母親は、ここのフレンチが好物で、東京に来る時は必ずここを使う。藤色の着物を綺麗に着こなし、しかしこの場にはその一寸の隙もない着物姿は威圧的に映るだけな気がした。 彼女に会わせたのは、桜が美しく咲き乱れる4月の、まだ寒さが残る日だった。可哀そうに、質...
彼に毎年連れて行ってもらう『レ セゾン』でのディナーも、今年で10回目になりました。 彼は裁判官をやめて、今年から東京で弁護士事務所を始めたそうです。「良い裁判官が良い弁護士になれるとは限らないからね」と笑う洵の少し増えた白髪を見ながら、単身赴任を終えて家族と過ごす彼の姿を想像しました。 そのときの私には、彼が東京に戻ってきたことを喜ぶ気持ちも、家族と同居することを恨む気持ちもありませんでした。...
神奈川県の公立高校から、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、丸の内の大手人材会社に勤める絵理奈(30)。周りの友人たちは“恋愛対象になるのは最低でも早慶レベル"と口を揃え、その言葉を証明するかのように42歳の「元」慶應ボーイ・芹沢やコスパ重視の一橋卒・淳一郎など様々な学歴の男性とのデートを試みる。 その中でも東工大卒の健二の誠実さに惹かれ付き合うが、女心が分からない彼に我慢ができず別れてしまう。その後京大...
『帝国ホテル』のロビーに行って、2人で本館中2階『レ セゾン』の個室で食事することにしました。 お店に着いたのは、ちょうど夕方と夜が交替するような時刻で、私がいちばん好きな時間でした。それを話したら、「こういう時間は、逢魔時(おうまがとき)と言って、交通事故がいちばん多い時間なのよ」なんて久美子が言いました。 「では私がいま会っているのが、魔物ってこと?」と言ってみました。彼女は学生時代から、すぐに...
「家を売って、妻と子を連れて東京へやって来た。その腰と肝の据わり方に、改めて『彼しかいない』と思ったんだ」『帝国ホテル 東京』総料理長・田中健一郎氏がつぶやいた言葉だ。 同ホテル『レ セゾン』リニューアルに際し、小林哲也社長と田中氏が出逢ったのが、シャンパーニュ地方の三ツ星レストラン『ボワイエ・レ・レクイエール』でシェフを務めていたティエリー・ヴォワザン氏である。小林・田中両氏との幸福な遭遇を得て、6年半...
「成人おめでとう!」 旅行から帰った1週間後、梨々香の成人を祝うディナーで、野村一家は帝国ホテルの『ラ ブラスリー』を訪れていた。 晴れてアルコール解禁となった梨々香を祝し、シャンパンで乾杯する。 お酒が大好きな優花里にとって、娘とともにお酒を楽しむのは長年の夢だった。 待ちわびていた瞬間が訪れ、涙腺が少しだけ緩んでしまう。 「ねえ、ヨーロッパはどうだったの?」 母に似てお酒に強いらしい梨々...
~料理長のチャレンジが生んだ、後世に引き継がれるホテルの顔~ シャリアピンステーキが、『帝国ホテル』に滞在していたオペラ歌手、フョードル・イワノビッチ・シャリアピンのために生み出されたものとはよく知られた話。 1936年に来日した際、シャリアピンは歯痛に悩まされていたがどうしてもステーキが食べたかった。そのリクエストに、当時『ニューグリル』の料理長だった筒井福夫が機転を効かせてすぐさま対応。...
今日は、龍平が会社員時代からお世話になっている陽介に呼び出され、帝国ホテルの『ラ ブラスリー』へやって来た。 ここのワゴンで運んで来るローストビーフは絶品で、龍平は久しぶりに食べるその味に思いを馳せながら先輩・陽介を待つ。 普段は男性の相談はあまり受けないが、今回は番外編と言ったところだろうか。 「龍平、久しぶりだなぁ。元気だったか?」 「はい、お陰様で何とか。陽介先輩もお元気そうですね...
−この人が、大地くんのお母さん…。 帝国ホテルのトラディショナルダイニング『ラ ブラスリー』の個室。 大地の後に続いて部屋へと足を進めた私は、上座にいる彼の父親、そしてその隣で静かに微笑を浮かべる母親を一目見て…強敵だ、と悟った。 童顔で、綺麗と言うよりは可愛らしい雰囲気。しかし人当たりの良い穏やかなその笑顔は、滲み出る知性をカモフラージュしているようにも見えた。 こういう女性は、油...
1890年(明治23年)開業。昨年125周年を迎えた日本を代表するグランドホテルといえば、『帝国ホテル』だ。その長い歴史を彩る“食”のトピックとしては、シャリアピンステーキや、ブフェスタイルのレストラン「バイキング」を生み出したことが有名だが、もうひとつ忘れてはならぬのが、ローストビーフ。 現在、館内の『ラ ブラスリー』と『インペリアルバイキング サール』で供されているこの料理もまた、帝国ホテルの伝統を彩...
ご主人との出会いは、5年前に遡ると言う。 先述した通り、丸の内の歯科医院で衛生士として働いていた時に患者としてやって来たのが、久志さんだった。 「最初は、本当に眼中になくて。だって、顔が全然タイプじゃなかったから(笑)」 当時、彼女は流行りの塩顔系の“イケメン”彼氏と交際中。彼は身長も180cm近くあり、とにかく全てがタイプだったそうだ。 しかしその彼は全く結婚願望がなく、28歳だった麻衣子さんは非常に焦っ...
東京の政治経済や文化の中心として発展し続ける丸の内。目と鼻の先には皇居が鎮座するこの地には、ほかのエリアとは異なる独特の品格が漂う。その一角に、日本屈指のグランメゾン『アピシウス』はある。...
「いいなぁ。」 本心から羨ましくなり、真希は思わずため息をついてしまう。自分よりも1年早く結婚したというのに、美香の夫はいつもこうして彼女を甘やかしてくれているのだ。 この旅行以外にも、美香のInstagramには“お誕生日に、バラの花束を持って帰ってきてくれました!”とか、“ディナーは『アピシウス』で贅沢なひと時。ステキな旦那様に恵まれて、私は本当にラッキーです♥”のような、夫から溺愛されてい...
「今日は、お仕事お休みなんですか?」 ジャケットは羽織っているものの、かっちりしたスーツではなく、どちらかと言うとスマートカジュアルな装いの知之さんに、そう聞いた。 「開業医だから。基本的に時間外は診察しないし、勤務医と違って比較的自由に働けるんだ。」 「そうなんですね!開業医なんて、すごいですね。」 ここで、私は自分の仕事のことを聞かれると思っていた。普通自分のことを聞かれたら、相...
「今日は、お仕事お休みなんですか?」 グラスシャンパンを飲みながら、僕たちのデートは始まった。 「開業医だから。基本的に時間外は診察しないし、勤務医と違って比較的自由に働けるんだ。」 「そうなんですね!開業医なんて、すごいですね。」 「そんな、全くすごくないよ。父親が医者だったから、その他の選択肢がなかっただけの話で。」 僕の家は、代々医者の家系である。弟も医者になったし、僕た...
ここ丸の内には、東京、否、日本屈指のグランドメゾンがある。その名は『アピシウス』。1983年に生まれた同店は、以降フランス料理界を牽引するレストランとして君臨してきた。 一体何が、『アピシウス』を一流たらしめているのか。その歴史と現在とを、じっくりと紐解いてみよう。さて、開店35年目に突入した『アピシウス』を切り盛りするチームを率いるのは、三代目料理長・岩元学氏。83年のオープン時に入社以来、高橋徳男シェ...
真美のもう一つのアカウント(裏アカ)を見せてもらうと、かなり値の張る高級店の写真ばかりがずらりと並んでいる。 『しのはら』『アピシウス』『虎白』『かんだ』に『スガラボ』『CHIUnE』...下手な港区おじさん達も真っ青の豪華なラインナップだ。...
男性から食事に誘われたら、必ずこう答える女がいる。 「メニューによります」 男をレストラン偏差値で査定する、高飛車美女ひな子が、中途半端なレストランに赴くことは決してない。 彼女に選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。 最近は、セレブ王子・久保と『Naveno-Ism』、『茶禅華』での2on2、M気質な港区おじさんジュニアとの『...
「いやぁ......。何の前触れもなくコラーゲンをリクエストするひな子先生、流石としか言えません。それにしても、今日も一段とお美しい」 古典的なラグジュアリー感漂う老舗グランメゾン『アピシウス』の待合室に現れた増林(通称:マッスー)は、YOKO CHANのベージュのミニワンピを着たひな子に、遠慮がちな視線を向ける。 きっと、マノロブラニクのレースアップパンプスで飾った、ひな子自慢の生足への目のや...
柳「つまり、彼女を落とせるワインですか?」 ――ずばり言うとそうですね。 柳「しかし、妻帯者の私に聞いてどうするって感じの質問ですが」 ――おそらく柳さんもお若い時は、ワインで女性を口説かれていたのではないかと思いまして。 柳「若い時はお金がなかったから、ワインで女性を口説く発想はなかったですね。稼げるようになった頃は、すでに今の家内とつき合ってたし」 ――ということは、奥様を落と...
英一郎に連れてこられた『Crony』は、実は詩織がずっと気になっていたレストランだった。 『アピシウス』や『カンテサンス』などの名店出身者たちが去年12月にオープンしたばかりの店で、約250種類の豊富なワインの品ぞろえの評判も、噂に聞いていたのだ。...
全盛期のフランス宮廷文化を感じられる店で、クラシックでありながら進化する料理、ワインのラインナップの素晴らしさ、サービスマンの厚み、これぞグランメゾンの筆頭といえる『アピシウス』。 舌でも語られる、生命力の強さを澄んだスープに凝縮された「小笠原母島の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」は、ここ『アピシウス』のスペシャリテである。ぜひ特別な日に大切な人と最高のグランメゾンという夢の世界を感じて欲しい。...
◆ 「翔太さんって、いつもこんなグランメゾン系のお店でお食事されてるんですかぁ〜?こんなレストラン、久々に来たかも...」 前回のドライブデートで、優子が完全に落ちたのは手にとるように分かったが、その反応の続きを見たくて今日は食事に誘ってみた。 『アピシウス』は元々好きな店で何度も来ているが、改めて重厚感と気品が溢れる店内を見渡してみる。やっぱり、良いレストランに連れて行けるセンスと財力が...
世間一般的には花形といわれる「年収1,000万円」。 平成26年度の民間給与実態統計調査(出典:年収ラボ)によると、年収1,000万円越えは日本の労働人口の4.1%。30代以下に限定するともっと比率は下がり、40,50代になると徐々に比率は上がるだろう。 年収1,000万円プレイヤーはどのようなライフスタイルを送っているのだろうか。世間が思うような夢の暮らしなのか、それとも……? これまでに独...
麻奈:フレンチなら最近は目新しさより王道が気分だな。『シェ・イノ』とか、『アピシウス』とかやっぱり歴史を感じるというか存在そのものにも価値があって、味わいも今の自分にはむしろ新鮮。同じフレンチでも別次元というかフレンチ食べてるんだって気持ちになる。古典があってこその現代風だし。 由美:デートに王道フレンチを選んでくれたら本物を知ってる気がしてドキッとするかも。最近はいつか行けたらいいなって敢えて選択肢...
美術館のように名画に囲まれた空間の中で、美食と芸術に満ち溢れたひとときを過ごせる、有楽町の老舗高級フレンチ。 今回『アピシウス』が提供するカレーは、岩手県産単角牛を使ったメンチカツを乗せた「短角牛のメンチカツカレー」。 ■店舗概要 名称:アピシウス 住所:千代田区有楽町 1-9-4 蚕糸会館ビル B1F 電話:03-3214-1361...
『アピシウス』は小澤氏の原点でもある。 レストラン業界に入る時、どうせならトップのお店で働きたいと『アピシウス』の門を叩いた。ここは入った瞬間から現実の中の非現実を感じることができる数少ないお店だそうだ。 「ディズニーランドって現実だけれど夢の世界に没頭できますよね。本当にプロフェッショナルを感じます。ある意味、それに近いイメージ」 全盛期のフランス宮廷文化を感じられる店で、クラシックでありな...
フレンチならば、リヨンの郷土料理であるクネル。 繊維質で臭みのある川魚をいかに旨く食すか、長年人々が探求した結果が皿にのる。...
創業30年以上のグランメゾン『アピシウス』。3代目にあたる現シェフ・岩元 学氏は、83年に入店。以後スーシェフ、そして2008年にシェフに就任。長年携わってきた『アピシウス』伝統の皿を守りつつ、自身の持ち味を発揮した新たな料理も創出している。 たとえば、写真の鮎を使ったひと皿。プロヴァンスなど南仏でポピュラーな、バジルを使った「ピストーソース」と、鮎の風味を凝縮させたソースや自家製のレザンオイル、ペッパー...
今年4月、めでたく創業30周年を迎えた『アピシウス』。オーセンティックなフランス料理と、贅を尽くした内装や調度品、そしてハイレベルなサービスの三拍子が揃った名店として、揺るぎない評価を得ている。 3代目にあたる現シェフ・岩元 学氏は、83年に入店。以後スーシェフ、そして2008年にシェフに就任。長年携わってきた『アピシウス』伝統の皿を守りつつ、自身の持ち味を発揮した新たな料理も創出している。 たとえば、左上...
時折、気になっていたのだ。オーガニックだのなんだのと言われているこのご時世に、ケミカルなものを肌に塗って出かけていいのかと。だって身体はそこかしこが食べ物だから、唇が吸ったそれらは胃の腑に落ちる。それで病気になった色男はいないけど、食の安心・安全を気にするならこれは失態かと。 ならば内から肌を輝かせるより他ないわけで、向かうは有楽町『アピシウス』、注文すべきは「海亀のコンソメスープ」だ。東京都漁業調整規則にの...
夜の銀座でほっとする洋食を食べられるのがこちらの店。オーナーシェフ、玉木裕氏は美味しさの秘密を知っている。 フランス料理からスタートし、表参道『重よし』で3年間、日本料理も修業した氏が作るのは、日仏いいとこどりの結晶といえる玉木流の洋食だ。 日本のレストラン史から鑑みて、銀座ほど洋食がしっくりくる街はない。広尾から拠点を移した玉木氏はいわば、洋食の聖地に来るべくして来た人なのだ。 料理に潜む和食の軽やかさとフレン...
何も知らず「フランス料理」を食べに行くというだけの頭で『玉木』を訪れ、メニューを見ると意外に思うかもしれない。 フランス料理のメニューももちろんあるが、その多くは日本で普段聞き慣れた料理ばかりだ。なかでもおすすめは「神戸牛のメンチカツ」。 神戸牛のもつ脂の甘みを、衣で包み閉じ込めたメンチカツは箸でスッと割れるほど柔らかくジューシー。一瞬で口から消えていったと思うと、後から肉の旨みがじんわりと押し寄せてくる。 他に...
「通だね」と言われる行きつけを銀座に作りたい。誰もが一度はそんなふうに憧れるのではないだろうか。 それが銀座の中でも「大人の銀座」と言われる8丁目界隈であれば、そのハードルはさらに上がってしまう。 「粋な銀座の大人」になるため覚えておきたい名店『玉木』を、旬の料理や名物とともに紹介しよう。...
夜の銀座でほっとする洋食を食べられるのがこちらの店。 オーナーシェフ、玉木裕氏は美味しさの秘密を知っている。フランス料理からスタートし、表参道『重よし』で3年間、日本料理も修業した氏が作るのは、日仏いいとこどりの結晶といえる玉木流の洋食だ。日本のレストラン史から鑑みて、銀座ほど洋食がしっくりくる街はない。広尾から拠点を移した玉木氏はいわば、洋食の聖地に来るべくして来た人なのだ。 料理に潜む和食の軽や...
中村貞裕さんがふたりの男性社員を連れて訪れたのは、カウンター割烹の感覚でフレンチを愉しめる『玉木』。ご主人の玉木裕さんが和洋双方のお店で学んだ結果たどり着いた、“日本人に合うフレンチ”が味わえる。 最初に訪れたときは、銀座という土地柄、緊張したという中村さん。しかし、玉木氏の気さくな人柄もあって、今ではゆったりくつろげるお店になったそう。肩肘をはらずに箸でもいただけるフレンチは“銀座通”を演じるのにも一役買っ...
本当にクリームは入ってない?牛乳や出汁も?コースの最初、突き出しとして出てきた小さなひと口。メニューには「枝豆の冷たいスープ」と記されているが、正確にいうと日本料理のすり流しである。そのなんと滑らかで、旨み濃いことか。これが塩茹でした枝豆と水だけでできているなんて、誰に想像できるだろう。 「あたり鉢で当たると粒子が丸くなるんです。ミキサーではダメなんです」オーナーシェフ、玉木裕氏は美味しさの秘密を知っている。...
都会のオアシス、日比谷公園の森に佇む一軒家レストラン。店内からは大きな窓越しに四季の緑や花が望め、自然に囲まれた開放的なロケーションは日比谷随一。 春風が心地いいこの季節は、テラス席も抜群に気持ちよくておすすめ。...
過去に付き合ったり、関係を持った男たちは、なぜか皆、日比谷線沿線に住んでいた。 そんな、日比谷線の男たちと浮名を流してきた香織は、上京後立て続けにタワーマンションに住む篤志や弁護士の孝太郎と付き合うがどちらもあっけなく終わる。初めてのワンナイトや社内恋愛も経験したが、恵比寿に住んでいた涼とは恵比寿での半同棲を経て中目黒アトラスタワーで同棲したがその恋も終わってしまい……? 日比谷線の女 vol.9:人形町に住むバツイチ...
結婚3年目の杉本夫妻。ふたりの思い出のお店が、銀座で本物のリヨン料理を提供するこの店。 「実は、プロポーズもここなんです!」(唯さん)と嬉しそうに語ると、「誕生日など、人生の節目に訪れたくなる、安心できる味」(拓也さん)とのこと。 銀座のちゃんとしたお店で食事するのは、やはり何よりの思い出になるのだ。...
本格フレンチレストランを営む場所としてはややマニアック過ぎると言って差し支えないであろう街・虎ノ門。ここで濃いフレンチ好きの熱い支持を集めていた『サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ』がこのたび銀座にお引っ越し。新旧の名店がひしめく東京屈指の美食エリアに進出を果たした。 もちろん、脇坂尚シェフが追求し続けている、リヨンおよびリヨネ地方の伝統料理が並ぶメニューは虎ノ門時代とほぼ変わりなし。リヨンの料理に多用され、かつ、小石原が深く愛...
「お肉といえば熟成肉でしょ。今度のデートも熟成肉に行きたい」という彼女のオファーにこたえるのもいいが、男たるものさらに上をいく提案をしたいもの。今の時期なら、「旬を迎えたジビエの鴨、食べてみたくない?」と返すのはいかがだろう。 フランス語で野生鳥獣を指すジビエは、牛や豚に比べ脂肪が少なく、香り良さ、肉の旨みが強烈な味わい。大人の冬のデートでは押さえておきたい味覚だ。せっかく行くなら銀座のフレンチ、こんなお店はいかがだろうか?...
ビストロ定番のパテカンや鴨のコンフィをアレンジしたおつまみ、グラスワインが15種類と豊富で、ワインバー使いが可能。 カウンターを狙って残業終わりの独り飲みにも良さそうだ。照明を落とした店内は夜が更けるほど居心地よくなっていく。...
銀座の路地裏、少しくらいわかりにくい場所にあった方がデート気分を盛り上げるもの。そんな場所にあるのが、フレンチなのに肩肘張らずにカジュアルに楽しめるバル『French-Bar Refuge』。 銀座のフレンチなのに、ワインが泡赤白と約20種グラス550円から飲めて、しかも料理が旨くて安い。こんな価格破壊なら大歓迎だ。...
銀座の路地裏でこの店を見つけ、扉をくぐった人は幸運だ。前菜500円から、グラスワインは480円から。2,500円から揃うボトルワインは店内のセラーから自由に選んでテーブルへ。 そんな気軽さもさることながら、完成された料理の味に誰もが手放しの賛辞を送ることだろう。シェフは元『ラ・フィーユ・リリアル』の齋藤富治夫氏。フランスの名店で腕を磨いた名シェフだ。気軽で、手頃で、上質。銀座には時折、こんな名店が潜んでいる。...
牛モツの塩ポトフがやたら旨い。モツがフカフカ柔らかく野菜が甘く優しい。銀座で、フレンチで、ワインが泡赤白と約20種グラス480円から飲めて、この料理が580円だなんて。こんな価格破壊なら大歓迎。 さて、メニューが書き込まれた黒板を見ると「本場フランスで修業したシェフが作る」とある。キッチンに立つのはヒゲのベテラン。一体、どういう経歴からこの素敵な味が生まれるのだろう。純粋な好奇心からギャルソンに聞いてみた...
日本の出汁で炊き込んだ白トリュフのリゾットもあれば、イベリコ豚を揚げて九条葱をたっぷりのせたイタリア風のカツレツもある。こうした和洋混在のメニューを見ると、「いったい何料理なの?」と不思議に思いつつも、その面白さや懐の深さにワクワクしている自分に気付く。 割烹やワインバーで修業を積んだ宮川シェフは、ほかでは味わえない独特な料理を提供。ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、素材が美味しくなるためのあらゆるエッセンスを、絶妙に溶け込ま...
オーナーシェフの宮川修一氏は、割烹料理店を経て、銀座のワインバーで腕を磨いた経歴の持ち主。和食の伝統や欧州帰りのシェフから学んだ技術は、自身が開いたこの店に結実している。 例えば冷たいトマトうどんなら、上質な出汁を利かせ、ワインは旨み深いピノ・ノワールを推す。イベリコ豚は意表をついた豚カツに仕立て、九条葱を添える。上質な素材を自在に操り、またとない逸品に。訪れる全ての人を虜にする、類稀な実力派である。...
「肩肘張らずに美味しいものを食べてほしい」という十時シェフ。 銀座を代表するレストランのひとつでありながらも、かしこまることなく、ゆっくりと食事ができるのがうれしい。 日本の旬を大切にした料理は、国内から選りすぐった食材を使い、日本人に愛される優しく大らかなひと皿へと集約されている。 『銀座レカン』で長く総料理長を務めた十時シェフだけに、その確かな技術は揺るぎないが、今年は新しく溶岩グリラーを導入し、さらなる美味...
かつて『銀座レカン』の総料理長を務めた日本屈指のフレンチ料理人・十時シェフが自然派レストランをコンセプトに開店。 極上素材を使った正統派フレンチが食べられる。ハンバーグに使われる牛肉は、放し飼いで牧草を食べて育った健康的な赤毛和牛のもの。 荒く挽き、ごろごろとした肉の食感を残し、つなぎもほとんど使っていないため、食べると噛み応えがあり、肉本来の旨みが凝縮した味わい。香ばしくカリッと焼き上げた手作りのパンも、ぜひともお替...
食材の可能性を最大限に引き出す自然派レストラン 26歳の時、斉須氏が休暇で日本に帰ってきた際に、『銀座レカン』の料理長だった城さんから「若いやつがフランス行きたいというから話をしてやってくれ」と言われて話をしたのが最初の出会いだったという。 「まるで若いころの自分に会っているような感覚で仲良くなったんです」 斉須氏がこう話すのは、『GINZA TOTOKI』の十時亨シェフだ。 「フランス時代も、...
野菜や魚介類に旬があるように、肉にも季節の味がある。「これからの季節はまさに“仔羊の旬”。仔羊は初夏からが旨い!」 そう顔をほころばせるのは銀座で本物の味を追求し続けている『レディタン・ザ・トトキ』の十時亨シェフ。羊料理に定評があり、自身も羊を愛してやまないシェフが選んだ肉、それが「焼尻プレ・サレ」である。 「そもそもプレ・サレとはフランス・ブルターニュ地方の海岸で、潮風の塩分を豊富に含んだ牧草を食...
幸一郎が予約してくれたのは、銀座のグランメゾン『エスキス』だった。 初回からこんな素敵なお店を予約してくれるとは...幸一郎も、気合いが入っているという解釈で良いのだろうか。 店の前で今一度自分の顔をチェックし、化粧崩れがないか確かめる。“大丈夫、今日は私が主役”。心の中でそう呟きながら。 「初めての二人での食事、緊張するね。」 照れ笑いをする幸一郎を見て、私はただ頷くことしかできない。 最初は花...
『ESqUISSE』が誕生したのは、2012年6月。フレンチの最高峰『キュイジーヌ S ミッシェル・トロワグロ』でエグゼグティブシェフを務めたリオネル・ベカ氏、『タテル ヨシノ』総支配人・若林英司氏、『ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション台北』のエグゼクティブ・パティシエ成田一世氏らが集い、ここ銀座で新たな一歩を踏み出した。 トロワグロの傘下で10年以上もまれてきたリオネルさんが手がけるのは、言うまでもなくそれまでの経験がベー...
愛するか、愛されるか。 東京の賢き女は愛されることを選び、愚かな女は愛を貫くというのは、本当だろうか。 堅実な優しい男と、危険な色香漂う男。 麗しき20代の女にとって、対極にある“二人の男”の間で揺れ動くのは、もはや宿命と言える。 そんな彼女の苦しみが、貴方には分かるだろうか。 主人公の詩織・29歳は、自分を溺愛する年下の男・正男と半同棲中の平和な生活を送っている。しかし、余裕溢れ...
それなのに......。女性とは、やはり現金な生き物ですね。 これほどの労力を割き、親密な関係を築いたにも関わらず、誰が口を滑らせたのか、僕が妻帯者だと判明した途端、彼女はあっさりと去ってしまった。 しかも、その事実が判明したときは、それまでの愛くるしい彼女とは打って変わり、その狡猾な本性が存分に表に現れました。 「あんたみたいなナルシスト、誰も本気で好きにならない」 「金と医者の肩書を...
タワーマンション。略して、タワマン。一昔前は、富裕層や成功者が住むイメージが強かったが、今では物件数も増え、裾野が広がってきている。湾岸から赤坂・六本木などの都心まで。様々なエリアにタワマンはあり、エリアによって居住者層も異なるだろう。 2016年の東京でタワマンに住む選択をしている、タワマンラバーたち。彼らはいったい、どのような価値観でどんなライフスタイルを送っているのか。実際に彼らの自宅に伺って、話を...
こちらが戸惑いを覚えるほどじっと目を見つめて話し、神経質そうにたびたび眼鏡を外しては拭く。交渉相手としては手ごわいかもしれない紀彦だが、彼女と家でDVDを見ながらまったり過ごす姿はちょっと想像できそうにない。 そんな紀彦の恋愛遍歴を聞くと、学生時代に何人か付き合った女性はいたが、女性と付き合うことに生産性が見いだせず、その後特定の彼女はいないそうだ。 それでも紀彦のスペックにひかれて寄ってくる初...
クリスマスの戦いは準備が9割。今からめぼしいところにかけたって予約埋まってる可能性もあるんだから、あぐらをかいてる暇はないわよ。彼女の好きそうな店をリスト化して、休み時間にでも片っぱしから電話してみてね。今から動けば、今年のクリスマスの大勝利は確実よ。 あなたの恋がうまくいくように、この10日間一緒に頑張ってきたけれど、明日で最後だなんて、ちょっと寂しいわね・・・ 今日までに、あなたのレベルは、...
2012年オープンながら、すでに銀座のグランメゾンとして確たる評価を得ている『エスキス』。シェフ・エグゼクティブであるリオネル・ベカ氏による、素材の本質を捉えた現代的な料理と、ベカ氏の料理の流れを汲んだ上でオリジナルな世界観を表現するパティシエ成田一世氏のデセール。 そして、ソムリエ若林英司氏の的確なサゼスチョン、と“三本の矢”が揃った状態なのだから、うるさ方の食通に愛されているのもむべなるかな、なのであ...
「今度一緒にご飯行こう。出張ばかりであまり東京のお店に詳しくないから行きたい所でいいよ。」とのことで、先日連絡を受けたのは女性ファッションブランド会社経営の42歳。 そこで奈々さんが選んだのは、トレンドに敏感な女性の多い職場で話のネタにも登場することの多い、東京最先端フレンチ『エスキス』。 2012年オープン以来、瞬く間に銀座のファインダイニングの仲間入りを果たし、女性だけでなく男性からの支持もアツ...
『ESqUISSE』が誕生したのは、2012年6月。フレンチの最高峰『キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ』でエグゼグティブシェフを務めたリオネル・ベカ氏、『タテル ヨシノ』総支配人・若林英司氏、『ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション台北』のエグゼクティブ・パティシエ成田一世氏らが集い、ここ銀座で新たな一歩を踏み出した。 トロワグロの傘下で10年以上もまれてきたリオネルさんが手がけるのは、言うまでもなく...
パリ8区の「OKUDA」を拠点に、“和”の技術を伝道する奥田透氏。正統派日本料理の世界普及をめざし、アグレッシブかつ着実に進めている。フランスで奥田氏の“技”を受講したシェフはついに100人を超えたそうだ。 一方、デザートの世界は、専門職の確立、技術開発など、燦然とした歴史を誇るフランス料理に一日の長があると言える。成田一世は、ニューヨークの「ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション」でシェフ・パティシエ在任中...
これまで参加したシェフの名前を列記すると、 リオネル・ベカ/ESqUISSE 髙澤義明/ARONIA DE TAKAZAWA 下野昌平/アニュ ルトゥルヴェ・ヴー 長谷川在佑/神保町 傳 などと、まさに東京の食を牽引する方々!彼らがその土地を(何度も)訪れ、食材や土地を知り、感じたことを料理に表現していきます。そんなプレミアムなイベントなんですが、この忙しい世の中、そこまで行く時間も余裕もある...
「美人で優秀な姉と、できの悪い妹」 幼いときから、2人はこう言われてきた。 妹の若葉(わかば)と、姉の桜(さくら)は3歳差の姉妹。27歳と30歳になった今、その差は広がるばかりだ。 美貌、学歴、キャリア、金、男…全てを手に入れた姉と、無職で独身の妹。 人生に行き詰まった妹は、幸せを掴むことができるのかー? エリート夫と結婚した姉の桜は、超美人な上に高学歴で、しかも弁護士。そんな姉に対し、妹・若葉は、劣...
妻子持ちの男・藤田との出会いはいわゆるお食事会でした。 それほど親しくもなかった同期に、当日急に声をかけられて参加したのを覚えてる。まあ、確実に人数合わせでしょうね。 当時23歳だった私には1歳年上の彼氏がいましたが、ザ・日系企業の電子部品メーカーで働く彼とは価値観やライフスタイルがどんどん合わなくなっていて。ただ良くも悪くも平和な付き合いで、別れを決意するような事件が起きないものだからずるずると関係を続けていた…...
覚悟を決めてからの、僕の行動は早かった。 さっそく銀座『ロオジエ』を最短で取れる日に予約し、婚約指輪を探す。 こんな小さな石がどうして?という疑問にたびたび首を傾げながらも奮発し、『ハリー・ウィンストン』でダイヤモンドリングを購入した。ダイヤの大きさは、里奈がつけていたものと比べてかなり小さめではあったが。...
仕事の話をそれほど詳しく聞いたことはないが、周囲の声をまとめると、バブル時代から羽振りの良さが全く変わらない、希少な人物だそうだ。 元々は不動産で財を成した資産家で、今では飲食店から美容院など、あらゆる事業を展開しているという。 しかし誤解されたくないのが、ひな子たちはこれまで散々美味しいものをご馳走になってきたが、金銭や物質的な援助を受けたことは一度もない。 「君たちは可愛いし賢いし、本...
「結婚=ゴール」なんて考えは、古すぎる。 東京婚活市場は、婚活に勤しむ女で溢れかえっているが、当然ながら、結婚はゴールではない。そんなものは、幻想だ。 アンチ結婚主義者、吾郎、独身、34歳。長身イケメン、東大卒、超エリートの企業法務弁護士。 吾郎いわく、結婚をM&Aに例えるならば、M&A実施の調印式=結婚式であり、PMI(買収実施後経営統合)=結婚後の生活となる。東京婚活市場において、PMI軽...
「男は40代からが勝負」 精神的、また経済的にも豊かになる40代。血気盛んな40代はまだまだ多く、その余裕ある姿に憧れ、その男性が未婚か既婚かに関わらず、恋に落ちる女性もまた数多い。 しかし、憧れのまま恋に落ち結ばれるときもあれば、40代というその年齢の実態を知り、その魅力は幻想だと考える女性もいる。 「40代からの魅力」は真実なのか幻想なのか?その実態に迫る。 ―20代女子がハマる年上...
女性は、26歳と言う年齢を最大限に活用すべきである。社会人も4年目になり、酸いも甘いも噛み分けてきた。東京でのコネクションも広がり、結婚に向けての準備運動を開始する友達もいる。 銀座の高級レストラン『ロオジエ』や『ベージュ・アランデュカス・東京』、西麻布の隠れ家バーに連れて行ってくれる年上のおじ様達との“先が無い恋愛”はこの歳までに終わらせておくこと。散々良い思いをさせてくれたその方々に感謝の意を示し...
資生堂銀座ビルのオープンと共に、新生『ロオジエ』が誕生してから3年が経とうとしている。常に最高峰を追い求める『ロオジエ』が、史上初めて、野菜だけで組まれたランチコースメニューが登場! 厳選された初夏の爽やかな野菜、キノコ、フルーツなどで構成された"VERT100%"な絶品料理で、心地よい驚きと美味しさに感動して、梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばそう。...
過去に付き合ったり、関係を持った男たちは、なぜか皆、日比谷線沿線に住んでいた。 そんな、日比谷線の男たちと浮名を流してきた香織は、上京後立て続けにタワーマンションに住む篤志や弁護士の孝太郎と付き合うがどちらもあっけなく終わる。初めてのワンナイトや社内恋愛も経験したが、恵比寿に住んでいた涼とは恵比寿での半同棲を経て中目黒アトラスタワーで同棲したがその恋も終わってしまい……? 日比谷線の女 vol.9:...
蓋を開けてみれば、彼女は、この「女子大生ブランド」を利用し堪能しきっていたビッチでした。当時六本木ヒルズのレジデンスに、愛宕グリーンヒルズ、品川のベイエリアのタワーマンション(は、女子大生から不人気だったらしい)などで頻繁に行われていたパーティーに、入り浸っているという完全な”クロ“。 美香は、そこで見つけた金を持った社会人の男たちと、デートだ、旅行だって、贅の限りを尽くしていたらしいです。当時彼女の...
秋田の国立大学を出たのち、三軒茶屋、恵比寿、銀座に引っ越した綾。34歳のとき、外資系に転職した綾は、結婚に焦り総合商社勤務の男性と結婚し豊洲へと移り住んだものの、家事と子供に対する価値観の違いから別居し、37歳で代々木上原に移り住む。その綾の2年後、40歳のお話。 前回:37歳女性が住む街「代々木上原」。私はおばさんになったか? 長らく私なんかの話を読んでくださってありがとうございます。23歳のとき...
クリスマスの翌日の女性たちの実情を知っていて?それはそれは、見るに堪えない残酷さよ。 オフィスには、前日彼から貰ったアイテムを身にまとった女性たちでうようよ。さながら、彼氏からのプレゼントの品評会と化するもの。一方、女性たちのInstagramも、天国と地獄の様相よ。愛された女たちと孤独な女たちと明暗くっきりの残酷さ。フレンチでセリーヌのバッグの写真が上がったかと思えば、別の女が、自虐的にラーメン屋と...
東京のライフスタイルを紹介して15年の東京カレンダーが、東京に住む女性たちをエリアごとに分類した「東京女子図鑑」女性の趣味趣向は、居を構えたエリアに如実に現れ、よく行くレストラン、出没場所で形成、強化されていく!? 本日は、人気の街《銀座》。秋田から上京して、アパレル企業に就職し「三軒茶屋」「恵比寿」に住んだ綾が、次に引っ越した街とは・・・? 前回:28歳OLが選ぶ街「恵比寿」。いつでも脱げる臨...
ーデートで連れて行ってもらうレストランの平均単価を教えてください。ー 佳菜子:ワイン飲むか飲まないかでかなり差が出ますが、日常のデートだとだいたい一人あたり3万円程度。平均してコース1.5万〜3万円程度のレストランに行くことが多いですね。それにお酒を飲んで、3~5万円程度だと思います。 ー通常の女性の記念日ディナーを上回る、日常のデートですね。男性からデートに連れて行ってもらってよかったレストランは...
地上のエントランスからダイニングへの階段をおりる瞬間、女性は映画のヒロインになったような非日常感を覚えるだろう。 2014年10月に装いも新たに再オープンした『ロオジエ』の評判はすこぶる上々だ。それは、建築デザイナーのピエール=イヴ・ロション氏の手腕がいかんなく発揮された成果でもあるだろう。1階と地下1階を大胆な吹き抜けとし、そこにフランス製のシャンデリアを吊るして比類のない贅沢な空間とした。経営する資生...
予約受付開始日の9月2日。『ロオジエ』の電話は鳴り止まなかったという。2年半という長い時間は、人々の心の中にある、美しい空間と料理、素晴らしいもてなしの思い出といった『ロオジエ』にまつわる記憶を薄れさせるどころかむしろ色濃くし、再開への期待を高めさせていたのだ。 ダイニングは、エレガントな螺旋階段を下った地下に。白とゴールドを基調にしたデザインで洗練と格式を表現し、エントランス階に射す外光を共有できる、約9メ...
デートは翌週の金曜になった。約束をしてから、私は浮き足立っていた。 久しぶりのデートに何を着て行こうかと悩みながら、弘毅からの連絡を待つ。 しかし、前日になっても何の連絡もない。 ようやく弘毅から連絡が来たのは、当日の朝だった。 ーどこ行きたい?気になっているお店とかある? え・・嘘でしょ? 初デートなのに、当日になってもまだお店の予約をしていないのだろうか? —どこでもいいよ...
優里との初デートは翌週の金曜だったが、その日は想像以上に早くやって来た。朝、優里にLINEを送る。 ーどこ行きたい?気になってるお店とかある? —どこでもいいよ。弘毅に任せる! 同期らしいあっさりとしたやり取りを終え、店を予約した。 同期とは言え、僕は優里の食の好みも今住んでいる家の場所も何も知らないことに気がつく。 とりあえず銀座ならば会社から程よい距離にあるし、間違いはないだろう。そう思い、気にな...
店内に入ると、足元を木漏れ日をイメージしたライトが照らし、その奥に流木が立ち並ぶ森が出現する。ここは『アジル』、開店1年目でミシュランの一ツ星を獲得したフレンチだ。そのウェイティングバーで彼女を待っている。 ただ高いだけ、有名なだけの店選びでは、誠意は伝わらない。味はもちろん、心から楽しめる身の丈に合った雰囲気も重要だ。...
―もう、あんな風にあの人と会うことはないんだから。しっかりしないと......。 詩織は正男のために自宅で手料理をしながら、英一郎を頭の中から追い払うことに努めていた。 鰹節と昆布から丁寧にとった出汁を、白身魚の煮つけ、味噌汁、青菜のお浸し、出汁巻き卵といったメニューに、それぞれの分量で取り分け少しずつ料理を仕上げていく。 計画的に献立を調理する流れ作業が、詩織は決して嫌いではなかった。 ...
「どうも、お久しぶりです」 あゆみはニコリと微笑み、ワイングラスを合わせた。目の前に座る松岡も、41歳の男性らしく、目尻に皺を寄せて深みのある笑顔を向けて来た。 松岡は、あゆみが勤務するインテリア会社の取引先で、大手百貨店の営業戦略部で部長をしている男だ。 これまで、何かのプロジェクトの区切りや担当者の異動のタイミングなどで、会食を重ねた相手だ。 松岡も離婚経験者で、もう何年も一人で...
名店『エスキス』が同じビルの2フロア下にオープンさせた姉妹店『アジル』。店名は、仏語で「泥」や「粘土」という意味。家畜の餌の牧草や、野菜、陶器の源が泥であることにちなんだネーミングだ。 根源的な自然の力強さを空間や皿の上にちりばめた『アジル』の料理は、主素材の存在感を出した骨太なアラカルト。コースで出される繊細な『エスキス』の料理とは対照的だが、村島輝樹シェフいわく共通点もあり、食材に対するアプローチ方法...
ミシュラン二ツ星フレンチで、朝だけの数量限定で販売。 シェフ・パティシエの成田一世氏による“料理に寄り添う”上質な風味を、家庭でも堪能することができる。そのままでも美味しいれど、ジャムなどでお好みの味に変えてみるのもおすすめ。「パン ドゥ カンパーニュ」、「クロワッサン」など全8種類をそろえる。...
2012年6月に銀座にオープンするやいなや、瞬く間に星付きレストランの仲間入りを果たした『ESqUISSE エスキス』。 シェフ・パティシエである成田氏が作る『エスキス』のパンは、本来ならば、食事と共にサーブされ、レストランでしか味わう事の出来ない特別なパン。しかし、あまりの美味しさに、「買って帰りたい!」というファンが急増。 アツい要望に応えるべく、レストランのレセプションにて、「時間&数量限定」で『Pain d' ...
いかにも銀座、な華やかな大通りの店だけがこの街の魅力にあらず。意外な場所に潜む、知る人ぞ知る名店を攻略してこそ、男の偏差値が高まる。 そんなスポットが、ここ『佛蘭西料理 銀座 誠』だ。 銀座の路地奥という佇まいからしてお忍び感満載。「ここでは、自分のやりたいように料理を作っています」とは、店主の栗原 誠氏。 あの『アピシウス』で19年修業を積んだ大ベテランだ。...
翌日の午前中、綾香は担当弁護士に頼まれ、弁護士会館にある図書館に資料探しにきていた。 重たい判例集を開いて、コピーが必要なページにポストイットを貼っていると、後ろから懐かしい声がして、綾香は身を固くする。 「―綾香?」 まさかこのタイミングで、目の前に現れるなんて。本当にどこまでも、ずるい男だ。 恐る恐る振り返る綾香の目に映るのは、懐かしさに目を細める、そして綾香の心を無条件にときめかせる、修一の笑...
明治36年に誕生した、日比谷公園の中に位置するこのお店。文明開化の時代には、西洋風を真似て流行りを創り出した、今でいう「ミーハー」な人たち、当時でいう「ハイカラ」な「モボ(モダン・ボーイ)」や「モガ(モダン・ガール)」がこぞって通った有名店です。 夏目漱石や高村光太郎など歴史に名を残した文人たちも憩いの場として使っていたそう。そんな新しい時代を切り拓いた当時の人々も愛した「ハイカラ洋食」を、今も変わらず提...