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  • 目黒女子、27歳 Vol.3

    「今から会える?」お風呂上がりに元彼からLINE。化粧し出す手が止まらぬ目黒女子、27歳

    慶一郎のインスタに女の影が?


    今日は、妹のマリが遊びに来る予定だ。マリは結婚式の準備で忙しく、会うのも久しぶりだ。

    昨夜改めて、慶一郎のInstagramの数少ない投稿を見返すと、3か月前にディズニーランド、その前に箱根の温泉旅行の写真があった。


    ―これって、彼女いるってこと??


    マリが好きな鶏肉の水炊き鍋を用意しながら考える。温泉旅行は彼女と行くよな、いや人によっては男友達と行く可能性もなくはない。悶々としながら白菜を切っていると、LINEが鳴った。

    「何か買って行くものある?」

    マリからだった。食後のデザートが欲しい。それに、ちょうどボディソープが切れていたことを思い出した。

    「食後に果物が欲しいな♡あと、ボディソープ買って来てくれる?『BOTANIST』っていうブランドの」
    「りょうかい😊」

    この間買ったシャンプーとトリートメントが気に入ったので、ボディソープも同じBOTANISTで揃えようと思っていたのだ。

    マリが到着し、早速ボディソープを仲間入りさせる。

    ―よし、これで揃った。


    引っ越したあとは特に、自分のお気に入りの物だけを揃えたい衝動に駆られる。既製品の洗剤も全て真っ白の容器に詰め替え、極力生活感を出さないよう心がけていた。目黒駅のアトレには無印良品が入っているので、細々とした日用品を買うのにとても便利だ。

    「さすがお姉ちゃん、綺麗にしてるじゃん」

    洗面台を覗きに来たマリに「あなたがいないからね」と返すと、可愛い妹は頬を膨らませ、むくれていた。



    「既読スルーされただけで、そんなにクヨクヨしてるの!?」

    慶一郎からの返信がなくて気にしていることを話すと、マリは驚いた様子でそう言った。お鍋を食べ終わり、駅前の『プレッセ』で買ってきてもらった苺を食べていた。

    「さっさと他にいきなよ、時間のムダ!」

    ばっさり言われ、少しムッとした。行動派のマリとは、いつも意見が正反対だ。

    「お姉ちゃん、本当ダメ男好きだから心配だなぁ…」

    そう言ったマリは、心から結衣を心配しているようだった。女同士の心配は、ときに興味半分とも言える意地悪な気持ちが滲んでいるが、身内だとそれがないのが心強い。

    食後のお茶を飲み終わり、新婚のマリは「またね」とあっさり帰ってしまった。少し前まで一緒に暮らしていた人間が別の家に帰るのは、変な気分だ。

    食器を洗い、お風呂を沸かす。新しく買ったボディソープでさっぱり体を洗い流して部屋に戻ると、新着メッセージが届いていた。

    「今から会える?」

    元彼・祐也からだった。

    BOTANIST_PC_3

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