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  • 負けられない女たち Vol.3

    負けられない女たち:自分が好きな男or自分を好きな男。どちらを選ぶのがオンナの幸せ?

    社内恋愛をしている、広告代理店同期の久美子と頼樹(よりき)。

    お互い仕事が忙しく、会う時間はあまりない。
    「でも自分たちは大丈夫」なんて思っていたのは久美子だけだった?!

    ある日、頼樹を狙う、自分とは正反対の女・秘書の奈緒が現れた。奈緒は久美子に挑戦的な目を向けてきて、久美子のモヤモヤは溜まるばかり。
    何より、頼樹もマンザラでもなさそうで、心中穏やかでない久美子。

    奈緒に負けないよう、久美子は自分磨きに目覚めた。
    だが、ある日頼樹から思いもよらない言葉を聞いてしまい……。

    vol.1:付き合って5年の彼が言った「最近、女忘れてない?」。その真意とは!?
    vol.2:ライバルがデート先に出現!認めたくなかった“嫉妬心”に翻弄された夜


    誠実さを履き違えた男に翻弄される・・・


    「今度、秘書の山崎さんと合コンするんだ~」

    週末、頼樹の部屋で一緒に過ごしていると、悪びれることなく言われて久美子は目眩を覚えた。

    久しぶりに手料理を作り、一緒にワインを飲んで楽しい時間を過ごしていたのに、ワインで上機嫌になったのか、頼樹から嬉しそうに報告されてしまったのだ。

    「合コン?何のために行くのよ。」

    つい、語気が強くなるが頼樹は特に気にしている様子はない。それどころか、ご丁寧に合コンの日時と開催場所まで知らせてきた。それを誠意だと思っているのなら、都合の良い勘違いだ。

    「大丈夫、大丈夫。オレは男集めるために呼ばれただけだから」

    呑気な事を言ってる頼樹に、久美子はさらにたたみかける。

    「じゃあ男集まったなら頼樹まで行く必要ないじゃん」
    「いや、そういう問題じゃないんだよ」
    「じゃあどういう問題よ」


    そこから先はまったく話が進まず、平行線のまま同じやり取りが続いた。

    「そんなに怒らないで。もっと信頼してよ」

    顔を覗きこむようにして言われたが、久美子は頑として態度を変えない。気まずい空気が続いてしまい、久美子はすっくと立ち上がった。

    「予定変更!やっぱり今日は帰るから!」

    宣言して、使った食器もそのままにバッグを掴む。バタンと勢いよく扉を閉め、頼樹の部屋を出た。彼もそれ以上説得する気はないらしく、追いかけてくることはなかった。

    久美子の怒りは爆発。禁断の策を講じる・・・!?


    山崎奈緒が現れてから、頼樹との関係がなんだかしっくりこない。
    頼樹の家から駅に向かう道を足早に歩きながら、久美子はイライラする気持ちを抑えきれず、想いをめぐらせた。

    もしかしたら相手が山崎奈緒でなければ、合コンの話しだって大目にみたかもしれない。ただなぜだかわからないが、山崎奈緒にだけは、負けたくないのだ。

    ―そっちが合コンに行くなら、私だって……!

    久美子は半ばヤケになって、数日前の出来事を思い出しながら岡田にLINEを送った。
    岡田とは、久美子と頼樹の同期にあたる男だ。

    “やっぱりデートしよう”

    メッセージを送ると、すぐに返事がきた。岡田は驚きながらも、都合の良い日を聞いてくる。久美子は迷わず、頼樹と奈緒の合コンと同じ日を指定した。

    “了解。楽しみにしてるよ”

    岡田からの返事を見て、スマホをバッグにしまう。
    一度は岡田の誘いを断った久美子だが、ある考えが頭に浮かび、勢いでそれを実行することに決めてしまったのだった。

    そのきっかけは、合コン話で頼樹とのケンカが勃発する、数日前に岡田との間で起こったある出来事まで遡る……。

    Pantene

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