「どうしてあんな中の上の女が…?」 エステを終え、すでに薄暗くなった表参道をひとり歩きながら、私は思わずそう口に出して呟いていた。 いくら考えても、納得...
―すっかり遅くなっちゃった…。 結衣は、早足で原宿の街を歩いていた。今から奈央の送別会に参加するためである。 時刻は19時半を回ったところで、既に3...
ファッションだけでなく、食のトレンドにも精通している青山女子。 新店をいち早くチェックするのもお約束だが、青山界隈で「どこにカメラを向けても絵になる...
鮮魚とアヒアマリヨソースを合わせたティラディート2階は求愛を促す赤い壁面...
僕とさゆりの出会いは、ありふれた食事会だった。 勤め先の商社で、同じ部署の先輩である山岡さんが開いた食事会。 商社というブランドは未だ有効...
神宮前にあるペルー料理店『ベポカ』へ到着して男性陣を見た瞬間、真理子は目がパチクリしてしまった。一ノ瀬がいたからである。男性メンバーは怜奈とともに幹事...
忙しい彼女と東京カレンダー編集部がやってきた『ベポカ』は、デートで訪れるのにぴったりな“都会派エスニック”の代表格だ。 コロニアル様式を彷彿とさせる...
理沙:女子会で記憶に残っているのは広尾『キッチン』。パクチーが苦手な男性って多くない?逆に女子は好きな子が多いから気兼ねなくベトナム料理を思いっきり楽...
そのコロニアル様式を彷彿とさせるスタイリッシュな雰囲気と、新鮮な生の魚介類やキヌア料理など、珍しくも美味なるペルー料理を堪能できるレストラン。 目に...
そのコロニアル様式を彷彿とさせるスタイリッシュな雰囲気と、オリジナリティが光る本格的なペルー料理が堪能できる『ベポカ』は、デートで訪れるのにぴったりな“都...
先日のデートも終盤。『オカダ』のマドレーヌを目の前に、浩平はこう言った。 「彼女はいる。けど、結衣ちゃんに付き合ってほしいと言おうかと思ってた。けど...
ーやっちゃったなー 『レストランオカダ』でのデートでは、結衣を巡る外資系投資銀行の男との不利に思えた勝負での奇策として、耐えられず「実は彼女がいる」...
黄色い外観が、ペルーの首都リマの街並みを思わせる『べポカ』。料理だけでなく、地ビールや伝統的な蒸留酒ピスコのカクテルを用意するなど、酒も徹底的に本場の味に...
伝統的なハンガリー料理を広めるため、政府により依頼され誕生した店。ここへ訪れたならば、マンガリッツァ豚のソテーは必ずオーダーすべき。この豚はハンガリーの国家遺産にも認定された“食べられる国宝”と称される稀少な品種。 適度な脂身と濃い赤褐色の赤身が特徴で、火を入れるとしっかりとした旨みが溢れ出る。口に残る余韻をさらに膨らませるのは、厳選されたハンガリーワイン。遙かなるドナウの流れを思わせる、雄大なマリアージュに舌鼓を。...
伝統的なハンガリー料理を広めるため、政府により依頼され誕生した店。ここへ訪れたならば、マンガリッツァ豚のソテーは必ずオーダーすべき。 この豚はハンガリーの国家遺産にも認定された“食べられる国宝”と称される稀少な品種。適度な脂身と濃い赤褐色の赤身が特徴で、火を入れるとしっかりとした旨みが溢れ出る。口に残る余韻をさらに膨らませるのは、厳選されたハンガリーワイン。遙かなるドナウの流れを思わせる、雄大なマリアージュに舌鼓を。...
東カレユーザーにもファンが多い『バルバッコア』。 1990年ブラジル・サンパウロに誕生し、ブラジル国内には関連店舗を含め全7店舗、イタリア・ミラノに1店舗展開しており、グローバルな人気を誇る有名店である。 日本では1994年に、1号店である青山本店をオープン。その後、六本木、丸の内、渋谷、新宿、心斎橋、品川や大阪梅田に展開している。日本におけるシュラスコ人気を牽引してきた人気のお店の1つである。...
<今週のお悩み女子> 氏名:薫 年齢:30歳 職業:PR会社勤務 住居:芝公園 ステータス:独身 薫は息を切らし、小走りで表参道の街を急いでいた。 フランス留学時代の同窓会に向かっているが、夕方から婚活パーティーに参加していたため1時間遅れての到着になりそうなのだ。 『バルバッコア・グリル 青山店』に着くと、懐かしい顔ぶれがずらりと勢揃いしている。ここは、ブラジルの名物「シュラスコ」が食べら...
“次から次へと出てくるライブ感も楽しい!” ブラジルで圧倒的人気を誇る“シュラスコ”の専門店。テーブルで豪快に切り分けるのもエンターテイメント性が豊かだ。 「ピッカーニャ(イチボ肉)が美味しい!焼きパイナップルもいい緩衝材」 ■プロフィール 児島麻理子/PRマネージャー バカルディ ジャパンPR&イベントマネージャーPR業に加え、ラムコンシェルジュ、テキーラマエストロの資格も持つ。好きなテ...
ブラジルで圧倒的人気を誇る“シュラスコ”専門店。ブラジルのサンパウロ本店の雰囲気をそのまま再現したお店は、肉を塊のまま串に刺し、こだわりの岩塩で焼き上げ、テーブルで豪快に切り分ける。シュラスコ、サラダバー、デザートビュッフェ、ドリンクバーのランチセットがお得!...
キラー通りで長年店を構える同店は、カレー偏愛主義のワイン好きの間では知る人ぞ知る存在。インドカレーがベースというカレーは、複雑に組み合わせたスパイスが香る本格派。さらに和風なものからスパイスを効かせたオリジナル料理まで、ノンジャンルに登場するつまみも充実している。 「ワインに合わせるつまみは、スパイスを多く使わずシンプルに1、2種類がいい」と店主の若林タケシさん。このセオリーを踏まえて生まれたのが、マスタードシードをアクセン...
日本初となるラザニア専門店『ラザーニャ・ラザーニャ』が誕生。バリエーション豊富な具材に加え、生地やソースも様々な7種類をそろえる。 「パンチェッタ 旬野菜のラ...
日本初となるラザニア専門店『ラザーニャ・ラザーニャ』が誕生。バリエーション豊富な具材に加え、生地やソースも様々な7種類をそろえる。 「フェラーリ ブリュット」...
原宿の隠れ家イタリアンバルといえばここ。竹下口交差点を進み、若者で賑わうとんちゃん通りに潜む良店がここ『ソプラソット』。赤レンガの床に小洒落た照明が居心地良い空間。...
都内にいながらも、九州のうまいもんをたっぷりと楽しめるのが『銀座 あまくさ 青山外苑』。 まずは最高級黒豚の溶岩焼きをいただこう。『銀座 あまくさ 青山外苑』では、鹿児島県産マロン豚を使用。マロン豚とは、最高級黒豚「六白豚」のなかで、主に栗と有機野菜を食べて育った豚で、さっぱりとした脂で甘みがあるのが特徴だ。 また、焼きに使用する溶岩も特注品。「玄武岩」という特殊な溶岩を使用して作られており、火にかけると、遠赤外線やマ...
都内にいながらも、九州のうまいもんをたっぷりと楽しめるのが『銀座 あまくさ 青山外苑』。 まずは最高級黒豚を溶岩焼きをいただこう。『銀座 あまくさ 青山外苑』では、鹿児島県産マロン豚を使用。マロン豚とは、最高級黒豚「六白豚」のなかで、主に栗と有機野菜を食べて育った豚で、さっぱりとした脂で甘みがあるのが特徴だ。 また、焼きに使用する溶岩も特注品。「玄武岩」という特殊な溶岩を使用して作られており、火にかけると、遠赤外線やマ...
飲食店も多く、焼肉も鶏鍋も、それぞれに特化した専門店がひしめくグルメタウン表参道。 しかし『銀座 あまくさ 青山外苑』なら、甘みを感じる絶品豚の焼肉も、濃厚なコラーゲンスープの鶏鍋も一度に味わえるのだ! なかでもこちらを訪れたら注文するべき3品を中心にご紹介!...
甘みを感じる絶品豚の焼肉も、濃厚なコラーゲンスープの鶏鍋も一度に味わえる、『銀座 あまくさ 青山外苑』。 最高級黒豚の溶岩焼きは、鹿児島県産マロン豚を使用。マロン豚とは、最高級黒豚「六白豚」のなかで、主に栗と有機野菜を食べて育った豚で、さっぱりとした脂で甘みがあるのが特徴だ。...
気取らずカジュアルにワインと料理を楽しむ、まるでフィレンツェの街角にあるような『トラットリア ブーカ ジュンタ』。 ワイン蔵を改装したような店内は、店に入った瞬間に、現地にトリップしてしまった錯覚を感じてしまうほど!...
洋平くんとは、骨董通りの『トラットリア ブーカ ジュンタ』で待ち合わせた。 案内してくれるスタッフの背中越しに彼の姿を捉え、私の身体は反射的に火照る。会えない時間に熟成された「好き」が溢れ出すのを、必死で押さえ込んだ。 洋平くんは、私のために奥の席を空けてくれていた。 さざめく店内、落ちた照明の下、洋平くんは何やら真剣な表情で携帯を触っている。まだ私に気づかない彼は無防備に見えて、そんなことにまでときめいてし...
健太さんが食事の場所に指定してきたのは、表参道にある『トラットリア ブーカ ジュンタ』だった。 神宮前にお店があった時に何度か行ったことはあったものの、表参道の骨董通りに移転してからまだ未訪問。健太さんからお店のリンクが送られてきた時、食事への期待値は一気に上がった。 しかし、同時に健太さんから曜日候補が送られてきた時、戸惑ってしまった。 指定してきたのが、土曜だったから。 健太さん...
勝負の初デートは、神宮前から表参道の骨董通りにリニューアルオープンしたばかりの『トラットリア ブーカ ジュンタ』にした。 神宮前にあった当時から、ここのオーナーシェフであるジュンタさんが作る肉料理と、それに合うパスタが大好きでよく通っていた店である。...
2008年オープン。オーナーシェフ石川淳太氏の男気溢れる料理は健在。だが「料理と同じぐらい、みんな会話を楽しみに来てくれるから」と、フロアでのサービスも積極的。 気の置けない仲間同士にはプリフィックスコースに合わせ、「ワインをどんどん飲んでほしい」と考えたイタリアワイン飲み放題プランがおすすめ。ボリュームのあるセコンドに合わせてグラスを傾ける。そこに石川氏のトークが加わればまたワインが喉をすべり、愉快な夜...
「へえ~、それで一ノ瀬さんと再会したってわけ?」 翌日の昼。昨夜、一ノ瀬から届いた「いまからそこに行くから待ってて」というLINEを見つめながら、真理子は怜奈に経緯を話していた。次、怜奈に彼とのことを話す時は、相談ではなく報告にしようと昨日、決めたからである。 「しっかしさあ……」 『トラットリア ブーカ ジュンタ』でランチをつつきながら怜奈がクククッと笑う。 「マリコの行動って、恋愛下...
オーナーシェフの石川淳太氏は「繊維がしっかりして“肉々しさ”も魅力」と赤身を評する。 気取らず皆が賑やかにワインと料理を楽しむ、フィレンツェの街角にあるような店を東京で再現すべく開かれたトラットリアだ。ワイン蔵を改装したような店内にしたのは「店に入った時、現地にトリップしてしまった錯覚、行ったことがある人なら懐かしさを感じてもらいたかった」から。 料理も当然、その雰囲気に見合う、直球勝負の料理が揃う...
『ユナイテッドアローズ原宿本店メンズ館』向かいの『UA BAR』。ドリンクは『フグレン』、フードは『自由が丘ベイクショップ』が監修、というだけでも充分引きは強いが、ここは買い物から爽やかにアペタイムへ持っていけるところが憎い。休日の昼下がりに「買い物付き合って」と軽く誘い出し、口当たりの良いカクテルで夕暮れから酔わせてしまうのは反則だろうか。...
2014年に『UA CAFE』からリニューアルを果たした『UA BAR』の他には無い注目すべき点は「TAILOR-MADE COFFEE AND COCKTAILS」をコンセプトに集まったチームメンバー陣の凄さ!! 「飛行機に乗ってまで試しに行く価値あり。」とNYタイムズ紙に評された、ノルウェー発の老舗コーヒーバー『Fuglen(フグレン)』が内装とドリンク、コーヒーメニューを監修し、ゆっくりとくつろぐことの出来る大人の空間...
料理人人生の途上、ふと足が止まった31歳の時、イタリアへ渡る。ローマで食べたカルボナーラに衝撃を受けて、自らの行方が定まった。旨かったから、ではない。 「ボウルに溶いた卵、そこへ、ペコリーノ・ロマーノをがさっとひとつかみ。これで茹でたパスタを和えるだけだったんです。しょっぱくて、食べられなかった!」と笑う、加藤政行シェフ。 だが地産地消が当たり前の地で、この味を愛する人々がいるイタリアのシンプルだが奥深い魅力に触れ、迷...
南青山三丁目交差点からすぐの場所に建つビルの2階。ハイスツールが並ぶカウンターが中心で、夜のメニューは基本、アラカルト。取り分けも、1皿と1杯のおひとり様もウェルカムという使い勝手の良さ魅力の『セントベーネ』。 ぜひ味わいたいのが、カルボナーラだ。...
料理人人生の途上、ふと足が止まった31歳の時、イタリアへ渡る。ローマで食べたカルボナーラに衝撃を受けて、自らの行方が定まった。旨かったから、ではない。 「ボウルに溶いた卵、そこへ、ペコリーノ・ロマーノをがさっとひとつかみ。これで茹でたパスタを和えるだけだったんです。しょっぱくて、食べられなかった!」と笑う、加藤政行シェフ。だが地産地消が当たり前の地で、この味を愛する人々がいるイタリアのシンプルだが奥深い魅力に...
世の飲食店がこぞって価格競争に走るずっと前から、師匠の落合務氏とともに内容充実のイタリア料理を低価格のコースで提供し、イタリア食文化の普及に尽力してきた加藤政行シェフ。 その加藤氏が『ラ・ベットラ・ペル トゥッティ』の厨房を離れ、新たな店で腕を振るうと聞けば、すぐにでも駆けつけたくなるファンは多いはず。新天地は、南青山三丁目交差点からすぐの場所に建つビルの2階。ハイスツールが並ぶカウンターが中心で、夜のメニュ...
ローマに本店がある『サバティーニ』の直営ピッツェリア。 1983年の開店以来使い続ける石窯は、今では同じ素材が手に入らないという貴重なもの。最上クラスの小麦粉に卵とバター、牛乳を加えて練る伝統の生地がクリスピーにして、モチッとした食感を楽しませてくれる。 隣接するリストランテよりカジュアルに本場ローマの味覚を堪能できるのも魅力。...
2階建ての古民家を古材でリフォームした趣のある店構え。2016年までは懐石料理店だったが、店主が蕎麦打ち名人の永山寛康氏に師事し、蕎麦屋として心機一転。...
古木や流麗な欄間などを使い、完全リノベーションした一軒家。このどこか懐かしさを感じさせる空間で頂けるのは、江戸前の粋な蕎麦。 蕎麦はそば切りだけでも「せいろ」や「変わりそば」など常時4種類揃える。 カウンター席とテーブル席、個室席、座敷席など利用シーンの幅が広がる店内の雰囲気も魅力。...
「ひとりランチでよく行くのは『しろう』。お店の雰囲気もすごく良くて、ここでひとりお蕎麦をすすっていると、年齢的には完全に大人なんだけど、マインド的にも『大人だな〜』ってしみじみと思わせてくれるお店です」...
古木や流麗な欄間などを使い、完全リノベーションした一軒家。このどこか懐かしさを感じさせる空間で頂けるのは、丁寧な仕事が施された和食。 ランチは銀だら西京焼き定食や鯖の味噌煮定食も人気だが、岩手産いわい鶏を使用した親子丼をぜひ。まるで太陽のように美しい卵の黄色がゲストの目を楽しませてくれるのだ。 ふっくらと炊き上げたごはんに淡路島産の甘い玉ねぎ、やわらかな身質の銘柄鶏の相性も抜群の一杯。...
「エッセンス農園」と名付けた自らの畑で、年間100種類の野菜を手ずから育てるオーナーシェフ・薮崎友宏氏は、当然ながら野菜の鮮度には一家言アリ。 それだけに、春巻の具の定番である「竹の子」は、時期外れだと水煮を使わざるを得ないからと、年間を通してフレッシュなものが入手できるマコモダケを採用。竹の子同様、食感の歯切れの良さが楽しめる点も素晴らしい。...
「彼の好きなところに、自信が持てなくなった?」 みなみは遥からのSOSを受け、『南青山 エッセンス』に来ていた。目の前にいる親友が分かりやすく焦燥しているのを見て、みなみは困惑する。 ―遥がこんな弱音吐くなんて、よっぽどなのかも…。 同棲を始めたという報告を受けた時、みなみは素直に驚いた。恋愛に慎重な遥が付き合って1年も経たずに同棲に踏み切るなんて、よっぽどその彼が好きなのだろうと思っていた。 しかし何...
オープン10周年を迎えた今年、店内の全面リニューアルを敢行。そんな空間でビール片手に味わいたいのは、春巻だ。「エッセンス農園」と名付けた自らの畑で、年間100種類の野菜を手ずから育てるオーナーシェフ・薮崎友宏氏は、当然ながら野菜の鮮度には一家言アリ。 それだけに、春巻の具の定番である「竹の子」は、時期外れだと水煮を使わざるを得ないからと、年間を通してフレッシュなものが入手できるマコモダケを採用。竹の子...
「突き詰めると医食同源に行き着くのが中国料理。一方で、化学調味料を使ったり、それに反する部分もよくあるんです」。そんな矛盾を排除して、体に優しい薬膳をベースとした中国料理を振る舞うのが、シェフ・藪崎友宏氏のモットー。 そんなポリシーから産まれた副産物ともいえるのが、こちら「パクチー和え麺」(¥1,600)だ。というのも、シェフは食材にこだわるべく足利にある畑で野菜を自家栽培、その雑草対策として植えたパクチ...
クラスでは最年少の芹那。これがもしお食事会や婚活パーティーだったら、26歳の美しくてパワフルな女の存在は、30歳の美咲にとって脅威でしかない。しかし都合の良いことに芹那は結婚している主婦だ。 —この子がライバルにならなくて良かった…。 美咲はほっとしたような気持ちになった。 それに、芹那は今まで会ったことのないタイプではあるが、決して悪い子ではなさそうだ。はじめは警戒していた美咲も、知らぬ間に...
中国料理とすっぽんは、古来より相性の良い組み合わせ。だが、ふぐを使ったひと品となると、寡聞にして知らぬ。 「 なにせ中国ではふぐの流通が禁止されていますからね」。そう話すのは、オーナシェフの薮崎友宏氏。だから修業時代に扱うことはなかったものの、日本人ならではの中国料理を作ろうと一念発起、20代半ばでふぐ調理師免許を取得した。 試してみると、ふぐはハタやアンコウに似たところがあり、広東の技法にマッチする。それ...