麻布十番にある、和食料理『暗闇坂 宮下』のカウンター席で、気づけば、本日2合目となる日本酒が既に空いていた。 「美佳さん、何かあったんですか・・・?」 ...
他人にとってどうでもいいような、他愛もないことだった。だけど私は、あの時「人生が終わった」のだ。 『そんなことで就活やめたの!?』 『学歴捨てて家事手伝...
いまや、世界中で関心を集める和食。そのエッセンスは、料理、お酒、お皿、そして精神にも表れる。多様化する和食の新たなプレゼンテーションに迫る。...
鮨屋のようなカウンターに松の盆栽。麻布十番でも『中目黒 いぐち』らしさは健在だ。 柔らかさと味のバランスが秀逸な大山鶏のもも正肉を使った「ねぎま」(基本コース¥4,800からの1串)は、火の入れ方がすべてを決める。 ウバメガシの備長炭を使用し、絶妙な返しを重ねて丁寧に焼き上げていく。...
今年9月、串揚げと天ぷらがメインの4号店目『中目黒いぐち 上ル』を恵比寿にオープンしたことでも話題の『中目黒 いぐち』。中目黒はピンチョススタイルの焼鳥、2号店の恵比寿ではスポイトに入った調味料で味の変化を楽しませる焼肉など、ユニークなメニューが評判だ。 こちらはその3号店目にあたり、黒を基調とした空間はしっとりと艶っぽく“デートで肉”なシチュエーションにぴたりとハマる。 冬の看板メニューは、炭火で焼いた鶏と旬の野菜、...
気軽に美味しい&お酒が進むB級グルメといえば焼き鳥!デート向けの艶系焼き鳥店の先駆けとして確固たる地位を築いているのが『中目黒 いぐち』だ。 ピンチョススタイルの独特のプレゼンテーションで楽しめるが、今では焼き鳥の他、スポイトに入った調味料で味の変化を楽しませる焼肉、串揚げ、天麩羅など多彩なバリエーションで魅了する看板もドアサインも全くない隠れ家グループだ。...
いま、まさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”の人気を誇る『中目黒 いぐち』の3号店目が美食の街、麻布十番にオープンした。 中目黒はピンチョススタイルの焼鳥、2号店の恵比寿ではスポイトに入った調味料で味の変化を楽しませる焼肉など、ユニークなメニューが評判だ。 黒を基調とした空間はしっとりと艶っぽく“デートで肉”なシチュエーションにぴたりとハマる。新店の冬の看板メニューとして、登場したのが、炭火で焼いた鶏と旬の...
麻布十番駅から徒歩1分、新一の橋交差点のすぐ側。名店ひしめくこの場所で、今年っぽい進化系鍋〝貝しゃぶしゃぶ〞を提案するのは、2016年8月にオープンした『THE XUN TOKYO』だ。 しゃぶしゃぶ専門店といえど、大鍋を囲む大衆的な雰囲気とは一線を画す。扉を開けると、シャンデリアが輝くリュクスな空間に白と黒を基調としたシック&ゴージャスな店内は、ザ・麻布十番といった雰囲気。...
秋も深まり鍋シーズン到来に先駆けて登場したのが、〝貝しゃぶしゃぶ〞。提案するのは、8月にオープンした『THE XUN T OKYO』だ。 広東省の郷土料理「粥底火鍋」がベースのこの鍋の楽しみ方は、まず白湯スープをそのままひと口。次に8種類の貝を鍋に入れて味わい、貝のエキスたっぷりのスープで野菜やきのこをしゃぶしゃぶ。 時間の経過とともに貝の旨みでスープに深みが増し、最終的にはとろとろのスープへと味の変化を楽しめるのが魅...
“きのこしゃぶしゃぶ”で人気を博す六本木『Shangri-La’s secret(シャングリラズ シークレット)』が、8月1日、満を持して姉妹店『THE XUN TOKYO(ザ シュン トウキョウ)』をオープン!この秋一番の話題店になることは間違いない。 今度の主役は貝。たくさんの貝を秘伝のスープで“しゃぶしゃぶ”した後は、旨みが凝縮されたスープで締めの1品を…。まさに貝が主役の新感覚エンターテインメント鍋だ!...
「龍ちゃ〜ん、おひさ♡」 麻布十番の『honda』に、一際目立つ女性がやって来た。 しかも彼女は、良い年をしたおっさんに向かって“龍ちゃん”なんて大声で呼んでくる。 龍平は思わず苦笑いをしながら、美咲を迎えた。 「美咲、なんか雰囲気変わった?」 美咲はとても可愛らしく、そこらのアイドルに負けない容姿の持ち主だった。 数年前まではどっぷりと港区に浸かっていた港区女子で、当時はまだ社会人駆け出し...
美しい模様のサペリの一枚板カウンターを飾るのは、個性的な器の数々。知人陶芸家の作品というその器に、四季折々の素材を使った料理が盛り付けられると、仄明かりの中に美しい和食が浮かびあがる。 魚は函館と沼津、野菜は各地の契約農家の極上素材ばかりで、手間暇かけた優しい味わいに体も心も解れていく。ムーディーながら肩肘張らず楽しめる、デートにうってつけの和食店だ。...
夜には真っ暗になってしまう裏路地のビルの2階。この店のカウンターには、男性も女性もひとりで晩酌する姿がよく似合う。 「いぶりがっこポテサラ」「真鯛の玉子とじ」などそそられる小鉢メニューはリーズナブルに提供。 看板料理の「炊き込みいか飯」は、丸ごと揚げたいかを土鍋で炊いた逸品。蓋を開け、いかをカットすると中からとろりと肝が出て、身やご飯に絡まり合う。〆のはずが、その光景に再び酒が進んでしまう。...
「香奈ちゃん、男関係激しいらしいよ?噂じゃ友だちの彼氏でも不倫でも、手段を選ばないらしい。仕事も見た目もちゃんとしているから、皆騙されるらしいけど。」 初め、亮介は片瀬が誰のことを言っているのか分からなかった。しかし、香奈に対して何となく引っかかっていたことを思い出した。 「本当にあの香奈ちゃんが?人違いじゃなくて・・・?」 「どうやらそうらしいんだ。パーティーに来ていた2、3人の女の子が香奈...
涼子と誠は、カウンター席に並んで座った。 ひとまずビールで乾杯し、当たり障りのない会話で場を繋ぐ。涼子は必死に誠との距離を推し量っているのだが、彼はそんな涼子の駆け引きなど素知らぬ顔だ。 ―一体どういうつもりなんだろう? 麻美は涼子を彼女候補、として紹介しているはずだが、彼からは初対面の女性に対する遠慮や気遣いを一切感じない。涼子の存在は空気か何かのように、誠はただ気ままに食事を楽しんでい...
34歳、国立大卒の美しき才女、高木帆希(たかぎ・ほまれ)。 父親は作家の傍らコメンテーターとしても人気の有名人で「家事手伝い」という名の「無業」で10年もの間、ぬくぬくと過ごしてきた帆希。 そんな働かずとも裕福に暮らしてきた彼女に、突如、降りかかった「父の死」。 再び「社会」と向き合わざるを得なくなった帆希は、5年の付き合いになる年下の彼氏・牧野涼輔の家に転がりこもうとする。 だが、涼輔の裏切りによって帆希...
真野さんの行きつけは、馬刺しや水炊き、博多もつ鍋といった代表的な九州料理や鍋料理を提供する『麻布十番しも井』。産地直送の食材を惜しげもなく使用した、本格的な現地の味わいが堪能できる。 「麻布十番でレタしゃぶが食べられる数少ないお店。豚肉の旨みとレタスのシャキシャキ感が最高の一品です。ほかにもいくつかお鍋の種類があるし、一品料理も豊富で美味しいので、何を食べたいか決められないときはとりあえず行ったりしています」。...
◆ あのあと夏希は武田に「YES」の返事をし、無事交際がスタートした。いざ付き合ってみると、何をあんなに思い悩んでいたのかと拍子抜けするほど順調に進んだ。 何より、武田といる時は変に気を張ることもなく自然体でいられるのが、夏希自身、不思議なほどだった。 これまで仕事中心の生活を送っていた夏希は、“どうせ女だから”とか“女のクセに”と言わせる隙を与えてはならないと無理していたのだろう。 プロジェクトが佳境に入...
店の住所に着くと、そこは猥雑な雑居ビル。看板もなく、階段を3階まで上がってもそっけない鉄扉があるだけだ。しかし、その鉄扉の奥こそ、『中目黒 いぐち 上ル 麻布十番店』。 暗闇に白木のカウンターが浮かびあがる和モダンな空間が広がり、雑居ビルからのギャップは凄まじい。 カウンターに腰をおろせば、先ほどまでの迷子のような不安が一気に安堵へと変わる。その瞬間、もう緊張はない。...
オシャレ焼鳥屋『中目黒いぐち PIN』 でも有名な “いぐち” 。 旬の食材を少量多種で提供する “いぐち・スタイル”(ピンチョススタイル) は、今回の新店舗も健在だ。「少しずつでも沢山の種類をいっぱい味わいたい!」という食通こそが一番満足できるスタイルとなっている。麻布十番駅4番出口から30秒。古びたビルを3階まで上り、鉄扉のドアを開けて中へ入ってみよう。こちらの店も例のごとく看板などのガイドは一切なし...
外苑東通り沿いのガソリンスタンドを脇に入ると、突如、和のアプローチをもつ一軒の日本料理店が目に入ってくる。 鉄の扉があり、踏み石が配置され、大きな花器には季節の花がいけられている。最寄り駅は麻布十番にして、少し歩いただけでエントランスの優雅さがまるで違う! そんな面構えに驚きつつ店の扉を開けると、ゆったりとしたカウンターがあり店内も広い。店名と異なり趣がある『不風流』は、デートの出だしから、“外十番”の優越で包み込む。...
数日後、瑛太は信太郎を、『東麻布 不風流』に誘った。...
料理はコースのみ。和食の伝統を忠実になぞらえながらも、長年培った知恵と知識を駆使し、美食を探求することにより生まれる、洗練された味を堪能できる。 この日は12,000円コースをセレクト。先付からはじまりデザートまで全11品を味わえる。 ※今回紹介する内容は2018年2月中旬までの内容...
ビルの谷間にひっそりと門を構える一軒家の懐石料理店。この地で15年営業していた『万歴龍呼堂』が店名と料理人を一新し、2016年1月オープンしたのが『東麻布 不風流』。 一流の左官職人が仕上げた土壁や、8mもある赤松の一枚板を使ったカウンターなど、風情ある内装はそのままに、新感覚の懐石料理店として生まれ変わった。...
JALのファーストクラス、ビジネスクラスのメニューの開発、地方食材とのコラボ企画「深夜定食」を冬季期間限定で提供するなど、既存にないスタイルに果敢にチャレンジする『山田チカラ』。定食・朝チカラ(¥3,500)は、味や見た目はもとより栄養面にも深い配慮。フレッシュな野菜ジュースで血流を促し、豆腐や野菜を使った惣菜4品をまず。土鍋ご飯に、焼き魚と店主のこだわりが満載だ。...
『ラルーヌ』をはじめとした国内で修業を積んだのち渡欧。かの『エル・ブジ』のフェラン・アドリア氏に師事。和と洋の垣根を超えた料理を、茶懐石のスタイルで味わうことができる『山田チカラ』。鮮度の高い素材使いに加え、栄養バランスも計算された充実のメニューは、まさに絶品。料理長と女将の二人三脚の渾身のもてなしは、忘れられない時を刻んでくれるだろう。...
30歳までには結婚したいかなと話す芽衣は、いつか婚前契約を結びたいという依頼者が現れたとき、自分が結んでいれば役に立つかも、とかなり真面目な理由から婚前契約にも興味を示す。 これまで見てきたように、一口に弁護士といっても、真面目を絵に描いたような人から元プロ女子大生まで、実に様々な人がいる。弁護士はあくまで資格にすぎず、仕事内容も働き始める年齢も人それぞれであることを考えれば、それはむしろ当然のことかもしれない。 ...
「二度づけ厳禁!」のB級グルメと言えば串カツ。大阪に本店を構える『六覺燈』は「串揚げ×ワイン」のパイオニア的存在だ。 外観からはまず串揚げ店とは想像もつかないだろう。まるで隠れた和食屋さんを彷彿させる。 無機質なコンクリートに革張りのカウンターテーブルと椅子、程良く落とした照明…お洒落なBARを思わせるスタイリッシュ且つラグジュアリーな空間のギャップに「ココで串揚げ?」と彼女はびっくりするだろう。オーナーのこだわりが詰...
100種ほどのワインを常備する串揚げの名店。メニューは旬な素材を使用した20本の串揚げ、サラダ、パン、エスプレッソコーヒーが付いたおまかせコースのみ。お好みでオーダーストップも可能。「カウンターで繊細な串揚げと厳選のワインを味わいながら、会話を楽しんでいます」...
新鮮で高たんぱく低カロリーの高級食材「ふぐ」。 そのふぐの中でも最も美味しいと言われる「とらふぐ」を使った「焼きふぐ」をメインに、四季折々の食材を使用した料理が並ぶ。店舗名:麻布 焼きの十番 住所:港区麻布十番1-8-11 TAKADENビル B1F 電話:03-6435-5024 席数:全席個室 7個室26席 営業時間:17:30~(L.O.22:00) 定休日:日曜(年数回祝日とお盆・正月)...
麻布十番の夜は意外と早い。今夜はデートなのに、仕事ですっかり遅くなってしまった、というときには是非こちらの店を思い出してほしい。 恵比寿『KAPPOR』の姉妹店として、今年2月にオープン。名物は、なんといってもコラーゲンたっぷりのスープとともに食す水炊きだ。深夜の胃袋にもするするおさまる優しい味わいに心が安らぐ。ほかに、こだわりの素材を使った料理と串揚げも人気。佐賀牛のサーロインや、季節によって岩ガキなどの串揚げメニューも登場す...
「もう次に会うのは、年明けの恒例行事か〜」 大学時代からの親友・知恵とともに、忘年会と称して集まった『麻布 川上庵』。 この1年がどれだけ早く過ぎ去ったかをしみじみと語り尽くした後で、まどかは独り言のように呟いた。 “恒例行事”というのは、伊勢神宮参拝のことである。 ふたりはここ3年ほど毎年、年明けに伊勢神宮を訪れ良縁祈願しているのだ。 縁結びの神社やパワースポットは、はるばる伊勢まで訪れなくても...
今回の行きつけツアーは、木梨さんが遊び仲間やスタッフとよく蕎麦を食べにくるというコチラの店から始まった。 「ここんちのクルミだれせいろはびっくりするほどまろやかで絶品。俺が注文するのはコレか鴨南そばの二択。週に1回は口にしないと落ち着かないね」。...
とある水曜の夜、麻布十番の『川上庵』で絵美里は39歳の会社経営者、修二とテーブル越しに向かい合って座っている。今宵は20時より絵美里と修二を含む計8人の飲み会が開催されていたが、二次会が終わり、24時を回ったところで残ったのは二人だけになった。 「3次会に、カンパーイ! 遅くまでお付き合いいただいちゃって、すみません。」 「いえいえ、こちらこそ。」 絵美里は一次会での「結婚していないからっ...
その日は残り少ない同期の松田がベンチャー企業への転職を決めたというので、軽く蕎麦でも食べて帰ろうと会社帰りに麻布十番の『川上庵』に寄りました。 彼の転職への意気込みや熱意は強いようでしたが、話しているうち、2年付き合い結婚を考えていた彼女に転職を反対され別れることになったと、酔いに任せてかなり愚痴をこぼして始めました。 「女なんてどうせ金なんだよ。」 確かに先輩や上司でも、転職やクビになっ...
一歩足を踏み入れば、店いっぱいに立ち込める出汁の香りに、心が躍る。おひとりさまでも入りやすい、カフェのような雰囲気の人気店だ。 オーナーはこだわりの黄金出汁を広めるべく、神田小川町に一号店をオープン。博多の豊前を店名に掲げ、いまでは全国に5店舗を展開する。うどん連載も持つほど、東京のうどんに精通する雄飛さん。 「神田小川町店で好きになった店なのですが、他にはない細めでツルツルモチモチの食感が実に魅惑的。讃岐の太くてコシ...
稲庭、讃岐に次ぐ第三のうどんとして、ここ数年、都内でも店が増えている九州発の豊前うどんが自慢。...
品があり素材の風味を感じる『BUZEN』の黄金出汁と『SALUMERIA 69』の生ハムの相性が絶妙! 定期開催する生ハム会でゲストの高い支持によりメニュー化されたのが黄金出汁の生ハムうどん。 切りたて直後の生ハムをスープにくぐらせ、のど越しよい細切り麺と口中へ。生ハムにより刻々と旨みが深まるスープは飲み干す旨さ!...
人は、“麻布十番”という街にどんなイメージを持つだろうか? 港区民が住まうセレブタウン。都内屈指の名店が集まるグルメの街。それとも、庶民的で気取らない、下町風情を残した居心地の良さ? 訪れる人によって、十人十色の景色を見せるこの街。 これは、麻布十番在住の少々奇抜な男女の生態記録である。 これまでは犬を溺愛する美人妻、大人の色気漂う“十番おじさん”を紹介したが、今週は...?<今週の麻布十番住人> 名...
この日訪れたのは新一の橋の交差点から少し入ったところにある和食店『がいがい、』。 夜の闇と同化しそうな漆黒の店内はいかにも秘めやかで、泉さんがカウンター席に腰をおろすと、その空間は一気に艶めきを纏った。 「十番らしい店ですよね」 泉さんは言った。黒い石壁にひっそちと灯る小さな看板。そのお忍び感が高揚を誘う。知る人ぞ知る稲垣種鶏場の名古屋コーチンを使うなど、こだわり抜いた焼き鳥は絶品。 距離を縮めたい夜に...
黒石に覆われた外壁に小さな看板がほんのり灯り、まさに“都会の隠れ家”な雰囲気の焼き鳥をメインにした和食店。 名古屋コーチン、秋田比内地鶏、薩摩若しゃもが食べ比べられる焼き鳥も評判だが、和酒・洋酒ともに相性のよい創作和食も酒好きの胃袋を掴む。手打ち蕎麦やごはんものなどの〆も充実、さらに明け方まで注文可な通いやすさも加わり、味と雰囲気にこだわる十番ツウの定番かつ絶対の一軒となっている。...
夜の闇に溶け込んでしまいそうな黒い石に覆われた外観。その片隅に『がいがい.』の文字が灯されている。 明け方まで上品な和食がオーダーできるここには、夜な夜な舌の肥えた大人たちが集う。 品書きをめくれば、稀少な日本酒を中心に、和酒、洋酒が満遍なく揃い、旬の薄造りから〆に相応しい蕎麦まで至れり尽くせり。 だが、主役はあくまで焼き鳥。繊細な技に魅了されつつ、すべてを委ねればいい。...
明け方まで極上の焼き鳥がオーダーできる貴重な一軒。王道の部位にもこだわりが宿る。 「比内地鶏のもも」(¥500)は、皮を身にくるりと巻き付けるように串打ちした“抱き身”によって、ひと口でダイレクトに旨みが堪能できる。 名古屋コーチン、薩摩若しゃもがそろうので、食べ比べもぜひ。...
普段の生活スタイルを突っ込めぬまま、由紀と2回目のデートを迎えることになった。 写真に写り込んでいたとはいえ、“部屋が汚い疑惑”で彼女を判断するには早すぎる。何より、顔がめちゃくちゃ可愛くてタイプだから。 ここで逃すには勿体ない。それくらい、目を瞑ろう。そう思いながら、2回目のデートは麻布十番にある焼き鳥屋『がいがい.』にした。...
産地直送の日本の三大ブランド地鶏を提供する店。間接照明の灯る店内はモダンで、密やかなプライベート感も漂う。「まず隠れ家的な立地、そして高級感あふれる店内。これがあるのが港区の良質な飲食店の特徴だと思います。美味しいだけでなく、地鶏の食べ比べができる趣向などにも上質感があります」...
「浅草は外国の方が多くて、遊ぶ場所というよりも、観光スポットという印象があります。 お洒落と言うよりもワイワイ楽しいイメージですね。」 最近は焼き鳥にはまっているそうで、お気に入りの店は麻布十番の『がいがい.』など。 美味しいお店をリサーチして食べ歩くことが大好きだというが、浅草には滅多に来ない。(過去に一度も、飲みに来たことがないそうだ)。...
「美貴、久しぶり!ごめんね、少し待たせちゃって」 麻布十番の『がいがい.』に現れたタクヤを見て、美貴は驚いた。 大学時代より、ぐんと恰好よくなっていたからだ。 カジュアルなジャケパンスタイルを嫌みなく着こなしており、パーマがかかった髪型も大人っぽい。 「この間久しぶりにエミリにばったり会って。その後、急に美貴からも連絡が来たからびっくりしたよ」 タクヤは大学時代も明るいムードメーカ...
激戦区麻布十番で長きに渡り人気を博す名店がこちら。 黒石に覆われた外壁に小さな看板がほんのり灯り、まさに“都会の隠れ家”な雰囲気の焼き鳥をメインにした和食店だ。...
仕事後、店を閉めた麗子は新一の橋エリアまで足を伸ばし、『麻布十番 がいがい.』に立ち寄った。...
5年ぶりにあったサトルは少し瘦せていたけれど、その柔らかな笑顔は変わらなかった。 互いの仕事のことや共通の友人の近況。話題は尽きず楽しい時間を過ごしたけれど、何か核心を避けているような居心地の悪さをエレナは感じていた。 次第にペースが掴めるかも、と何度か食事に行ったが、その違和感は埋まらなかった。 彼は結婚を前提にエレナと交際したいと真剣に訴えてきた。その信じられないほどの誠実さは、東京で...
黒石に覆われた外壁に小さな看板がほんのり灯り、まさに“都会の隠れ家”な雰囲気の焼き鳥をメインにした和食店『がいがい.』。明け方まで上品な焼き鳥がオーダーできるとあって、夜な夜な舌の肥えた大人たちが集うのだ。 カウンターの中央には立派な焼き台、そこで職人技による串が次々と焼き上げられて行く。歴とした焼き鳥店なのだが、しっとりとした居心地の良さにシックなバーにいる錯覚に陥ってしまう。...
「本当に美味しい鶏を一から育てたい」という思いから、『とさか』の職人がつくり上げた「ともえ地鶏」。 岐阜県飛騨高山の長良川源流の地に養鶏場を開き、比内鶏とプレノワールを交配させた。「はし」(¥300)は、砂肝の下にあるコリコリとした希少部位。 穏やかな遠火で焼き上げる。ワインと共にいただきたい。...
長年研究し完成した自家養鶏「ともえ地鶏」を使用したグリル屋。 こちらでは、フレンチのシェフと焼鳥の職人が繰り出すコースを堪能しよう。メインはカウンターだが個室も2部屋あり、使い勝手も雰囲気もよい大人の空間。...
きめ細かい肉質、力強いコクと甘み、ほどよい脂、心地よい歯ごたえが身上の「ともえ地鶏」は、理想の焼き鳥を求めて完成させた、自社ブランド鶏。信州伊那、日本アルプスのふもとの農場で育てられ、国産備長炭で炙れば内臓までもが芳しい。 ちょうちん(卵巣と卵管)は香ばしい醤油だれに、半熟卵のような濃厚な味わいがからむ。...
30分後、麻布十番にある『麻布とさか 』に待ち合わせることにした。久しぶりに会う賢治。ブラジルのサンパウロに赴任中で、まさか会うとは思っていなかった。無駄に緊張してきた。お店に入ると、賢治は既にカウンターの隅に座っていた。 「よう、優作。久しぶり。」 3年ぶりに会う賢治は、大きな身体は変わっていなかったが、随分顔つきが凛々しくなっていた。男は、大きな仕事を成し遂げると顔つきが変わるんだな...そ...
「優秀な人材がくすぶっているところをサポートすることにやりがいを感じます。もっと転職が当たり前の世の中にしたいですね」と笑う。 自身も新卒でITベンチャー企業にて開発をした後、現在の会社へキャリアチェンジ。 人と企業を繋ぐ仕事であり「人の心は読めない部分があるので難しい」と悩むことも多い。 3年間日記をつけていて、毎日2年前と今の自分を見比べ、どれぐらい成長しているのかを見るのが息抜き。昔は結婚願望がなかったが、周囲か...
「平日は人に会いすぎなんでしょうねえ。土日はその反動で家に篭っていることが多いです」 週に3回はパートナーや投資家、投資先との食事会があり、基本的に秘書が店を選定してくれる。会社からアクセスの良い神田や、銀座、西麻布、六本木にある、肩肘張らないカジュアルな店を毎回選んでもらってるようだ。取材の前日には、『博多ほたる 麻布十番店』に行ったと教えてくれた。 プライベートで利用する店も、気軽に行ける店の方が好きだ。現在住...
「最近まで、よくデートしてる人がいたんです。と言っても、もう40歳近いおじさんで、しかも奥さんもいたんですけど...」 麻里奈は声を潜めて語り始めた。 散々世間から甘やかされ、贅沢を覚えてしまった彼女は、同年代の幼い男には興味がなかった。 「と言っても、不倫とか変なことしてるわけじゃないですよ。ただ、適度に自尊心を刺激してくれて、少しイチャつく程度の会話を楽しむだけ」 プライベートは何だかんだと予定が入...
—先日はありがとうございました。隣でうるさくしていたのに、ご馳走になってしまって...もし、お時間あればまたお会いできると嬉しいです♫— 俊明のメールアドレスにメールを送ると、直ぐに返信が来た。このスピード感は、向こうも私に気がある証拠だろう。こんな御礼メール、手慣れたものだ。この10年間で一体、何千通とこの文面を送ってきたのだろうか... —こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました。今度、飯でも行きませんか...
僕は良くも悪くも慶女に敏感だ。そう、大学時代に全く相手にされなかったあの屈辱から。 慶應志木。 その名の通り、埼玉県の志木市に位置する。高校受験では慶應女子に並ぶ難関校。「慶應義塾高」「SFC」「NY高」、偏差値で見たらどこにも負けない。 推薦入学や慶應女子同様、東大も狙える学力レベルだが、多くの場合、通いやすさや部活動の充実から慶應への内部進学で手を打つ生徒が多い。 7年間私立の学...
「こんなこと言うと怒られそうですが、『1人だけ』なんてつまらなくて!」 そう言って屈託なく笑う百合は、端正な顔立ちに帰国子女らしい華やかさが備わってる美女だ 。 待ち合わせをしたグランドハイアット1階の『フィオレンティーナ』のテラス席でも、通りがかる人が彼女をチラチラと見てくる。港区女子特有の、自分に対する自信がオーラとなって満ち溢れている百合は、遠くから見ても目立つ存在だ。 そんな百合だ...
秘密基地へと続くかのようなマンションの階段を下っていくと、そこには大人の空間が広がる。 カウンター席は靴を脱いでくつろげる掘りごたつ式で、先程までの緊張感をふっと緩ませる。積まれた器が適度な壁となって、“ふたりの空間”を確保できるのも嬉しい。 季節料理をはじめ、福岡での修業歴もある店主の、鯖や地鶏や馬刺しといった地元食材を使った九州料理も人気の理由だ。...
宮崎出身の柴田料理長ならではの郷土の味を是非。祖母が作ってくれた冷や汁やチキン南蛮を再現する一方、日向灘の魚介を割烹の技でアレンジすることも。 郷土料理からまた一歩先をゆく、洗練された料理の数々をご堪能いただきたい。...
行けば必ずおいしい和食を食べさせてくれる――。この店が麻布の地で長年愛され続ける理由は、このひと言に尽きる。 主人の柴田和幸さんの故郷・宮崎の郷土料理を中心とした定番メニューのほか、その時期にしかべられない希少な素材を使った一品料理の数々が楽しめる。ひとりならカウンター席、グループならテーブル席と、それぞれ居心地のいい空間があるのも魅力。...