手始めに、“ウニ専門店”というパンチの効いたお店から紹介しよう。 築地場外の奥まった場所にある、河岸の倉庫を改装した『海栗BAR Kai 一章』。 扉を開けると、1階は艶やかな壁の紅色が印象的な鮨カウンター席、2階はゴージャスなワインセラーやソファが並ぶバーラウンジ、そして3階は屋根裏の座敷、という築地らしからぬ空間が出迎えてくれる。 築地に3店舗展開する鮨の名店『秀徳』の総板長である柳博史氏によるウニ料理は20...
築地場外の奥まった場所にある、河岸の倉庫を改装した一軒。扉を開けると、1階は艶やかな壁の紅色が印象的な鮨カウンター席、2階はゴージャスなワインセラーやソファが並ぶバーラウンジ、そして3階は屋根裏の座敷、という築地らしからぬ空間が出迎えてくれる。 築地に3店舗展開する鮨の名店『秀徳』の総板長である柳博史氏によるウニ料理は20種類以上。常時3種類以上のウニをそろえ、食べ比べメニューも用意する。赤酢のしゃりで握る小ぶりな鮨は、絶品...
築地の人気店『鮨國』は、2種のウニが食べ比べできる元祖こぼれウニ丼や、九十九里浜から直送される天然地ハマグリ、北海道産白子ポン酢など、旬の食材を使った多彩な料理がそろう。 その中の人気メニューのひとつが「ウニイクラ丼」。もはや同店の代名詞化しつつあるウニと自家製イクラを贅沢にシャリの上に敷き詰めた至極の一杯である。...
「毎日安くて旨いものを提供するだけ。古い人間だから、昔ながらの大きな鮨だよ」と語るのは、この道40年の店主。 円を描くように並ぶ「にぎり寿し(1.5人前)」は、12貫のうち3貫がマグロ。赤身や中トロ、大トロなど、極上のネタを使用する。 大トロの中でも最も旨いとされるカマが、当たり前のように仕入れられることからもネタのレベルの高さがわかる。「刺身定食」や、「ねぎとろ丼」も人気が高い。 店に集う仲買人たち曰く「他所で...
過去に付き合ったり、関係を持った男たちは、なぜか皆、日比谷線沿線に住んでいた。 そんな、日比谷線の男たちと浮名を流してきた香織は、上京後立て続けにタワーマンションに住む2人の男と付き合ったが、どちらの恋もあっけなく終わった。その後は初めてのワンナイトや社内恋愛も経験するが、どれも長続きしない。そんな香織の次なる相手は……? 日比谷線の女 vol.4:ディープな街・上野に住む先輩と、禁断の社内恋愛に目覚める ブライダル...
タワーマンション。略して、タワマン。一昔前は、富裕層や成功者が住むイメージが強かったが、今では物件数も増え、裾野が広がってきている。湾岸から赤坂・六本木などの都心まで。様々なエリアにタワマンはあり、エリアによって居住者層も異なるだろう。 2016年の東京でタワマンに住む選択をしている、タワマンラバーたち。彼らはいったい、どのような価値観でどんなライフスタイルを送っているのか。今週は元国際線のCAで子育てに...
カオスにして、サンクチュアリ。粗にして野だが卑ではない。 その仲買人が集う本拠地が、ここ『本種』です。包丁を握って45年の大将が、くわえ煙草の仲買人と丁々発止のやりとりをしながら日々、“メシ”を作っています。 寿司屋というと照れます。「うちはメシ屋だから」といって。 好きすぎて、本誌でも紹介したのがこちらの記事、「むやみに行列に並んでいませんか?真に並ぶ価値のある厳選ランチ4店」(https:...
充実した内容のコースを¥12,000という特価で提供。そこには、店主・藤田真一郎さんの「幅広い年代の人に鮨を気軽に食べてほしい」という気持ちが込められている。 魚は瀬戸内、房総、外房から直に入れているので鮮度の良さは抜群。朝捕れたものが早ければ昼には入るそう。 その日のおすすめの魚が送られてくるため、鮨のネタとしては珍しい魚が握りに採用されることがあるのもユニークだ。若き店主が、真摯かつ穏やかに、未知の鮨の楽しさを教え...
自らを合理主義と分析するが、それは効率第一とは、意味が少し違う。常識にとらわれず鮨を追求し、食べ手の心を掴んでいるのが、2014年7月、東銀座にオープンした『鮨 ふじ田』だ。 塩麹に漬け込んだ焼き物や炭火でレア気味に炙った魚に思わず杯がすすむ。“ありきたり”とは無縁の妥協なき姿勢は、店で扱う酒にも見てとれる。シャンパンは、試飲して「コレならアリ」と感じたドゥーツのみをオンメニュー。渋めかつ個性的なセレクト...
『かねさか』の暖簾にある〝魚、酉、旨〞を合わせた独自の漢字には「魚と酒を一緒に楽しんでほしい」という意味が込められている。 一般的に鮨店の屋号には〝鮨〞や〝寿司〞といった漢字が使われるが、江戸前寿司の代表店『かねさか』では、魚へんに酉、旨を合わせた独自の漢字を用いている。これは、魚も酒もこだわり抜いて選んでいるという自負の象徴。今一度、暖簾チェックしてみるのも一興。...
会った瞬間、「24時には友達の誕生日会に行かなきゃいけない」だの、「今夜、お姉ちゃんが泊まりにくるの」だの、2軒目のアポを明かされるとテンションだだ下がり……。ダブルヘッダーで初デートに来ないでほしい。(広告代理店勤務・33歳)...
「勘違い、しないでくださいね」 運よく席が取れたミシュラン2つ星の銀座の名店『鮨かねさか』にて、ナオミは握りをパクパクと口に放り込みながら言った。 「吾郎先生も松田先生も、少しからかっただけで動揺しちゃって、バッカみたい」 「い、いや...」 「まぁ、既婚のオジサンなんて、エラそうにしてたって、結局みんな揃って意気地ナシってことですね」 少し前の吾郎だったら、こんな鼻持ちならな...
せっかくデートで『鮨 かねさか』に来ているというのに、カリナはついため息をついてしまった。 「どうした?カリナ、大丈夫か?」 「ううん、大丈夫。ちょっとぼーっとしてただけ。」 そう言って、彼氏をじっと見つめる。 ただ美しいというだけで、自分にこうして豪奢な生活をさせてくれる神様のような男。 男尊女卑の風習が未だに色濃い故郷では、どんな金持ちと結婚したところでこんなに自由にさせて...
室町時代の花器に花を生け、魯山人の器で鮨を供する。本物志向。それは金坂真次氏が握る鮨にも見て取れる。 ネタはいずれも繊細な江戸前仕事を施したもの。色鮮やかに茹でた車海老には芝海老のおぼろを隠し、常に火加減に目を配り煮上げた蛤はふわりと柔らかく上品に香る。心を砕くのは香りと食感、そしてバランス。余韻は脳裡に刻まれ、また足を運ぶことになる。...
香りと食感。『鮨かねさか』の主人・金坂真次氏は、この繊細な感覚を大切にする。 例えば、平目の昆布締め。強く締める鮨屋も多い中、あえて平目ならではの食感を残して昆布の香りをのせる。煮蛤は柔らかくふわりとした食感と香りが失われないよう火加減に常に目を配り、鮮やかな色合いの車海老には芝海老のおぼろを隠す。 なるほど口に含めば、ほろりとシャリがほぐれ江戸前の仕事を施したネタが優しく香り、調和する。決して主張...
室町時代の花器に季節に合わせた花を生け、魯山人の器で寿司を供する。旬をとらまえた本物志向。それは金坂真次氏が握る寿司にも見て取れる。 ネタはいずれも繊細な江戸前仕事を施したもの。色鮮やかに茹でた車海老には芝海老のおぼろを隠し、常に火加減に目を配り煮上げた蛤はふわりと柔らかく上品に香る。心を砕くのは香りと食感、そしてバランス。余韻は脳裡に刻まれ、また足を運ぶことになる。 夏には新子や新イカがお目見えし...
店主の金坂真次氏は、かねてより意欲ある若手を次々と輩出。美味を極めんと技を高め、香りと食感を重んじた鮨は円熟の域にある。下野シェフが称するように、空気をはらむ握りは、感動を呼ぶ味わい。銀座でも指折りの名店だ。...
勝どきの『さヽ木』の先代・佐々木啓全氏や伝説の名店『きよ田』の新津武昭氏の師事を仰ぎ、技を磨いた店主・小林智樹氏。名店で培った正統派の技術と、自身がライフワークとする"旅"で得た経験を元に、幅広く、かつ奥深い鮨を展開する。各地の漁師から直送される旬魚も味わい深い。...
【銀座】 勝どきの『さヽ木』の先代・佐々木啓全氏や伝説の名店『きよ田』の新津武昭氏の師事を仰ぎ、技を磨いた店主・小林智樹氏。名店で培った正統派の技術と、自身がライフワークとする"旅"で得た経験を元に、幅広く、かつ奥深い鮨を展開する。各地の漁師から直送される旬魚も味わい深い。...
石田ニコルさんが初めての“お好み”を挑戦する舞台となったのは、創業約80年の老舗『寿司処 銀座 ほかけ』。 多くの鮨通に愛されてきた名店であり、特に御年78歳になる大将・矢崎桂さんの仕事は、“神技”と称される域である。...
今日来て、明日もまた訪れたい。そう思う鮨屋に、久々に出合った。言わずと知れた江戸前鮨の名店、銀座『ほかけ』である。 創業は昭和12年。戦後23年に三田から銀座へと移転、昭和27年に建てられた宮大工の手になる旧店には、舗政財界の大物を始め山田五十鈴、三船敏郎など往年の銀幕のスターらも足繁く訪れていた。 そんな名うての食通達の舌を唸らせて来たのが、今なお矍鑠(かくしゃく)として鮨を握るご主人、矢㟢桂氏その人だ。名古屋で修業...
築地の場外でもひときわ活気ある通りの一角にある『築地虎杖 魚河岸千両』。築地場内から毎日仕入れてくる活きの良い魚を、昼は海鮮丼、夜には酒の肴としてオールマイティーに楽しめる魚介料理店だ。 店内は市場の活気をそのままに、築地という場所ならではのライブ感も楽しめる。 カウンター席からは、職人たちの調理する姿がすぐ目の前に見られるという臨場感たっぷりな雰囲気の中で、絶品の海鮮に舌鼓を打てるのだ。...
築地の場外でもひときわ活気ある通りの一角にある『築地虎杖 魚河岸千両』。 「全国から新鮮な魚介の集まる築地ならではの、様々な海鮮の楽しみ方を体感してほしい」。そんな思いから考案されたのが、看板メニューでもある「元祖 海鮮ひつまぶし」。色とりどりの海鮮で彩られた、目にも美しいこの1品は、かつてグルメレポーターの彦摩呂氏も、「海鮮の宝石箱や〜!」と評したほど。 美麗なビジュアルもさることながら、その最大の魅力は、3通りもの...
オープンは2012年、主の松田成正さんはこの道が長い経験豊かな職人。以前の店の親方に惚れ込んで、親方の引退まではと14年間共に働いた。実はオーストラリアに行くつもりで永住権を取得していたが、親方に学びたい一心で手放したという。それほど惚れ込んだのは鮨の仕事ばかりではなく、親方の接客の見事さにもあった。 それは脈々と受け継がれ、物静かながら松田さんも気負いなく客を楽しませるツボを心得ている。飲んでいるとスッスッと出されるつまみ...
オープン半年余りだが、主の松田成正さんはこの道25年の経験豊かな職人。以前の店の親方に惚れ込んで、親方の引退まではと14年間共に働いた。実はオーストラリアに行くつもりで永住権を取得していたが、親方に学びたい一心で手放したという。それほど惚れ込んだのは鮨の仕事ばかりではなく、親方の接客の見事さにもあった。 それは脈々と受け継がれ、物静かながら松田さんも気負いなく客を楽しませるツボを心得ている。飲んでいるとスッスッと出されるつまみに...
名店ひしめく銀座8丁目に2016年8月に誕生した『すし佐竹』。 同店の名物はコース終盤に登場する「痛風丼」だ。こちらは大将・佐竹氏のサービス精神を表したメニューのひとつである。「美味しかったは当たり前、楽しかったよと言ってもらえる店になりたい」という佐竹氏。 うにといくらは、丼から溢れんばかりに盛られ、その見た目だけでも充分すぎるほどの贅沢さ。自家製いくらは、築地で腹子を仕入れて、出汁醤油で漬け込み、上質なうにの甘さ、...
今、じわじわと話題になっているのが2016年8月に銀座8丁目に誕生した『すし佐竹』である。インパクトのある料理はもちろん、握りに使用するシャリにも驚愕の秘密が! 今回はコースの一部と共に、銀座で話題騒然となっている握りの美味しさの訳に迫りたい。明治から大正時代に新橋界隈の芸者さんが好んだことからその名が付いた「新橋色」の暖簾が美しく映える店内ビシッとしつらえられた風格を感じる入り口からは想像できないほど、店内は和やかな雰囲気...
2009年4月、歌舞伎座からほど近い東銀座にオープン。江戸前のネタに加え、花板の坂上暁史さんの出身地、北海道の幸も豊富に揃う。 例えば、通称大助(おおすけ)と呼ばれる鱒の介(キングサーモン)をはじめ、折々に登場する異なる鮭。そこに添えられた山わさび。これからの季節は、鱈の白子や幻の魚といわれる鮭児(けいじ)なども登場するそうだ。 「北ならではのネタも、ヅケや味噌漬け、炙りなど、ひと手間かけて、本当に美味しいと思うものを素直...
歌舞伎座からほど近い東銀座にある『鮨 銀座おのでら』江戸前のネタに加え、花板の坂上暁史さんの出身地、北海道の幸も豊富に揃う。例えば通称大おお助すけと呼ばれる鱒の介(キングサーモン)をはじめ、折々に登場する異なる鮭。そこに添えられた山わさびなどがそれだ。 「北ならではのネタも、ヅケや味噌漬け、炙りなど、ひと手間かけて、本当に美味しいと思うものを素直にお出ししたいです」 また、「カウンター越しに顔が見える寿司屋こそ、接待に...
吾郎は、素直に春樹を可哀想だと思った。 金持ちオヤジの愛人として消費された女を知らずに嫁にしてしまったとは、確かに憐れ極まりない。 しかし、見方を変えれば、少し違った事実が見えてこなくもないだろうか? 高級品を与えられ、散々贅沢に甘やかされた女。地味に清楚を装いながら裏の顔を持つ女というのは、その辺にゴロゴロと生息している。 そして、そんな女たちの過半数は、恋人や結婚相手にも同じようなレベルを求めたり、...
世間一般的には花形といわれる「年収1,000万円」。 平成26年度の民間給与実態統計調査(出典:年収ラボ)によると、年収1,000万円越えは日本の労働人口の4.1%。30代以下に限定するともっと比率は下がり、40,50代になると徐々に比率は上がるだろう。 年収1,000万円プレイヤーはどのようなライフスタイルを送っているのだろうか。世間が思うような夢の暮らしなのか、それとも……? 取材を通して、彼らの実際の家計簿...
非の打ちようのない完成度の「ばらちらし」は、明治18年の創業当初から120余年という時の洗礼の賜物だ。金糸玉子の代わりに芝海老のすり身や山芋を加えて炭火で焼き上げるまるで、カステラのような玉子焼き、という変化はあっても江戸前の仕事は変わらない。 淡雪のような口解けの風味豊かな穴子、甘酢に潜らせた車海老、わさび醤油漬けのシマアジ、絶妙な加減のコハダ、上品な甘みのおぼろなど、10種の具材を赤酢と塩の伝統的なシャリが引立てる。午後...
非の打ちようのない完成度の「ばらちらし」は、明治18年の創業当初から125余年という時の洗礼の賜物だ。 金糸玉子の代わりに芝海老のすり身や山芋を加えて炭火で焼き上げるまるで、カステラのような玉子焼き、という変化はあっても江戸前の仕事は変わらない。 淡雪のような口解けの風味豊かな穴子、甘酢に潜らせた車海老、わさび醤油漬けのシマアジ、絶妙な加減のコハダ、上品な甘みのおぼろなど、10種の具材を赤酢と塩の伝統的なシャリが引立て...
寺尾妙子(ライター) 「端っこの薄くパリパリしたところがたまりません。ひとり占めしたい!」...
店主・落合晋也氏は名店『久兵衛』の出身。2007年に自らの店を開くに当たり銀座の地を選んだのは、店やゲストのレベルが高く、成長できる場であるから。その思いの通り「店でお出しするものを知らないと恥ずかしい」と学び始めたワインでは、ソムリエの資格まで取得。 魚とワインを共に知り尽くしている氏の強みは、カウンター9席のみの店内で遺憾なく発揮される。ワインはグラス売りを増やし、様々な鮨との調和を提案する。ゲストのワインに合わせて正統...
行列店が多く、鮨屋も多い築地。しかし『寿司大』の行列と人気は群を抜いている。土曜は4~5時間、平日でも3時間待ちはざらという人気ぶりなのだ。...
店の扉を開けたとたん、爽やかな檜の香りが鼻孔にふわり。何せ今年5月にオープンしたばかり、握りを直接置く付け台だって染みひとつなく清らかだ。大将の谷脇裕史さんも、お店同様フレッシュを絵に描いたような人。目元が涼しい若き職人だが、中学二年でこの道に心を定めたと聞けば決して早すぎる独立ではあるまい。 『寿司田』に入社後、銀座の系列店で腕に磨きをかけた谷脇さん。27歳にして『すし田乾山 銀座松屋店』の店長を任されるに至るが、そこまで順風...