絵画的な美しさと力強さを併せ持つ料理で
エスプリを伝える
パリに実在した一つ星レストランの名を継ぐ
フレンチの名店

阿佐ヶ谷の路地裏で本格フレンチとは意外な取り合わせだが、オーナーシェフの善塔一幸(ぜんとうかずゆき)氏は、フランスで7年半の研鑽を積んだ腕利きの料理人。
かつてパリに実在した一つ星の『ラ・メゾン・クルティーヌ』でシェフを務め、帰国後に初代オーナーシェフのイヴ・シャルル氏の許しを得て、2011年に同名のレストランを開いた。

パリのクルティーヌ時代のスペシャリテで、「ゲランド産灰色大粒塩を皮目にしっかりつけて焼き上げるマグレ鴨」は、ぜひ食したい一皿。
善塔シェフ独自のアレンジで蜂蜜を塗り、フォアグラのポワレを乗せて仕上げることで、よりリッチな旨味と一体感をもたしている。

また、パリの修業時代に牛肉の名店『ル・セブロー』や、肉屋の『レガレ・ヴー』に出入りして学んだ、熟成肉に関する技術にも絶対的な自信を持つ。
グランメゾンにしては珍しく自前の熟成庫を持ち、卸業者にかなり細かい注文をつけて熟成用の肉を仕入れている。

特に善塔シェフのこだわりは、“肉は骨付きに限る”こと。
ただ、日本で骨付き肉を入手するのは非常に困難で、オープンから3年経って、やっとの思いで仕入れを確保できたそう。
満を持しての熟成肉はシンプルにステーキやたたきで食すほか、今後はフォアグラをのせたロッシーニ風や、パイ包みも提供したいと意気込んでいる。
お伝えいただければ幸いです。