北島シェフが惚れ込む『懐石 辻留』は、明治時代から続く懐石料理の老舗だ。 最初はお客様に連れて行っていただいたのがきっかけだとのこと。 調理方法はシンプルながら、素材の持ち味を最大限に引き出すご主人の技に惚れ込み、その後改めて2度訪れたという。 「たとえばお刺身。素材の味を最大限に引き出すために醤油にもすごくこだわってことがよくわかる。鱒の幽庵焼きだって、すごくシンプルな料理なんだけど、一番美味しい”塊”の状態で出て...
懐石コース¥25,000~のひと品。日本酒、醤油、味醂を合わせた調味料に、甘鯛を漬け込むこと30分。そして、炭火での焼き。「焦げ目も味付けのひとつ。どうしたら美味しい焦げ目が付くか、常に手立てを考える」とは、辻義一氏。焦げも調味という精妙な焼き具合、日本酒、醤油、味醂という醸した調味料と甘鯛が同化して生まれる、新たな自然。自然を敬い、共生してきた日本人が生んだ、思いやりに満ちた傑作。...
ランチタイムに、真理子は、ひなのともう一人の後輩の3人で『赤坂 鳥幸』にいた。 「真理子さん、昨日は無事帰れました?私、飲みすぎちゃって、今日は二日酔いで午前中は、ぼーっとしてました」 「あの後バーで、けっこう盛り上がったんですよ。今度みんなでゴルフ行くことになったので、真理子さんも一緒に行きましょ!」 「え?あ、うん、そうね。ゴルフだったら、私、腕には自信があるのよ」 その後も二人は、真理子がパスした...
せわしない午前中のビジネスタイムをくぐり抜け、ランチタイムでとろける夢を見たいなら、『赤坂 鳥幸』の極上親子丼を激しく推したい。 丼ぶりの中央に鎮座するのは、ぷるるんとした弾力とオレンジ色の艶を讃えた極上の卵の黄身。思わず、ツンツンとつついて壊したくなるそのビジュアルは、高飛車な女子を手なづけて振り回してみたい願望と同じ類(たぐい)のSっ気を、発動させる。 見るだけで、卵と白米が絡み合うとろとろした食感が想像できてしま...
せわしない午前中のビジネスタイムをくぐり抜け、ランチタイムでとろける夢を見たいなら、『赤坂 鳥幸』の極上親子丼を激しく推したい。 丼ぶりの中央に鎮座するのは、ぷるるんとした弾力とオレンジ色の艶を讃えた極上の卵の黄身。思わず、ツンツンとつついて壊したくなるそのビジュアルは、高飛車な女子を手なづけて振り回してみたい願望と同じ類(たぐい)のSっ気を、発動させる。 見るだけで、卵と白米が絡み合うとろとろした...
「小坂に合うと思ったから。」 サトルは、敦子にちらりと目を向け、白レバーを頬張りながらはふはふと冷ましている。 「小柳さんと私って、生きてきた世界が全然違うと思うんですよね。」 小柳のような男が自分に合う、と言われたことに少々ムッとしながら抗議し、何も言わないサトルに、敦子は言葉を続けた。 「小柳さんって素敵なお店とかも知らなさそうだし、話も面白いとは言えないじゃないですか。私には物...
店の扉を引いて目に飛び込んでくるのは、7m以上もある白木のカウンター。そして天井は神社仏閣を思わせるような組み木が施され、その空間はデキるビジネスマンが多く行き交う赤坂の街によくはまっている。 『鳥幸』の最新店である『赤坂 鳥幸』が目指したのは、“従来よりもワンランク上の焼鳥店"。洗練された内装のみならず、鶏の肉質にもとことんこだわっている。...
冬の味覚の王者といえば“ふぐ”。稀代の美食家北大路魯山人をして「ふぐのうまさというものは、実に断然たるものだ…」とまで言わしめた、その魔味とも言われるふぐの底力を教えてくれるのが、ここ赤坂『鴨川』だ。 創業から半世紀。先代の大菅正孝氏は、古き佳き向島の一流料亭で料理長を務めた技量の持ち主。その名残りは、ふぐと鱧のスリ身を合わせた“金箔新女”やふぐだしで作る“ふぐのだし巻卵”などコースを彩る趣向を凝らした前菜の数々からも伺える。...
ふぐをして、天下唯一の美味、摩訶不思議の絶味――こう評しているのは、かの北大路魯山人。著書『料理王國』では、鯛や松茸、フォアグラといった数ある美味も、ふぐの旨さには叶わないとまで絶賛している。体に毒を秘め、死のリスクを持ちながらもその味を愛でたのは、古の日本人も同様だったようで、縄文時代の貝塚からもふぐの骨が出土されている。 世界中で約120種棲息するフグ科の魚のうち、食用とされるのは僅かに22種。中でも、美食家をも魅了したのが...
いつも賑わう赤坂サカスを1本奥に入った、閑静な赤坂・円通寺通り。そんな大人が集う場所にひっそり佇むのが『鉄板焼 さとう』。 半地下の入り口をくぐると、木材やレンガを使った趣のある内装に、鉄板を囲うカウンター。その向こうでは気さくなシェフの華麗な手捌きが楽しめる。...
鶏すき焼きをメインにした『はら志の』は、赤坂で18年続く焼鳥店『ざんまい』の姉妹店として開店した。看板メニューにするにあたって、本店の鶏すき焼きをさらに改良。こだわったのは、鶏の種類と割り下。 鶏は、旨みが強く、すき焼きにしても負けない弾力がある伊達鶏を使用。割り下は、天然酵母の醤油や3年熟成のみりん、自然栽培のサトウキビから採れた砂糖を使用し、ワインに合うように赤ワインとポルト酒を隠し味にしている。 鉄鍋でぱちぱち焼...
午前中の仕事をバタバタ片付け、先に着いたハナが店の中で待っていると、いつものようにハイヒールをコツコツ鳴らしながら葵が賑やかにやってきた。 葵は頭から爪の先まで、いつもばっちり決まっている。ロングヘアは毛先まできっちり巻かれ、リップはいつもイヴ・サンローランの15番のピンク。いるだけで華やかなオーラを放つ女だ。 対照的に、ハナは短く切りそろえられたボブヘアに、化粧気のない顔。外出しないときはそっけない白シャツにジー...
ご覧くださいこの堂々たる海苔を。海苔が温かい蕎麦の上に、大きな花を咲かせています。“花びらが撒き散らされた”風景に似ていることから「花巻そば」と名づけられたそうです。 名前からは想像のつかないこの地味さ。一体何が運ばれてきたんだと自分の目を疑いましたが、この海苔、溶けたら美味しいんです。ワサビをつゆに入れて、海苔が絡んだ蕎麦をズルっといったときの風味がもう最高。このメニューを考案した江戸時代の誰だかを褒め称えたくなります。こ...
ウチヒラ、チマキ、ハネシタ、クリ、サーロイン。ザッと挙げただけでも、これだけの部位が登場する、驚きのコースがある。それがこの店の誇る「神戸牛づくしコース」。その名の通り、先付から食事まで、全8品揃う料理のすべてに必ず和牛が使われていて、調理法も多彩。焼肉や鉄板焼では語れない、旨さと食感の違いに感動さえ覚えるコースだ。 料理長の斎藤充彦氏は言う。 「ローストビーフを作るならソトヒラが一番美味しい。肉質はしっかりしているんですが肉...
「プレゼンお疲れ様、どうだった?」 「クライアントからは、大好評でした!バッチリですよ〜!!」 悲痛な声で休日に電話してきたことなんて、すっかり忘れているかのようだ。この能天気さが羨ましくなってしまう。 「そういえば、知ってました?黒田さんって独身なんですって!」 「あ、そうなんだ」 できるだけ平常心を保ち、何の感情も出ないように返事をする。そして、1日中気になって仕方のなかったことを、ついに口に...
それに30代に突入すると、理恵子は自分でも驚くほどよく“モテ”た。 もちろん、20代も男に困ったことはないが、“若くて可愛い女の子”という消費財のように見られることも多く、明らかに下心を漂わせて寄ってくる男も後を絶たなかった。 だが、大手出版社の副編集長というキャリアを築き、30歳を越えても20代半ばの女と変わらない外見を保つ理恵子に対して、男たちは女としての興味だけでなく、尊敬の念もきちんと抱くようになったのだ。...
熱いお茶をごくごくと飲み干したら、すっかり体が温まった。部屋には小さくボリュームを絞ったビリー・ジョエルが流れている。さっきまでは我先にと話していた2人の間に流れる、静寂の時間。 一日の終わりの大好きなひとときを、ハナはたっぷりと味わう。 「じゃあ帰るね」 そう言ってソファから立つと井上さんはかすかな失望の色をにじませたが、気づかないフリをしてそそくさと廊下を歩く。 井上さんは、「泊...
すっかり秋めいてきた今日この頃。 今のシーズンしか楽しめない素材を使用したスイーツはもう堪能した? 「まだ楽しめていない!」という人たちにおすすめなのが、「ホテルニューオータニ」で開催されている「マロンフェア」。 季節感を感じられるマロンスイーツがずらりと揃っている。その中から気になる12品をご紹介!洋梨のコンポート、マロンのシャンティクリームをシュー生地でサンド。 葉っぱ型のマロンパウダー入りサブレブルト...
オータニが擁する麺処『NAKAJIMA』が放つこの夏の新作! たっぷりのパクチーと、チリソースでピリ辛に仕上げたホテル伝統のカレールゥに、コシの強い冷たいうどんを絡ませて味わう、つけ麺スタイルの新作うどん。 サイドには味の変化を楽しめるよう「富士酢」も用意。隠し味のすりおろし生姜と合わせれば、より一層爽やかな味わいが堪能できる。...
定番スイーツ「タピオカ入りのココナッツミルク」を、いちご風味にアレンジ。甘酸っぱく仕上げたコンポートと共に味わって。...
渋川栗の甘露煮の彩りに、和栗のペーストに隠れたミルクジェラートが香りを際立たせたモンブランです。 八丈島ジャージー牛乳を用いた自家製ミルクジェラートの上に、上品な味わいの和栗ペーストをのせ、渋川栗の甘露煮をトッピングして秋らしい彩りに仕上げている。寒くなってくると食べたくなるのがぜんざい。 「ホテルニューオータニ」の「マロンフェア」では、こだわりの栗を使用し、もっちりとした食感の京都「半兵衛麩」の生...
広大な敷地にあらゆる機能を備えた店舗が揃う『ホテルニューオータニ』。まるでひとつの街のようなこのホテルにあるのは、カジュアルな値段でホテルクオリティの美味に耽溺できる、『麺処NAKAJIMA』。 蕎麦は紀尾井町の水にこだわった二八蕎麦。うどんには、京都で三百余年の伝統を受け継ぐ京都半兵衛麩から取り寄せた地下水を使用。出汁にこだわった蕎麦、うどんのほか、日本酒や焼酎の肴となる一品料理も充実している。...
2泊目の夕食には、1万坪の日本庭園にひっそりと佇む『なだ万本店 山茶花荘』で、世界に賞賛された和食に舌鼓を! 同店は、1986年東京サミットの際に、中曽根首相主催の公式晩餐会の会場として選ばれ、各国首脳より好評を博したことで知られている。 400年の歴史を誇る日本庭園は、都会の喧騒を忘れさせる落ち着いた空間。この中で、非日常的な穏やかな時間を過ごすことができる。 こちらでは、懐石料理に合わせたドリンク(ビール、日...
32歳になると既婚者の数は増える。既婚者は既婚者同士で仲良くなり、独身は独身同士で連むようになる。 女性の既婚組は優雅にランチを楽しみながら旦那の話で盛り上がる。その一方で、独身組は“女子会”と称して夜な夜な集まり、女同士で愚痴を言いながら楽しそうに飲んでいる。その両者間には微妙な距離がある。 心の中で焦りながらも結婚していない独身女性の皆様、とりあえずその“女子会”の頻度を減らしてみよう。男性で、女子会が好きな人...
さて、薬のおかげでなんとか平常心を取り戻した私が向かったのは大宅文庫でした。――どうしてこのサウナの一言で場の空気が一変したのでしょうか? これこそが今回あなたにお伝えしたい『恋の下準備』 「相手の好きなものを、本当に好きになっておく」 ディナー相手の美女の好きなものがあらかじめ分かっている場合、多くの人が「○○が好きなんだよね?」とたずね、さらに「俺も好きなんだよ」と言って「趣味が同じアピール」をしてしまい...