日本橋に位置する『ロイヤルパークホテル』の地下1階に、ビジネスマンたちの贅沢な“サク飯”として愛されている涼麺がある。中国料理『桂花苑』が提供するのは、夏季限定の3種の涼麺。 昼にひとりでも気軽に入れる理由のひとつが、絢爛な内装にしてカウンター席があることだ。たとえばあるビジネスマンの定番は以下の通り。...
ヒロキと出会ったのは、仕事で訪れたフラワーアーティストの来日パーティーだった。 「あの…失礼ですが、こちらのハンカチ、落とされました?」 突然声をか...
スペインに本店をおくミシュラン二ツ星の東京店だが、レセプションを抜け2階へ上がると、シャンデリアが印象的なラグジュアリーなバルスペースがある。 あまり知られて...
どんなに素敵なレストランをセッティングしても、エスコートがぎくしゃくしていたら台無し。あまりにマニュアル本通りに展開されると堅苦しくて息がつまりそう......
【1日数組限定】 独占欲は、大切だ。悪しき響きにたじろぐ必要はない。大事な誰か、特別な時間を、自分だけのものにしたい気持ちは、否定のしようがないもの。食事時で、さえ。 完全予約貸切制の店、『日本料理エドア』には、そんな気持ちを抑えられないお客たちが時々、訪れる。予約時間内は誰とも顔を合わせず、自分たちだけで、クローズドな空間と店主・高村直子さんの料理を堪能できる...
「完全貸切予約制」 八丁堀の一角にこの9月開業した『日本料理 エドア』の営業スタイルである。銀座から至近距離にありながら、通勤時間と昼休み以外、人気の少ないこのビジネス街に、ぽつんと開いたこの店は、一見、食器かインテリアのショールームと見紛う。大きな窓越しに見える小柄な店主・高村直子さんの、包丁を握る姿は儚げで、さらにここが何の店か朧気になってくる。 だが改めて言うまでもなく、ここは日本料理店。ホームパーティでお客に料理を振る...
鏡のように磨き込まれた鉄板の上に、オリーブオイルをひと吹き。やがて目が、耳が、無意識のうちに美食への期待に打ち震えゆくディナーの幕開けだ。 『ロイヤルパークホテル』最上階にあるこの店は、奇を衒わぬクラシカルな鉄板焼で勝負する。食材は産地指定、旬の味覚を吟味。オリーブオイルと香り付けのゴマ油、芳醇なバターで素材の持ち味を引き出していく。街場で噂になる鉄板焼店のように、ゲストの目を引く派手なパフォーマンスは敢えて封印。 そ...
風情ある街並みが残る人形町。その一角に佇む、築80年以上の古民家に新たな息吹が吹き込まれた。かつてこの場所にあった老舗足袋店の名前をそのままに受け継ぎ、フレンチ料理店として生まれ変わったのである。 店のコンセプトは、「フレンチシェフ」と「唎酒師」とのコラボレーション。本場フランスで修業をした経験を持つシェフと、唎酒師の資格を持つ店主が「お互いの個性を活かして、何かコラボレーションできないか」と話し合い、『伊勢利』をオープンさ...
水天宮前駅から程近いビジネス街の一角に、2015年8月にオープン。店名からもわかる通り、牛・豚・鶏、そして野菜まで、オーナーの故郷である鹿児島の食材に特化している。 看板メニューは何と言っても牛。A5ランクの鹿児島県産黒毛和牛「黒牛」の中でも、何度もグランドチャンピオンに輝いている薬師農場(鹿屋市)と専属契約し、一頭買いしている。 大隅半島の豊かな環境で、こだわりの水と餌で育てられた「黒牛」はサシがきめ細かく、甘い脂が...
『イレール 人形町』で再会した男は、寛と言った。 濃い眉毛に彫の深い顔立ちで、体は大きいがとても繊細そうな男だ、と祐実は思った。 「へぇ、最近人形町に引っ越されたんですか。でも何でまた、突然?」 その問いかけに、祐実は何も返すことができなかった。すると、寛はすぐに話を変えてくれた。 「……いろいろありますよね。僕は妻と別居してちょうど1年。前は中目黒に住んでいたんですけど、気分転換に、東京の東側に住んで...
祐実の会社には産休から復帰してキャリアを積む女性もいるが、それはほんの一握りだ。時短で働く女性のほとんどはいつもイライラして余裕がないか、女性として諦めているか。どちらかだ。 正直、どれにもなりたくない。 かと言って子どもがいない人生というのも、想像ができなかった。 全て欲しいのに、何も欲しくない。そんな気分だった。 麗子は結婚しているが、子どもはいない。こんな話をするのは、初めてだった。すると麗子...
フランスの星付きレストランで研鑽を積んだ島田哲也シェフ。彼が恵比寿にてオープンした名店『イレール』が、ビストロスタイルで人形町に移転。 「コスパの良さに加え、カジュアルで酒のツマミも揃っているので、お腹の具合と相談して、適度にバランスを調整できるのがいいですね。肉はもちろん旨いですが、女性には季節野菜のテリーヌがおすすめ。彩りよくヘルシーなので喜ばれますよ」。...
人形町で人気のイタリアン。築80年の古民家をリノベーションした和みの空間で、こだわり満載の料理とワインが楽しめる。 看板メニューの熟成肉はプロの管理の元、40日間ドライエイジングされた国産A5ランクの和牛。その柔らかさと深い旨味は折り紙付き。野菜は箱根の杉正農園から旬の朝採れが毎日店に届く。ソムリエの資格を持つシェフが厳選した60種のワインと味わいたい。...
2001年にホノルルで初めて開催された「JOY OF SAKE」。美味しい日本酒を、美食やエンターテイメント共に味わう”パーティースタイル”が人気のイベント。近年は、海外での日本酒人気とあいまって、回数を重ねるごとに規模を拡大してきた。 ここ数年は、日米の複数都市で実施、7/22のホノルルでは1500名を超える参加者が日本酒に酔いしれた。そして、9/16のニューヨークに続き、11/2(水)東京にて2016年度のフィナーレを迎...
人形町の『ユニゾン・テイラー・コーヒー・アンド・ビール』で、祐実はコーヒーを飲んでいた。 ここは5月にできたばかりの新店で、ハンドドリップのコーヒーをゆっくりと味わうことができる、お気に入りの店だった。 「ごめんね、待った?」 駅の階段を急いで駆け上がったと思われる寛が、息を切らしながらやってきた。 「ううん。大丈夫」 そう言って、祐実は読みかけの仕事の資料を閉じた。 マネージャーに昇進して...
しょっぱなからCheesy(チーズっぽい→臭い→クサい)な甘い画像で「このサッカリン野郎!」と唾棄されることを承知で、紹介します(微笑)。 大切な人のバースデー、どこでどうやってなにを食べてお祝いすればよいか、悩みますよね。結局、面倒くさくなって「誕生日? なんもせんよ」というひとも多いのではないでしょうか? だからこそ、一年に一度の特別な日こそ最大限にお祝いしてあげて欲しいのです。(そうすれば2ヶ月は文句いわないハズ...
店先に立つサインボードに、昭和の香り漂う書体で、こう書いてある。「モツイタリアン&がぶ飲みワイン」。笑ってしまうが、本気である。メニューを開けば、レバー、トリッパ、ハツ……モツの名がズラリと並ぶ。料理長の大胡田達朗氏も本気だ。 「もっとモツ料理を増やしたくて試行錯誤を繰り返しています」 事の発端はマネージャーの坂口丹氏がフィレンツェにいた頃。約6年間の現地暮らしで、ギアラの煮込みをパンに挟むランプレドットという屋台料理...