東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』 Vol.26

乗ってきた瞬間に残念感が凄すぎる「エレベーターのお作法」が死んでいる二流人の3大欠点はこれだ!

では、世界中の一流の人たちは、どのようにエレベーターに乗っているのだろうか。「目的地の把握」「あいさつ」「他人への配慮」は当然として、一流の人が実践しているポイントを2つ紹介しよう。

1. 本当に偉い人ほど、エレベーターでも謙虚

私の尊敬する元上司で、世界的な投資銀行でトップまで上り詰めた人は、いつも徹頭徹尾、謙虚であった。トイレの洗面台の水しぶきは自分で拭いているし、会食でも部下にお酌をする。

おまけに、エレベーターに乗ると必ず、部下や秘書さんなど、いわゆる目下の若手の人たちを先に降ろし、つねに配慮の姿勢を崩さないのだ。

これに対し、恥ずかしすぎるのが、古臭いことにエレベーターの立ち位置ひとつで部下を叱責したり、エレベーターに乗るのも降りるのも自分が一番だと信じてやまないような、偉ぶった二流の人たちである。

エレベーターの中での立ち振る舞いをみれば、その人が「目下の人」や「若い部下」にどのように普段、接しているのか、一発でバレてしまうのである。

2. 「エレベーターピッチ」ができる

英語に「エレベーターピッチ」という言葉がある。エレベーターで乗り合わせた上司やお客さんに、降りるまでの30秒間で自分をアピールする話をするというものだ。

驚きの実例なのだが、私の知人にも、1分そこらの「エレベーターピッチ」で、投資家を獲得した起業家がいる。

彼は弱冠20代前半の、大学を卒業して間もない男だが、エレベーターピッチの「3分バージョン」「1分バージョン」をつねに用意し、洗練させることで、いつか来るかもしれない機会に備えていた。

そしてあるとき、たまたまエレベーターで出くわした著名な起業家に、ここぞとばかりに「エレベーターピッチ」を食らわせ、見事に「シードマネー」(立ち上げ金)の3000万円を本当に獲得したのだ。

エレベーターに乗る時間を、単に「上の階に上がる手段」ととらえるか、「ビジネスにつなげる機会」ととらえるか。エレベーターの乗り方ひとつをとっても、一流と二流の間には、深淵な隔たりが存在するといえよう。

実は私も「高橋名人」をやりがち…

本記事では、エレベーターの乗り方でバレる「計画性」「社交性」「他者への配慮」「謙虚さ」そして「起業家精神」の有無について語ってきた。

しかし、最後に白状してしまえば、私はどちらかといえば、一番最後に走って割り込んで、後の人が入ってくる前に「高橋名人」と化してボタンを押しまくり、行き先を忘れて降りる階を間違え、再度1階に戻りがちな「二流のエレベーター搭乗者」の代表選手である。

しかし、私を含めた「二流のエレベーター搭乗者」がそのような生き方を続けるかぎり、シンドラー社のエレベーターの故障を心配するよりも、自分の人格的な故障を心配するのが先決なのは、言うまでもない。

今回論じたことを実践できないようであれば、今後は「エレベーターに乗る資格停止処分」を自分に下し、エスカレーターに乗るなり、非常階段を歩くなりして、「二流にふさわしい移動方法」でひっそりと上の階に移動することを、強く推奨する次第である。

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