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  • 中目黒2017 Vol.2

    中目黒2017:シャンパンをポンポン開ける”ポン女”にはなれない。理想の姿が見えない26歳

    せっかく良い気分だったのに、一気に気分は最悪


    今日の美奈は、シェアハウスへ帰る足取りが、少しだけ軽かった。

    会社で、急ぎで作るよう指示された資料をなんとか仕上げて提出すると、怖いと恐れていた上司からさらりと褒められたからだ。

    「あら、よくできてるわね。ありがとう」

    その一言だけだったが、入社以来初めて仕事のことで褒められた。それが嬉しくて、仕方がない。

    シェアハウスに着くとまっすぐ自分の部屋に入り、少しだけいい気分でベッドにばたりと倒れこむ。鼻歌を歌いながらスマホでSNSを開き、友人たちの近況をチェックした。

    気分が良い時は、友人の投稿に「いいね!」を押す回数も無意識に増える気がする。

    その時、好きなタレントが出ている動画 が目に入り、そこに見覚えのあるボトルがちらりと映った。

    ―あ、これ。沙織さんが持ってたのと同じかな。あの時いい香りがしたのって、これかな?

    美奈はあの時かいだ、ふわりと甘く、爽やかで心地良い香りを思い出した。初めて沙織に弱音を吐いた時、彼女が纏っていた香りだ。

    ―もう一度、あの香りをかぎたいな……。

    あの時あんなに正直になれたのは、彼女の優しい声とあの香りのお陰だったのかなと、動画を見ながら美奈は思った。

    翌日、中目黒駅のすぐ近くにあるドラッグストアで『マシェリ』のボディソープを見かけ、思わずカゴに入れた。


    それ以来、美奈はバスタイムが何よりの楽しみになっていた。良い香りに包まれていると、心がほぐれる。疲れた日でもこの香りでリセットして、明日もまた頑張ろうと思えるのだ。



    今日も良い気分でお風呂を終えて、飲み物を取りにリビングへ入ろうとした時、美奈の全身に軽い衝撃が伝わった。

    廊下の角を曲がる時、リビングから出て来た相手とぶつかったのだ。

    「あ、ごめんなさい…」と顔をあげると、そこには司の顔があった。

    ーうわ、よりによって!最悪……。

    心の中で毒づく美奈だが、一方の司はなんだか動揺しているように見えた。

    ―あれ、どうしたの……?

    驚いているが、怒っているようにも見えるし、照れているようにも見える。咄嗟には判断できないがとにかくそれは、美奈が初めて見る司の表情だった。


    ▶NEXT:4月10日 月曜更新予定
    司が動揺した理由とは?美奈がシェアハウスを出る日が迫り、司との関係に変化が訪れる……?

    美奈のバスタイムを楽しくしたボディソープはコレ!

    ■衣装協力:女性/ネイビーニット¥13,000 白チェックパンツ¥19,000(ともに22オクトーブル03-6836-1825)その他<スタイリスト私物> 男性/カーキ千鳥ジャケット¥78,000(マン 1924)サックスシャツ¥20,300(ギ ローバー)ベージュパンツ¥33,000(ピーティーゼロウーノ)白×茶レジメンタイ¥14,800(ステファノビジ)チーフ¥6,000(ニッキー)ネイビーメッシュベルト¥10,000(サドラーズ/すべてシップス 銀座店03-3564-5547)シューズ<スタイリスト私物>

    資生堂マシェリ_PC2

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