フレンチのイメージが一新!2016年に大流行した“モダンフレンチ”を代表するのはこの4店だ!

「北海道から届いた走りのブリを根セロリ、カレーとの意外な組み合わせで」。石井シェフが好む「根セロリのピュレとカレーオイルの組み合わせ」を取り入れた一品。カレー風味のミックススパイス「マドラス」の香りを移した液体窒素がドラマチックに煙る

食材の産地に想いを馳せ、日本の風土を五感で満喫
『sincere』

2008年のオープン以来、松濤で絶大な人気を博した『レストラン バカール』が突然閉店し、シェフの石井真介氏が1年の準備期間を経て4月にオープンした『シンシア』。

¥9,600のおまかせコースには、料理でお客を楽しませようとするシェフのエンターテインメント精神が溢れ、皿には楽しい仕掛けが満載だ。たとえば旬のブリの皿に煙る液体窒素は、数分経つとオイル状になり、そのカレーの香りが根セロリのピュレと相まってフレンチのエスプリを漂わせる。

錫の器に秋の景色を取り入れて盛りつけられたデザートは、和栗の渋皮煮とアイス、クランブル、洋梨のマリネを使い、マロンパイの要素をアレンジしたもの

お客の要望を取り入れてカスタマイズされる¥13,000のオートクチュールコースでは、希望すれば、旧『バカール』のスペシャリテを組み込むこともできる。

『イデミスギノ』出身のパティシエ大山恵介氏のデザートは、いが栗や山ブドウなどを添え、秋の風景を取り入れた盛りつけも魅力的。食べる前に眺めれば、山に栗が落ちている情景が浮かび、産地への興味も深まるというもの。五感で風土を味わわせるアプローチがモダンだ。

木の質感を生かした温かみのある空間に、深いグリーンの椅子をゆったりと配置した店内

『オテル・ドゥ・ミクニ』で三国清三氏に師事し、フランスの名店で腕を磨いた石井真介シェフ

前菜「北海道産秋刀魚の軽い燻製と里芋、椎茸、茄子のプレッセ」。旬の秋刀魚は塩で締めてから冷燻し、ミキュイにしたもの。シャンパンと共に楽しみたい

旬の国産素材を生かした料理に出会える
『ALLIE』

目に美しく華やかで、味わい深く、食後感は軽やか。食べ慣れた大人が望む理想のフレンチを作ってくれる原島忠士シェフは、「日本人の心にささり、リラックスして楽しんでもらえるフランス料理」を目指し、秋は秋刀魚、冬はフグなど、誰にとっても馴染み深い旬の食材を生かすことに心を砕く。

たとえば秋刀魚は塩で締めてミキュイにし、トラフグはフリットやロティにするといった具合で、どの料理も脂分控えめで滋味深く、野菜もたっぷり。これから旬の本番を迎える鴨は、皮の食感を生かすため、フランスでは考えられないほど丁寧な下ごしらえを施す。

肉料理「青森産バルバリー種鴨胸肉の炭火焼」。皮目を3日間かけて乾かし、余計な水分を飛ばしているため、皮目のパリッとした食感が心地よい。11月中旬以降は真鴨も使用

日本の食材を小細工せずに生かすスタイルは、かつて勤めた名店『ランベリー』のシェフ、岸本直人氏の影響が大きいとか。

ワインは常時6種がグラスで楽しめ、21時以降はアラカルトでの注文もOK 。「牛舌バーガー」と上質な1杯のボルドーワインを目当てに、2軒目として訪れるのもいい。

料理長の原島忠士さんは27歳から3年間フランスの星付きレストランで研鑽を積み、帰国後『ランベリー』で8年間の勤務を経て独立。東京都公認のふぐ調理師免許を持っている

白と焦げ茶でまとめられたシックな雰囲気。カウンターは21時以降ワインバー感覚で気軽に利用できる

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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