成熟な食文化へ提唱する
「フランコ・ジャポネ」という調和
流麗で鮮やかな彩りの一皿は
巡りゆく季節を映し出す

春夏秋冬の豊かな四季とともに歩んできた日本には、古来より「二十四節気」という季節の移ろいを感じゆくための暦が存在する。
自然の流れに寄り添う旧暦の二十四節気に合わせ、日本ならではのフレンチ"フランコ・ジャポネ"を提供するのがここ『ボウ・デパール青山倶楽部』だ。

シェフ 蜂須賀 喜八郎氏が作り出す一皿には、フレンチでは普段使わないような和の食材もお目見えする。かつてのフレンチのように、全てをフランスから取り寄せるのではなく、日本産の素材をふんだんに使用している。
「伝統的なフレンチの技法やエスプリを効かせつつ和のエッセンスを取り入れ、料理を通じて季節を味わう日本の心を表現したい」それが蜂須賀氏の理想だ。

その哲学は、14〜15種類の旬の野菜を使用したスペシャリテ「ミジョテ・ド・レギューム」を口にすればわかるであろう。
1つ1つの野菜を最適な器、最適な水分量と時間で「細い針がスッと入る絶妙の固さ」まで、フォン・ブランとともに火入していく。
そしてオーダーが入り、最後の仕上げをすることで味の統一感が生まれる。「25歳で初めてフランスで食べた時に衝撃を受けた」というこの料理は、「野菜料理とはなんだろう」と考えるきっかけにもなったという。

都会の中ではつい見過ごしてしまいそうになる自然の豊かさや、和の食材の持つ本当の風味。一皿一皿に、日々の生活へ華やぎを与えてくれる新鮮な驚きが込められている。
「夏と冬のものが同時に皿に乗ることはない」と断言するシェフのこだわりを年に24回も楽しめるなら、時が過ぎゆくことをより心待ちにしたい。
お伝えいただければ幸いです。