無難戦隊MARCHマン Vol.1

無難戦隊MARCHマン: 東大卒の上司が斬る!MARCHマン、大学別の傾向とは?

MARCHマンたちの生態とは?


東出は、5人の履歴書をまじまじと見つめた。「キャリアナビ」は、まだ若い会社で新卒採用も始めたばかり。明治と中央卒の男が27歳、他3名は26歳と大分若い部署だ。


まず、一番に挨拶してきた明治出身の福田蒼汰。

千葉の公立高校を出て、明治大学政治経済学部に入学。大学から変わらず下高井戸に住んでいるようだ。趣味はサッカーと音楽。どこまでも爽やかな風を吹かす男だ。

彼の次に挨拶に来たのは、立教出身の長野茂雄。埼玉出身、社会学部卒。高校もよく聞く名門校で、頭は良いのだろう。しかし、これと言った特徴は見当たらない。

次に、青学出身の上田瑛士。彼は初等部から青学に入った内部生。両親ともに医者で、かなり金持ちの家の息子のようだ。自由が丘のマンションに家族で暮らしている。

最後まで挨拶に来なかったのは、中央大学出身の阿部ユキオだ。都内にある中高一貫の私立校から、中央大学の法学部に入学。昔ほどではないが、中央大学の法学部といえば難関として知られる。ぬぼっとした印象の男だったが、実は侮れないのかもしれない。

最後に、法政出身の五島アユム。ラグビー部出身らしく、いかにも体育会系だ。「うっす!」といのうのが口癖で、効率を重んじる東出とはウマが合わないかもしれない。



「個々の特性を見極め、生産性の高い効率的な仕事をすること。そこに、義理人情や私情は一切要らぬ。」

これが、東出のモットーだった。

出身大学が分かれていたので個々の特性を掴むのは容易そうだと、東出はひとまず安堵し、早速5人を集めた。

今後の方針と、生産性の高い仕事をするためにまずは、今の体制を見直すことを滔々と語った。そして5人の男たちを眺めながら、密かにこう名付けた。

「無難戦隊MARCHマン」

―今日から彼ら5人は俺の“駒”だ。大いに働いてもらおう。

ミーティングが終わると東出は、席に着き日本橋のオフィスでコーヒーを飲みながら、早速戦略を練り始めた。


▶︎NEXT:1月31日更新
MARCHマンに、早速のピンチが!?

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