シンガポール料理と自然なつくりのワインを楽しませるビストロとして注目を集める『松記鶏飯』。軟らかい鶏の胸肉をパクチーとともに食すシンガポールライスはもちろん、脇を固めるメニューも酒場らしいラインアップで足繁く通いたくなる要素が満載。...
さゆみが興奮するであろうことは予測できたから、奈々も話すかどうか一応迷ったのだが、ひとり心に秘めているより話してしまったほうが消化できるような気がしたのだ。 「つまり、奈々の初恋の相手が、あの衣笠美玲(きぬがさ・みれい)に弄ばれてるってこと?!何それ、ほんとムカつく女!」 「いや、初恋の相手…ではないし、弄ばれてるとも言ってないんだけど。」 さゆみは、Instagramで華やかな私生活を公開する衣笠美玲を、普...
「ボルシチです。中央のサワークリームを溶いてお召し上がりください。パンを浸してお召し上がりになると、美味しいですよ」 「サラファン」の週替わりランチには、ボルシチがつく。店主は最初に運んでくるボルシチを、こう言って勧めてくれる。 なんとも色合いが美しい。透き通った茜色の液体が目に優しい。飲めば穏やかな滋味が、ゆっくりと広がっていく。一口だけで、喉が開き、心がほぐれ、厳しい外気にさらされた体が上気していく。様々なボルシチをいただ...
とんかつフリークを自認するなら、一度は試してみたい逸品が、ここ『ポンチ軒』の名物「究極のヒレ一本揚げ」である。豚は、旨みの濃い沖縄豚。これをゴマ油とコーン油をブレンドした揚げ油で静かにゆっくりと揚げていく。 「中心部まで火を通しつつ、パサつかせないよう揚げるには、温度のキープが肝心。140℃をキープしながら、約15~20分ほど揚げたら、今度は145℃に揚げて約5分。周りをカリッと揚げ切る」のが、『ポンチ軒』スタイルだ。 ...
この店のとんかつは、グルマン達には周知のところだが、実はもう一つ、知る人ぞ知る名物メニューがある。〝手切り豚しゃぶ〞だ。 文字通り、手で切った厚切り(3〜4㎜)の豚肉を使い、食べ応え満点。 手切りにする理由は、「肉の断面に微妙に凹凸ができるため、口の中に入れて噛んだときに、食感がいいのはもちろん、肉から旨みがたっぷり出てくるんです」と店長。...
当店の前身は赤坂にあった洋食店『フリッツ』。「肉を生かすも殺すも揚げ方次第」という職人の技が堪能できる名店だ。 「肉がきめ細かく、豚肉の甘さが感じられるとんかつ。コロッケやメンチカツなども他のメニューも充実しているので、僕にとっては心ゆくまで食べて腹一杯、幸せになれる店です」...
東京カレンダーでもたびたび登場するニューウエーブとんかつ。恵比寿『かつ好』と赤坂『フリッツ』という名店出身の料理人による強力タッグで生まれた店。なかでもマッキー氏は、特ロース豚かつ定食をリコメンド。 「衣が主張しすぎることなく、肉を活かすそのバランスは天晴れ。オリジナルのウースターが豚の甘さを際立たせてくれる」 とんかつ以外のフライものや酒にあう肴もズラリ。ぜひ行きつけにしたいお店。...
牧元:食べ方というのは個人の好みだから、押しつけるものではないと思うんです。僕だって店の人に「最初のひと口は塩で食べてください」と指図されたりすると、「えぇい!しゃらくせぇ!」ってなるしね(笑)。 浦風:卓上に選択肢を用意したら、あとは客に任せろと。 牧元:それでいいと思うんです。料理に力があれば、食べる側も考えるようになるからね。とはいえ、あえて言えば、とんかつは豚肉をより美味しく食べるための料理...
仕事に集中できるクラシカルな店内は、明るく開放的で居心地も良い。ひと晩かけて抽出する水出しコーヒーが1杯¥700(税込)と一番の良心価格で、さらにサービス料はなし。 仕事中ちょっと小腹が空いた時、ぜひ頼んでいただきたいのが17時以降から食べられる『山の上』の天丼だ。 【Judgement】 Wi-Fi :★★★★☆ 長居 :★★★★★ 電源 :★★★☆☆ メニュー:★★★★★ 空間 :★★★★☆...
~普通のように見えて、かつて経験したことのない食感に驚く~ 36年も続く名物のマカロニグラタンは、カルピスバターを使用したベシャメルソースが軽めで、食後にもたれないのがいい。そしてとても長いマカロニが、口や喉内でにゅるりと動く食感がやみつきになる。 ゲストにはご近所さんも多く、普段お世話になっている人たちに還元したいという気持ちも込めて、抑えめの価格設定となっている。¥1,410(すべて込)...
結果、渋みや雑味のないコーヒーが出来上がるのだ。優しくゆっくりと落ちる水滴は、挽いた豆に刺激を与えないので、クリアでいて濃い味にも仕上がる。そんなコーヒーはウェッジウッドはじめ一流の陶磁器に注がれ振る舞われる。 そう手間暇のかかった贅沢な1杯は、700円とホテルにしては良心価格。サービス料はとらない。 その背景には、“地域のみなさんにも愛される場所に”というホテルの信条があり、その姿勢がまたこのコー...
創業1975年。40年以上のれんをまもり続ける人気とんかつ店。 食材や調理法にならではのこだわりは多く、豚肉の旨みや甘み、そして柔らかさを最大限に引き出す職人技は筆舌にしがたいほどの食感。 数多くのメニューから、マッキー氏は特ロースカツがイチオシ。 「特ロースカツは肩ロース寄りの肉を使っており、豚本来の旨味がある。特製ソースは甘めながら後味のキレよし」 この内容、クオリティで第4位。気になるベスト3は4回目で発表。お楽...
これから春にかけて美味しさを増していくイチゴを味わうのにもってこいのスイーツを販売するのが明治17年創業の『近江屋洋菓子店』。 最近はイチゴと聞くと冬をイメージする人が多いが、本来は4~5月がイチゴの旬といわれている。 見た目のはホールケーキのように円形であるが、直径は約9㎝と食べきりサイズ。これならば、ひとりでペロッと平らげることができるだろう。...
小さい頃、「あぁ、ホールケーキを丸ごと一個一人で食べられたら幸せだな。」と思った事はないだろうか? 『近江屋洋菓子店』で販売されている「いちごサンドショート」は、すっかり大人になってしまった胃にも、すっぽりおさまりながら、あの夢を叶えてくれる逸品。...
「僕にはわかります。西内先生はエンタメ作品でこそ、力を発揮できる方です」 仏頂面の彼女に、そう語りかけた。 甘い物が好きな彼女に合わせて、神田の『近江屋洋菓子店』を打ち合わせ場所に選んだ。ここのイチゴサンドショートを、彼女は気に入るだろうと踏んだからだ。...
実のある美味しいものをお渡しして、みなさんで集まって、会話が弾む要素をお届けしたい。 そんな時は、箱から出した瞬間、歓声が上がるカラフルな『近江屋洋菓子店』の「フルーツポンチ」がいい。 カラフルでおしゃれで手土産にピッタリ。サイズも3種類あり、人数によって選べる。 “品質の良い洋菓子を良心的な価格で”が信念の老舗『近江屋洋菓子店』。毎日市場へ足を運び、一級品のフルーツを仕入れている数少ない洋菓子店...
老舗酒販店の神田小西が『ワインホール神田小西』を開き、こちらも連日大盛況を呈すように。 ワインは知名度こそ低いが安くてよいものから、極上品まで。倉庫を改造した店内の中2階には半個室もある。 パテ・ドカンパーニュなどワインの定番つまみのほか、「USフレッシュプライムビーフ」などメイン料理も充実。...
しかし、暑い。 身体中が熱くて汗が止まりません。万年冷え症の私が。岩盤浴ヨガしても、一切汗をかかないほど新陳代謝の悪い私が。なぜ万年冷え症の私から汗が止まらないのか、話は一週間前まで遡ります。 取材で神田を訪問していた私たち、帰り際に副編集長が「エチオピア……」と呟き、完全にカレーモードになった我々はカリーライス専門店『エチオピア』へ急ぎました。13時過ぎでも『エチオピア』を求める人で溢れ帰る店内。 【0〜70倍...
~天ぷらは瞬間芸。単純なことこそ最善を極める必要がある~ かの池波正太郎がかつての料理長、近藤文夫をひいきにしたことでよく知られる『山の上』。多くの文士たちが通った天ぷらの老舗であるが、当時から変わっていないこと、そして変わったことの両方がある。 前者のひとつめが、いまでも氷の冷蔵庫を使っていること。これは素材を生かす名脇役であり、木製の扉の中の大きな氷は、日々氷屋によって取り替えられている。...
角切りにカットした牛バラ肉(カッパ)を大鍋でじっくり5時間以上煮込む。明治時代の牛鍋をヒントに生まれたとろとろの牛肉とたまねぎ、豆腐がのったごはんは醤油と合わせ味噌の絶妙な味つけで止まらなくなる美味しさだ。...
この店でまず試していただきたいのは、木内酒造製造の104.5エールだ。清々しい苦みと、ホップの豊かな香りが特徴のこのビールは、各国で絶大なる支持を得る老舗酒造ならではの出来映え。 アテには、スパイスの効いたパテやソーセージらの自家製シャルキュトリーが相応しい。強い味わいの両者が素敵な出会いを果たし、“つまんではビール”の繰り返しが止まらない。...
フランス各地で研鑽を積んだ長澤宜久氏がシェフを務める店。まず試していただきたいのは、木内酒造製造の104.5エールだ。清々しい苦みと、ホップの豊かな香りが特徴のこのビールは、各国で絶大なる支持を得る老舗酒造ならではの出来映え。 アテには、スパイスの効いたパテやソーセージらの自家製シャルキュトリーが相応しい。強い味わいの両者が素敵な出会いを果たし、“つまんではビール”の繰り返しが止まらない。 ワールドビアカップなどにて受...
昭和初期の建物は戦災を免れ、東京都の選定歴史建造物に指定されている。変わらぬのは建物だけではない。備長炭と鉄鍋を使った「鳥すきやき」もまた、こちらの変わらぬ名物だ。 ヒナ鳥と白滝、ねぎ、焼豆腐というシンプルな構成ながら、鳥はもも、むね、レバー、砂肝、はつと鳥一羽を余すところなく使用。 鉄鍋に熱せられた醤油ベースの甘辛い割り下に鳥の旨みが滲み出し、ねぎや焼豆腐がそれを吸い、溶き玉子にくぐらせて口に運べば、ため息がこぼれる...
食事に誘うと直人はすぐに快諾してくれ、秋葉原と神田の間にある鳥すきやきの『ぼたん』を予約してくれた。古い日本家屋の座敷で向かい合うのは、正座を崩すタイミングを推し量ったりと初デートにしては少しハードルが高かったが、逆にフレンチやイタリアンじゃないことを新鮮にも感じた。 「こっちの方ってあんまり来ないだろうから知らないと思うけど、良いお店がいっぱいあるんだよ」と力説しながら畳の上であぐらをかいて座る彼は、繊細な印象は影を潜...