東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』 Vol.11

世界のエリートに聞いた「5年前の自分にキャリアアドバイスするとしたら何を助言するか」


【グローバル・キャリア・アドバイス Vol.2】
社会的名声のある仕事よりも、自分のキャリアビジョンを大切に

「3年前、私はニューヨークで投資銀行家としてデビューしようとしていた。これはアメリカを知りたいという思いを遂げる長い旅路になると思っていた。

今、振り返れば、ニューヨークのインベストメントバンカーといった社会的名声と、自分を3年以内に特定の技術者にしてくれる仕事を交換すべきでなかったと思っている。もっと長期的に考え、またプロとしてのキャリア開発の目的にフォーカスをあてるべきだった」

<グローバルエリートからの講評>
社会的名声や報酬よりも、価値観で仕事を決める時代

この「社会的名声の高さや報酬の高さで仕事を選ぶな」という忠告は、どこの国に限らず、若手ビジネスパーソンの永遠のテーマであるように思われる。周囲にうらやましがられ、高収入の仕事の機会に恵まれると、最初は「人生修行の数年だけ」とか自分を説得しつつも、そのままずるずると社会人人生の大半を送り、ある日ふと「この人生、快適だけど、自分の人生ではない」と気づいてしまうのだ。

この手の“人生に重要な自分の価値観との整合性”を仕事に求める人が、最近、随分増えており、だからこそゴールドマンを辞めて社会企業家にとか、マッキンゼーを辞めてNPOをとか、モルガンスタンレーを辞めてパン屋さんを――などの“社会的にエリートとされる仕事を辞めて、わが道を行く”生き方に喝采が送られるのだろう。

これらは「自分もいわゆるエリートな仕事ではなく、本当にやりたいことは別にあるんだけど、勇気がなくて踏み出せない」という多くの人に勇気を与えるロールモデルだからこそ、われらが「東洋経済オンライン」でも“元エリート会社社員による起業体験”のような話が、“グローバルエリートは見た”の次くらいに高く評価されているのだろう。

有名な心理学者のマズローも「衣食住が足りて帰属意識が満たされると、人間は自己実現を求める」と説いているが、これはキャリア選択にも当てはまり、食べていける給料が満たされれば“人生で実現したい価値観”にキャリア選択の軸足が移るのは、自然な流れなのである。

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