デートの答えあわせ【Q】 Vol.3

昔いい感じになった子と久々にデート。今回こそはと目論む男:デートの答えあわせ【Q】

可能性は、なかったのか。

彼女たちはあの時、何を考えていたのか。

「いい雰囲気だったのに、なぜ?」

デートの帰り道にひとり、反芻する夜も、あるだろう。

でもその全ては、一切明かされぬまま、また別の女の子とのデートを重ねていく…

試験のように、デートの答えあわせができたのなら…


昔の女は、いつまでもどこか特別な存在になってしまう。京子もまた、そのひとりだ。

京子との出会いは、友人の優のホームパーティー。

優は、30歳になったらこだわりの家に住む!と昔から意気込んでいたのだが、その言葉通り古びた一軒家を購入し1年かけ中をリノベーションし、外観からは想像もできないほどのおしゃれな家を作り上げた。

お披露目も兼ねて友人たちを呼んでパーティーをしよう、と10人ほどの友人が集められた中に、京子がいた。

黒髪のボブに、モードな服装、すっきりとした目鼻立ち。洗練されつつも独特な雰囲気をまとった彼女は、話してみると人懐っこくからりとしていた。

住んでいる場所が同じ麻布十番であること、同い年であること、制作会社でデザイナーをしている京子とカメラマンの僕とで業界が少し近しいことで話が盛り上がり、連絡先を交換し後日近所でご飯でも。と約束を交わし別れた。

そこからはトントン拍子だった。お互いの仕事が終わるタイミングで食事をしたり、お互い飲み会帰りに麻布十番のバーで少し飲んでから帰ったり、休日にランチをしたりとデートを重ねた。

僕は京子のことが気に入っていたし、一緒にいて楽で、好きだった。京子も僕のことが好きだったと思う。くだらないLINEを送り合い、デート向きの店だけではなく、麻布十番に何店舗かある老舗の大衆居酒屋にも足を運び、はしご酒もした。はたから見れば、仲のいいカップルだった。

そんな関係が半年続いた後、京子が異動になった。大阪支社に期限付きの転勤だった。

2年。

2年なんて、あっという間だよ。がんばってきな。そういう僕の言葉に、京子は黙って頷き、日本酒の杯を傾けた。

結局曖昧な関係のまま、僕たちは離れた。京子が大阪に引っ越ししたばかりの頃は、ちょくちょくLINEのやり取りはしたが、明確に恋人関係でもなく、近くにいるわけでもないので次第に連絡は途絶えた。

そして1年半が過ぎた頃、京子のfacebookの投稿で京子が会社を辞めたこと、フリーになったこと、そして東京に戻ってきたことを知った。

「戻ってきたんだって?今どこに住んでるの?久しぶりに麻布十番で飲もうよ。話も聞きたいし。」

反射的に、京子にLINEを送っていた。

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