SPECIAL TALK Vol.18

~テクノロジーへの興奮が、新しいビジネスを生み出す~

インターネットとの出合いと興奮。起業への道を歩み始める

金丸:その後、インターネット関連の事業を始められますが、インターネットとの出合いはいつですか?

谷口:商社に就職して6年目の、ちょうど楽天が創業した1997年頃です。『これでインターネットに繋がる!』という、CD-ROM付きの洋書を書店で見つけてすぐに買い、英語の分厚い本を読みながら、ソフトをインストールしました。ピーピー、ピーピーという音のあと、ゆっくりとホームページが現れて、「なんじゃこりゃ?!」と興奮しましたね。海外出張には何度も行っていたのですが、「その海外が、今目の前にある!」という不思議な感覚に襲われました。今でもあの衝撃は忘れません。

金丸:その“興奮”が、起業へと邁進させたわけですね。

谷口:そうですね。当時、後輩たちとインターネットで何かできないだろうかと、いろいろ研究していて、「コンテンツを作ろう」という話になったんです。「じゃあ、外国の人は日本の何に興味がある?」「それは日本のファッションだろう」「だったら、原宿でファッショナブルな女の子たちの写真を撮って、ホームページにアップしたらどう?」ということで、「原宿美少女ストリート」というサイトをアップしました。そしたら、それが無茶苦茶ヒットしまして。

金丸:谷口社長ならではの面白い発想です。

谷口:今思うと、ほんとに単純なんですけど、そのうち学研の『BOMB』という人気雑誌からお声がかかり、「今度『BOMB』のインターネット版を作らないか?」という話が舞い込み、学研初のインターネットサイトを立ち上げることになりました。

金丸:トントン拍子に話が進んでいきましたね。

谷口:それで商社を辞めて、独立しましたからね。サイト開設後は順調で、大手の芸能事務所やポータルサイトなどからも仕事の話がくるようになりました。事業拡大に向けて、ネット上の決済システムを作ろうと特許も出願し、いざ出資金を集めようとした矢先、ネットバブルが弾けました。

金丸:それで資金調達を断念したのですか?

谷口:市場から資金が一気に引き上げられてしまいましたから。そんな時、文科省のヒト型ロボット研究所に入った知人から「遊びに来ない?」と誘われ、見学に行ったんです。そこでロボットに出合い、「これだ!」と思いました。

金丸:今度はロボットに興奮したんですね(笑)。

谷口:はい、興奮しました。実体がないインターネットと違って、ロボットはリアルに存在します。その場で「ロボットを開発したい」と思いました。インターネットの時もそうでしたが、好奇心を刺激される新しいテクノロジーとの出合いには、いつもワクワクさせられます。

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