婚活は、ワインスクールで Vol.1

婚活は、ワインスクールで:30歳の女が、2段飛ばしで上質な男と出会う場所はココだった

やみくもに婚活に励むのは、もう終わり。

ある強かな女たちは、婚活の場をワインスクールへ移した。

スクールに通うほどワインが好きな男は、高い年収を稼ぎ、洗練されたライフスタイルを送っている者が多いはずだ。

ワインの知識を深めながら、虎視眈々と男性を見定める女たち。

果たして、その思惑は実るのだろうか?


「ついに今日から始まるのね...!」

—表参道ワインアカデミー

美咲は、目の前にそびえ立つ建物を見上げ、ごくりと唾を飲み込んだ。

外資系化粧品会社に勤務する30歳の美咲。今日はワインスクール初日だが、本社との電話会議が長引いたせいでぎりぎりの到着になってしまった。

19時より1分前に教室に滑り込み、一番前の空いた椅子に慌てて座った。それと同時に、隣に座っていたショートボブの女の子がニコリと微笑み、軽く頭を下げられた。

—可愛い子だな...

それが彼女への第一印象だった。

「皆さん、それでは授業を始めましょう。」

開始時刻になり、先生が壇上に現れて簡単な挨拶をした。授業のわかりやすさとワインへの情熱、そしてその美しいルックスで学校一の人気を誇る講師である。

初回の今日は、前半の授業はオリエンテーション、続いて各自の自己紹介という順で進められ、さっそく美咲の番が回ってきた。

「フランス系の化粧品会社に勤めております。会社関係のパーティーや本社スタッフの接待などでワインを飲む機会が多く、興味を持ちました。」

それらしい入学理由を述べたが、美咲がワインスクールへの入学を決意した本当の理由、それは何を隠そう、婚活のためだった。

もちろん、ワインスクールというのは純粋にワインを学ぶ場所であり、結婚や出会いのための場所ではない。そんなことは美咲だってわかっている。

しかし、美咲が、婚活の舞台としてここを選んだのは、会社の先輩・麗子の一言がきっかけだった。

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