【1日数組限定】 独占欲は、大切だ。悪しき響きにたじろぐ必要はない。大事な誰か、特別な時間を、自分だけのものにしたい気持ちは、否定のしようがないもの。食事時で、さえ。 完全予約貸切制の店、『日本料理エドア』には、そんな気持ちを抑えられないお客たちが時々、訪れる。予約時間内は誰とも顔を合わせず、自分たちだけで、クローズドな空間と店主・高村直子さんの料理を堪能できる...
「完全貸切予約制」 八丁堀の一角にこの9月開業した『日本料理 エドア』の営業スタイルである。銀座から至近距離にありながら、通勤時間と昼休み以外、人気の少ないこのビジネス街に、ぽつんと開いたこの店は、一見、食器かインテリアのショールームと見紛う。大きな窓越しに見える小柄な店主・高村直子さんの、包丁を握る姿は儚げで、さらにここが何の店か朧気になってくる。 だが改めて言うまでもなく、ここは日本料理店。ホームパーティでお客に料理を振る...
素材本来の滋味を豪快に味わえる恵比寿の人気和食店『福笑』。インターフォンで密やかに入る隠れ家の草分け的存在でもある同店の店主・福迫淳一氏が、自身の理想を推し進めるカタチで新店をオープンさせた。 八丁堀駅の地下構内から地上に出ると、かすかに漂う潮の香り。亀島川を越え、オフィス街をそぞろ歩くと、苔に覆われたエントランスがひっそり現れる。ここが、古い民家を全面改築した『FUKUSAKO』だ。...
日本橋で100年続く『鳥徳』の名物といえば、鳥鍋だ。店が誕生した当時、世の中では高価な牛鍋が流行っていた。そこで“庶民でも楽しめる味を提供したい”という初代当主の想いから誕生したのが鳥鍋だった。 最初に鳥の脂で葱を焼いて香りを出し、レバー、もも、たたきを割り下で甘辛く煮る。新鮮で柔らかい肉はもちろん、鳥の出汁をよくまとったしらたきも絶品だ。そんな鳥鍋をいただくのは、戦後すぐに建てられた木造一軒家の2階の座敷。 近年稀に...
「政府関係や企業のトップの方々…ありがたいことに多くの方に来ていただいています」とは、二代目店主の志村幸一郎さん。 野菜も魚介も産地に足を運び、自らの目で見て納得したモノのみを揃える。それらのネタの香りと旨みを閉じ込め、食感が楽しく、しかも軽やかという極上の天ぷらに仕上げる。多くの人を魅了するのは、その味だけが理由ではない。 例えば、ネタによって衣の付け方を変えるのは当然。日本酒を呑む客とビールの客で衣の厚さや硬さを変え、...
野菜も魚介も産地に足を運び、自らの目で見て納得したモノのみを揃える『てんぷら小野』。 ネタの薫りと旨味を閉じ込め、サクッと軽やかな食感が楽しい極上の天ぷらに政財界のトップたちのファンも多い。 しかし、その名店たる所以は味だけではない。 日本酒を飲む客とビールの客で衣の厚さや硬さを変え、さらにゲストの体調を見ながら、揚げ油(綿実油、ごま油、米油)の配合も微妙に調整するなど、ネタによって衣の付け方を変えるという心配り。ゲス...
正統派フレンチのエスプリをベースに、独自のセンスと発想力の豊かさで創り上げるモダンかつガストロノミックな料理で食通を魅了する生井祐介シェフ。 手の込んだ前菜に対してメインの肉料理は、素材感を生かしたストレートな調理法が主流だそうで、ご覧のひと皿も然り。 信州飯田の稀少な千代幻豚の肩ロースを2~3週間かけて熟成。熟成させたコクと焼きの絶妙さが余韻豊かな味わいを醸し出す逸品だ。 「千代幻豚は肉質が上品で脂の甘みの広が...
店先に立つサインボードに、昭和の香り漂う書体で、こう書いてある。「モツイタリアン&がぶ飲みワイン」。笑ってしまうが、本気である。メニューを開けば、レバー、トリッパ、ハツ……モツの名がズラリと並ぶ。料理長の大胡田達朗氏も本気だ。 「もっとモツ料理を増やしたくて試行錯誤を繰り返しています」 事の発端はマネージャーの坂口丹氏がフィレンツェにいた頃。約6年間の現地暮らしで、ギアラの煮込みをパンに挟むランプレドットという屋台料理...
江戸時代から続く老舗酒屋に設置されたバースペース。始まりは角打ちだが、7代目の松沢弘一郎氏が国内外の旨い食材を探し出して提供し、現在の和洋折衷スタイルとなった。 築地近隣の立地もあって仲卸も昔馴染み。目利きが選んだ刺し身も看板メニューのひとつだ。旨い肴を酒屋価格の美酒と味わうこの幸せ、時を忘れてゆるりと愉しみたい...
立ち飲みを始めて28年目。酒屋の角打ちながらモダンな雰囲気で、ワイン好きにも日本酒好きにも愛されている。当初は自慢の刺身と生ハムなどの簡単な洋風つまみからスタートしたというが、長年の間にどんどんメニューは進化している。 現在は和食出身の料理長が厨房を預かるだけに、手の込んだ和食のメニューが登場する。カウンターに並ぶ美味しそうな大皿のお惣菜10品も圧巻だが、その他のメニューも充実。持ち込み料を払えば、隣接の酒屋で好みのお酒を買...
八丁堀で宮田屋酒店が運営する『Stand bar Maru』は、1Fが酒屋とスタンディングバー、2Fはバル、3Fがビストロと、それぞれの雰囲気を楽しめる人気店だ。 小野寺氏も1Fでシャンパンやワインを買って、その日の気分で2Fや3Fを使い分ける。ここでは必ずシャンパンを飲み、肉か魚といった焼き物をオーダーすると言う。 「カジュアルだけど料理は美味しいし、良いワインが手頃に飲めるので、飲みながら食べた...
元々は酒屋店が始めた一角の立ち飲み。まさか、これほどまでに発展するとは、と見紛うほどの繁盛店に。フロアごとにスタンディング、炭火グリル、ビストロと分けたコンセプトも使い勝手が良い。...
『ポン・デュ・ガール』がワイン居酒屋ならば、こちらはワインビストロなんです」と語るのは、系列全7店を経営する安生浩氏。11年前、パリの人気店『ル・ヴェール・ヴォレ』のように、気軽なスタイルでワインを楽しめる店を作りたい、と思ったのがすべての出発点だったという。 お手本の『ル・ヴェール・ヴォレ』同様に、扱うワインはすべて自然派。そして料理は、ビストロの定番メニューが目を疑うボリュームで登場。いっぱい食べて、いっぱい飲む!なら、...
月に1度は友人と千葉や茨城へゴルフに行き、土日は好きな漫画を読み耽ったり、ピアノを弾いてリフレッシュする。家にダンボール7箱ほどの漫画がある位、大の漫画好きのようだ。 また、旅行も彼の趣味の1つ。過去に紹介した表参道の歯科医と同様、会員制宿泊予約アプリの『Relux』に絶大な信頼を置いている。「最初の1、2回利用した時、想像以上に良かったんです。以来、このアプリを愛用しています。」この連載で既に2人が愛用していることが判...
自然派のワインを揃え、壁一面に並ぶボトルがワインリスト代わり。気取りのない空間、ハムやソーセージの盛り合わせをスペシャルにするなど、パリのビストロ『ル・ヴェール・ヴォレ』そのもの。系列店も近所だ。...
スタッフが4人になったのを機に出店を決意。「僕の通勤ルートだった八丁堀で物件を見つけて」2007年にオープン。前年の現地視察を受けて、よりフランス色の強いビストロとなった。雑誌など、メディアでも多く取り上げられ、なかなか予約の取れない人気店に。...
~老舗がもつ確かなセレクト眼~ 地下に25坪ものセラーを擁するモダンビストロ『レトノ』。オーナーシェフ・和田倫行氏は、フレンチのシェフとして経験を重ねてきた人物。実はこのビストロ、もともとは祖父が創業した”酒屋”を全面リニューアルする形でオープンさせたという。 店のルーツが酒屋なのだから、ワインへのこだわりは強い。 ビストロ店内で、最高の料理と共にワインを味わえるのはもちろんだが、酒屋の名残か、自宅で楽しみたい客へワ...
オープンは2012年10月。昼はカレー、夜はワインスタンドというスタイルだ。店主・出倉吾朗さんは、飲食店のメニュー開発に携わっていたというフードコーディネイター。だからメニューの振り幅が広い。黒板メニューにはフレンチからエスニックまで、個性的な品々がフリースタイルで並んでいる。 たとえば、「ロゼワインとどうぞ」と書かれたクミン風味のラム串や、セロリアックのサラダ、スペイン風オムレツなどなど。ひとり用の前菜プレートもあるので、...
腕を振るうのは『レストラン大宮』出身の本橋大志シェフ。 メニューには本格的な洋食が並ぶが、氏のスペシャリテは日本の家庭料理の定番、メンチカツだ。粗めにミンチされた牛肉と、溢れ出る肉汁、じっくりと煮込まれたデミグラスソースが渾然一体となり、美しい三重奏を奏でる。 その余韻に浸りつつも、香り高き無濾過ビール、白穂乃香をひとくち……。さらに鮮麗な四重奏が、口いっぱいに響き渡る。...
銀座から一歩離れた、閑静なエリアにその名店は誕生した。 外資系ホテルで名をはせた一流シェフの、ファーストクラスのフレンチフルコースが5,500円で味わえるという驚きの新店だ。 雰囲気も味も抜群の、その奇跡的コスパフレンチをご紹介しよう!...
2004年のオープン以来、食通や酒飲みの胃袋をがっちり掴んで離さない『マル2F』。築地まで車で5分という立地を生かし、毎日欠かさず市場へ出向いて食材を買い付ける。新鮮な季節の味覚をリーズナブルに味わえる、教えたくない名店だ。 そんな自慢の築地の食材を使い、春の逸品というテーマで出来上がったのが、「佐島産アオリイカと春野菜のペペロンチーノ」(1,200円)。 旬のアオリイカを主役に、そら豆やスナップエンドウ、アスパラガス...
多くのジビエ好きの心をつかんできた『Gyoran』が白金から八丁堀に移店。 狩猟免許を持ち、シーズン中は自らも狩りに出る羽立昌史シェフの料理はどっしりしたボルドーワインと好相性の骨太フレンチだ。 移店前から当店に通うゲストからは「肉の個性を際立たせるソース使いが秀逸」との声も。丁寧な調理を施した一期一会の料理は大勢でありがたくいただきたい。...
白金のビストロ『Gyoran gyoran』で活躍した羽立昌史シェフが八丁堀に移って開いたのは、パリの香りが漂うブラッスリー。ここで楽しめるのは、シェフが愛する「時代に逆行するようなクラシックなフランス料理」だ。 たとえば赤ワインでマリネしてからコンフィにしたフォアグラの冷製は、インゲンのサラダを添えた伝統的なスタイル。高級食材のカエルは名産地ドンブ産の小ぶりのものを香草でマリネし、注文ごとに素揚げしてエスカルゴバターで和え...