肩ひじ張らずに一流の鮨を頂ける、温かい空間。名店出身の大将が握る正統派江戸前鮨
『日本橋蠣殻町 都寿司』で9年修業、『日本橋橘町 都寿司』で二番手を務めていた橋本裕幸さんが一昨年の冬に独立。32歳にして『鮨 はしもと』をオープンさせた。 「お客さまがゆったりできるように、肘掛けのある椅子を使ったり、丸みのある空間としました」と言う意図のとおり、店は女性ひとりでも入りやすいやわらかな印象。それでいて鮨は『都寿司』の江戸前の技に自己流のアイデアを少し効かせたもの。 早くも長い常連となりそうな客で、毎夜...
暖簾をくぐった瞬間、真新しい木の香りに包まれる。清々しいまでにシンプルな店内が印象的だ。橋本裕幸さんが店を開いたのは2014年12月のこと。 創業120年を誇る老舗『都寿司』で9年、そこから独立した兄弟子のもとで3年半の修業を経てのことだった。ふたりの師匠からは、「楽して旨いものはできない」と教えられた。 自身が最も好むタネだという光り物は、口の中で旨みがじわじわにじみ出る酢加減が自慢だ。また、熟成の進んだ鰤を仕入れ、...
「あの店、まったく予約が取れないらしいよ」 東京で「食」を愛する人々が、時に口にする言葉だが、何も、そのお店を批判しているわけではない。むしろ真逆で、お店への...