結婚願望のない男 Vol.11

何でアナタが【ご報告】?結婚できない女を襲う、過酷すぎる試練

私の大好きな彼氏には、結婚願望がない。

それを知ったのは、30歳の誕生日。順調な交際を2年も過ごした後だった。

東大卒のイケメン弁護士・吾郎との「結婚」というゴールを、疑うことのなかった英里。彼が結婚願望ゼロと知った日から、不安と焦りが爆発。占いに行き友人にもアドバイスを求めるが、吾郎は「結婚は嫌だ」の一点張り。

そんなときに出会った、結婚願望のある男・きんちゃん。英里は二人を両天秤にかけることを試みたが、あっさりと吾郎にバレ、また大喧嘩に。落ち込む英里を励ますのは...?


六本木ヒルズできんちゃんの到着を待ちながら、英里は吾郎の冷たい表情を思い出していた。

英里の一目惚れから始まった、吾郎との恋。

彼の彫刻のように整った顔立ちや、贅肉の一切ないスラリとした長身は、出会いの瞬間から英里の胸をトキめかせた。さらに大手事務所の弁護士だと聞いたときは、これほど完璧な男性が存在するのかと感心したものだ。

最初は、吾郎の恋人になれるなんて夢みたいだった。

しかし時間が経過するうち、「妻」に昇格できるのは当然の権利と思うようになった自分は、きっと甘過ぎたのだろう。

―もともと、釣り合ってなかったのよ...

英里にとっては運命の人でも、吾郎にとってはその辺にゴロゴロといるレベルの女の中から気まぐれにピックアップした程度の存在だったのかも知れない。

そんな女に結婚を迫られる吾郎も、考えようによっては可哀想だ。

―結婚してもらえない女は、こうやって自虐的になって、不幸オーラを纏って、みすぼらしく老いて行くんだわ...

「英里ちゃん!」

不幸のどん底に堕ちてく英里にストップの声をかけたのは、きんちゃんだった。

俯いていた顔を上げると、彼は黒目がちの小さな瞳を優しげに細め、仏のプーさんスマイルを浮かべている。

きんちゃんが、救世主に見えた。

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