婚活は、ワインスクールで Vol.11

誕生日に連絡もなく、プレゼントを買い与えるだけの夫。破綻した結婚生活を隠していた女

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


婚活のため”表参道ワインアカデミー”へ入学した美咲だが、研二との食事会での撃沈や、芹那雅彦とのいざこざなど、トラブルに見舞われてばかりの日々が続く。

さらに、クラスメートの真千子結婚報告を受け、31歳の誕生日を目前に焦りや寂しさと戦っていた。


大勢の人でごった返す、ゴールデンウィークの銀座・中央通り。

美咲は、先月オープンしたばかりの『GINZA SIX』に来ている。

エントランスに溢れかえる人混みをかきわけ、なんとか館内に入ることができた。

はるか頭上には草間彌生の見事な水玉オブジェが堂々とぶら下がっている。

ここ数週間、友人たちがこぞってSNSに写真をあげていた景色も、自分の目で見るのはやはり気分が良いものだ。美咲は天井を見上げながら満足げに微笑んだ。

各フロアを一通り見終えると、最後にヴァレンティノの前を通りかかり、ぴたりと足を止めた。

「そうだ、自分へのご褒美でも買っちゃおうかな…」

美咲は、31歳の誕生日を数日後に控えている。自分へのプレゼントを奮発するのも悪くない。

そう思いながらカバンと靴のコーナーを行ったり来たりと散々繰り返したが、いざ値札を見ると決意が鈍り、結局何も買うことが出来なかった。

「あれ、美咲ちゃん」

店を出ようとした瞬間、背後から声をかけられた。

振り返るとそこには、芹那が立っている。そしてその一歩後には、見覚えのない顔の男性の姿が見えた。

「わあ、こんなところで会うなんて偶然ね」

芹那が手にぶら下げている巨大なヴァレンティノの赤い紙袋が視界に飛び込んできた。美咲は羨ましさに一瞬動揺したが、平静を装い笑顔で挨拶を交わす。

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