二子玉川の妻たちは Vol.4

二子玉川の妻たちは:まだサロネーゼで消耗してるの?協会設立で、妻社会の頂点を目指す

結婚は、女の幸せ。

そう考える種類の女にとっても、結婚は必要条件に過ぎない。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

「私はサロネーゼとは違う」と言い張り、本物を強調するアロマセラピスト・サヤ。ある日、サヤこだわりのアロマバスソルト「Real Aroma」の偽物が雑誌に載っているのを発見する。

偽物片手に誌面で微笑んでいるのは、よりにもよってサヤの元生徒・ミカ。苦虫を噛むサヤに対し、ミカは「アロマライフスタイル協会」を設立する、と言い出した。

「アロマライフスタイル協会」とは、いったい...?


「本物」の定義とは?


「へぇ…協会設立なんて、すごいわね。」

いつも冷静で感情を表に出さないサヤが、明らかな動揺を精一杯隠していた。

先日のランチ会で、ミカが「アロマライフスタイル協会を設立する」と宣言した時のことだ。

既に何もなくなった目の前のスイーツ皿を一点凝視し、絞り出すように、心にもないセリフを呟いたサヤ。その様子を思い出すと、ミカはこみあげる笑いを止められない。

サヤは、ミカを自分より格下の存在、と見下している。

田園調布生まれ田園調布育ち、幼稚園から高校までカトリック系のお嬢様学校で学び、日本女子大を卒業した正真正銘のお嬢様。それがサヤのアイデンティティ。

千葉の短大を卒業した後、アパレル販売員をしながら必死で東京にしがみついてきたミカに対し、サヤは嫌みにしか聞こえないセリフを真顔で言い放った。

「私、お金儲けに興味ないの。カトリック系の女子校で育ったからかしら。恵まれている人は、世の中のために奉仕すべきだと思うのよ。」

その癖、ミカが体調不良でレッスンを当日キャンセルした際は、きっちりキャンセル料を請求してきたから驚く。

本物のお嬢様が聞いて呆れる。

そもそも、とミカは思う。本物の定義とは何なのか?
上質なもの=本物、と誰が決めたというのだろう。

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