六本木ならまずこの店からスタート!恋人未満の2人にぴったりな居心地の良いデート店

実家暮らしの梨奈が麻布十番の家から、けやき坂を通り抜ける時、決まって頭に浮かぶ人がいる。9ヶ月前にメキシコ駐在が急に決まり、恋人未満のまま飛び立ってしまった洋輔だ。

友人伝いで知り合ってすぐに意気投合した洋輔とは、平日の仕事帰りに週に何度も食事をする仲だった。彼の職場がヒルズだったということと、梨奈の家からも近いこともあり、食事をするのは決まって六本木だった。

元体育会系だけあって大胆なところが頼もしく、歯に衣着せぬ物言いが心地よい人で、梨奈にとってはちょっと気になる相手だった。

その洋輔から、一週間の一時帰国が決まったと連絡を受け、ふわりと懐かしい気持ちが込み上げる。「来週の土曜空けといて。」と相変わらずあっけらかんと予定を組んでくるのが妙に嬉しくて、帰国を心待ちにするのだった。

「日本を離れる前に一緒にランチしたあの店、どうかな。」と梨奈が提案したのは、六本木ヒルズのそば、けやき坂の途中にある『ローダーデール』だ。以前洋輔と訪れたのはまだ肌寒い季節で、初夏だったら最高だね…などと話しながら、テラス席を断念していたのを思い出したのだ。

幅広い用途に使える店として、様々な顔を持つ六本木に、柔軟に寄り添う店。

『ローダーデール』は、朝7時から夜23時までのオールデイダイニングで、元麻布周辺の住人が朝食を楽しむのはもちろん、夜は本格派のビストロとして、人気の店だ。14時頃に落ち合って、明るいうちからワインでも…ということになった。

約束の日は眩しいほどの快晴で、メキシコ帰りの洋輔と会うにふさわしい日だった。ブルーのストライプシャツの洋輔は、少し日に焼けて引き締まって見える。こちらに気付くなり、掛けていたサングラスをすっと頭に乗せてニカッと笑う洋輔を見た途端、会いたかった!と咄嗟に胸が高鳴る自分に、梨奈は驚く。

『ローダーデール』という店名は、カリブ海クルーズの拠点として知られる”フォートローダーデール”から取られている。由来に相応しく開放的な店内で、高い天井にはシーリングファンがゆったりと回る。

居心地が良い店内ながら、タイル貼りされた壁などの遊び心も楽しい。

内装にこだわられた店内席だけでなく、さくら坂に面したテラス席も準備されている。せっかくの天気だからと、二人は迷わずテラス席を選んだ。新緑の匂いをたっぷり含んだ風が気持ち良い。

「ゆったりつまもうか。」と洋輔が注文したのは「マッシュルームとグリュイエールチーズのスフレ」と「牛ほほ肉と野菜たっぷりポトフ」。

「とりあえず、ただいま。」

少し照れくさそうに洋輔が言い、グラスワインの白で乾杯する。向かい合えば、こうしてよく飲んだな…としみじみとした気持ちになる。テラス席にあたたかく差し込む日差しもあいまって、満ち足りた空気が流れる。このふわふわとした感じは、もう懐かしさだけではないと、梨奈は思い始めるのだった。

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