そんな眩しすぎる生活に陰りが見え始めたのは、学生から社会人になり、ようやく新生活に慣れてきた2005年の秋くらいだったと思う。 その日も涼子と私は『富麗華』の個室で開催されていた大人数の食事会に参加していたのだが、そこで妙な話を聞いたのだ。...
「ええー?だってそんなの常識じゃない?悠理さん、何着ていっちゃったの?昨日のセットアップ、今日もアレで良かったのに」 「あんなの入園式用でしょう、14万円もするスーツ、もうとっくにクリーニングにだしたよ!」 悠理より16歳も年上で、今年で49歳になる夫・邦彦が、電話の向こうで明らかに笑いを噛み殺している。 「まあまあ、お迎えまで2時間くらいあるでしょ?着替えに戻ったらいいじゃない。僕は仕事場に缶詰めだから行け...
「華子の理想のタイプって、どんな人なんだっけ?」 「年上の成功者。ちょっと枯れているくらいが渋くていいよね」 私は、東麻布にある『富麗華』の北京ダッグを食べながら、平然と答えた。 27歳で、東京の名店と言われるところは行き尽くした。ワインだって、5大シャトーなんてとっくに飲み飽きたし、高級時計もカバンも手に入れた。私はこの年齢で、ありとあらゆる贅を知ってしまったのだ。 「やっぱり男性は、...
あれは今から約半年前、某化粧品メーカーの新商品発表会を終えた翌日のことだ。 プレスの反応もよくメーカー側からの評価も上々で、広報部長から直々に「次も引き続き任せたい」とまで言われ、貴裕は上機嫌だった。 しばらくずっと帰宅が遅い日が続いていたから、久しぶりに華の大好きな『富麗華』でディナーでもしようと思いつき、妻の携帯を呼び出す。 オフィスの窓から見下ろす表参道は今日も楽しげな人々で溢れてい...
「“今だけ”って割り切って、軽い関係を楽しんでたつもりでした。でも、既婚のおじさんに甘やかされる環境が、いつの間にか自分のスタンダードになってたんです。そういう女は馬鹿だと思ってたのに...」 結局、“都合の良い関係”というものに代償はつく。 おじさんとの気楽なデートに慣れてしまうと、いざ独身男性とデートとなった際、ちょっとした不手際やセンスのなさに苛立つようになっていた。 「実は、顔だけ...
女の子たちの会話を聞いた3日後、市原から連絡が入った。 —凛子さん、こんにちは。今週の木曜日、20時半から皆で『富麗華』で食事するのですが、ご都合如何でしょうか?もちろん、お友達とご一緒でも構いません。 また、妙に律儀で他人行儀な市原からのLINEを見ながら、誘いが来て少し喜んでいる自分に気がつき、思わず頭をふる。 —私には、優しくて素敵な雅樹という婚約者がいる。 そう心で呪文のよう...
「ねぇ、お姉ちゃん、一生のお願い。今日は流石に気まずいの!!」 妹の一生は通算三桁に上る。今回は二時間後のお食事会にドタキャンが出たから参加してくれと頼まれた。お食事会と言っても所謂は出会いの場であり、もちろん私の出る幕はない。 しかし今夜の男性幹事は、高級店を予約してくれている付き合いの長い経営者で、欠員には厳しいらしい。 「いいじゃん、『富麗華』だよ、サクッと食べて帰ればいいじゃん。お...
<今月のシンガポール大逆転女子> 名前:美咲 年齢:36歳 渡星前の職業:モデル 現在の職業:専業主婦 旦那の推定年収:1億円超え 出身:富山県 住まい:セントーサ島 家賃:約180万円 結婚歴:3年 趣味:クルージング...
『富麗華』 ~根強いファンを持つ東京中華の代表格~ 2000 年『中国飯店』の力を集結して誕生した名店。二胡と箏の生演奏を聞きながら食事が楽しめる。ディナー¥8,640 ~...
主菜、焼き物に点心など専門料理人が調理を担当する。店の看板メニューにもなっている北京ダックは皮に特製の醤を塗り、モチモチとした包餅に包んでいただく。「パリパリとした皮の食感もたまりませんが、特に醤が絶品。時々無性に食べたくなるんですよ」...
敢えて話題にしたことはないが、貴裕は指輪をしているから、既婚者であることは最初から奈美子も承知のはず。 だから「帰らないで」とどれだけ奈美子が縋っても、貴裕は夜のうちにホテルの部屋を出ていた。 朝帰りにさえならなければ、「付き合いで」とか「仕事があって」とかなんとか言って華の追及をかわすことができる。 そう、そもそも最初から貴裕にとって、優先すべきは華だった。 当然のごとく、こんな関係が長く続くわけがな...
春香と親友の恵子は、麻布十番の『紫玉蘭』で食事をしながら、会話に花を咲かせていた。 2人の話題は専ら、誕生日会についてだ。そう、来週の土曜日は、春香の27歳の誕生日なのである。 誕生日会の幹事は私に任せて、とすっかり張りきっている恵子に、春香はもじもじと切り出した。 「その件なんだけど…誕生日会は、誕生日当日じゃなくて、翌日の日曜日に変えてもらってもいいかなあ…?」 恵子は首をかしげる。 「えっ、...
2010年に麻布十番に誕生した『紫玉蘭』は、創業30年余の歴史を持つ中華の老舗有名店『中国飯店』の系列であり、東京高級中華として、絶大な人気を博す『富麗華』が手掛ける中華バル。 3階建の店内は、バルといっても、1階にはお洒落なバーが併設され、メインダイニングである2階は高い天井にシャンデリアが輝き、開放的で、調度品も高級感があり、落ち着きのある空間。 同店では、 少人数でも一流の中華料理をリーズナブ...
麻布界隈で遊びなれた人間なら『中国飯店』の汁そばを恋しくなる夜があるはずだ。 小さな入り口がプライベート感を盛り上げるこの『紫玉蘭』は、シックなチャイニーズレストラン。老舗中華料理の名店『中国飯店』が営むセカンド店だ。 だが高級コースがメインの本店とは異なり、こちらはワインと味わうタパススタイルを取り入れている。...
京都出張の際は必ず立ち寄ることにしている『新福菜館』。それが、今年は麻布十番に出店したことにより、寄り身近な存在となったんです。 まず特筆すべきは、そのビジュアル。黒いんです。結構、黒いんです。まずは、そこにびっくりするわけですが、これは何でも中華そばのタレで味付けされているからとか。となれば、当然、中華そばとの相性は抜群でして、禁断のラーメンチャーハンと相成るわけです。 ただこちらのヤキメシ、その黒さ以外は至ってシン...
東京生まれの東京育ちな私には、この真っ黒いラーメンは衝撃でしかない。でもひとたび食べると…、なぜもっとはやく出会わなかったんだろうと、後を引く美味さがおしよせる。とくに会食が多い今月は、帰路の途中、何度店に吸い込まれてしまったことか。 で、頼んでしまうのが、ラーメンにメンマのトッピング。これにお酢をたっぷりかけていただくのが私流の食べ方です。食ったら一駅分、腹ごなしに歩いて帰りましょう〜。...
今年の2月、東京のラーメン好きに衝撃が走った。あの京都の『新福菜館』が東京・麻布十番に進出したからだ。 京都では『第一旭』と人気を二分する『新福菜館』。その黒いスープは、鶏ガラと豚骨のベースとなるスープに濃いめの醤油を加えているから。モヤシが必要以上に白くみえるのは、そのコントラストゆえ! こってりに見えるが、実はあっさり系で深みのある味わい。九条ネギの食感、そして甘み、それに中太麺がよく合う!ここ...
麻布十番といえば、敷居の高いお店が集中しているイメージがあるかもしれないが、飲み放題で¥5,000のコースがある人気店があることをご存知だろうか? 京都の人気店『新福菜館』が東京進出1号店としてオープンしたのが1階のラーメン店、その2階の貸切スペース『お二階 隠れ』で、その脅威のコストパフォーマンスを誇るコースを注文することができる。...
住所:港区芝公園3-5-4 TEL:03-5733-6866 営業時間:【月曜~金曜】ランチ 11:30~(L.O.14:00) ディナー 17:00~(L.O.22:30) 【土曜】ランチ 11:30~(L.O.15:00) ディナー 17:00~(L.O.22:30) 【日曜・祝日】ランチ 11:30~(L.O.15:00) デ...
あまりにも東京タワーが近い。なにせ道を1本挟んだ先に、迫りくるようにそびえ立っている。『テラス ダイニング タンゴ』は東京タワーに最も近いレストランだ。 テラスでは真下からタワーを見あげられ、精悍とした鉄塔の足元を大迫力で感じられる。ソファで寛ぐカップルは夏の天体観測のごとく天を仰ぎ、ビール片手にその煌めきに酔う。...
大迫力の東京タワーを眼前に望む唯一無二のロケーション。座る席によって、異なる表情の東京タワーが顔をのぞかせる。 料理は“ワールドオーシャングリル”。世界各地から取り寄せた素材を自在にアレンジ。最後のデザートまで飽きさせない。...
そうして迎えた、10周年パーティーの夜。 会場となる『Terrace Dining TANGO』からほど近い『東京プリンスホテル』のラウンジで、僕たちは少し早めに待ち合わせをした。 ほどなく現れた彼女は、赤いノースリーブのドレス(彼女は赤が好きで、とても似合う)。その手には、中に何も入っていないのではないかというほど小さなクラッチを携えていた。 僕に気がつき、ホッとしたような笑顔を見せる里...
サークルのパーティーとはどんなものかと思っていたが、それは結婚式の二次会のような類の気軽で華やかな集まりだった。 会場は芝公園にある『Terrace Dining TANGO』で、メンバー達は皆、視界に収まりきらない巨大な東京タワーの夜景に目を奪われている。...
東京タワーが赤くライトアップされたその様は、どうしてあんなに美しく、人を惹きつける力があるのだろうか。 多くの男性諸君が、その力を利用して女性を口説いてきたことだろう。...
東京タワーが赤くライトアップされたその様は、どうしてあんなに美しく、人を惹きつける力があるのだろうか。多くの男性諸君が、その力を利用して女性を口説いてきたことだろう。...
世界中で最も東京タワーに近いレストランとえいば、間違いなく最初に名前が挙がるのが「Terrace Dining TANGO」。 東京タワーをふもとから見上げることができる唯一無二のテラス席は、これからのシーズンが最も予約困難になる。...
麻布十番駅から徒歩1分、新一の橋交差点のすぐ側。名店ひしめくこの場所で、今年っぽい進化系鍋〝貝しゃぶしゃぶ〞を提案するのは、2016年8月にオープンした『THE XUN TOKYO』だ。 しゃぶしゃぶ専門店といえど、大鍋を囲む大衆的な雰囲気とは一線を画す。扉を開けると、シャンデリアが輝くリュクスな空間に白と黒を基調としたシック&ゴージャスな店内は、ザ・麻布十番といった雰囲気。...
秋も深まり鍋シーズン到来に先駆けて登場したのが、〝貝しゃぶしゃぶ〞。提案するのは、8月にオープンした『THE XUN T OKYO』だ。 広東省の郷土料理「粥底火鍋」がベースのこの鍋の楽しみ方は、まず白湯スープをそのままひと口。次に8種類の貝を鍋に入れて味わい、貝のエキスたっぷりのスープで野菜やきのこをしゃぶしゃぶ。 時間の経過とともに貝の旨みでスープに深みが増し、最終的にはとろとろのスープへと味の変化を楽しめるのが魅...
“きのこしゃぶしゃぶ”で人気を博す六本木『Shangri-La’s secret(シャングリラズ シークレット)』が、8月1日、満を持して姉妹店『THE XUN TOKYO(ザ シュン トウキョウ)』をオープン!この秋一番の話題店になることは間違いない。 今度の主役は貝。たくさんの貝を秘伝のスープで“しゃぶしゃぶ”した後は、旨みが凝縮されたスープで締めの1品を…。まさに貝が主役の新感覚エンターテインメント鍋だ!...
Q3.金融の仕事を選んだ理由は? アメフトの先輩がウォールストリートにある証券会社で働いていて。その彼に「お前は日本語もしゃべれるし、いいんじゃない」と。それで、「一度会社に遊びにくれば」って誘ってくれたんです。 トレーディングフロアを見学したときに、彼らが何をやっているかはさっぱりわからなかったけど、なんか楽しそうだなって。 あと、両親が経営していたレストランもウォール街に勤める人が多く住むエリアにありまし...
2015年秋にオープンしたこちらのお店は、“ニューヨークでフランス人が営むビストロ”がコンセプト。 「鴨胸肉のポワレ ペリグーソース」など王道ビストロメニューはもちろんだが「〆にパスタが食べたい」という欲望もかなえられる。トリュフが香る名物のスフレオムレツは必ず注文したい一品。ナチュラルなものから国産、ハイレンジまでそろったワインもお楽しみだ。...
2015年秋にオープンした『ビストロチック』は、“ニューヨークでフランス人が営むビストロ”がコンセプト。 「鴨胸肉のポワレ ペリグーソース」など王道ビストロメニューはもちろんだが「〆にパスタが食べたい」という欲望もかなえられる。 トリュフが香る名物のスフレオムレツは必ず注文したい一品。...
「明日は我が身ね...。30歳でハイスぺ男と破局なんて、恐ろしすぎる...」 一連の話を説明すると、戦友・みゆきは手のひらで口を覆い、震え声で言った。 今夜は東麻布の『ビストロチック』に集合している。“ニューヨークでフランス人が営むビストロ”がコンセプトの店内は、肩肘張らずともオシャレな、普段使いにピッタリの店である。...
静かな東麻布エリアに、ピンクのネオンが鮮やかに輝く『ビストロチック』。 コンセプトは、“ニューヨークでフランス人が営むビストロ”だ。...
忙しく、まともな昼にありつけなかった麗子は、空腹に誘われるまま『ビストロチック』で遅めのディナーをとることにした。...
「初めまして。明日香の母です」 意外にも堂々と挨拶する母を、私は大谷の横でハラハラしながら見守った。 普段はふわふわと頼りない性格なのに、こういう場面ではしっかり親の顔だ。私はそんな母の前で、急に何もできない子どものような気持ちになった。 母親から上京すると電話があったのが5日前のこと。 元カレの昭人とは別れたこと、代々木上原の家から引っ越し、今は元上司だった大谷と同棲していると話した。 事情を聞...
せっかくなら語学力を活かせる所が良いなと思って、テレビ局のイベントコンパニオンのアルバイトに応募しました。 そのアルバイトはアナウンサーを多数輩出していて、今では倍率15倍以上になっているんですって。オーディションに受かった時は嬉しかったですね。 式典の受付で普段はお目にかかれないようなVIPの方の対応をしたり、外国人スポーツ選手のアテンドをしたり、普通の女子大生ではできない経験が沢山できました。 当然、お食事会...
「途中で事故にでも遭ったのかなって、心配してたよぉ?」 少し遅刻してしまった私たちに、花凛が笑顔で心配してくれている。 事故に遭う心配をしているのか、遅刻したことに対しての嫌味なのか分からぬまま、私たちは『東京 芝 とうふ 屋うかい』の、日本庭園と東京タワーが綺麗に見える部屋に入った。 何度来ても、東京の中心にあるのに静寂さが漂うこの店が、私は好きだった。 「ここ、来たことあった?」...
「最近の皐月は、なんだか穏やかで丸くなったね」 「優しい顔つきになった」 「幸せが滲み出てる」 人に会うたび、そんな風に言われた。 変に浮かれて他人から反感を買うような“プレ花嫁”にはなるまいと決めていたのに、結婚へのハードルが高くなっているこのご時世、自分を妻にしたいと思ってくれる恋人と出会えたことは、やはり幸福だったのだ。 いくら楽しく充実しているとはいえ、女一人の東京生活は、どこ...
芝エリアとは、駅で言うと芝公園、三田、田町、浜松町界隈である。(厳密に述べると、愛宕、新橋エリアも加わるがそこはまた別エリアだと捉えている。) 東京タワーがあり、緑豊かな芝公園、そして徳川家とゆかりの深い増上寺がある。桜の季節の増上寺は、実に美しい。 そんな芝エリアだが、昨今タワーマンションの建設が相次ぎ人気も出ているらしい。 しかし、浜松町や田町の方まで行くともはやビジネス街で特に用はな...
『カメレオン』の跡地、そう聞いてピンとくる人もいるかもしれない。 東麻布の静かな一角に2013年末オープンした、イタリアンエスプレッソのトップブランド『ペリーニ』が手掛けるリストランテ。...
『カメレオン』の跡地、そう聞いてピンとくる人もいるかもしれない。東麻布の静かな一角に2013年末オープンした、イタリアンエスプレッソのトップブランド『ペリーニ』が手掛けるリストランテ。 日本、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなど各地で研鑽を積んだ東條吉輝氏が腕を振るう。 シグネチャーパスタであるピチは、シェフの修行先であるトスカーナに古くから伝わる弾力ある太麺のパスタ。夜8時まではコースを提供、それ以降はアラ...
「それからサトコさん、神谷町周辺では『ダ オルモ』がお勧めです。料理の味はもちろんですが、約200本のイタリアンワインが揃っていますから、お好きな1本に出会えると思います」 いつものレストラン紹介だが、“200本のワイン”に反応したサトコは、今日はすぐにスマホで調べてメモを残した。 「で、サトコさん。こちらのお部屋は、いかがでしたか?」 「まだ、やめときます。もっと色んな部屋を見ます」 「男性も」とは言わず...
新宿三丁目の人気店『トラットリアブリッコラ』で、厨房とフロアを張った北村氏とサービスの原品氏が、ぴったりの呼吸でもてなす。ガラスのドア越しに出迎えるのは、約200本のイタリアワインが眠るセラー。自然光が差すフロアからは、厨房の様子が潔いまでに丸見えだ。 北村氏は、旅の途中、川魚、ジビエ、根菜などが主役の北イタリア郷土料理に魅せられ、そのまま現地で修業するに至った。「バターとチーズ、卵多めのふくよかなパスタなども特徴で、魅力は...
東京での社会人生活も板に付いてきたころ、ちょっとしたきっかけで久々に洸希に誘われた。変わってしまった洸希を見るのが怖くて少し迷ったけれど、会うことにした。彼の周りにいるキラキラした女性たちを想像して、そこはかとない劣等感を感じながら。 場所は、神谷町にあるリストランテ『ダ・オルモ』。落ち着いた内装、店員の適度な距離感、フォトジェニックではないが素材の良さを感じさせる料理。押しつけがましさのない店だ。...
新宿三丁目の人気店『トラットリアブリッコラ』で、厨房とフロアを張った北村氏とサービスの原品氏が、ぴったりの呼吸でもてなす。 ガラスのドア越しに出迎えるのは、約200本のイタリアワインが眠るセラー。自然光が差すフロアからは、厨房の様子が潔いまでに丸見えだ。北村氏は、食べ歩きの途中で北イタリアの郷土料理に邂逅し、そのまま3つの美食の街で修業するに至った。その料理の主役は川魚、ジビエ、根菜など。 「バターとチーズ...
熟成肉専門店『中勢以』が小石川に小売りのシェアショップ『北店』と『内店』をオープンさせた。経営者・出浦氏は「小売は“take out”していただくもの。でもtake outした肉がその肉屋で“take in”してワガママに食べられる。そんな2つの業態がシェアしているのがここなんです。お店では農家さんから届けられた地産地消の野菜も一緒にお出しするので、肉と野菜の“小売食堂”という感じかな」。 店では好きな肉の部...
新宿三丁目のトラットリア『ブリッコラ』で活躍した北村征博シェフとマネージャーの原品真一さん。ふたりが開いた店というだけで「必ず行く!」というファンは数知れず。開店前から熱い期待を受けたニューフェイス! メニューは北村シェフの修業先であるトレンティーノ・アルト・アディジェ州の郷土料理が中心。手打ちパスタの数々も熟成肉の炭火焼きもまず凝縮感ある素材の味が軸に。そこに原品さんがベストな状態でサーヴしてくれるワインが...
少々怪しげな雑居ビルのエレベーターに乗り6階へ。そこで降りて最上階の『ESCRIBA』に続く階段は、「どこに行くの?」と言わしめるような空気を醸している。 訝しがりながら店に入ると、想定外の光景が目に飛び込んでくる。そこは港区ど真ん中のルーフトップレストランであり、目の前には東京タワー! しかもいつもの姿ではなく、連なるビルに並んで輝きを放っている。半分隠れているからこそ、普段は注視しないタワーの先端に目がいき、その精...
飯倉の交差点近く、小さな東京タワーがのった看板を目印にビルに入る。エレベーターで6階まで上ったら、階段で屋上へ。 期待と不安の先には、まさに手が届きそうな東京タワーを臨むテラス席が広がる。料理はカジュアルなイタリアン。エチケットのデザインも重視してセレクトしたというワインのラインアップも興味深い。 夕暮れからビールを飲み始め、ワインをオーダーする頃にはタワーが点灯する。そんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。...
埼玉県出身のユリ、27歳。大手損害保険会社でエリア総合職として勤務。強い自立心を持った彼女が、彼氏と同棲していた港区を抜け出し、代々木上原という地で、迷い、葛藤しながら自分らしさを取り戻す。 代々木上原での生活を始め徐々に自分らしさを取り戻すユリだったが、将来への不安は尽きない。転職サイトに登録したり、会社の先輩・綾子に相談して強烈なダメ出しをされたり、何とか打開策を見つけようとする。 そんなとき、...
しんと冷えた空気に瞬く星空。 仕事終わりの帰り道、亮介の心は重く沈んでいた。 「里緒はどうしているんだろうか?」 先日、前の会社を退職した理由を聞いた時の里緒の態度が、かすり傷のようにヒリヒリと心に残って消えない。 亮介の想像では、「そんなの嘘よ」と、呆れ気味に言うと思っていた。 しかし実際には、少し取り乱したかのように怒り、そのまま立ち去ってしまったのだ。 ー里緒が不倫なんて、するはずがな...
「今日は楽しかったです。ごちそうさまでした。」 2軒目行く?と言いかけた鈴木先生の言葉を遮って礼を述べると、美咲と真千子は逃げるようにその場を離れ、タクシーに乗り込んだ。 「…真千子、飲みなおそう。」 「そうね…あ、だめだわ、私もう現金ないんだった。」 「大丈夫、さっきの10万円がある。」 そして2人は、美咲の自宅近くにある『ミクソロジー バー ソース2102』に向かった。...
目印は狸穴坂下にある司法書士事務所の看板。 実はこちら、バーオーナーである関口氏の祖父が使っていた事務所を改装した“ハイクオリティカジュアルバー”。...
目印は狸穴坂下にある司法書士事務所の看板。実はこちら、バーオーナーである関口氏の祖父が使っていた事務所を改装した隠れ家バー。 ウリは旬の果物や野菜で作るミクソロジーカクテルと、特注焙煎した豆を使ったアイリッシュコーヒーのカクテル。 「コーヒーはフルーツ以上に鮮度や香りがデリケート」とチーフバーテンダーの大渕氏。繊細な技術でミクソロジーの醍醐味を味わえる。...
待ち合わせは東京タワーの麓で。歩いて2分ほどの場所に『DeLIZIE』はある。重厚なガラス扉を開けると、NYのダイナーをイメージしたモダンかつソリッドな空間が広がる。「暗闇は壁になる」とオーナーの髙坂氏。 極力光を抑えた空間で頂くのは、旬の食材で丁寧に仕上げたオーソドックスなイタリアン。9:00PM以降でもアミューズ中心、パスタ中心とコースが選べる点にも注目だ。密着度を高めたい場合は特注の開閉式のカウンターという選択肢もアリ。...