駅周辺だけでも300軒以上の飲食店がひしめく北千住で「餃子といえばここ!」の声も多い『亜GALICO 餃子楼』。週末は明け方まで営業しているとあって、深夜でも店内は活気に溢れている。 1日300個以上のオーダーが入るという手作り餃子は、20種以上の食材を練り込んだ餡と全粒粉を練り込んだ厚皮のバランスが秀逸。鶏パイタンやサンラータンの水餃子など、変化球メニューも目白押し。飲んだ〆に寄ったつもりが、ついつい長居になってしまうのも...
暮れなずむひととき、酒屋の裏口とおぼしき扉を開け、簡素なカウンターで乾き物や缶詰をつまみにカップ酒をグビリ。街の酒屋が雪崩のごとくコンビニに姿を変えた昨今、そんな古き良き角打ちは風前のともしびだ。一方で、別の危機感を抱く若き酒屋の店主もいた。ビールは量販店に客が流れ、日本酒の需要も減る一方。業界を閉塞感が覆う。でも、受け身にならず、自ら次世代へ良い酒を発信することが未来へと繋がるのではないか。そうして松本祐児さんは3代続く酒屋を改...
打ちっぱなしのコンクリートの壁、黒を基調とした店内は洒落た雰囲気。「けど、やっていることは下町の親父仕様(笑)」と店主の井上紀之さん。 だから、レモンサワーも当然あってベースはキンミヤ。「この焼酎を美味しく飲むために」考えたのが自家製レモンサワーだ。冷凍した国産レモンを丸ごと鰹節のように削って作る。「庶民的な味を自分なりの手法で」。苦くて塩気もしっかり。北千住らしく武骨で力強いが、旨い。...
~タンの真の旨さに唸ること必至~ 焼肉界のレジェンド『スタミナ苑』。何れ劣らぬ肉の銘品が揃う中、牛タンもその名にしおう質の高さだ。 薄くなく厚くなく絶妙な厚さにカットされた1枚は、うっすらと光沢を帯び、赤紅色も鮮やか。縁の部分の赤みに対し、タン全体には淡いピンクのサシがきめ細かく入り、見るからに美しい。 ご主人の豊島雅信さんによれば「肉は乾いてる方がいい。脂がのっている証拠だから。水っぽいのはだめ」だそうで、手で...
数々の都市伝説を持つ焼肉界のサンクチュアリ、鹿浜『スタミナ苑』。最寄り駅とてない不便な立地にもかかわらず、行列の絶えない人気の理由は、ひとえに豊島久博・雅信さん兄弟の牛肉に対する熱意と愛情、そしてたゆまぬ研究心があってこそ。 創業以来、店から歩いて数分のところにある食肉加工業者との長きにわたる強い信頼関係に加えて、ふたりの確かな目利きと熟練の技、下拵えの緻密さが、名店としての品格を生み出している。単に“安くて旨い”だけではな...
ここ数年の“肉ブーム”の中でも、とりわけ確固たる人気を誇るのが「焼肉」。今、改めて焼肉を掘り下げるべく、“生ける伝説”級の焼肉店店主の哲学に迫った。第1回の『ゆうじ』樋口氏、第2回の『虎の穴 恵比寿店』辛氏に続き、最終回となる今回は、好事家からも絶大な支持を受ける『鹿浜 スタミナ苑』の豊島兄弟に登場を願った。...
北千住駅前から番地を頼りに道を進んでいくと「ここで合っているのか?」と、正直若干怯んでしまいそうな猥雑な路地裏に店はある。でかでかと掲げられた「焼」「肉」という看板が目印だ。 昭和43年に開店。当時焼肉に使う肉はホルスタインが主流だった。が、そんな時代にあって店主の岩田俊光氏は「扱うのは松阪牛と近江牛の牝のみ」というポリシーを貫いた。...
北千住駅の大踏切のそばに2015年9月にオープン。麻布の割烹や和食店で腕を磨いた店主の小池忠氏は“下町割烹”の看板を掲げ、手間を惜しまない和食を提供する。 「都心と変わらない旨い料理を下町価格で楽しんでください」と小池氏。 テイスティンググラスでサーブされる日本酒は半合からオーダーできるので、いろいろな銘酒を試してみたい。コースは3500円(税別)~。...
店主は日本料理ひと筋で40年以上になる料理人。看板にある「割烹くずし」とは、伝統を大切にしつつも気軽に日本料理を楽しんでもらいたいとの想いを込めて、自ら考案した造語だ。 だから、ここで味わえる日替わりの料理は立ち呑みのレベルを遙かに超えている。刺身にしろ、煮物にしろ、酢の物にしろ、料理のひとつひとつに、ちゃんと職人の仕事が施されているのだ。しかも、ほとんどが324円均一でいただけるからありがたい。肴の相棒には、名物の徳ハイ(...
店主は日本料理ひと筋で半世紀近く腕を振るってきた料理人。看板にある「割烹くずし」とは、伝統を大切にしつつも気軽に日本料理を楽しんでもらいたいとの想いを込めて、自ら考案した造語だ。 だから、ここで味わえる日替わりの料理は立ち呑みのレベルを遙かに超えている。刺身にしろ、煮物にしろ、酢の物にしろ、料理のひとつひとつに、ちゃんと職人の仕事が施されているのだ。しかも、ほとんどが数百円でいただけるからありがたい。肴の相棒には、名物の徳ハ...
北千住には宿場町通りという商店街があり、その周辺には昭和から続く大衆居酒屋や立ち飲み屋があるほか、女性が好きそうな、小洒落たバルやビストロも点在する。 北千住の飲食店は窓が大きい店が多い印象がある。そのため、どんなお客がどれくらいいるのか、店の内装や雰囲気はどうかということが分かり、初めての店でも臆せずに入りやすかった。 敷居が高くなく「とりあえず、食べて行きなよ。みんな大歓迎!」とでも言ってく...
店主は日本料理ひと筋で40年になる料理人。看板にある「割烹くずし」とは、伝統を大切にしつつも気軽に日本料理を楽しんでもらいたいとの想いを込めて、自ら考案した造語だ。 だから、ここで味わえる日替わりの料理は立ち呑みのレベルを遙かに超えている。刺身にしろ、煮物にしろ、酢の物にしろ、料理のひとつひとつに、ちゃんと職人の仕事が施されているのだ。しかも、ほとんどが315円均一でいただけるからありがたい。肴の相棒には、名...
「馬肉の魅力をより多くの人に知ってもらいたい」。そんな想いで、2015年4月にオープンした北千住唯一の馬肉料理専門店。 馬肉料理と聞いて、誰もがまず思い浮かべるのが「馬刺し」。こちらの店では、霜降りで脂ののった熊本産と、赤身の旨味が濃厚な会津産を部位によって使い分けている。最高級のロースとモモのみを用いた「特上馬刺し」1,200円をはじめ、希少部位やホルモンなど常時10種。 どれもチルドのまま仕入れているので鮮度抜群で...
下町情緒が今も残る北千住。駅の西口からは昔ながらの商店街『きたろーど1010(せんじゅ)』が伸び、終日賑わいを見せている。その一角のビル3階に2015年4月にオープンしたのが『炭焼 さくらや』だ。 店名の“さくら”とは馬肉のことで、北千住では珍しい馬肉料理の専門店である。馬肉は熊本産と会津産を部位によって使い分けている。熊本産は霜降りで脂がのっていて、一方の会津産は赤身の味が濃いのが特徴。...
北千住駅前の商店街を1本入ったところにある、かわいらしいブルーパブ。以前は大手ビールメーカーで商品開発や醸造を担当していたという女性醸造士が作り出すスタウトやIPA、ヴァイツェンなどのビールは、発酵を丁寧に行ったこだわりの味。 2016年3月の開店以来、近隣住民たちの間で評判となり、目下の悩みは醸造が追いつかないことだとか。...
過去に付き合ったり、関係を持った男たちは、なぜか皆、日比谷線沿線に住んでいた。 そんな、日比谷線の男たちと浮名を流してきた香織は、上京後立て続けにタワーマンションに住む篤志や弁護士の孝太郎と付き合うがどちらもあっけなく終わる。初めてのワンナイトや社内恋愛も経験したが、恵比寿に住んでいた涼とは恵比寿での半同棲を経て中目黒で同棲したが、彼の裏切りによりその恋も終わった。住む場所も失い、失意のどん底にいる香織は……? 日比谷...
店が面する宿場通り商店街は旧街道筋。〝名物にうまいものあり北千住。牛の煮込みでわたる大橋〟の川柳に目を留めると「伊藤晴雨さんっているでしょ? 好きで通ってらっしゃいました」。明治の頃から活躍した絵師の名を、4代目のご主人がにこやかに教えてくれた。 創業は明治10年。そこから数えればきっと現存する都内の居酒屋の中でも最古参。築100年以上の建物自体は残しつつ10年ほど前に店内を改装したが、それにしてもカウンター、テーブル、どこ...
創業は昭和50年頃。初代が大阪で修業を積み、本場の味を持ち込んだ。東京における串カツ専門店の草分け的な店である。 串カツは、肉や魚、野菜など全25種類が揃う。もちろん、どれも旨いが、おすすめは若どりだ。歯を立てれば、カリッとした衣が香ばしく、中からはジューシーな鶏肉の旨みがジワリ。衣はきめが細かく薄いため、いくら食べてももたれないのがいい。ちなみに、ソースは関西にならい2度漬け禁止だ。覚えておこう。...
創業は今から40年ほど前。初代が大阪で修業を積み、本場の味を持ち込んだ。東京における串カツ専門店の草分け的な店である。 串カツは、肉や魚、野菜など全25種類が揃う。もちろん、どれも旨いが、おすすめは若どり190円だ。歯を立てれば、カリッとした衣が香ばしく、中からはジューシーな鶏肉の旨みがジワリ。衣はきめが細かく薄いため、いくら食べてももたれないのがいい。ちなみに、ソースは関西にならい2度漬け禁止だ。覚えておこう。...
◆ 北千住に慣れてきたある日の休日、香織は駅のすぐそばにある喫茶店『サンローゼ』に行ってみた。 昭和感たっぷりのノスタルジックなムード溢れる店内でケチャップ味のオムライスを頬張っていると、翼が店に入ってきた。 香織に気づくと待ち合わせでもしていたかのように、右手を上げ笑顔で近づき、向かい合って座った。 「香織ちゃんもこの店に来るんだね。僕もここ好きなんだ。なんかこの昭和っぽい雰囲気、落ち着くんだよね。昭...