名前:綾香さん 年齢:30歳 子ども:長女2歳 子どもの学校:未就学(これから幼稚園受験) 週末の朝。 取材班は、尾山台の『オーボンヴュータン』で綾香さんを待っていた。 2歳の娘を父親に預かってもらう必要があるため、自宅からほど近いのだというこの店を綾香さんから指定された。 決してアクセスの良い場所にあるわけではないのに、客足が途絶えないことに取材班は驚く。 見るからに高級そうなシャツや...
春と夏の間の、湿り気を帯びた6月はじめの夕方。 昼過ぎに雨はやんでいたが、アスファルトに溶けこんだ生温かな匂いは、まだ残っている。莉乃は、雨が残していくこの優しい気配が、とても好きだ。 軽やかな足取りで、『オーボンヴュータン』の扉を開けて、店内を見渡す。 「…もう、来てたんだ」 嬉しそうにつぶやく莉乃の視線の先には、コーヒーをゆっくりと味わうように飲む健太郎の姿があった。莉乃の声に健太郎がふり向き、ほほ...
2人の何がそんなに違ったのか、なんてはっきり言えませんが、印象的な違いはいくつかありました。 莉乃さんは、僕の仕事のスタンスとか、内面を見てくれるんですね。弱いところもわかった上で、励ましてくれて。一方で陽菜さんは、いつも僕の外見や社会的地位を褒めてくれました。 どちらも、嬉しいことです。けれど、条件を褒められる機会って、社会人になると多くて。少し、食傷気味だったのかもしれません。 ほんの...
憂鬱な月末が近づき、週末に彼女と会う約束をしているとき。 「それまでは、六本木や渋谷で買い物や映画に行って食事して帰る、というのがいつものパターンでした。でも、そのとき彼女が地元の尾山台に来ないかって誘ってきて…。」 いつもと違う彼女の様子を不思議に思いながら、それまで足を踏み入れたことがなかった大井町線・尾山台駅で降りた。 そして向かった先は、老舗パティスリー、『オーボンヴュータン』。 ...
並ばないと手に入れることが難しく長く愛され続ける『オーボンヴュータン』のクッキーは、知る人ぞ知るお菓子なので手土産リストの常連だ。 むしろ「ご家族の団欒にどうぞ!」と渡す時、銘品『オーボンヴュータン』以外に考えられない。ここで重要なのは流行りものではなく、「誰もが知るあの名店」というのがポイント。「この店のクッキー、並ばないと買えないのよ」と奥様やお子様の歓声が上がるはず。 食通も唸らせる老舗の...
今回10店舗あげていた中でも、一番高額なとんかつがこちら。 使用する肉、パン粉、揚げ油などを店主が厳選。さらに肉の状態や、天候によって揚げ方を変える職人技はすごいの一言。 なかでもマッキー氏おすすめは、ロースかつ定食。 「断面はしっとりと肉汁で輝き、噛めばきめ細かくしなやかで歯に吸い付くよう。まさに豚の品のある甘さを生かした揚げ方」。 という理由で第5位!...
編集者の楽しみのひとつが、撮影時のお昼ご飯。特にスタジオでガッツリ撮影している時などは、出前メニューを見比べてスタッフたちとどれにするか議論するくらい。 しかし、大田区(雪谷周辺)のスタジオの場合は、ほぼほぼ『中華太郎』で満場一致。頼む品は人それぞれですが、私はいつもチャーハンをいただきます。 ここんちはいわゆる“がっつり”系。普通盛りのチャーハンでも大盛りサイズでやってくるので注意が必要です。出前ゆえ、ラップかけする...
わざわざこの一軒のために訪れる、という立地からも期待や特別感が高まる。カジュアルな空間からは意外なほど椅子の座り心地の良さが抜群で、つい長居をしてしまいそうだ。 カウンターの中央から供される焼鳥は、店主の宇野誠一氏が惚れ込んだ福島の伊達鶏を使用。厚めに串打ちをすることで、食べた瞬間の歯応えや旨みがより印象深く残る。「背肝」や「ひざ軟骨」など、希少部位の扱いも豊富なので、初めて食べる串に会話も盛り上がるだろう。 おまかせ...
樫の木で作られた温かみあるカウンターは全14席。満席ともなれば、焼き台にはズラリと串が並び大忙しだが、「気になる名前の部位は、ぜひ尋ねていただきたいですね。お客様と会話できるよう、あえて詳しい説明は載せていません」と話すのは、店主の宇野誠一氏。 いずれの串もゴロッと大ぶり。食べた時のジューシーな食べ応えを意識し、丸みのある打ち方にしている。...
が・・ここで、まさかの編集部が痛恨のミス。 こちら2店舗あり、編集部がお連れしたのは予定していた方ではない、上野毛店にお連れしていたことが判明。 慌ててもう一度タクシーに乗り、『たちのみワイン 世田谷STAND』店へとお連れした。...
母が淹れてくれた紅茶と田園調布の老舗『ローザー洋菓子店』のクッキーをつまみながら、サヤはファッション誌をめくり、ゆったりとした午後を過ごしていた。 ふんわりと漂う、サンダルウッドの香りが心地よい。 サヤは、両親が複数所有する不動産管理を手伝いながらアロマセラピストとして活動している。と言っても、知り合いを相手に時々アロマレッスンをするくらいだったのだが、半年前、アロマバスソルトを商品化し、ネットショップで販売するこ...
この1年で定例化した、ミカとの、ミーティングという名のランチ会。今日は田園調布1丁目にある『アンドセジュール』に来ている。 独身時代OLをしていた頃、平日にフレンチレストランで頂く3,000円を超えるランチは、贅沢で特別なものだった。しかし今の由美にとっては日常で、心待ちにするような予定ではなくなっている。 ―私は幸せだ。 そう思っているはずなのに、時々心にすーっと隙間風が吹いて心もとない気持ちになることがあ...
緑あふれる閑静な住宅街・多摩川に、この9月1日オープンしたばかりのフランス料理店が、ここ『アンドセジュール』。 以前はレストラン『サマーシュ』があった場所といえば、懐かしく思う往年のグルメも多いことだろう。その、『サマーシュ』は、オーナーシェフの河井健司氏にとって修業時代を過ごした思い出の店。師と仰ぐ丸橋シェフから店を引き継ぎ、自らの原点ともいうべき地で、新たな道を踏み出した氏の万感の思いが、“いつの日か”の意味を持つ店名にこめ...
福岡出身なので、断然とんこつ派! 私にとってラーメン=とんこつで、地元・福岡を思い出させる味。福岡にいるときは、家族や友人とよく食べに行くんですよ。東京で食べるときも、ついとんこつで有名なお店を選んじゃいます。 「ラーメンを食べる!」と決めたら、髪の毛(まとめ髪)も服(ニオイがついてもOKなもの)も準備万端整えて、思う存分楽しみます。...