文化発信拠点の街に再現された
古き良き時代のフランス
クラシカルな雰囲気と伝統料理で織り成す
“ヴィロンの世界”

東急百貨店 渋谷・本店の向かいに、パリを思わせる存在感のブーランジェリーがある。その2階にある”ブラッスリー”を訪れたことはあるだろうか。
店内の階段を上がるとそこには、古き良き時代のパリのブラッスリーを映し出すような空気が溢れている。
フランスから取り寄せた照明、年季を感じる手すり、錫で作られたカウンター。赤と白を基調としたノスタルジックな内装にも、老舗の風格が備わってきた。

ここではクラシックなブラッスリー料理が楽しめる。
その代表とも言えるのがアルザスの郷土料理「シュークルート」だ。
酢漬けキャベツの柔らかい酸味に、ほろっと崩れるほど柔らかく煮込まれた豚肉やソーセージのコクが加わり食欲がそそられる。
クミンの香りが果実味の強いアルザスの白ワインによく合う。

大きな鍋が運ばれてくると歓声があがる。
まずは客に見てもらいギャルソンが取り分ける。目の前で魚をほぐしソースをかけて完成していく皿を眺めていると自然と会話が弾む。
そんな心地よい気軽さがブラッスリーの醍醐味なのかもしれない。
メニューは「キャロットラペ」や「カスレ」などフランスの定番料理が多く、伝統の味を忠実に再現している。
“東京にあるフランス”というコンセプトはオープン当初から変わらずに守られてきた。

本場さながらのポーションや盛り付けも迫力があり、一皿一皿が強く印象に残る。
この「フランス産ヒナ鶏一羽丸ごとロースト」も2-3人分はあるのではないかと思われるボリューム。
仲間と何品かシェアするのも良いが、1人で前菜とメインを1品ずつ、グラスシャンパンとワインで満喫するのも粋な大人の楽しみ方だ。
お伝えいただければ幸いです。